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空家問題の深層

 訳アリ物件の「訳」は多岐に渡りますが、大きく二つに分けられます。

1.心理的瑕疵
 ・ 自殺
 ・ 事故死(火災、ガス)
 ・ 殺人 
 ・ 元反社の施設
 ・ 自然死後の腐乱 等

2.物件的瑕疵
 ・ 再建築不可(違法建築、接道が無い、無指定解除→用途地域指定)
 ・ 接道が狭小で車が入らない
 ・ 調整区域の農家用住宅 等
 
 前者の場合、リフォームによって痕跡を消せば、実用上障害はありません。
 心理的瑕疵を厭わない方にとってみれば、お買い得となる場合もあります。

 一方、物件的瑕疵は実用上の問題が残ります。
 購入する場合は、目的や用途によって充分に検討する必要があるでしょう。
 
 訳アリ物件買取を巡る、所有者と業者とのやり取りに密着したドキュメンタリー動画を見ました。
 住んでいた父親が他界し娘さんが相続した 進入路が里道しかない再建築不可の古い住宅です。

業者 「このエリアは人気が無いんですよね。かなり傷んでいるし・・・。」
顧客 「多くを望んでいる訳では無いんです。引き取ってさえ貰えれば・・・。」
業者 「手直しも〇〇〇万円はかかるのでねえ・・・お支払いできるのは、せいぜい数十万円に成ります。」
顧客 「えっ、数十万円で買い取って頂けるんですか?」
業者 「あっ、数十万円といっても、50万円よりは低い金額ですが・・・。」
顧客 「それでも、幾らかで引き取って頂けるなら是非お願いします。」

 交渉の末、買取額は10万円に成りました(笑)。
 顧客の下から姿勢によって、手練手管の業者に足元を見られ、言い包(くる)められた感は否めません。
 
 しかし、所有し続けた場合、少なからず固定資産税を払い続けることに成ります。
 老朽化が進んで倒壊の恐れが出てくると、まとまった金額での解体を余儀なくされます。
 解体して更地に成った場合、固定資産税が更に上がります。
 まさに負のスパイラル。 

 先述の事例は特殊としても、条件の悪い古家処分について強気な交渉は困難です。
 それが空家問題の深層でもあります。
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捨てたもんじゃない

 先日執り行われた国葬儀を受け、改めて私心を綴ります。

 安倍元総理の生前の功罪は、議論されるところです。
 国葬儀開催の是非についても、賛否両論あります。
 それらを今ここで、深掘りするつもりはありません。

 政治も経済も含め、世の中の総ての事象に当て嵌まることとして、決断・実行のプロセスには、必ず波紋が立ちます。
 「良薬口に苦し」
 改革断行には、既得権益者からの抵抗があって当然でしょう。
 批判を回避する最良の方法は、何もしないことです。
 少なくとも安倍元総理は、批判を恐れない、決断力と実行力の人でした。
 
 昨今、日本人は利己的に成ったと言われます。
 「貧すれば鈍する」
 給与が据え置かれる中、物価が急騰し続ける、世知辛い市況もあるでしょう。
 SNS等で、自由な自己主張の門戸が開かれたこともあります。

 何か都合の悪いことがあっても、自己を正当化し、他罰的に解釈する。
 換言すれば、自責の念と寛容さに欠ける人間が増えた気がします。

 世界の要人が数多く参列する国葬儀は、外交的なイベントでもありました。
 政治的な思惑もあったでしょう。
 
 一方で、23,000人を超える一般の方々が、献花台までの長蛇の列に何時間も並び、心からの弔意を示したことを、日本人として誇りに思います。
 デジタル献花は、33万人を超えたそうです。
 菅前首相の弔辞にあった通り、沢山の若者が居たことも、大いに勇気づけられました。 
 
 「日本人も捨てたもんじゃない」
 心よりご冥福をお祈り申し上げます。

この世に楽園は無い

 TV番組「人生の楽園」で、主人公がこう語っていました。

 「この世に楽園なんかはない。
  楽園は自からの手で作るもの。」

 まさに我が意を得たりです。
 番組に取り上げられる成功事例は、ほんの一握りでしょう。
 いや番組に取り上げられたとしても、それはその瞬間を切り取った断面に過ぎません。
 何年後かの再放送のエンディングに流れる「楽園通信」では、「現在休業中」のテロップも散見されます。
 
 笑顔も涙も、成功も失敗も、健康も病も、そして老いも、すべてひっくるめて人生です。
 決して、水を差そうとしている訳ではありません。
 
 都会の暮らしに疲れ、田舎暮らしのいい所取りで一方的に想いを馳せ、理想と現実のギャップに打ちひしがれる。
 そう成らないためにも、冒頭の主人公の言葉を反芻して頂きたいだけです。

 一方で、楽観的に「何とかなるさ」と考える、ポジティヴシンキングは肝要。
 まさしく、世の中は何とかなります。
 しかしそれは、自らが何とかしようと思って、何とかするべく、何とかするから、何とかなるだけです。
 そうでなければ、何ともなりません。
 
 少なくとも楽園は、現状逃避の先に広がるものではないでしょう。
 人間関係も、仕事も、すべて共通です。

電話派orテキスト派

 FBの友達から、質問が投げかけられました。
 「ビジネス上のコミュニケーションツールは、電話派か、テキスト(メール等)派か」
 各々、メリットとデメリットとがあります。

◆ メールのメリット
① 「言った言わない」のトラブルを抑止できる
② 送信側は、時間(早朝、深夜)を選ばない
③ 受信側も、自分の都合の良い時に読める
④ 記録(エビデンス)が残り、後から確認、検索できる
⑤ メールであればcc,bccで関係者に同時に周知できる
⑥ 多くの情報を整理して伝えることができる

◆ 電話のメリット
① 緊急性のある情報を瞬時に伝えられる
② メッセージが伝わったことが、その場で確認できる
③ 声のトーンや強弱によって、微妙な感情が伝わる
④ 誤解があると思えば、その場で修正できる
⑤ 記録が残らないので、軽口も叩ける 
 
 例えば、大きなクレームが発生して、会社としての対応が求められる時は、間違いなく電話です。
 同じクレームでも内容が軽く、一次対応で解決済みならば、メールで充分でしょう。
 但し、本人の判断能力によって、事の重大さに気付いていなかったり、解決していないのに解決済みと捉えてしまうケースがあるので注意が必要です。
 
 またメールは、一旦送信してしまうと、後から間違いに気付いても取返しがつきません。
 記録に残る=責任が重い。
 小職は過去これで、何度も失敗しています。
 
 緊急性の有無とは別に、これからも信頼関係を保ちたい相手への苦言や叱責は、電話の方が良いでしょう。
 メールは人肌のぬくもりが伝わり難く、とかく冷淡になりがちです。
 誤解・曲解も生まれやすく成ります。
 できれば電話、叶うなら面談したいものです。

 一方、御礼や賛辞であれば、生の声で直接伝えるだけでなく、重ねてテキストがよりベターです。
 小職の様に、通知表が2ばかりの劣等生であったとしても、
 「生き物係として動物に優しく接することができました。」と一言考査に書かれていたとしたら・・・。
 本人も親も何度も読んで、複数回も褒めたのと同じ効果を得られる筈です。

 答えはきっと「or」ではなく「and」。
 メリットとデメリットとを鑑み、時と場合に応じて、臨機応変に使い分けすべきものでしょう。

ひとり芝居の開幕

 face bookを始めて、十年以上が経過しました。
 毎朝表示される、「〇年前の今日の出来事」を感慨深く見つめ直します。

 7年前は、松山で15:00開演の、劇団仲間の芝居を観劇。
 終演後に内子に舞い戻り、18:00開演の鴻上作品を梯子で観劇。
 当然、自分が座るのは客席です。
 長らく関わった劇団活動においても、演出や裏方ばかりで舞台に立つことはありませんでした。

 1年前は、こんな哲学的なコメントを残しています。
 『歩くほど夜が明けていく。
  今日与えられた命に感謝すべき至福の時間です。』

 思えば、独立に至る種の蒔かれたのがこの頃です。
 ざわざわして、朝早く目覚める。
 心を鎮めるために、薄暗い内子の街を歩く。
 一旦納まったざわめきは、数ヶ月後に再び首をもたげ、今日の独立に至ります。

 結論を出すまでに、様々な混乱やしがらみや葛藤がありました。
 今にして思えば、全ての成り行きが、必然の演出だった気がします。
 
 「いつでも戻って来い」
 最後の場面、有難い言葉で送り出して頂きました。
 半年経過した今、状況的にも、心情的にも、もう戻れません。
 
 自ら望んだ舞台の上に立ち、今、ひとり芝居の幕は既に開いています。

需給のミスマッチ

 県外のお客様から、物件売却の依頼を受けました。
 奥様の御実家の処分です。

 親が他界して空家に成り、相続した不動産を何とかしたい・・・。
 これまでにも、こうした御相談を何度も受けてきました。
 地方都市では今後、少子高齢化&人口減少の流れを受け、更に増えるでしょう。
 以下、一般論としてお読み下さい。

 物件仕入れの情報が舞い込んでくるのは、有り難いことです。
 しかし、供給を受ける情報と、土地探しのニーズは、微妙に乖離しています。

 ・ 町の中心から離れている
 ・ 住宅の築年数が古い
 ・ 前面接道が狭小(無い)
 ・ 間口が狭く鰻の寝床・・・

 相場に見合わない高値で受託しても、長期に渡って売れ残り、その間固定資産税はかかり続け、地価は下がり続けます。
 このミスマッチを解消するには、価格で調整する他ありません。
 解体&更地渡しの際、得られる売価から解体費を差し引くと、殆ど手残りが期待できないケースもあるでしょう。
 それが地方都市の現実です。

 閑話休題。
 弊社ホームページは作成中で、公開は10月末を予定しています。
 「内子町 不動産」でググると、三番手にしか出てきません。
 先述のお客様に、弊社をご用命頂いた理由をお訊ねしました。

 1. 場所が判り易かった
 2. 駐車場が完備されていた
 3. ハトマーク加盟店であった
 
 少なくとも、選択は間違っていなかったようです。

任せて育てる

 雇われ社長の存在感。
 それは、所属する組織によって大きく異なります

 ・ 経営上の裁量権の殆どを委ねられた社長。
 ・ 資本家の支配下に置かれた事実上の部門長。

 一口に、この是非を語ることはできないでしょう。
 一般論として、会社のビジネスモデルが確立し、収益性が安定しているのであれば、任せても然程障害はありません。
 
 それ以上に大事なのは、任せようと思う人材が、任せるに足る能力や情熱を有しているか否かです。
 答えがNOであるなら、任せようも無いでしょう。
 一方、任せるに足る人材に裁量権を与えず、上命下服を強いるのも無理があります。

 資本家と社長。
 社長と社員。
 親分と子分・・・。
 いかなる組織においても、力関係と信頼関係のバランスが崩れ、歪みが生じるのも常です。

 最後に無視できないのは、成長の可能性。
 任を与えた段階では力足らずの人材が、その後奮起して活躍するケースは枚挙に暇がありません。
 人を育てる、最短・最良の方法は任せることです。

利益相反の仲介役

 売買仲介の役割は、売主ニーズと買主ニーズのマッチングです。 

 業界的には、売情報を入手する「仕入れ」を重視する傾向にあります。
 魅力的な商品を仕入れられれば、買手を見つけることは、そう難しくありません。
 自社がイニシアチブを取って、買手は他業者にお願いすることもできます。

 では、「魅力的な商品」とは何でしょう。
 人気エリアで、利便に優れて、地形が良くて・・・。
 それでも、価格が高ければ「魅力的」とは言えなくなります。
 実際に三拍子揃いながら、強気な売主の意向を受けて割高となり、長期に渡って売れ残っている物件も散見されます。


 原則、売主は高ければ高いほど良い。
 方や、買主は安ければ安いほど良い。
 我々不動産業者は常に、矛盾を孕んだ利益相反の仲介役です。

 幾ら仕入れが重要と言っても、売主に忖度し、相場から乖離した売値を設定しますと取引に成りません。
 かといって、売れる金額を意識する余り、過剰に安値提示しますと、売主の信頼を損ない、媒介にすら至らない可能性が高く成ります。
 最終的には価格とのバランスでしょう。
 
 市場相場と専門知識に照らし、物件価値を正確に査定し、売主・買主に偏りなく寄り添い、何人(なんびと)にも胸を張ることのできる、中立公正な取引を目指したいものです。

ゆっくり腐る生物

 9月20日、基準地価が発表されました。
 
 全国的に見ると、住宅地は31年振りに上昇。
 商業地も、41%が上昇に転じています。

 方や愛媛県はというと、30年連続下落。
 弊社ホームの喜多、大洲エリアも、軒並み2%前後のマイナス表記が並んでいます。

 日本は島国であり、その三分の二は山林です。
 建物を建てられる平らな土地は少なく、絶対的な価値である。
 こうした土地神話により、山林や原野や接道の無い物件も含め、戦後から半世紀弱、日本の地価は上がり続けました。

 投機は過熱し、バブル経済が膨らみます。
 昭和から平成に代わる頃、「山手線内側の地価でアメリカ全土が買える」と言われたものです。

 バブルの波は、地方にも及びました。
 今日1000万円で買った土地が、明日には1100万円、翌週には1200万円に成る。
 実際宇和島では、一つの土地を一日で四回転(値段を吊り上げながら4人に転売)させた強者も居たようです。

 かつて土地は、所有しているだけで値上がり益が見込めましたが、今は所有する限り確実に目減りします。
 建物も、時間の経過と共に劣化が進みます。
 固定資産税や、草刈り等の維持費も必要です。
 即ち、所有すること自体にメリットはありません。
 肝要なのは、その不動産をいかに運用できるか。

 そういう意味で不動産は、時間をかけてゆっくりと腐っていく生物と言えるでしょう。

オオカミが来るぞ

 三連休を襲った台風14号は、全国で多くの被害をもたらしました。
 
 ・ 大型で猛烈な勢い
 ・ 瞬間最大風速75m
 
 小田川沿いに位置する自宅は、過去越水こそないものの、避難勧告や避難指示は日常茶飯事です。
 今回も、内子町の一部(旧小田町)には避難指示が出ています。

 夜半から早朝にかけ、風雨は強まったものの、幸いにも大きな影響はありませんでした。
 瀬戸内横断の可能性もあった進路が、山陰北部コースに逸れたことに拠るものでしょう。
 
 今は、TVやラジオやインターネットを通じて情報を得ることができます。
 携帯電話の警報も度々鳴り響きます。
 「50年に一度」、「今まで経験したことの無いような」といったワードが危機感を煽ります。
 小職も月曜日は、深夜の風雨の音に目覚め、3時過ぎから出社して待機した次第です。

 昔に比べ予報は、飛躍的に正確に成りました。
 それでも、どこで突風が吹くか、どこに線状降水帯が発生するか、自然のメカニズムは複雑で、ピンポイントの予測は困難です。
 
 今回は、結果として肩透かしの感は否めないものの、被災しなかったとしたら、それはたまたま。
 イソップ童話「狼少年」の村人の様に、「オオカミが来るぞ!」の声を「またか」と捉える、正常性バイアスに冒されてはいけません。
 「備えあれば憂いなし」を心に刻みたいものです。 
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン

・経歴 
 雄新中卒業 → 新田高校中退
 大工・石工と約十年職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業
 令和2年 ㈱南洋建設 代表兼任
 令和4年 ㈱たんぽぽ不動産起業

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