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時は孤独の妙薬

 瀬戸内寂聴さんは、若かりし頃、夫の教え子との禁断の恋に落ち、夫も娘も捨てた経歴を持ちます。
 その後、作家「瀬戸内晴美」として、次々とベストセラーを世に出す一方、過去を省(かえり)み天台宗で得度し、今は法名「寂聴」として、迷える人々に勇気を与える日々です。
 著書「孤独を生ききる」の中で、不遇な女性からの相談を受けた際の様子が描かれています。

【 結婚式の直前に、最愛の婚約者を、突然の交通事故で亡くしてしまう。
 悲しみ、苦しみが止め処なく襲い、打ちひしがれる様子を見て、「後を追うのではないか」と心配した家族が、行動を見張る日々。
 そんな苦難が続いたある日、新たな出会いが訪れ、やっと立ち直るきっかけを得る。
 機が熟し、いよいよ結婚しようという気になった時、親友にその人を取られ、別れを余儀なくされた。 
 孤独感と人間不信感が益々募り絶望し、今は出家することを考えている。】

 同様の経験は無くても、この女性の気持ちには誰しも共感できるものです。 
 寂聴さんは、こうアドバイスします。

【 出家というのは、そういう現実的な、形而(けいじ)的なことでは出来ないのです。
 考えてもごらんなさい。
 フィアンセが事故死された時、あなたはその悲しみから立ち直る日があるなどと、想像できたでしょうか?
 どんな苦しみも悲しみも、人間は生きて耐えていたら、いつの間にか「時」が薬になって、少しずつ癒(いや)してくれるものなのです。
 
 忘却という能力が人間に与えられているのは、神仏の劫罰(ごうばつ)なのか、恩寵(おんちょう)なのかと、私は今でも判りかねます。
 でも、どんな苦しい経験も、辛い想い出も、その時に受けたと同じ強さを保って、人の中に住み続けるということは決してないのです。

 不幸の峰をいくつも乗り越えて、歩み続けるのが人間の生き方だと思います。
 「日にち薬」という特効薬だけが、今のあなたの孤独の淵を必ず攀(よ)じ登らせてくれます。 】

 何と見事に、心洗われる説法でしょう。
 いかに孤独でも、時だけは味方してくれます。
 そして、苦しみも悲しみも、時の経過が癒してくれます。
 
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プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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