殺傷兵器としての建物

 三井の分譲マンションといえば、一つのステイタスシンボル。
 その三井のマンションで、施工不良が発覚しました。

 11階建てマンションの地質データの一部が使い回され、結果的に杭が支持層に到達していないとのこと。
 2007年完成と言いますから、住民が生活して8年が経過しています。
 既に、建物の一部に傾きが出ているそうですから、何れにしても解体を余儀なくされるでしょう。

 こうした事件の度に思い出されるのが、今から十年前に起きた、姉歯一級建築士による構造偽装問題です。
 構造計算データ改ざんにより、著しく耐震性能の劣るマンションが次々発覚し、世の中を震撼させます。
 前職の会社も風評被害に晒され、3年後の民事再生法申請に至る序曲となってしまいました。
 
 建物を建築する際の確認申請は許認可制で、行政や委託機関が審査します。
 その大前提は性善説。
 即ち、「資格を持ったプロフェッショナルは責任ある確かな仕事をする」という考え方の元でチェックする訳です。

 仮に、性悪説に基づいて一からチェックするならば、確認申請が下りるまでに数ヶ月かかるかもしれません。
 実際、構造偽装問題直後はチェックが重くなり、着工の目処が立たない状況が続きました。

 ここで問題なのは、一級建築士も人間であるということです。
 資格を取得した段階で、一定の知識と技術の検証はできます。
 しかし、心身ともに健康であるか否かは判りません。

 多くの乗客を道づれにした機長の先例から、副機長による牽制や、心の健康のチェックといった仕組みが取り入れられてきた様に、具体的な再発防止策が求められるでしょう。
 万が一、巨大地震に見舞われた際、その建物は殺傷兵器と化すのですから。
 我々は、商売に先んじて「命を守る器」を提供しています。
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プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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