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幸せとは何か

 NHK「ドキュメント72:異国の地のアフガニスタン食堂へ」を見ました。

 舞台はパキスタンの首都イスラマバードにある、アフガニスタン料理のレストラン。
 タリバンが権力を握って以来、40万人以上のアフガニスタン人が隣国パキスタンに逃れてきました。

・ トラックの荷台の野菜に埋もれ、18時間かけて出国した家族
・ パスポートの無い家族を残し、後ろ髪引かれながら一人出国してきた男性
・ 命の危険から身を守るため、独自のコミュニティを形成し、支え合って生きる男性
・ 働けない親に成り替わり、揚げパン売りで家計を助ける13歳の少年・・・
 彼は綺麗な目を輝かせながら、将来の夢を「英語の教師に成ること」と語ります。
 しかし彼は今、学校に通うことすら叶いません。

 アフガニスタン人にとって、肉とレーズンの入った炊き込みご飯「プラウ」は故郷の味であり、平和の象徴です。
 プラウを求め、アフガニスタン食堂は、連日賑わいを見せています。
 しかし、このプラウを全員が食べられる訳ではありません。

 印刷業を営む男性は、8帖一間の簡素なアパートで、家族を養っています。
 月収14,000円から家賃6,000円を引いた、残りの8,000円が家族5人の生活費です。
 「私達にとって一食300円は高過ぎる。」・・・男性は嘆きます。
 ちなみに、先述した少年が売っている揚げパンは一枚30円です。

 メインストリートには、物乞いの子供達も沢山居ます。 
 「ナン」を売っているお店の前には、父親を失った女性と子供達十数名が、折り重なる様に身を寄せ合っていました。
 外気温5℃という厳寒の中、富裕層の顧客がナンを恵んでくれるのを、当てもなくただひたすら待っているのです。

 揚げパン売りの仕事を終えた少年は、夜のグランドに向かいました。
 アフガニスタン人の仲間と共に、サッカーに興じます。
 「ここで友達ができた。
  みんなとサッカーができて幸せです。」

 屈託の無い笑顔で語る少年の言葉を噛みしめながら、「幸せ」とは何か、改めて考えさせられます。
 幸不幸は状況そのものではなく、自らの心で感じるものです。
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友達解消の顛末

 本日現在、facebookでの「友達」は646人です。
 「友達」とは言いながら、リアルには疎遠な方もいらっしゃいます。
 また、一度もお会いしたことの無い方も一定数いらっしゃいます。

 友達リクエストを送る、受け取る。
 その採否は、自分なりの基準に従っています。
 過去には、極少数ながら、一旦友達としてつながった後、解除された方や、解除した方もいらっしゃいます。
 
 先日、30年来の知人との、「友達」関係を解消しました。
 こちらから、最後通牒のメッセージをお送りし、先方から「友達」を解消して頂いた格好です。
 
 喧嘩をした訳ではありません。
 一言で言えば、価値観の相異です。
 
 人間の価値観は、生まれ育った家庭や職場の環境によって醸成されます。
 価値観の異なる方とお話しすると、浮かんでくるのは「何故」「どうして」と疑問符ばかり。
 その度、苦悩し、煩悶し、言葉を紡いで歩み寄ろうと試みますが、なかなか相容れません。

 双方の思惑が一方通行にすれ違う際、一つのものさしとなるのは「社会通念上の常識」です。
 社会通念とは?
 ※ 社会一般に通用している常識または見解。
   法の解釈や裁判調停などにおいて、一つの判断基準として用いられる。

 自分は過去、様々な職場の様々な職位で、キャリアを積んでいます。
 役員会、クレーム応対、団体交渉、調停、裁判等、幾多の修羅場も経験してきました。
 社会通念上の常識は、一通り備えているつもりです。

 友達、顧客、協力業者、パートナー・・・。
 社会通念が通用しない相手とは、距離を置くしかありません。

中国不動産バブル

 中国の不動産バブルについて掘り下げてみましょう。
 先ずもって、日本との違いを知る必要があります。

1. 買えない所有権
 中国において土地は、全て国家のものです。
 購入できるのは所有権ではなく、70年間の使用権のみ。
 しかも、個人取り引き出来る様になったのは、ここ30年の話しです。
 70年間の使用権が切れた後の展開は、誰も経験していませんし、恐ろしいことに誰も考えていません。

2. 地方財政の錬金術
 各地方自治の財政基盤を担うのは、不動産開発です。
 地方はデベロッパーに土地を売却することで、莫大な資金を得られます。
 開発により街が整備され、人口が流入し、経済が活性化する。
 上海、深圳といった、高度成長期の成功事例に追随せんと、各地方が挙って開発を推し進めました。

3. 所得と価格のバランス
 中国の住宅の平均価格は約2800万円です。
 元利均等35年払い(金利4%)で月々返済額は12万円強。
 平均月収約15万円からローンを差し引くと、生活費は3万円しか残らない。
 つまり、一般庶民は購入できません。
 即ち、主としてマンションを購入しているのは、値上がり益を見込む一握りの富裕層投資家。
 住宅ストックの殆どは、実需とは無縁です。
 従って、開発直後に完売したニュータウンも空き家だらけ。
 それを中国では、「鬼城」と呼んでいます。

4. 買ってから作る
 中国の場合、建築中もしくは計画の段階で契約を締結し、購入者は全額を支払います。
 現金が手元に無い場合は、ローンを組んで全額を支払い、購入者は未入居にも関わらずローン返済が始まります。
 デベロッパーの破綻等、計画が途中で頓挫した場合、待ち受けるのは現住居費との二重返済です。
 だから、内外装はおろか電気も水道も整っていない未完成のマンションの中にテントを張り、生活せざるを得ない方もいらっしゃいます。
 日本の場合も青田売りは可能ですが、契約時に支払える上限金額は5%のみです。

5. アクセルとブレーキ
 民主主義の資本主義国家であれば、需要と供給のバランスが崩れると、国が金融を絞り資金の元を絶ち、市場の熱狂を冷ます牽制機能が働きます。
 過去のバブル崩壊やリーマンショックの様に、ブレーキを踏む際痛みは伴いますが、それが市場経済としたものです。
 事実上中国は専制主義による資本主義国家であり、先述した通り不動産開発が経済を支える打ち出の小槌であるため、政治はブレーキをかけ難い。
 それが故、14億人の人口に対して34億戸もの住宅ストックが乱立する異常事態を招きました。
 
 中国のバブルは崩壊するのか?
 これは愚問。
 既に崩壊しているバブルを表面的に取り繕い、先送りしながら、更に悪化させているのが今の中国です。

虎の威を借る太鼓持ち

 11年間に及ぶ職人稼業を終え、ビジネスの世界の飛び込んだのが27歳。
 そこから昨年の独立まで、2つの企業グループで仕事をしてきました。
 各々従業員規模は、地方の中小企業としては大きい方でしょう。

 Jグループ 勤続19年 入社時19名~最盛期680名
 Nグループ 勤続13年 約200名

 この二つの企業体での学びは、今日の自分の血と成り、骨と成り、肉と成っています。
 当然ながら入社時点においては、一平社員に過ぎません。
 一定の年月が経過した後、会社や事業を任される立場に取り立てられます。
 やがて、番頭的な役割も担いました。

 番頭とは
 主人に代って従業員を統率し、営業活動について権限を与えられた者。

 番頭の役割は二つあります。
1. 嫌われ役に徹してでも、トップの方針をボトムに伝えてやり切る
2. 耳障りな情報であったとしても、阿ることなくトップに進言する

 人間だれしも自分が可愛いものです。
 「自分はやりたくないんだけれど、トップが言うから仕方ない。」
 嫌われたくない思いが先立ち、トップを仮想敵にして、部下の共感を得ようとする。
 「口を酸っぱくして指導していたのに、あいつらは徹底しない。」
 自らに都合の良い報告をし、部下を悪者に仕立て上げて、TOPに迎合する。 
 
 今話題のBM社を例に出すまでもありません。
 生殺与奪権を持つトップに取り入ることだけに傾注する、虎の威を借る太鼓持ち番頭は組織を腐らせます。
 
 「下手な大将、敵より怖い」
 トップにとって重要な務めは、番頭の人格を見抜くことです。

週休7日の憂き目

 建設業における過剰労働は長年問題視されてきましたが、2024年4月1日から時間外労働の上限規制が適用されます。
 具体的な上限は月45時間、年360時間。
 突貫現場等、臨時的な特別な事情がある場合でも、単月で100時間未満、複数月平均80時間以内、年720時間以内に納める必要があります。

 元大工見習い、元建設会社役員、元建設会社代表という、現場も経営も知り得る立場から申し上げますと、これを遵守しながら利益と雇用を死守することは至難の業です。

 建設業の仕事は、元請業者だけで完結する訳ではありません。
 大部分を協力業者に下請委託し、下請業者も個人事業主である親方や職人に孫請委託するのが一般的です。
 現場で働く人々は殆どが日給月給で、仕事をしない日は無給と成ってしまいます。

 出来るだけ短工期で仕上げたい施主と元請。
 出来るだけ仕事をしたい下請と孫請。
 この利害関係の合致により、これまでは土日も祝日も現場を動かせました。
 建設現場は労働集約型の極みなので、生産性向上にも限界があるでしょう。

 さて、地元の私鉄グループは、10月から週休3日制を導入するそうです。
 土日に加えて、水曜も休みに成るとか。
 これにより、120日だった年間休日数は170日に増えます。
  
 労働者から見れば、残業廃止や週休3日制は歓迎されるかもしれません。
 しかし、残業もせず休んでばかりで、果たして顧客のニーズに応えられるでしょうか。
 また、生産性に於いて、馬車馬の如く働く発展途上国との国際競争に打ち勝てるでしょうか。
 
 大差のリードに油断して昼寝を決め込むウサギ。
 遅れを取り返そうと一所懸命走り続けるカメ。
 寓話「ウサギとカメ」の結果は誰もが知る通りです。

 週休3日を喜んでいるウサギさんは、やがて週休7日の憂き目に遭うかもしれません。

ややこしい人物

 小職、不動産業駆け出しの頃の話しです。
 
 某オーナー様が、賃貸マンション建築用地として、大洲市の工場跡を競売で落札しました。
 ところがその建物には、管理物件看板が掲示されています。
 看板に表示されていた管理者は、地元でも名うてのややこしい人物です。

 自分はオーナー様の代理として、管理者を訪問します。
 管理者の言い分はと云うと・・・。

「私は前所有者から、あの建物の中の機械を買い取った。
 そして、その機械を置かせて貰うために、賃貸契約を交わした。
 この度物件を落札されたかもしれないが、それ以前に賃借権が存在している。」

 その数日後には、同様の趣旨が列記された弁護士名の内容証明が届きます。
 しかし、賃貸借契約書は公正証書ではなく、手書きの稚拙なものでした。
 賃借権の登記もありません。 
 後付けで契約をでっち上げ、自らの権利を主張し、法外な立ち退き料を要求する、典型的な手口です。

 オーナー様、弁護士、建築会社とも相談した上で、脅しに屈することなく、一気に工場を解体します。
 その結果、件の管理者からのアクションはピタリと止まりました。
 案ずるより生むが易しです。

 時は流れて30年。
 先述した管理者は、地元で介護関連のビジネスを営んでいらっしゃいます。
 いかにややこしい人物であったとしても、今や正業を持たないとシノギができない時代です。

それだけのこと

 40年振りに再会した同級生Tとの宴は、大いに盛り上がりました。
 
 前回も書いた通り、松山南高から京都大学への現役進学は、年に1人出るか出ないかの超難関です。
 しかも、親からの仕送りを期待できない彼にとって、生活費や学費は全て自力で捻出する必要があります。
 バイトに明け暮れながら、日本最高峰のステージで学問を追求する、云わば二刀流。
 当時の彼の、時間的な制約、身体的な負担は想像に難くありません。
 
 その試練を乗り越えられた、モチベーションは果たして何だったのでしょう。
 意外なことに彼自身は、そうした環境を、必ずしも苦労、試練とは受け止めていなかった様です。

 「難しい話ではない。
  貧困であった。
  親も頼れなかった。
  何もない人間が貧困から這い上がるには、勉強を究めるしかない。
  そう信じて、ずっと勉強してきた。
  それだけのこと。」

 人は誰しも夢を見て、目標を掲げ、一歩を踏み出します。
 しかし、常に順風満帆とはいかず、程なく壁にぶち当たります。

 そこで、自分を含む多くの凡人は、必死になって上手くいかない理由を探そうとします。
 貧困、病弱、親、家庭、先生、学校、上司、会社、政治家、国家・・・。 
 どれだけ責任転嫁の範囲を拡げたところで、そこからは決して道は拓けません。  

 彼は言います。
 「下や横を見てもしょうがない。
  だから(目指すべき)上だけを見て努力する。
  努力は決して裏切らない。」
 
 46年の歳月を経て改めて、彼に対する畏敬の念が芽生えました。
 「それだけのこと」と言いきれる、その強さが偉大です。

三つの問い

 8月20日付「日本経済新聞」朝刊二面に、ファーストリテイリング社柳井氏のインタビュー記事が掲載されています。

 ユニクロの海外店舗数は、国内の倍以上と成る1,633店。
 営業利益も日本をを超え、売上高は世界第三位と成っています。

「今でこそ、海外で成功しているが、進出後20年程は失敗の連続だった。
 ロンドンに数十店舗も大量出店して、最初は大成功すると思ったら結果は大失敗。
 (中国も)北京や上海などで商品が全く売れない時期があった。
 米国もそうだ。」

 柳井氏がかつて書き下ろした名著、「一勝九敗」のポリシーそのまま。
 失敗を糧に、飽くなき挑戦を続けるのが、柳井流です。
 柳井氏は、海外市場に打って出る際「三つの問い」が大事だと言います。

 1. あなたは何者で他の企業やブランドとどこが違うのか?(core competence/コアコンピタンス)
 2. 世界中でどんな良いことをしているのか?(achievements/アコンプリッシュメント)
 3. その国でどんな良いことをしてくれるのか?(commitment/コミットメント)

 規模は異なれど、この問いはそのまま、我々のビジネスにも、市場にも当て嵌まります。

 1. あなたは何者で、他の不動産業者とどこが違うのか?
 2. これまで、どこでどんな良いことをしてきたのか?
 3. これから、この町でどんな良いことをしてくれるのか?

 即答できる経営者で在りたいものです。

46年目の晩夏

 本日、恒例の雄新中学校3年4組プチ同窓会に参加します。

 今回、このためにわざわざ千葉から帰省してくれたT氏とは、実に40年振りの再会です。
 記憶が正しければ、彼の父親の勤務先は大手企業だったものの、組合運動への傾注が祟り冷遇。
 家計を支えるべく、中学時代の彼は、新聞配達に勤しみます。
 必ずしも恵まれているとは言えない環境下、総務委員長に指名され、松山南高に進学する程、彼は勉強ができました。
 
 高校卒業のタイミングで開催された大規模な同窓会で、一人ひとりが近況と進路を発表します。
 自分は唯一の中卒社会人として、「大工見習い」と紹介することに、若干の引け目を感じたものです。
 続いて、T氏の順番が回ってきました。
 「松山南高から京都大学に進学します。」
 その時、会場内に起こった、地響きの様な歓声は忘れられません。
 
 ちなみに、松山南高から東京大学、京都大学は、年1人進学できるか否かという超難関です。
 しかも彼は、昼夜バイトに勤しみ、実家からの仕送りに頼ることなく自力で卒業しています。

 紛れもなくクラス1の優等生であるT氏と、劣等生の極みであった自分は、何故か気が合いました。
 共通項は、家が近所であったこと、お互い家が貧しかったこと位でしょうか。

 そういえば、プチ同窓会の常連であるN氏も、Y氏も皆、漏れなく家庭は貧困でした。
 多感な思春期に共有したハングリースピリットは、価値観の根っこの部分で繋がっている様な気がします。

 卒業から46年目の晩夏です。

108の煩悩

 つくづく罪深い、愚かな人生を送ってきました。
 家族や周囲の皆様の支えによって、生かされて今日があります。
 
 先日も書きましたが、過去の失敗や罪を、抹消する消しゴムはありません。
 無かったことにはできませんが、小さな善行を積み重ね、上書きすることは出来ます。
 その一つが献血です。

 独立により、時間的な余裕も自由も生まれました。
 成分献血を最短サイクルで回すと、最大月3回可能と成ります。

 お盆明けの献血は、通算108回目。
 遂に、煩悩の数に到達しました。

【 煩悩の数 】 
 『感覚』    「眼、耳、鼻、舌、身」という身体的な感覚に、心を示す「意」を加えた6つ。
 『受け取り方』 「好(良)、悪、平」の3つ、更には「浄、染(汚)」の2つ。
 『時間軸』   「前世・今世・来世」と3つ。

 これを掛け合わせると・・・。
 6 × 3 × 2 × 3 = 108
 大晦日に108回除夜の鐘を鳴らすのも、一突き毎に煩悩を消し去るとの意味が有ります。

 甚だ身勝手で、私欲にまみれた人間も、後9年で古希を迎えます。
 「七十にして矩(のり)を踰(こ)えず」
 ※ 欲望のままに行動しても人の道に外れることがない。
 つくづく、かくありたいものです。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン

・経歴 
 雄新中卒業 → 新田高校中退
 大工・石工と約十年職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業
 令和2年 ㈱南洋建設 代表兼任
 令和4年 ㈱たんぽぽ不動産起業

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