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延命の限界:前編

 中国の不動産バブルについて、これまで何度か取り上げてきました。
 ケンシロウではありませんが、「お前はもう既に死んでいる」。 
 そう、バブルはとうの昔に崩壊しています。
 
 それなのに何故か、デべ(デべロッパー)は破綻しない。
 その理由を、判り易く説明しましょう。

 1998年、住宅制度改革により、不動産売買が自由化。
 これを受け、中国全土の地方政府はデべと組み、都市開発を推し進める。
 都市開発による値上がりを見越した富裕層が、挙ってマンションを買い漁る。

 値上がり神話は、瞬く間に拡がり、投資熱は高まります。
「今日100で買ったものは、来月110に成り、一年後には150に成る」
「不動産が値下がりすることはなく、必ず儲かる」
 実際、中国の高度経済成長に比例し、マンション価格は高騰していきました。
 ここまでがバブル膨張の背景です。

 中国の住宅購入は前金制。
 従って、売れるか売れないかは二の次で、作りさえすればお金が入ってくる打ち出の小槌。
 その結果、14億人の人口に対して34億戸ものマンションが出来上がった。
 供給過剰となれば、モノは余り、売れなくなるのは自明の理。
 これがバブル崩壊のからくりです。               つづく
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引き出しづくり

 およそ25年前から、人前でお話しする場面が増えました。
 
 ・ 新卒社員、中途社員向け導入研修
 ・ 管掌部門の社員へ向けての訓示
 ・ マニュアルに基づく営業研修・・・

 以前の会社が破綻し、別の企業グループに所属してからも、研修講師を務めたことは周知の通りです。
 経営者としても、営業マンとしても、甚だ中途半端な実績しか残せなかった凡人ですが、語り部として請われる機会は、ままあります。
 今も、顧問先や関連会社の社員に向けて、お話しをさせて貰う場面は少なくありません。

 その原点は、平成10年に受けた成功プログラム(3KM)研修です。
 伝承者中川理巳氏による二日間の講義は素晴らしく感動的で、その日を境に見える景色が一変します。
 言葉の力を思い知った自分は身の程も知らず、「言葉によって影響を与えられる人物に成りたい」と思いました。
 
 その後、会社の奨めによって、月一回東京で開催される「インストラクター養成講座」に通うことに成ります。
 内容は、講師から投げかけられたテーマに基づき、他の受講者の前で約10分程お話しをする大喜利形式です。
 
 指名を待つ間は胸が高鳴り、突然振られるとあたふたします。
 辛口のフィードバックを受けると、心が折れます。
 そして、他の受講者のお話しを聞く程に、自身の引き出しの少なさを痛感させられます。
 その引き出しを増やした一心で、今のブログの前身となる「今日の言葉」を綴る様に成りました。
 
 閑話休題。
 自分は20代の頃、下手の横好きから、同級生のソフトボールチームでプレイしたものです。
 セカンドの守備についた自分は、心の中で「飛んでくるな、飛んでくるな」と呪文の様に唱えていました。
 しかし、そんな逃げの姿勢を見透かしたかの様にボールは襲って来て、ファンブルしたり、トンネルしたり・・・。
 まさしく愚の骨頂です。

 未熟者の綴る拙文とは言え、十年以上も続けてきますと、それなりに守備範囲は拡がってきます。
 知識の蓄積は自信につながり、それは講義のみならず、営業でも、部下指導でも、あらゆる場面で有用です。
 「たとえ何処にボールが飛んでこようとも、全部受け止めてやる。」
 これからも、引き出しづくりは続きます。

情けは施すもの

 先日のブログで、持株比率に応じた株主の権利と、株主間のパワーバランスについて書きました。

 上場企業の場合、モノ言う株主からの要求や、敵対的買収等のリスクに晒されるます。
 ファミリーでマジョリティーを握っている非上場企業であったとしても、同族間での方針の違いを巡ってのクーデターがあり得ることは前回申し上げました。
 更に、例え盤石なマジョリティーを確保していたとしても、資金繰りに窮すると舵取り不能に陥ります。

 企業にとって資金は血液です。
 どれだけ筋肉質な健康体であったとしても、血液が止まれば突然死は免れません。

 危機に際し、誰が主導権を取るのか。
 資金を注入できる者。
 即ち、金融機関もしくはスポンサーです。

 晴天の日には傘をどうぞと、熱心に近付いてくる金融機関。
 邪魔になるものでも無いし、軽いノリで借りておこうとする経営者。
 ところが、雲行きが怪しくなり、ぽつぽつ雨が落ち始めると、金融機関は途端に傘を取り上げようとします。
 いよいよこれから、必要であるにも関わらず・・・。

 自分は過去、そうした掌返しを目の当たりにしてきました。
 その薄情さを恨んだこともあります。

 しかし、そもそも金融機関と企業は運命共同体に非ず。
 沈みゆく企業にしがみつかれ、共に沈む訳にはいかないのです。
 
 従って経営者は、そういうものだと認識して、程よい距離感を保つのが賢明。
 情けは施すものであって、求めるものではありません。

助手席のブレーキ

 過去に何度か、性善説と性悪説の対比を試みています。

 性善説 : 人はみな勤勉な善人である (孟子)
 性悪説 : 人はみな怠惰な悪人である (荀子)

 組織や人を管理する上で、どちらかが正しい考え方ということではありません。
 何れも併せ持つのが人間の本性です。
 従って、バランスと使い分けが肝要でしょう。

 人は、得体の知れないものに対し、不安や恐怖を覚えます。
 それが自社の社員や、部下であったとしてもです。

 味方であるにも関わらず、信用できなくなり、排他的に接するようになる。
 その存在が優秀であればあるほど、自分の地位が脅かされるのではないか、裏切られるのではないかといった、疑心暗鬼に囚われる。
 こうなるともはや、性善説の出る幕なしです。

 さて、腹心による不正経理事件は、古今東西枚挙に暇がありません。
 事件後社長は、がっくり肩を落として言います。
 「信頼して任せ過ぎた・・・。」
 しかし問題は、任せたことではないでしょう。
 任せっ放しで見ていなかったか、無知が故に見抜けなかったか、その両方か。
 何れにせよ、社長の責任です。

 御承知の通り、教習所の車の助手席にはブレーキが装備されています。
 自ら運転する能力の備わった人間が、目を見開いて注視しない限り、車はコントロールできません。

たかが2%されど2%

 株式会社の経営者であれば、当然に知っておくべきこと、意識すべきこと、備えるべきことは議決権でしょう。
 
 議決権とは。
 株主は会社への出資を通じて経営に参加する権利を有しています。
  具体的には、1単元株以上の株式を保有する株主は会社の最高意思決定機関である株主総会に出席し、提案された議案に対し賛成・反対の意思表示である議決権を行使することができます。
 個々の株主は持ち株数に応じた議決権を有しています。(日本取引所グループ)

 経営者自らが、100%の議決権を有している場合、原則として意のままに経営できます。
 しかし、上場したり、資金調達のために第三者割当を実施したりするとそうもいきません。
 株主が経営に介入できる範囲は、議決権割合によって変わります。

①    1株 = 議事録閲覧、株主代表訴訟
②    3% = 会計帳簿閲覧および謄写請求、株主総会招集請求
③   20% = 関連会社 所有株式価値をB/Sに反映
④ 33.4% = 特別決議否決、可決要件(1/3出席・2/3賛成) 
⑤  50%超 = 普通決議(役員報酬変更・剰余金配当・役員選任解任)
⑥ 66.7% = 特別決議(株式併合・定款変更・M&A・増資・解散)

 経営者が、何らかの理由で出資者の協力を仰ぐ際、50%超のマジョリティーを譲ってしまうと、自身の報酬が削られたり、役員を解任されるリスクが生まれます。
 親子・兄弟の同族でシェアし、合わせて過半を持っていたとしても、油断は禁物でしょう。
 某社の某社長は、経営方針を巡って他の親族達と対立。
 臨時株主総会でクーデターの企てに遭い、役員を解任されてしまいました。
 社長個人は、議決権30%程度しかないマイノリティーであったからです。

 49%と51%との差は、僅か2%。
 たかが2%されど2%です。

苦労ばかりの15年

 一年前まで在籍したグループはコングロマリット・・・いわゆる中小企業の連合体です。
 補償、測量といった建設コンサルを中心に、印刷、人材派遣、ハウスクリーン、電気設備等々。
 創業から関わり13年間代表を務めた不動産会社も、その内の一社です。
 途中数年間は兼務でグループ全体を統括する経営企画にも携わり、晩年は建設会社の代表も務めました。

 離れたとはいえ今も、連携する場面は少なくありません。
 不動産は、管理業務の再委託および管理・仲介の御紹介。
 ハウスクリーンは、賃貸住宅入れ替わり清掃の御紹介。
 建設会社と共同営業の末、昨年受注した大型物件は、前期および今期決算に少なからず貢献しており、幾許か成りとも恩返しできたと自負しています。

 さて、弊社の名刺も先の印刷会社にお願いしています。
 先日も、いつもの様に担当者Fさんにメールで注文。
 ところが、返信は別の社員からです。

 完成した名刺を取りに伺った際、元社長から教えて貰いました。
 「元々持病持ちで、先月体調を崩して入院したんです。
  決して重篤ということでは無かったものの、夕方容体が急変。
  呆気なく心不全で帰らぬ人と成りました。」

 更に聞けば、かつての同僚Yさんも早逝したと言います。
 共に50代・・・余りにも早過ぎます。

 元社長、Fさん、Yさんの三人は、前身の会社からの同僚です。
 経営が傾き困窮していた時、救済の手を差し伸べられ、M&A受け入れを決断。
 グループ入り後も、社長が変わり、組織が変わり、社名が変わり、同士との袂を分かつ激動の歴史。
 苦楽を共にしてきた・・・というよりも苦労ばかりの15年間でした。
 ビジネス戦士の末路は、悲哀に満ちています。

 お二人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
 安らかにお眠り下さい。
 合掌・・・。

袖振り合うも他生の縁

 松山自動車道四車線化に伴う、大手ゼネコンからの引き合いが続いています。
 自社の物件だけでは追いつかないので、他社の力を借りることもあります。
 そういう意味で、この業界に於けるネットワークは重要です。

 他社物件の場合、資料が整っていないこともあります。
 飛び込み来店だと、案内用の鍵を急遽確保して、そのまま口頭で条件を伝えることしかできません。
 先日のテナント探しは、来店アポ日時が確定していました。
 経験上、ご案内までの時間で、どれだけ前準備できるかが成否を分けます。

 ・ 登記情報を調査する(所在、所有者、面積、抵当権等)
 ・ 建物図面の有無を調査する(有れば印刷しておく)
 ・ それらを基に簡単な物件資料を作成する
 
 また、ゼネコンから乗り入れる方は、土地勘の無いケースが殆どです。
 そこで、JR駅やIC等を網羅した広域図も作成し、物件の位置関係や、距離感を掴んで頂きます。
 お帰りに成った後、ご案内した現場代理人と事務方に、資料データを添付した御礼のメールをお送りします。
 
 不動産業者の対応は千差万別。
 ここまでやらない会社も有るでしょう。
 しかし、「人事を尽くして天命を待つ」。
 自分がお客様の立場であるならば、きっとそれを望む筈です。
 
 ご案内中、こうした話がありました。
 「本社の方が来られた時にお連れする様な、美味しい飲食店はありますか?」
 「自分は持病持ちなのですが、病院はありますか?」
 先ず口頭でお教えして、後程、個人的お薦めの店10選のURLと、病院のプロット図をメールしました。
 原則業務とは無関係でも、ほんの数十分でできる親切です。

 「袖振り合うも他生の縁」
 ※ 道を行く時、見知らぬ人と袖が触れ合う程度のことも前世からの因縁による。

 大切にしたい心がけです。
 

ノスタルジックな旅

 寒い季節が訪れると、亡母のことを想いだします。
 命日は2014年12月24日。
 クリスマスイブなので忘れようがありません。
 
 全国の子供達がクリスマスケーキを食べ、靴下を吊るし、サンタさんの訪れに胸を高鳴らせつつ寝入った頃、亡母は一人誰にも気づかれず、心臓発作で静かに息を引き取りました。
 訪問した知人の方に発見されたのは、それから三日後のことです。
 
 母はかつて、大三島の中心地である宮浦界隈で、スナック、食堂等、数軒の店を入れ替わり立ち替わり経営しています。
 息を引き取ったのも、最後に手掛けたカラオケ店でした。
 生前は、盆と正月に子供達を連れて訪ねたものです。

 閑話休題。
 グーグルのストリートビューは、我々不動産業者に革命をもたらしました。
 現地に出向かずとも、その建物や土地周辺の状況が手に取る様に判ります。
 また、数年前の状況を探ることもできます。

 久しぶりに亡母の居たカラオケ店を見てみると、最新画像は2年前。
 そこには、新たな店名のお店がOPENしていました。
 「ああ、母の店を引き継いだ方がいらっしゃったんだな。」
 感慨一入です。

 次に過去を遡って見てみます。
 当然ながらそこには、母の経営していた「カラオケ社(やしろ)」の看板。
 そして駐車場には、何と当時の愛車プリウスが。
 そう、2012年8月のお盆に訪れた際、たまたまグーグルカーが通ったのでしょう。
 この時、店内では亡母とまだ学生だった子供達と義兄とで、カラオケに興じていたに違いありません。

 パソコンのモニターを通じて楽しむ、ノスタルジックな旅。
 文明の利器は未来を切り拓くと共に、時に郷愁に浸らせてくれたりもします。

効率よりも効果

 世の中は日々進歩し、通信手段、コミュニケーション手段は多様化しています。

 古代は狼煙、太鼓。
 文字が出来てからは手紙。
 手紙は現代に於いても想いを伝える手段の一つですが、書くことも、受け取ることも、随分少なく成りました。

 携帯電話、メール、ライン等の普及が理由でしょう。
 ・ 気軽、手軽
 ・ 汚文字を気にしなくても良い
 ・ レスポンスが早い
 ・ 同時に何人にも送れる
 ・ コストがかからない・・・

 1対1が原則の手紙は、手間ですし、はがき代や切手代もかかります。
 手紙は決して万能ではないでしょう。
 大事なのは、用途に応じた使い分けです。

 お世話になっているある方は、携帯電話を持っていらっしゃいません。
 正確には、契約はされているものの、携帯されていません。
 更には、充電が切れています。
 当然ながら、メールもラインもされません。
 御自宅は何軒もあるので、固定電話にかけようにも、何処にいらっしゃるか判りません。
 FAXのロール紙は、大抵切れています。
 会社には隔週で一日、しかも午前中だけしか出社されません・・・。

 こうなると、なかなか手詰まりです。
 自分は、ご馳走になった時はお礼の言葉を、本を貸して頂いた時は感想文を添えて、御自宅に手紙を投函します。
 中の文章はパソコンで2~3枚。
 封筒の表書きは筆ペンの手書き。
 
 切手を貼っていないので、直接持ってきたことも伝わります。
 相応に手間暇を要したとしても、それが誠意としたものでしょう。
 出すことも、受け取ることも、希少に成った今だからこそ価値が認められます。

 効率は悪いかもしれませんが、大事なのは効率よりも効果です。

あるヤクザの生涯

 石原慎太郎著「あるヤクザの生涯」を読みました。
 あるヤクザとは、実在した「安藤昇」氏のことです。

 時代を破天荒に生きた、安藤昇とは。
 十代の頃から陽の当たらない道を歩き、15歳で感化院、18歳で少年院へ収監。
 退院後、自ら特攻隊に志望したものの、入隊二ヶ月後に終戦。
 愚連隊結成、そして安藤組の旗揚げ。 
 少年期、青年期は、裏稼業一色でした。
 そこから俳優、作家、歌手、プロデューサー。
 マルチな才能が開花します。
 前科者のヤクザの親分が、芸能界に転身することは、今では考えられません。
 あの石原慎太郎が、伝記の筆を取るのも稀有なことでしょう。

 文末の長い後書きに、石原慎太郎と安藤昇とのやり取りが紹介されています。
安藤「あんたはこの国は核兵器を持つべきだと言ってるんでしょう。俺も同感だ。」
石原「それは何故です。」
安藤「だって、相手が拳銃を持っているのに、こっちがドスだけじゃ喧嘩にならない。
   そんな当たり前の道理が何故通らない。
   私みたいに渡世を生きてきた人間には判り切った話だが、平和惚けしたこの世では通らない話なのかね。」 

 さて、安藤昇の歌った「男が死んで行く時に」の歌詞の中には、一つの短歌が詠まれていました。
 「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」
 ※ 日本人の大和魂の勇ましさは、(平時では現れなくても)ここぞというときに現れるものだ。

 明治天皇が、日露戦争下の国民を鼓舞すべく詠んだ歌です。
 かつて安倍元首相も引用したことがあります。

 はたして「ことある時」とはいつなのか。
 「今でしょ」。
 深くは語りません。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン

・経歴 
 雄新中卒業 → 新田高校中退
 大工・石工と約十年職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業
 令和2年 ㈱南洋建設 代表兼任
 令和4年 ㈱たんぽぽ不動産起業

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