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 決算を分析する上で、拠点毎、部門毎の細分化は必須です。
 
 仮に、A社の売上は1億円 経常利益1000万円 経常利益率10%。
 全体を見れば立派な数字です。
 
 A社は、二つの主力事業によって成り立っています。
 B事業 売上7000万円 経常利益1500万円 経常利益率21%
 C事業 売上3000万円 経常利益▲500万円

 この数字からすれば、儲からないC事業から撤退して、B事業に特化した方が良い。
 選択と集中は当然でしょう。 
 しかし、それ以上に重要なのはトレンドです。

 B事業は、3年前まで1億円を超える売上と、今以上に高い経常利益率を誇っていたが、近年同業他社の参入により競合が激化し、売上も利益もジリ貧の傾向にある。

 一方、4年前に立ち上げたC事業は、先行投資が嵩み当初大赤字であったが、徐々に市場を拡大し、黒字化まであと一歩の所まで来ている。

 これがトレンドだとすれば、寧ろB事業からフォードアウトしつつ、C事業へシフトする大方針を掲げる必要があります。
 
 今期の見通しに一喜一憂せず、過去3年の決算および向こう5年間の計画を求める理由がこれです。

時間軸の期待値

 クライアントと営業マンとの間で、ありがちな齟齬。

 「本件については宿題とさせて頂いて、来週改めてご回答差し上げます。」

 この言葉の、各々の解釈は以下の通りです。

 クライアントの受け止め方
 「早ければ月曜日。遅くとも火曜日には来るだろう。」

 営業マンの腹づもり
 「締め切りは土曜日まで。 場合によっては週末に電話して、再来週の月曜日にアポ取り。」

 締め切りを明確化しなかったことで、期待値にこれだけの差が生まれ、クレームの火種となります。
 上司と部下との間で交わされる、指示命令でも同様の事態が起こり得ます。

 相手が上司でもクライアントでも、こうした時間軸に関わる宿題は、早いに越したことはありません。
 来週と言っていた回答が翌日に持ち込まれれば、その速やかな対応に感心されて、内容が50点であったとしても承諾して貰えたりします。
 一方、期待値よりも遅かった場合には、例え100点の回答であったとしても弾かれる恐れが高くなります。

 巧遅は拙速に如かず

 相手方の時間軸の期待値を読んで、先手を打つことは、交渉を有利に進めるための最優先課題です。  

栽培カレンダー

 単年度業績を重んじるなら、短期の利益の最大化に舵が切られます。

 ・ 新卒採用はしない
 ・ 設備投資はしない
 ・ 拠点展開はしない
 ・ 新事業には取り組まない・・・

 これらはすべて、短期的にはマイナス。
 やらない方が良いものです。
 しかし、それでは夢も浪漫もありません。

 農耕に例えれば、新たな種蒔きをしないのも同じ。
 種蒔きをしたからといって、すぐには食べられませんが、やがて芽が出て、花が咲き、実が成ります。
 逆に、種蒔きばかりして、収穫せずに、実を腐らせたら台無しです。
 
 収穫をしながら、草取りをしながら、消毒をしながら、摘果しながら、畑を耕す・・・。

 途切れない収穫を得るために、時期を見定める五ヶ年計画は、栽培カレンダーの様なものです。

敵は社外にあり

 技術と営業とが部門を分けている場合、得てして二者間には部門管障壁が立ちはだかります。
 前職の会社でもそうでした。

 例えば工期。
 施工管理現場は大忙しで、残業しても休日出勤しても追い付かない程の現場を抱えているにも関わらず、営業が工期の厳しい仕事をとってくる。
 仕事を頂くということは本来有難いことであり、喜ばしいことなのに、厄介な御荷物の様に扱われてしまう。
 最終的なしわ寄せはすべて現場に来ますので、気持ちは判らないでもありません。
 
 理想形は平準化です。
 例えば年間120の仕事をこなすとして、一ヶ月に10ずつ、平準受注し、平準着工し、平準引き渡しし、平準入金する。
 そうできれば、現場もスムーズですし、資金繰りも楽になります。

 しかし、営業の立場とすれば、そう都合良くはいかない。
 仕事は、取れる時に取っておかないと・・・と思う。

 これを解消する方法が一つだけあります。
 生産能力に比較して、溢れるほどの受注見込みを抱えた上で、利益率が高く、工期的に隙間を埋められるものだけを選別受注するのです。

 勿論、他の追随を許さない特殊技術や卓越した能力を有していなければ、こちら都合の工期で儲かる仕事だけ下さい等という、殿様商売が成り立つ筈もありません。

 結果、理想論は理想論とした上で、トップがリーダーシップを発揮し、技術と営業がコミュニケーションをとりながら消化していくことになります。

 何より大前提として、技術と営業は、同じ会社内の味方です。
 標的とすべき敵は社外に居ます。

チャレンジする勇気

 今、低収益に喘いでいる会社や事業や店舗が、抜本的な再建策を講じるとします。
 では、そもそも何が抜本的なのか?

 ・ 営業訪問件数を増やす
 ・ 広告宣伝費を減らす・・・

 これでは抜本的とは言えません。

 ・ 粗利率を上げるために、プライベートブランドのオリジナル商品を開発する
 ・ 外注している〇〇検査の機器をリースして、内製化することで粗利率を上げる
 ・ 他社に投げている〇〇事業を、別会社にして立ち上げる
 ・ 収益性の低い〇店と△店を退店し、新たに◇店をOPENする・・・

 こうした大きな変化を伴ってこそ、抜本的な改革、抜本的な再建案です。
 勿論、社内は混乱します。
 リスクが伴います。
  
 打席に立たなければ、三振も、ダブルプレーもありません。
 しかし、ヒットも打てません。

 カーネルサンダース氏は、65歳にして一念発起し、営業行脚(あんぎゃ)を始めます。
 「NO!」「NO!」「NO!」「NO!」「NO!」「NO!」・・・断られること実に1,009回。
 1,010人目のお客様に、やっとの思いで買ってもらった一枚のレシピこそが、今日のケンタッキーフライドチキンの原点でした。

 チャレンジする勇気は、年齢や環境とは無縁のようです。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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