経験に学ぶ愚者

 前職の会社も、往時はそれなりに名を馳せる企業でした。
 平成十年、分譲マンション事業の組織化をきっかけとして、僅か数年で売上は3倍超の340億円。
 社員数は5倍超の500人・・・これは単体の数字ですから、グループを加えれば更に膨らみます。

 しかし、ピーク時から、僅か3年で民事再生法申請。
 松岡がグループを去った後も、かつての同志達は、再生を目指して懸命に取り組みましたが、5年後に破産。
 今の自分を育ててくれた会社は、無念にもこの世から消えて無くなりました。
 A級戦犯の一人として、今もなお責任を痛感している次第です。

 さて、改めて当時の決算を振り返りますと、史上最高の売上は平成18年。
 その最高の翌年から、三年連続で10億円超の経常赤字。
 積年積み上げた内部留保を使い果たし、階段を転げ落ちるかのような勢いで急降下します。
 これが分譲マンション事業の恐ろしさです。 
 
 史上最高の売上ということは、裏を返せば史上最高の在庫を持ち、史上最高の用地を抱え、史上最高にリスクが高まっています。
 史上最高売上とはいえ、この年の経常利益率は僅か0.3%。
 その低収益を底上げせんと、更に用地を仕入れ、物件を商品化し、在庫とリスクを積み増していく訳です。
 
 売れ続けるとしたら、価格決定権を有し、生産コントロールが可能なマンションほど、儲かる商品はありません。
 しかし、売れなくなれば融資が止まります。
 融資が止まれば、資金繰りが立ち行かなくなります。
 
 資金は血液です。
 どれだけ屈強な身体であったとしても、血液が止まれば突然死します。
 突然死を回避しようと、手持ちの在庫や用地を片っ端からダンピング販売。
 これにより一時的に血液は流れ、一息つくのですが、ダンピングしたツケは、最終的に決算を痛めます。
 
 先述のピーク時は、分譲マンションの売上シェアが約半分にも及んでいました。
 経済・経営の勉強を熱心に重ね、単一事業、単一商品に依存することの危険性は、充分認識していた筈なのに・・・。
 
  「賢者は歴史に学ぶ。 愚者は経験に学ぶ。」
 
 ビスマルクの声が聞こえてきます。
 経験にすら学べなければ、愚の中の愚だと・・・。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR