買い叩かれる土地

 道路付けの良い農地(田・畑)をお持ちの方が、その土地を処分されることがあります。
 農地を農地のままで売買する場合、買主は農家に限定され、農地法第三条の許可も必要です。
 また、農地は安価で、売主の期待にはそぐわない可能性もあります。

 そこで、分譲宅地として売却となります。
 しかし、不特定多数を対象に反復継続して宅地を販売できるのは、宅建業者だけ。
 土地を一括売却し、譲り受けた宅建業者が区画して分譲するのが一般的です。 
 勿論、農地を宅地に転用するに当たって、農地法第五条の許可が要ります。

 大事なのは、宅建業者への売却価格が幾等かという点でしょう。
 地主の方に多く見受けられる、勘違いのポイントは・・・。

◆ 「以前、この辺で取引があった際の価格は、坪30万円だった」
  そもそも、その以前とはいつなのか?という話ですが、それは置いておいて・・・。
  土地の価値は、様々な条件で変わります。
   
 ① 間口 (接道している間口は4mなのか? 20mなのか?)
 ② 高低差 (落ち込んでいて造成が必要なのか? 平坦なのか?)
 ③ 形状 (三角地なのか? 正形地なのか?)
 ④ 地盤 (沼地で地盤改良が必要なのか? 頑強地盤か?)
 ⑤ インフラ (給排水管は前面に来ているのか? 遠くから引き込むのか?)
 ⑥ 方位 (分筆した土地の道路付けは南向きなのか? 西向きなのか?)
 
  例えば同じ1,200㎡の土地であったとして・・・。

 < A > 
 奥行12mで横長く南面道路に接道した正形地であれば、進入道路を入れることなく羊羹を切る様に10区画取れます。
 道路平らで高低差もなく、地盤も頑強で、インフラも整っていれば言うことはありません。

 < B >
 接道間口は6mで、深い敷地の奥まで道路を引っ張っていくため、売れる有効面積は6割程度しかない。
 敷地は大部分が落ち込んでおり、擁壁や盛土が必要。
 沼地部分が一部あり、地盤改良は必須。
 給水管まで20m離れているため、引き込み費用が多額にかかる。
 形状は三角地でロスが多く、おまけに西向き・・・。

 こうなると、AとBの価値の差は、倍半分でも追い付かないでしょう。
 更に、宅建業者にかかる不動産取得税、登録免許税、金利負担、広告宣伝費、そしてビジネスとして当然に上乗せされるべき利益。

 これら諸々の背景を踏まえれば、仮に「坪30万円」の相場が正解であったとしても、業者が買い取れる価格は「坪5万円」かもしれません。
 「業者に買い叩かれた」という声も耳にしますが、誤解を恐れずに申し上げれば、それがその土地の持つ価値なのです。 
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プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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