法の求める矛盾の縮図

 労働基準法は非常に難しい法律です。
 特に、製造業以外の中小企業にとっては難関。
 考えれば考えるほど、迷宮の出口が見つからなくなります。

 誤解を恐れずに言うならば、殆どの経営者はケチっている訳ではありません。
 頑張って成果を上げた社員には、算盤の許す限り還元したいのが本音です。

 トップレベルと平均レベルと下位レベルとは、「平等」ではなく、しっかりと格差をつけて「公平」に処遇したいと思っています。
 やってもやらなくても、成果を上げても上げなくても、同じ評価ならそれこそ不公平。
 一般的に「頑張るのは損」と考えるのが普通でしょう。

 その結果、皆が頑張らなくなってしまうか、優秀なハイパフォーマーが去ってしまうか、その両方か。
 何れにしても生産性は落ち込み、会社は存続できなくなります。
 
 来週月曜日の朝一で、御客様に提案する設計プラン。
 金曜日の朝、ベテラン設計士のAさんと、若手設計士のBさんが、ヨーイドンで作業開始。

 Aさんは、8:00~17:00までの定時内できっちり設計図を書き上げ、「おつかれさま」と言い残して帰って行きました。
 土日は家族で温泉旅行だそうです。

 Bさんは、半分もできていません。
 そこで、残業して仕上げることにしました。
 
 徹夜の末、やっとのことで完成・・・と思ったのも束の間、建築基準法上の重大な見落としに気付きます。
 最初からやり直し。
 仕方なく、土日の休日をも返上します。
 そして何とか、月曜朝のプレゼンに間に合わすことができました。

 Bさんの責任感と頑張りには敬意を表します。
 時間は誰にも公平に与えられた共通の資源。
 Bさんは時間を味方につけることで、未熟さのビハインドを跳ね返し、ベテランのAさんと同じ土俵に上がることができたのです。
 
 但しここで、Bさんが残業手当と休日出勤手当を貰ったとしたら、Aさんとのバランスはどうでしょう?
 まして、成果品を比較した際、Aさんの設計図のクオリティの方が数段高かったとしたら・・・。
 残念ながら、その可能性は充分過ぎるほど高い・・・。
 
 法の求める矛盾の縮図が、ここにあります。
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プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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