理念と経営:下

Ⅲ 有限会社オルソ本田 取締役「本田美紀」さん
 身体障害者向け義手・義足の、製造・販売を手掛ける会社です。
 
 「義手・義足は身体の一部」
 「自らの家族と思ってお客様と接する」
 
 こうした素晴らしい方針で経営に取り組まれています。
 ある時、義足を提供している女性のお客様が来店されました。

 『今度、娘の婚礼があるのだが、できることなら留袖で出席したい。
 しかし、和装に靴は合わないので、草履に対応できないか。』

 現場で対応した社員は、条件反射的に反対の意を唱えます。

 「義足は靴しか対応できない」
 「草履への変更はやったことがない」

 その声を聞いて、初めて本田さんは激昂されたそうです。

 「我が社の理念は何か? 自分の家族の願いであっても断るのか?」

 理念の確認に立ち戻ることによって社員も腑に落ちました。
 婚礼の後、お客様は籠一杯の果物を手に会社を訪問します。

 「念願叶い、おかげさまで晴れの舞台に留袖で参加することができました。
 本当にありがとうございます。」

 その言葉が、社員にとって最高の報酬と成り得たことは言うまでもありません。
 企業は、成長・拡大するにつれて業務が細分化され、専業化することで専門性が高まり、習熟度が増し、生産性が向上し、利益は生み易くなるでしょう。

 一方で、プロセスの一部だけに携わることで、お客様の声が聞こえない、笑顔の見えない社員も増えてきます。
 すると、いつの間にか企業の存在価値を見失ってしまうのです。
 また、経済的理由を越えたところにある、何のために働くのか?という遣り甲斐が見出し難くなります。

 三社の取り組みは何れも、中小企業の存在意義に根差した、理念経営のお手本です。
 我が社も、創業四年目を迎えた今だからこそ、ベンチマークの必要性を痛感しています。   - 了 -
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プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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