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高くない報酬

 エイブルの看板を掲げているため、賃貸仲介・賃貸管理がメインではありますが、それに付随して派生する売買仲介のご用命も少なくありません。
  
 拙文を通じていつも、『上手くいかないのが人生』という話をしておりますが、本当に『上手くいかないのが売買』と言えます。
 少なくとも、これまでに決めた何十本の内、総てが順風満帆と言える取引は一件も無かった様です。

 大なり小なり必ず障害が現れ、それを乗り越えて初めて成就します。
 いや、ゴールを見届けられればまだしも、途中で頓挫することの方が大半です。

 ① 経費をかけて謄本や公図を取り寄せ、
 ② 現地調査、役所調査に何度も出向いて物件概要を把握し、
 ③ できるだけ高く売りたい売主の意向と、
   できるだけ安く買いたい買主の意向を汲んで、折り合える額を導き、
 ④ 正式な媒介契約書を取り交わし、
 ⑤ 購入に際して必要な資金の流れを表にして説明し、
 ⑥ 購入の意思が固まれば、融資が受けられる様に取り計らい、
 ⑦ 重要事項説明書を作成、説明し、
 ⑧ 売買契約書を取り交わし、
 ⑨ 決済へ向けた阻害要因を排除すべく尽力し、
 ⑩ 総ての条件がクリアできた段階で、
   金融機関と司法書士に依頼をかけ、無事引き渡し。

 我々が受け取る仲介手数料は、あくまでも成功報酬ですから、①~⑩のどの段階で躓いても、タダ働きになってしまいます。 
 しかも、引き渡しで仕事は終わりではありません。
 将来的なリスクにも一定の責任を負う必要がありますし、有事の際には、報酬返上だけでは済まないことも充分あり得ます。

 1000万円の取引で36万円、1億円の取引で306万円という法定報酬額は、素人目にはついつい「濡れ手で粟」と見られがちです。
 先日、あるお客様から、「この取引で◇◇万円も儲けるのか?」と言われて、久々に脳が煮沸しました。 
 
 この売主と買主は御近所同志なので、業者を外して個人取引も可能です。
 しかし、できるだけ高くと考える売主と、できるだけ安くと思う買主は、利益相反の関係ですから、この取引を通じて険悪な仲に成る恐れもありますし、それ以前に成就しないかもしれません。

 専門家のアドバイスがないために、法律を違えて、将来に禍根を残す可能性もあります。
 税制面で不利な契約を取り交わし、後々損することも有り得るでしょう。
 
 弁護士や探偵事務所は、報酬額の約半分を着手金として請求します。
 その着手金は、依頼主の目的が完遂できなくても、絶対に返還しません。
 専門知識を備えたプロが、時間を割いてコンサルし、実働が伴うのですから当然という理屈です。
 
 それに比較して、先述のお客様の台詞に象徴される様に、不動産業の社会的位置付けのいかに低いことか。
 中途半端な仕事で報酬をせしめ、安易に値引きに応じる、ブローカー的業者を蔓延らせる、我々業界の側にも問題があるでしょう。
 知識とプライドを持ち、胸を張って報酬を請求できる、コンサルティング集団を目指したいものです。
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プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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