偉大なる赦せる人

 先日、FNS音楽祭で、音楽プロデューサーの小室哲哉さんとシンガーの華原朋美さんが、15年振りに共演されました。
 御存じの通り二人は、かつての恋人同志です。

 華原さんは、心身衰弱から一度は芸能界をフェードアウトしています。
 小室さんは、自らの楽曲の著作権売却に絡む5億円の詐欺事件の容疑者として、懲役3年執行猶予5年の判決を受けました。
 互いに大きな十字架を背負いながら、こうして再びスポットの当たる場所で共演できることは素晴らしいことですし、それが音楽の力なのでしょう。
 
 1990年代、日本中を小室サウンドが席巻していました。
 安室奈美恵、TRF、篠原涼子、grobe、華原朋美、hitomi・・・。
 こうした名立たるアーティストに提供した楽曲は、次々とヒットチャートを独占。
 小室ファミリーと呼ばれ、社会現象にも成りました。

 そのブレーク前夜から、二人三脚で歩んだのが、エイベックスレコードの松浦社長です。
 当時のエイベックスは、「インディーズ大手」といった位置付けであり、基盤はまだまだ脆弱でした。
 小室サウンドの隆盛に比例し、次第に会社もメジャー化していきます。

 好事魔多し。
 年収20億円、個人資産100億円とも言われた小室氏は、自宅にスタジオを作り、世界各国に別荘を持ち、高級外車を何台も所有し、移動には専用のチャーター機を用いる等、文字通り湯水の如く散財し、次第に自分を見失ってしまうのです。

 やがて、お膝元のエイベックスに対しても、理不尽な要求を突き付けるようになります。
 堪りかねた松浦社長は、看板スターを失うリスクを承知しながらも決別を決意。
 盟友は袂を分かち、ライバル関係に成りました。

 小室氏が去った後のエイベックスは、浜崎あゆみ、倖田來未といったスターを次々と輩出します。
 一方小室氏は、日本でのブームが終焉。
 起死回生のために企てた世界進出の頓挫で苦境に陥り、先の事件に手を染めてしまうのです。 
 逮捕され、実刑判決は免れないとされた小室氏に保釈金を手当てし、弁護側の証人として陳述したのは、誰あろう松浦社長でした。 

 「刑務所に入ると社会から断絶され、プロデューサーとしては致命的になる。
 小室被告がいなければ今のエイベックスはなく、浜崎あゆみも倖田來未もいなかった。」

 松浦社長は、個人的に借入金・慰謝料・遅延損害金の合わせて6億数千万円もの大金を掻き集め、小室氏に成り代わり被害者に弁済を果たしています。

 恥ずかしながら、自分が松浦社長の立場なら、「天罰だ。ざまあ見ろ。」と嘲(あざけ)り笑ったに違いありません。
 赦(ゆる)すことのできる、赦せる人は実に偉大です。
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プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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