割の合わないギャンブル

 数々の偉大な記録を打ち立てた自転車競技界の至宝、ランス・アームストロング選手が初めて薬物使用を認めました。

 「タイヤに空気、瓶に水を入れるように・・・それが仕事の一部だった。」

 このニュースは、瞬く間に全世界へ拡がり、大きな衝撃を与えました。
 恐らく世界中の人々は、この結論について、粗方予想はついていたものと思います。
 それでも、かつての英雄自身が、自らの言葉で語る真実は、とても重いものでした。

 母子家庭に育ち、並はずれた才能を弛まぬ訓練によって開花させたアスリート人生は、決して順風満帆ではありません。
 25歳の時、精巣腫瘍という癌に侵され、肺と脳に転移し、生存確率は50%しかないことを告げられます。
 所属チームは再起不能と判断し解雇通告。
 
 こうした逆境や困難を、強靭な体力と不屈の精神力で乗り越え、ツールドフランス7連覇の偉業を達成するのです。
 引退後は、自ら基金を設立して癌撲滅に取り組む等、社会貢献活動にも取り組んでいました。

 では、元英雄は何故、今のタイミングで真実を語ろうと思ったのでしょう。
 彼の場合、ただの一度も検査で発覚したことはありません。 
 これまで通り、本人さえ口を閉ざし続ければ、永遠にグレーなまま封印することも可能だった筈です。 

 彼の人生の、1%の過ちを除く99%の努力を前にすれば、「良心の呵責に耐え兼ねて」という表現は、余りにも陳腐に聞こえます。
 「嘘吐き」のまま生涯を終えるのか、「告白」によって贖罪のきっかけを得るのか、英雄でも無く、アスリートでも無く、慈善家でもなく、それは一人間として迫られた究極の選択の答えです。
 
 その勇気に、自分は大きな拍手を贈りたいと思います。
 そして今、彼の姿を直視し、ドーピングを始めとした不正が、いかに割の合わないギャンブルであるかということを我々は学ぶべきでしょう。
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プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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