対抗力あり公信力なし

 マンション一棟物の売買が完了しました。
 一生勉強とは言いますが、これは紛れもなく記憶に残る取引です。

 取引を阻む大きな障害三連発。
 その何れもが、破談に直結する、メガトン級のものでした。
 
 最初は、入居契約にまつわる障害。
 売買前にクリアしておかなければ、後々禍根を残す恐れがあります。
 
 二番目は、接道に関する障害。
 建築確認上、この進入路を接道として、見た目も実態も、30年来公衆用道路として通行している訳ですから、よもやこんな落とし穴があるとは気づきません。
 30年前の取引時の、重要事項説明にも誤りがあったことは明白です。

 三番目は、昭和40年代に行われた国土調査の結線ミス。
 いわゆる、正式な境界ポイントからずれて結線。
 平たく言えば、謄本・公図共、他人地に越境しているのです。

 登記は、権利を第三者に対して主張できる、法的な対抗力があります。
 公図は、土地の境界や建物の位置を確定するための地図です。
 公図と登記簿謄本に記載されている事項は、権利関係を示す証拠でありながら、公信力はありません。

 公図の場合、14条地図を原則としながら、それに準ずる地図も総称して公図と位置付けられています。
 14条地図は、現地の境界が不明瞭であったとしても、復元性が高い正確な図面です。

 ところが、法務局で入手できる公図の内、14条地図は半分程度。
 従って、何十年も前の国土調査時の公図は、当てになりません。
 この当てにならない公図に基づき、面積等を記載した登記簿謄本も同様です。

 改めて、不動産取引は、実に不確かな権利を売買しているのだと痛感しました。
 その不確かな権利を、調査と交渉によって、より確かなものに近付けることが、不動産業者の腕の見せ所でもあるのです。
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プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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