劇団の舵取り:後編

 劇団には、こだわりが必要です。
 自分が考えるこだわりは、二つあります。

1. アイデンティティ
 直訳すれば「自己同一性」、平たく言えば「オーガンスらしさ」という意味です。
 自分達のやりたい舞台を、自分達のやれる範囲で、楽しみながらやる。
 そのために、寄附や行政に頼らないという掟があります。
 頼ってしまえばその時点で、外部からの干渉を受け入れることになってしまうでしょう。
 オリジナルへのこだわりも、その一つの表れです。

2. メッセージ性
 「環境保全」、「障害者問題」、「高齢化社会」・・・旗揚げから22年。
 劇団はこれまで、様々なメッセージを演目に込めて来ました。
 観劇する一時間なり、二時間なりの時間が、単に面白ければ良いというものでは無いと思います。
 観客の皆様の心の中に、幾何かなりと爪痕を残せる・・・それが理想です。

 それにしても松岡は、歳を取り過ぎました。
 経験と共に道理や理屈を少しばかり憶え、社会性や思想色が、より濃くなる傾向は否めません。
 しかも、中途半端で稚拙な演劇論がベースであるため、エントリー作品も含めて、概ね消化不良に陥りがちです。
 
 その典型が、20周年記念公演の「COLD SLEEP」。
 初めて申し上げますが、本作は東日本大震災を受けてなお稼働し続ける、原発批判がベースにあります。
 強いメッセージ性にオブラートを被せながら、コメディー化して、大団円に持って行こうとしたのですが、結果は大失敗でした。
 内子座はホームなので、観客の声やアンケートの内容は温かいものの、仕上がりは自分が一番判っています。

 そういう意味でお手本となるのが、稲月Pが書いた昨年の演目「学問のススメ」。
 しかしこの作品は、3年程前からエントリーされながら、当時は採用の俎上にも上りません。
 自分自身、脚本を繰り返し読んだけれど、その潜在力に気付かなかった一人です。

 コンテンツで伝えられる情報は限られています。
 ある意味、書いた人にしか判らない演出意図や伏線もあるでしょう。
 自分は、書き上げてきた彼の思いに敬意を表し、才能に賭けたい・・・と自分は思っていました。 

 ところが、選考会における劇団員一人ひとりの、深く読み込まなければ絶対に気付き得ない、的を射た鋭い考察に、自らの浅はかさを知り、心は揺れるばかり。
 ただそれは、劇団が一段高いステージへと飛躍したことの証明でもあります。    以上
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プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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