他人物賃貸

 不動産取引における、トラブルあるあるです。

1. 貸家の所有者という女性Aさんが店頭にお越し頂き、入居斡旋を依頼される。
   同一エリア、同一条件で一戸建てを探しているBさんがいらっしゃったので、渡りに船とばかりに御紹介。
   Bさんも物件を気に入り、トントン拍子の内に契約の運びとなった。
   ところが、入居後半年経ってから、Aさんの息子だというCさんが現れる。
   「この物件は亡父から、母(A)が二分の一、私(C)が二分の一の持分で相続した。
   私は、この賃貸契約について関知していない。
   所有者確認を怠った御社に、責任を取って貰いたい。」

2. アパートの所有者だという男性Dさんが来店して、「管理をして欲しい」と言います。
   善は急げとばかりに、その場で管理契約書を作成し、署名・押印・締結しました。
   順調に入居率も推移し、一年ほど経った後、Dさんの兄弟を名乗るEさんとFさんが来店します。
   「この物件は、亡父の名義となっている。
   父は一年半前に亡くなったが、相続の登記はできていない。
   相続となると、Dだけでなく当然、私達にも権利がある筈だ。」

3. 「分譲マンションの一室を貸したい」という、Gさんの相談を受けた。
   Gさん曰く、「登記上の所有者はGさんの母Hさんだが、Hさんは認知症が進行し判断能力が無い。
   他の兄弟IさんとJさんは、母の介護をGさんに押しつけ、連絡すらしてこない。
   経済的な負担も大変なので、家賃収入を介護費用の一部に充てたい。」
   気の毒に思い、お役立ちをお約束し、何とか入居斡旋が完了。
   めでたし、めでたしと思った時に、IさんとJさんが現れて・・・。

 何れも類似のトラブルです。
 当然に契約事は、判断能力の備わった所有者を貸主としなければなりません。
 複数の所有者の持分がついている場合は、その全員を貸主とするか、代表の方が賃貸の全権を託された委任状を必要とします。
 故人名義であれば相続が完了していない限り、制限能力者であれば裁判所で後見人を立てる手続きを経てない限り、いかなる契約行為もできないのです。
 
 売買なら、司法書士による所有権移転の手続きを経るため、他人物売買には至りません。
 賃貸契約や管理契約の場合は、書面だけで安易に成立してしまうことから、トラブルの温床になります。
 これまで甘く捉えていた方は、即刻その考えを改めましょう。
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プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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