王より飛車を可愛がる愚

 トヨタ生産方式は、生産性を極限まで高めるための仕組みとして、世界の製造業のベンチマークです。
 作業中に人が移動する動線すらも、最短距離・最短時間と成るようにポジショニングされます。
 
 例えば、ライン間の移動で2歩=1秒のロスがあるとしましょう。
 たかが一秒ですが、グループ連結従業員の累積だと、年間4000万円超の膨大なコストになります。

 1秒 ☓ 30万人 ☓ 250日 = 20,833時間
 20,833時間 ☓ 時給2,000円 = 41,666,000円

 さて先日、某店舗の業務改善会議の中で、似たような話が出ました。
 お客様からのクレームやお問い合わせ内容を記録する「連絡ノート」の運用についてです。

 「当初、連絡ノートは一冊だった。
 ただ、自席で電話を受けた際に、そのノートをわざわざ取りに行くのが手間。
 また、何処にいったか判らなくなることもある。
 従って、電話がかかってもサッと取り出し書ける様に、各々がノートを持つ様にした。」

 いわゆる、現場におけるカイゼンです。
 しかし、このカイゼンによって別の問題が発生しました。

 『店舗内・社員間での情報共有がし難い』
 
 そう、連絡ノートなるものの最大の目的は、「情報共有」です。

・ 自分が外回りする際に、「お問い合わせのお客様から電話が入れば、次の様に答えて下さい。」
・ 公休日にお客様が来られる予定があれば、「この書類をお渡しした上で、免許証のコピーを貰って下さい。」
 
 こうやって記録し、全員がこのノートを見る癖をつけていれば、速やかな対応が可能でしょう。
 共有できていなかった場合、様々な問題が予想されます。

① お客様 = お待たせしてしまう・間違った情報を教えられる
② 応対者 = 右往左往してしまう・確認の電話を入れざるを得ない
③ 担当者 = 案内・商談に水を差される・休日にゆっくり休めない

 一歩、二歩の手間を惜しんで「効率」を高めたつもりが、一番大事な「効果」を損なった訳です。
 何処へいったか分からなくなるリスクは、置き場所を定めるだけで抑止できます。

 くれぐれも、王より飛車を可愛がる愚、と成りませぬよう。
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プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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