スケールの誘惑

 先日、某デベロッパーの部長とお話しする機会がありました。
 以前は、ライバル関係にあった会社です。

 前職の会社も含め、バタバタと破綻した引鉄はいわゆるリーマンショック。
 この会社は、数少ない生き残りのデベロッパーの一つです。

 「うちは、仕入れが上手くいってなかったので、結果助かったんですよ。」
 自虐的に言われますが、勿論それは謙遜でしょう。

 あれから5年が経過し、負の要素は市場から一掃された感があります。
 ここ2~3年、松山で発売された物件は何れも好調で、竣工前完売の声も聞かれる様になりました。
 
 地方都市のマンション事業は、農耕そのもの。
 そのエリアで一旦収穫すると、暫くは刈り取りができません。
 何年かすると、新たな芽が出て花が咲き実が付き、再び収穫の時を迎えます。

 その収穫のサイクルを見誤り、マーケットスケールを超える供給をしてしまうと難航必至です。
 思うように販売は進まず、やがて完成在庫となり、値引き販売を余儀なくされ、企業の体力を確実に蝕みます。

 今、松山の中心部で販売している某物件は、200戸超と過去最大級のスケールです。
 先述の部長も共通の見解として、苦戦が予想されます。
 100戸売っても、100戸以上残っているという現実は、夢ではなくホラーでしょう。

 何故、大型物件に惹かれるのかというと、スケールメリットがあるからです。
 モデルルームも、パンフレットも、イメージパースも、販売促進費負担は戸数が多ければ多いほど薄まります。
 また、完成後の修繕計画や管理運営も楽です。
 何より、建築コストが段違いに引き下げられます。
 
 総ての面でメリットがある・・・但し売れればの話です。
 売れ残れば、そうしたメリットが総て逆噴射を始めます。
 その怖さは、渦中でもがき苦しんだことのある人間にしか判りません。

 先の会社が生き残っている大きな理由は、常にマーケットを重視し、スケールの誘惑に打ち勝ち、農耕の法則に従い、適正供給を心掛けているからこそです。
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プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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