会社は誰のものか:前編

 セブン&アイ・ホールディングスCEOの鈴木敏文氏が退任を決めました。
 マスコミの扱いの大きさが、そのまま鈴木氏の存在感を示しています。

  「セブンイレブン・ジャパン」を率い、日本にコンビニを定着させたのは、紛れもなく鈴木氏の功績です。
 また、公共料金支払い、ATM設置、ドリップコーヒー販売等々、ニーズを後追いするのではなく、先読みする眼力の持ち主でした。
 
 であるにも関わらず、「晩節を汚す」とまでは言わないまでも、花道を飾れなかった原因はどこにあるのでしょうか。
 この問題の根深さは、最終的に「会社は誰のものなのか?」という、重いテーマに行き当たります。

 まず、セブン&アイ・ホールディングスという会社は委員会設置会社です。
 委員会設置会社は、コーポレート・ガバナンス(企業統治)を高めるために導入します。
 平たく言えば、経営TOPを暴走させないための組織です。
 
 まず役員は、最前線で業務執行を行う「執行役」と、経営を監督・意思決定する「取締役」とに分かれます。
 「執行役員」等、名前だけ取り入れている会社も少なくありませんが、本質は全く違います。
 次に、取締役で構成する三つの委員会があります。 

 指名委員会
 報酬委員会
 監査委員会

 それぞれの機能は、読んで字の如しです。
 但し、決めごととして、各々の委員会の構成メンバーは、半数が社外取締役でなければなりません。
 今回の発端は、好業績を続ける「セブン・イレブン」の社長を、鈴木氏が解任しようとしたにも関わらず、指名委員会の構成メンバーである社外取締役が反対の意を表明したことにあります。

 鈴木氏自身が語っている通り、「これまで、自分の意見が通らないことはなかった。」訳です。
 それほどまでに、鈴木氏の判断は正しく、先見性があり、誰も抗えませんでした。
 
 ところが、五期連続最高益を更新し続ける社長を解任することに対し、投資ファンドも、社外取締役も、最終的には大株主である創業家もNOのカードを突きつけ、鈴木氏は退任にまで追い込まれた訳です。
 ある意味、企業統治の仕組みが、TOPの暴走を食い止めたとも取れます。

 この話を聞いて連想するのが、ユニクロを展開する「ファーストリテイリング」です。
 以前、創業者の柳井氏は、玉塚氏(現:ローソン社長)を後継者に指名し、会長に退きました。
 玉塚氏は手腕を発揮し、堅調に業績を上げていきます。

 ところが、「この程度の成長では物足りない」として突然、玉塚氏を解任。
 再び、柳井氏が社長に返り咲きました。
 独断専行の解任劇に見る類似性・・・但し、実は大きな違いが二点あります。         つづく
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プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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