成果主義の失敗

 評価のあり方は、とても難しいものです。
 成果主義、実力主義、年功序列・・・。
 それぞれ一長一短です。

 やったらやっただけ報われるため、社員のモチベーションが高まる。
 個人や店舗や事業の成果に従って原資を分配するため、判り易くて公平感がある。

 これらが一般的に言われる、成果主義のメリットです。
 やってもやらなくても同じなら頑張らないのが人間。
 だとすれば、鼻先に人参をぶら下げて鼓舞すべきでしょう。

 しかし、実際にはそう単純ではありません。 
 運用していく上で、数々の壁が立ちはだかります。

 『数字に表れない成果』
 クレーム応対や物件登録等、数字に反映されない仕事を、どう評価するのか?
 以前、物調と仲介と管理を3人が分業した店舗がありました。
 この場合、当然に仲介担当の数字だけが良くなります。
 定性的な仕事を、定量的に置き換え難い、管理の担当者は圧倒的に不利です。

 『配属先の運不運』
 安定的に好調なA店に配属されているBさんと、OPEN直後で数字の上がり難いC店に配属されているDさんとを、単純に数字で比べて良いのか? 
 好調店に配属されるか、不振店に配属されるか、これは時の運です。
 或いは、優秀であるが故に、不振店のテコ入れを命ずることもあります。
 人事異動の大鉈(なた)を振るい難くなってしまうのは問題です。
 
 『短期の利益と長期の利益』
 成果連動報酬を得んがため、短期的な利益を最大化しようとして、長期の投資を蔑(ないがしろ)にしないか?
 「営業利益の○○%をコミッションとする」としましょう。
 計算すると、「○○万円は貰えそうだ。」と成ります。
 このタイミングで、先行投資を伴う新規出店や、規模拡大の議案が持ち上がれば・・・。
 自らの報酬のために、大きな機会(チャンス)を逃すことも考えられます。
 
 『ロイヤリティ(帰属意識)』
 順境期に活躍・貢献し、多額の成果報酬を手にするものの、逆境期になるとすぐさま逃げ出すハイパフォーマー。
 能力はそこそこで、大きな数字の貢献は期待できないが、逆境期も我慢辛抱できる、ロイヤリティの高い社員。
 果たしてどちらが、会社にとって良い社員なのか。
 
 これらの問いに、成果主義は答えを出してくれません。
 寧ろ、年功序列の方が正しい部分もあるでしょう。   
 そこを理解せずして成果主義を導入すれば、失敗することは目に見えています。
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プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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