会いたくない時に会え

 私が賃貸管理・仲介の仕事を始めて間もない、30歳の頃の話しです。
 親会社が建てた、新築マンションの入居が思わしくありません。
 
 電車通り沿いで騒音が酷い、家賃設定が高過ぎる、4FなのにEV無し・・・。
 選ばれない理由は明確でした。
 それでも、同じグループのことなので、「物件が悪い」とは口が裂けても言えません。

 お会いする度に、オーナー様からは嫌味を言われ、プレッシャーをかけられます。
 管理契約も任せて頂く約束でしたが、「満室になってから」と条件付きになりました。

 経験も知識も無い中で万策尽き、苦手意識も手伝って次第に足が遠のきます。
 そのタイミングで上司から、「あの物件どうなってる?」と聞かれ、赫々云々(かくかくしかじか)と状況を説明したところ、「今から行こう」ということになり、物件の1Fで店舗を経営されているオーナー様の元へ。
 
 正直、嫌で嫌で溜まりません。
 伺うと案の定、言葉のサンドバックで滅多打ちに遭いました。
 帰りの車中、上司が一言。

 「会いたくない時ほど会いに行け・・・それが営業の鉄則だ。」

 確かに、この時に伺って苦言を頂戴していなければ、更に不満は募り、信用を失っていたでしょう。
 それから二か月後、あの手この手で入居斡旋に努め、何とか満室の日を迎えることができたのです。
 
 決して、成功体験の押し売りではありません。
 実際、この話にはオチがあります。

 満を持して管理契約書を持参したところ、オーナー様からこう言われました。
 「御存じの通り、1Fで店を営んでいるのでね、管理はうちでやらせて貰いますわ。」
 
 現実は厳しいものです。
 成果にこそ結実しませんでしたが、かけがえのない教訓と経験は貴重な財産だったと感謝しています。
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プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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