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たらいの水の法則

 かつて小学校には、必ず二宮尊徳(金次郎)の像が在りました。
 近年、その姿を見かけることは少なくなりつつあります。
 その理由はというと・・・。

・ 児童の教育方針にそぐわない
・ 子どもが働く姿を奨めることはできない
・ 戦時教育の名残という指摘
・ 歩きスマホ同様、歩いて本を読むのは危険・・・

 多くは語りませんが、何とも嘆かわしい世の中です。
 さて本日は、二宮尊徳氏が提唱した「たらいの水の法則」の御紹介です。

『 たらいの水をこちらに引き寄せると、反対側へと逃げて行く。
  それとは逆に押し出すと、水はこちら側へと戻ってくる。 』

 当たり前の摂理ですが、金銭への執着の例えとして、よく用いられます。
 利己的にお金を引き寄せようとすると、手の隙間からこぼれ出て、一向に貯まらない。
 利他の心を持ってお金を差し出すと、巡り巡って自分の手元に返ってくる。

 勿論、食べていく上でお金は必要ですし、仕事も慈善事業ではありません。
 自身は、欲得にまみれた人間です。
 それでも、年齢と経験を積み重ねるにつれ、法則がただの綺麗ごとではないことを思い知らされます。
 
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リバースモーゲージ

 定年退職後、給与所得が減少し、年金も覚束ないとすれば、誰しも老後の生活が不安に成ります。
 そんな方に打ってつけの仕組みが、「リバースモーゲージ」です。
 一年程前に放映されたNHKドラマ、「正直不動産」でも取り上げられていました。
 
・ 自宅の土地建物を担保にして借入
・ 月々支払うのは金利のみ
・ 債務者死亡後、抵当権者が不動産を売却して清算

 地銀の商品を例示すると以下の通り。
 評価額2000万円の場合。
・ 融資上限 = 1200万円(60%)
・ 変動金利 = 2.4%
・ 月々返済 = 24,000円
  
 自宅に住み続けながら、低廉な支払いで、まとまった資金が調達できるスキームは、一見理想的に見えます。
 しかし、この商品には大きなリスクが二点潜んでいます。

1. 金利上昇リスク
 今の日本の低金利は、世界的に見ても異常です。
 今後の見通しとして、上昇に転じるのは間違いありません。
 いかにも聞こえの良い、元本据え置き&金利のみ支払い・・・。
 これを裏返すと、永久に元本が減らないため、金利上昇リスクをまともに受けます。
 仮に金利が5%に成ったら、毎月の利払いは50,000円に跳ね上がる訳です。

2. 長生きリスク
 金融機関は毎年、担保物件の洗い替え(評価の見直し)を行います。
 そこで、融資限度額(評価額の60%)を下回った場合、貸付超過分の返済を求められる可能性があります。
 建物は経年に比例して陳腐化し、地価は毎年下落し続けるのが、田舎の宿命です。
 過去データからすると、20年後に評価と貸付上限が逆転してもおかしくありません。 

 長寿国日本の場合、60歳の方が80歳まで生きる確率は極めて高いと見るべきでしょう。
 それ以上長生きするならば、本来喜ばしいことですが、リバースモーゲージに関して言うと、皮肉にもその長生きがリスクとなってしまうのです。

 見せかけのメリットに飛びつく前に、リスクと向き合う慎重さが求められます。

布団圧縮袋

 自分は基本的に短気な性格です。
 怒りの沸点が低く、日常生活の中でも、カチンと来ることが度々あります。
 
 にも関わらず、他人様からは、温厚で冷静な人種と誤解されがちです。
 確かに、堪忍袋の許容量は大きい方かもしれません。

 怒りが沸き立った際、拙速に口にせず、一旦堪忍袋にしまい込む。
 1.2.3.4.5。
 大概の怒りは、5秒数えれば小さく萎(しぼ)みます。
 布団圧縮袋の様に・・・。
 こうして、怒りの感情をコントロールする手法を、アンガーマネジメントと呼びます。

 しかしながら、小さく成ったといっても、消えて無くなる訳ではありません。
 空気を抜かれてコンパクトに収納されていますが、袋の中には夥しい量の怒りのエネルギーが蓄積されています。
 そして、我慢、辛抱が臨界点を迎えた時、堪忍袋の緒が切れて、一気に放出される訳です。
 
 静と動のギャップに、戸惑う方もいらっしゃいます。
 甚だ気の毒ですが、真空状態の圧縮袋に針を刺したらどうなるか。
 実験するまでもありません。

報酬ポリシー

 つくづく、しみじみ、不動産は縁物です。
 安産か難産かも、極端に分かれます。
 
 問い合わせの電話が入り、一枚の資料をFAXし、翌朝申込が入り、数日後に契約と、とんとん拍子に成就する安産物件も稀にあります。
 心無い方は、その上っ面だけを見て、「濡れ手で粟」「ぼろい商売」と揶揄します。
 しかし、その一握りの成約は、圧倒的な数の空振りが踏み台と成っていることを忘れては成りません。

 過去、契約日時が決まってからのキャンセルは、両手両足の指では足らない程経験しています。
 契約まで漕ぎつければ取り合えず一区切りですが、人の気持ちは移ろい行くもの。
 手付流れや手付倍返しで振り出しに戻ることもありますし、最終決済二時間前のドタキャンもありました。

 どれだけ役所と協議しても、どれだけ書類を作っても、どれだけ電話しても、どれだけ面談しても、どれだけメールを送っても、どれだけ精神を擦り減らしても、どれだけ罵倒されても、膨大な時間とエネルギーを費やしたとしても、お引渡しを見届けられなければ報酬はゼロ。
 それが不動産業です。

 安産でも難産でも、手にする報酬に変わりは無く、お金に色は着いていません。
 正直、できることなら効率的な、安産の取引を望みます。

 一方、難産の取引は思い入れも深く、成就した際の充実感や達成感は一入(ひとしお)です。
 但し、その境地に至るのは、お客様からの感謝の言葉あってこそでしょう。

 「良い格好しい」と言われるかもしれませんが、予め申し上げておきます。
 弊社ならびに小職の対応に満足されなかった場合、報酬は不要です。

PRIDE

 自分は、不動産業を生業としています。 
 生きる糧は、仲介手数料等のフィー。
 お金は会社にとっての血液なので、とても大切です。

 しかし、人生には、お金以上に大切なものもあります。 
 その一つは、職業人としてのプライドです。

 口幅ったくも過去の経験に照らすと、そこそこ忍耐強い方だと自負しています。
 しかし、一たび琴線に触れられたならば、手元まで引き寄せた利を放り投げてでも守るべきもの、それがプライドです。

 利は、いつでも取り返せます。
 利と引き換えに、かなぐり捨てたプライドは、もう二度と取り戻せないでしょう。

 プライドとは・・・誇り、自尊心。
 誰からどう見られようと、何を言われようと、それだけは、決して忽(ゆるが)せにできません。

ナルシストの本音

 互いに相手のことを尊重し合い、胸襟を開いて本音で話せる友は貴重です。
 話をする中で、自分自身を見つめ直す、良いきっかけにも成ります。

 冷静に振り返れば、昔から今の自分ではありません。
 勿論、今もまだ人間としては道半ばです。
 若い頃は更に、身勝手で傲慢で稚拙な愚か者でした。
 本を読み、様々な経験を積み、失敗と挫折、出会いと別れを繰り返し、少しずつ軸が固まって参ります。
 
 60年も生きて参りますと、生き様や死に様を意識せざるを得ません。
 今世において、どんな生き方をしたいのか。
 来世に旅立つ時、どう思われたいのか。
 貴方自身は一体、何者なのか・・・。
 今風に申し上げれば、アイデンティティ(自己同一性)の確立といったところでしょう。 

 13年間連載しているブログの傾向や、100回超の献血実績等を見て、生真面目な堅物とレッテルを貼られることも少なくありません。
 そのイメージは有難く、仕事上も大変有利です。
 しかし、実態は大いに異なりますし、煎じ詰めれば真逆であったりします。
 
 確かなのは、実態とかけ離れた理想に近付くべく努力しようとしている自分をこよなく愛するナルシストだということ。
 本音も建前も、明も暗も、虚も実も、「どちらか」ではなく「どちらも」が真実の姿です。

マウンティング考

 マウンティングは、「2ちゃんねる」から生まれた言葉です。
 本来は、動物が自分の優位性を誇示するため、馬乗りになる様を指します。
 人間社会において、精神的な馬乗りともいえる状況を作り出す。
 また、そういった行動を総称して、「マウントをとる」と云います。

 東洋経済ONLINEに、臨床心理士の書いたコラムがありました。 
 一部を抜粋して引用します。

【 マウンティング(マウントを取る)は、「自分の方が上なんだぞ!」とアピールすることです。
 大きく見せようと、自分のステータスや実績などをアピールしてきます。
 マウントを取る人は、承認欲求が強い人です。
 承認欲求というのは、「周りからすごいと思われたい」という欲求です。
 承認欲求は人一倍強いのに、その裏では自信がなくて不安でたまらない。
 自尊心を保てなかったり、努力して自分の価値を上げることができなかったりします。
 人間なら誰でも、「自分には価値がある」と思いたいものです。
 マウンティングにより「お前より俺のほうが勝っている」と思えれば、自分のプライドが守られます。
 こうやって他人の価値を落とし、相対的に優位に立とうとすることを「引き下げの心理」と云います。
 マウントを取る人は、周りの目を気にして小さなプライドを守ろうとしている、気の毒な人ともいえます。】

 なるほど、実に的を射た内容です。
 別の記事には、マウンティングする人の特徴が書かれていました。
・ 承認欲求や自己顕示欲が強い
・ 傲慢
・ 嫉妬深い
・ 自信が無い
・ 自慢するのが好き
・ 決めつけたがる
・ 思う通りに成らないと怒る・・・

 結論として、評価は他人がするものです。
 過剰なパフォーマンスで、実体より自分を大きく見せる必要はありません。
 どれだけ謙虚に振舞っていても、実績や実力さえ伴っていれば、周囲は間違いなく認めてくれます。
 過去を振り返り、己に猛省を促す今日この頃です。

ステレオタイプな日本人像

 40年前のTVの討論番組を見ました。

 ・ 田原総一朗
 ・ 石原慎太郎
 ・ 小田実
 ・ 浜田幸一
 ・ 野坂昭如

 エネルギッシュな論客揃いですが、司会の田原さん(89歳)を除く4人は、既に天に召されています。 
 開始早々から繰り広げられる、熱い舌戦バトル。
 今であれば、明らかに放送禁止と思われる発言も散見されました。
 罵詈雑言が飛び交い、不規則発言が相次ぎ、さしもの田原さんも捌ききれません。
 しかし、一つだけ5人の想いが一致しています。
 それは、戦後教育の誤りです。

 先生の言うことを良く聞いて、一所懸命勉強したら、良い学校に行ける。
 良い学校を卒業したら、良い会社に行ける。
 良い会社に入って、上司の言うことを良く聞いて、一所懸命働いたら豊かに暮らせる。
 その通り、日本は高度成長期を経て経済大国に昇り詰めました。

 一方、同調圧力によって金太郎飴の如く乱造された、ステレオタイプな日本人像とは。
・ 誤った情報や教育に、一切疑問を抱かない従属性
・ 自らの愚行を省みず、他者批判に傾注する攻撃性
・ 与えるよりも与えられることを望む、他力本願性 
 自由主義社会における本来の自由の意味は、「奔放」とは異なります。

 「国が諸君に何をしてくれるかを問うな。
  諸君が国に対して何をできるかを問え。」 J・F・ケネディ 1961年 大統領就任演説

 気概を失いかけている国民も、
 世論に阿(おもね)る政治家も、
 今一度胸に刻むべき至言です。

死語と失くしたもの

 今や「カラーTV」は当たり前過ぎて、死語に成りつつあります。
 カラー放送が始まったのは1960年・・・自分が生まれる2年前。
 幼少期の我が家のTVは、当然白黒です。
 
 大卒初任給25,000円の時代に、カラーTVは20万円。
 今の価値に換算すると200万円近い、文字通り高嶺の花でした。
 
 カラー放送が開始されても、全ての番組がカラーではありません。
 白黒TVの画面隅の「カラー」という表示を見て、「ああこれはカラーなんだな」と認識していました。
 我が家にカラーTVがやってきたのは、小学校5年生の時。
 その天然色の鮮やかさに、感動したことを記憶しています。

 当時TVは、一家一台が常識。
 主役として、茶の間に鎮座していたものです。

 これも死語と成った、「チャンネル権」「チャンネル争い」。
 そう、当時のTVはリモコンもボタンもなく、「がちゃがちゃ」とチャンネルを回す方式でした。
 父は時代劇、母はドラマ、姉は歌番組、弟は特撮・・・と各々、見たい番組が異なります。
 
 在宅時のチャンネル権は、絶対的に家長である父。
 父が居ない時には姉に牛耳られ、随分虐げられたものです。
 そのTVも安価になり、いつしか一人一台の時代と成りました。

 信じ難いことに、幼少期の愛媛の民法は一局のみ。
 それが今、NHKを含め地上波だけでも、5局、6ch。
 衛星放送、ケーブルTV、youtube等も加えると、チャンネル権は無限。
 随分恵まれた世の中です。
 しかし、最近歳を取ったこともあり、どちらが楽しいか・・・ではなくて、どちらが幸せかを考えさせられます。

・ 同じ時間、同じ場所で同じ番組を見て、生まれる信頼関係
・ 番組を見ながら意見を述べ合うことで、醸成される価値観
・ 知らず知らず習得する、目上の方への敬意、辛抱、譲り合いの心
・ 翌日の学校や職場で、話題を共にして育むコミュニケーション・・・
 
 豊かさや便利さと引き換えに、失くしてしまったものも少なくない様です。

吹く風の正体

 先週(6月12日〜16日)の日経平均株価は大幅に上昇・
 最終的に先週末比で1,441円(4.47%)高の33,767円で終えました。
 年初から半年足らずで、日本株は8,000円弱も急騰しています。

 ある方に言わせれば、35,000円は固い。
 来年には40,000円の大台に・・・とか何とか。

 アメリカのデフォルト懸念や、ウォーレン・バフェットの日本商社買いが呼び水となっているとの見方もある中、識者の語る株高のメカニズムは以下の通りです。

 ハイテクの象徴とされる半導体製造。
 元々、日の丸半導体は日本のお家芸。
 ’90年当時、シェア49%で世界一であったが、今やたった6%。
 取って代わったのは、言わずと知れた中国。
 米国にとって、世界の覇権を握らんとする中国の存在は極めて疎ましい。
 中国の力を削ぐべく、半導体製造移転先として、再び白羽の矢が立ったのが日本。
 投資先として見た場合、円安、人件費安も大いに追い風。 

 「風が吹いたら桶屋が儲かる」

 吹く風の正体は何か。
 日本株高の理由を紐解いていけば、その根っこにあるのは地政学上の米中対立でした。
 ここでも、世界のパワーバランスが透かし見えます。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン

・経歴 
 雄新中卒業 → 新田高校中退
 大工・石工と約十年職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業
 令和2年 ㈱南洋建設 代表兼任
 令和4年 ㈱たんぽぽ不動産起業

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