剥がれ落ちた天婦羅の衣

 東芝の会計不祥事が波紋を呼んでいます。
 思う数字が出ない時、「チャレンジしろ!」と檄を飛ばしたことから、トップダウンの会計操作が疑われている訳です。
 法的追及はともかく、会社で起こった事象の責任は社長にあります。

 7月24日の日経新聞に、この事件に対する日本電産「永守重信」社長のコメントが引用されていました。
 「100の力がある社員に130やらせないと会社は伸びない。
 200やらせると危ない。」

 新聞のコメントは、前後の脈絡を切り取って掲載しますから、その真意は図りかねますが、この発言と事件とを結びつけるのは、少し強引でしょう。
 社員の潜在能力を引き出すことと、不正は別物です。
 前職の会社でも、不正は少なくありませんでした。

 住宅の営業リーダーであったMさんは、受注実績を挙げるために、二重契約の手法に手を染めます。
 会社提出用の契約書は、請負額2000万円。
 お客様と締結した契約書は、請負額1400万円。
 利益ゼロの原価契約です。

 某支店長のOさんは、支店業績を装うために、賃貸マンション建築のノーリスク契約を乱発します。
 契約金ゼロ、違約金ゼロ、着工期未定、融資未確定。
 リスクゼロですから、次々契約は上がります。
 しかし、一向に着工できません。
 最終的には、解約が頻発するのです。

 これらを業界用語で「天ぷら契約」と言います。
 ※ 天ぷら契約とは・・・架空の契約や、解約・取り消し・無効を前提とした契約。
           天ぷらは中身が見えない。 外からは立派に見えても実際は中身が小さい。

 さて、天ぷら契約は、遅かれ早かれ衣が剥がれ落ちます。
 であるにも関わらず、何故そうした愚行に走るのでしょうか?

 ① 上司が実力以上の数字を求め過ぎた 
 ② 上司と部下の信頼関係が希薄であった
 ③ 倫理感・道徳観の教育が不足していた 
 ④ コンプライアンスの監査が欠落していた・・・ 

 営業マン自身も、悪いことと知りながら、上司からのプレッシャーに耐えきれず天ぷら契約に逃げます。
 「来月二件受注して、一件は解約になったことにすれば帳尻は合う・・・。」
 しかし、一たび天ぷら契約に逃げた甘い営業マンは、二度とリアルな凌ぎができません。

 先述の永守社長の言葉を読み換えるならば・・・。
 「100の力がある社員が、130のパフォーマンスを発揮してくれれば会社は伸びる。
 但し、200のパフォーマンスが上がってきた時には、不正を疑え。」
 改めて、TOPの責任は重大です。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR