目減りする信頼残高

 先日の総額40万円(坪単価ではありません)の取引に続き、総額120万円の農地売買を手掛けることになりました。
 少し複雑ですが、不動産売買の報酬規定は以下の通りです。

 0~200万円 = 5%
 200~400万円 = 4%
 400万円~ = 3%

 この簡易計算式をして、400万円以上の取引については「3%+6万円」と成ります。
 過去、1億円を超える高額取引も、何度かありました。
 1億円の場合の手数料は306万円。
 売買双方から手にできる上限額は612万円です。

 たった一件の契約で、サラリーマンの年収を超えるだけの報酬を得られる訳ですから、そこだけ切り取れば「ボロい商売」かもしれません。
 しかし、先述した農地売買だとどうでしょう?

 120万円の手数料は6万円。 40万円の手数料は2万円。
 正直、賃貸仲介の方が簡便で、手離れが良く、実入りも期待できます。

 売り買いの意向を受けて媒介契約書を作成・締結し、法務局で謄本を上げ所有者を確認し、現地調査・役所調査を踏まえ、重要事項説明書を作成・説明し、契約書を作成・締結し、司法書士と銀行の段取りをして決済を調整する。
 1億円の物件も、40万円の物件も、手間・責任は一緒です。

 更に農地売買は、農地転用の手続きが必要で、最低でも2ヵ月越しになります。
 加えて、120万円の物件は8名の共有名義。
 その8名は、文字通り全国に散らばっています。 
 以前には、オーストラリア在住の方と、国際郵便でやり取りしたこともありますから、国内ならまだ良しとしましょう。

 それでも、地元にいらっしゃるお一人を代表に立て、残りの7名の方から委任状をとりつけないといけません。
 説明の信書と委任状のひな型と返信用の封筒をお送りし、1ヶ月かけてやっと委任状が揃いました。
 さていよいよ売買契約をという段階で、所有者のお一人が他界されて相続が発生。
 これにより、また1ヶ月延びた次第です。

 とはいえ、他の7名の中で相続されたことがせめてもの救い。
 これが仮に、その方の孫子に拡がったとすれば、更にややこしいことになっていました。
 紆余曲折の末、年内には何とか決済が見届けられそうです。
 
 賃貸仲介する上で、「単価が低い」「元付業者と折半になった」と不満が首をもたげてきた時には、この話を思い出して下さい。
 小さな仕事を一所懸命積み重ねてこそ、信頼残高が積み上がり、大きな仕事が舞い込んできます。
 信頼残高は目に見えないものの、小さな仕事を蔑(ないがし)ろにする度に目減りしているのです。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR