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11歳の宅建士:結

 試験当日、家族に送って貰い、「人事を尽くして天命を待つ」とばかり近くの護国神社にお参りします。
 お預けを食らった2年間を思うと、試験の二時間はあっという間でした。 
 やり切った感があり、後悔は一切ありません。
 試験終了後、何を一番最初に思ったかというと、「今日は勉強しないで良いんだ」でした。

 さて、答え合わせをしたら、32点。
 絶対合格ライン35点からすると、かなり厳しい状況です。
 当落不明のまま、まな板の上の鯉の心境で発表の日を待ちます。

 当時は、愛媛新聞に合格者名が掲載されていました。
 自分の名前をみつけた時の気持ちは、嬉しさよりも、ほっとしたというのが本音です。
 合格ボーダーは、史上二番目に低い28点。
 あれだけ頑張って4点オーバーの結果に、自分の限界を思い知りもしました。

 影で支えてくれていた家内が、独特の表現で祝意を表します。
 「こんなに努力した人が報われなければ、神様はいないと思っていたけれど、やはり神様はいらっしゃった。」

 大袈裟な表現ではなく、この時の合格が無ければ、今の自分は無かったでしょう。
 おかげで、逆境や困難に際しても、それを機会と捉え、心から感謝できるように成りました。
 
 これほどまでに社長が、悪戦苦闘したハードルを、部下たちは次々と、いとも簡単に越えていきます。
 実は、高卒以上もしくは実務経験二年以上とした受験資格は、数年後に撤廃され、今は誰でも受験できます。 
 ちなみに、史上最も若い合格者は、11歳の小学生です。                 完
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11歳の宅建士:転

 嫌味でも皮肉でもなく、自分は環境に恵まれてたと思います。

 能力も学歴も知識も経験も無い、いわば失うものの無い人間が故、退路を断って前向きに進むしか選択肢が無い。
 その環境に在ったからこそ合格を手に入れられたのだと・・・。

 学生時代も含め、58年の人生の中で、こんなに勉強したことはありません。

 朝5:00に目が覚めれば勉強。 昼休みも当然に勉強。

 車で移動中の信号待ちでも、助手席においた暗記シートに手を伸ばす。

 仕事から帰って風呂に入り、食事をして、すぐに勉強。

 眠く成ったらお菓子を食べて顎を動かし、最後に模試を行い、答え合わせをしてから就寝。

 

 まさに、寝ても覚めても、四六時中、宅建が頭から離れません。

 この間、同じ夢を見ました。

 宅建試験当日、開始のベルが鳴り響く中、問題が解けないまま、時間だけが刻々と過ぎていく。

 うなされて、寝汗をかいて、何度飛び起きたことでしょう。

 上司から飲み会のお誘いを受けた際には、こう返事をします。

 「お誘いありがとうございます。

  喜んで参加させて頂きます。

  但し自分は、今秋の宅建試験に合格するための勉強が必要です。

  申し訳ありませんが、21:48に中座させて頂く非礼を御赦し下さい。」

 何故、21:48分なのか?

 21時半か、22時では駄目なのか?

 22時までと思った飲み会が盛り上がり、ずるずる延びた経験は誰しもあります。

 分刻みの時間指定は、妥協を許さない覚悟の表れです。

  

 そういえば、逆日めくりカレンダーを作りました。

 通常の日めくりであれば7月中旬、「まだ三ヶ月ある」と余裕を感じるものです。

 逆日めくりで、100日を切って99日に成った時は、真逆の焦燥感に駆られます。

 また、同僚の宅建士証を借りてコピーして、名前を書き換え偽造もしました。

 悪用するためではありません。

 「自分はこの宅建士証を必ず手にする」

 イメージトレーニングで勝利するためです。         つづく

11歳の宅建士:承

 さて、この頃は家庭を持ち、既に年齢は31歳。
 資格試験へのプレッシャーは半端ではありません。
 試験に落ちたら、会社に居場所は無い・・・。

 今にして思えば、寧ろ背水の陣に追い込まれたこと自体が幸いでした。
 知識も、経験も、学歴も無い人間は、世間の信用も価値も得難い。
 裏を返せば、合格して、名刺に宅建士の文字を印字できれば、それだけで見る目が変わります。

 資格を目指す際、思いっきりハードルを下げ、プレッシャーなく、効率よく合格することを望む方がいらっしゃいます。
 「いやあ、あまり勉強できてないんですよね。」
 「今年は受けるだけで、三年後位に合格できれば。」
 こんな布石を打った上で合格すれば、なかなかクールです。

 と同時に、勉強するか否かの強靭な意思も、自らに課せられます。
 自分は根っから地道な努力のできない、怠惰な弱い人間です。
 そこで、他者管理の力を借りることにしました。
 
 「自分は今年の宅建試験に必ず合格する」
 「そのために、毎日休まず、4時間以上の勉強を行う」
 家族、友人、上司、同僚・・・。
 会う人毎に、話して回ります。

 勿論、ここまで吹聴した上で落ちたら悲惨です。
 「ええっ! あれだけ大言壮語吐いてて、あいつ落ちちゃったの?」
 「毎日、4~5時間勉強して落ちるって、あいつ本当に頭の出来が悪いんだな。」
 そんな、陰口を叩かれるリスクも負います。                    つづく

11歳の宅建士:起

 これまで何度も綴ってきた話ですが、時期を鑑み敢えて書かせて頂きます。
 また、久々に起・承・転・結、全4話の長編と成りますので、ご容赦下さい。

 御承知の通り、自分の最終学歴は中卒です。
 新田高校を二週間で中退した後、11年に渡って大工、石工と職人道を歩みます。

 前職の会社には、27歳で某菓子店の店長として入社し、30歳で不動産事業部に異動しました。
 全くの畑違いで、経験も、知識も、何も無い状態からのリ・スタートです。
 
 実務を重ねつつ、宅建資格取得に向け、松山の専門学校に通う日々。
 7月、受験のための申込書を取り寄せます。
 その申込書の中に記載された、受験資格に愕然としました。

 1. 高卒以上の学歴
 2. 二年以上の実務経験

 そう自分には、資格を取るための試験を受ける資格がありません。
 会社や環境に恵まれたおかげで、学歴が障害に成ることは無かった自分にとって、これが最初で最後の躓きです。

 すぐに従業者登録を済ませ、二年後のリベンジを誓います。
 無資格であるにも関わらず、名刺の肩書は取締役営業本部長。
 この屈辱の二年間が、自分にとっての黒歴史です。
 
 お客様や業者さんと名刺交換する度、
 「なんだ、こいつ無資格なのか。」
 と嘲り笑われている気がして、劣等感に苛まれたものです。   つづく

善意か・悪意か

 同じ言葉でも、一般的な意味合いと、法律的な解釈は異なります。
 例えば、善意と悪意。


 『 一般的な意味 』
 善意 = 相手にとって益のあることを理解した上で抱く善い感情
 悪意 = 相手にとって害のあることを理解した上で抱く悪い感情


 『 法律的な意味 』
 善意 = 知り得なかった
 悪意 = 知り得た

 例えば、何らかの違反を犯した人が、規則を知らなかったとすれば善意。
 知っていながら違反したとすれば、それは悪意と成ります。

 中には罪を逃れるために、しらばっくれる方もいらっしゃるでしょう。
 しかし、論点は知り得たか、知り得なかったか、です。

 例えば・・・。
 ・ 職務に就く際、事前に教育・研修を受けていた。 
 ・ 有資格者である。(一歩通行違反で検挙された運転手が「標識を知らなかった」と言う)
 ・ 責任のある役職者である。(贈収賄で逮捕された議員が「公職選挙法を知らなかった」と言う)
 
 
 こうしたケースにおいて、知らなかったは通りません。
 また、当初は無知で知り得なかったが、途中で専門家から、違反行為を指摘されていた、とすれば、
 指摘を受けるまでは善意の過失、指摘を受けてからは悪意の故意、です。

 善か?悪か?
 判断に迷う局面において、人を裁く基準でもあります。

熱狂の冷めた後

 2021年公示地価が発表に成りました。

 様々な地価の中でも、比較的実勢に近いと言われるものです。

 全体的には半数近くがマイナス。

 これもコロナ禍の影響と言われます。


 マクロ的に見ますと、都市部は下げ止まり、地方は下落に歯止めがかかりません。

 特に四国、愛媛については、下落傾向が顕著です。

 その愛媛の中でも、松山中心部は横這い、弊社本社所在地の大洲は▲2~4%と、二極化の構図はより鮮明に成りつつあります。


 さて、愛媛の公示地価平均坪単価を、歴史的に振り返ってみましょう。


1988(昭和63年) 60万円/坪 ※40坪=2400万円

1991(平成 3年)114万円/坪 ※40坪=4560万円

 

 日本の地価は、戦後から40年以上、上がり続けました。

 土地は限りある資産=値下がりしない。

 この神話を盲目的に信じた国民が挙って熱狂して投機に走り、僅か三年で二倍に急騰。

 これがバブルだった訳です。


 バブル崩壊から30年が経ちました。

2021年(令和 3年) 23万円/坪 ※40坪= 920万円

 今や、バブル期の五分の一の水準です。


 幾等で売りたいかではなく、幾等なら売れるか?

 投機ではなく、その土地がどれだけの収入を生むか?

 不動産業が、収益還元のコンサルタントへとシフトしていることは言うまでもありません。

根性論の竹槍訓練

 予算の考え方は、各社の状況や、各社長の考え方によって様々である。
 避けなければならないのは、以下の二つ。

①  達成を容易にすべく設定された、実力以下の予算
②  達成できる見込みも裏付けも無い、分不相応な予算

 仮に自分が管掌する配下の組織から、①②の何れかが上がってきた場合には、しっかりと見抜いた上で差し戻し、適正予算に導く必要がある。
 間違っても「交渉による示談アプローチ」に応じ、中間どころで手を打ったり、「作り笑いのアプローチ」によって組織の士気を貶めてはいけない。

 では、適正予算とは、どういうものか。
 自分は部下に、「つま先立ちの背伸びで手を伸ばし届くか届かないかのライン」と教えてきた。
 今も、その考えは変わらない。

 果たして今期の南洋建設の目標は、適正目標であったか?
 正直、今期が始まる8月の段階では、不可能という見方が支配的であった。
 それから8カ月、現時点においては達成確実で、上方修正可能な状況にある。
 
 大口の未回収債権を抱えて、訴訟案件となっていた交渉が、奇跡的に進んだ成果に因る部分が大きい。
 勿論、一連の交渉も一筋縄では無い訳で、少なからずその功績への自負も有る。
 但し、現状人員による自力の生産性に限っていえば、力足らずを認めざるを得ない。
 

 前任の社長は、「経営計画を実現しなければならないことは承知しているものの、残念ながら自分の頭の中には、予算達成に導く方程式の解が見つからない」として辞表を提出している。
 先日、資本家を交えた侃々諤々の議論の末、売上の部門配布が改められた折、改めて前任社長の言葉の真意が身に染みた。


 今掲げている理念や方針やビジョンや戦略は、過去のものとは全く違う。
 これまでは、赤字にできないという強迫観念から、見込みも裏付けも無く、単なる数字合わせの予算を掲げては、玉砕され続けてきた。
 いかに社員を鼓舞しても、根性論の竹槍でB29は撃ち落とせない。

 イレギュラーの今期はともかく、南洋建設にとって来期こそが正念場。
 また、建設業の特性として、期首の繰越額が、予算の実現性に大きく関わってくる。
 今、やるべきことは明確だ。

任せる勇気

 出典は忘れましたが、次の言葉は至言です。

 「人を育てる最高の方法。
 それは任せることである。」


 裏を返せば、任せない限り人は育ちません。
 名著、ビジョナリーカンパニーには、「時を告げるのではなく時計を作る」という記述があります。
 
 太古の昔、時を告げることのできる特殊な能力を持った長老が存在していた。 
 人々は、その長老が、
 「6:00だ起きろ!」と言えば起床し、
 「12:00だメシにしよう」と言えば昼食を摂り、
 「21:00寝る時間だ」と言えば就寝する。 


 民は知恵を巡らす必要もなく、ただ指示に従うのみ。
 しかし、その長老が他界すると、人々は時を知る術が無くなり、混乱し、秩序が維持できません。
 優秀なリーダーが居る限り、その指示に従ってさえいれば、組織は安泰。
 一方、その優秀なリーダーの存在こそがリスクと成ります。


 小型モーターメーカーの日本電産は、創業者の永守重信氏が作り上げた、世界に誇るエクセレントカンパニー。
 しかし、同社の有価証券報告書には、「永守氏の突然の離脱があった場合、そのことが日本電産の事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります」と、ゴーイングコンサーン上の注記があることを忘れてはなりません。
 
 
 任せたいけれど、任せられないと思う創業者の終活には、任せる勇気が不可欠です。

ベーシックインカム

 某TV番組において、竹中平蔵氏の推奨する「ベーシックインカム」について学びました。


 内容は複雑なので、説明は難解ですが・・・。
・ マイナンバーにおいて、世帯所得を把握することが前提
・ 現在の生活保護や年金制度を原則廃止した上で
・ 平均月額70,000円を支給
・ 所得の多い人は、確定申告時に戻し入れ
・ 70,000円で不足する方は、働いて解消する

 簡単に言えば、社会福祉費用を一律支給した上で、
 余裕の有る人は戻してね。
 余裕の無い人は働いてね。
 という制度です。


 コメンテーターからは、否定的な意見が相次ぎます。
 これに限らず、現行の制度を改め、新たな制度を導入する際、メリットとデメリットが錯綜するのは当然でしょう。
 個人的には、大きく捉えれば賛成です。
 個の利益だけを考えれば、総論賛成・各論反対と成ってしまいそうですが・・・。

 
 理由は・・。
・ 既に年金制度は崩壊しており、代替するセーフティーネット導入は不可避である
・ しばしば見られる、年金生活者と生活保護者との不公平な逆転現象が解消される
・ 働いた分だけ減額される生活保護の制度が改められ、勤労意欲が増進される


 いつも思うことですが、ケチをつけるのは簡単。
 また、責任を負わない、評論家は楽。
 政治家の皆さんには、国家百年の計を見据えた使命感と責任感、決断力と実行力を期待しています。

粗探しより宝探し

 その昔、経営コンサルタント主催のベンチマーク視察で、言われた台詞です。

 
「粗探しではなく、宝探しをしましょう。」


 その頃、自分は若かったもので、かなり尖っていました。
 ゲストスピーカーの話の中に、矛盾や間違いを見つけると、積極的に質問し、やり込めてしまうこともしばしば。
 まさしく講師泣かせの、嫌な奴です。
 自分が講師の立場なら、たまったものではありません。


 ある時、某協会主催の大きなイベントが、東京の老舗ホテルで開催されました。
 我々も、一受講生として参加。
 すると、以前受講したことのある講師が登壇し、第一声でこう呼びかけます。
 

 「〇〇社の松岡さん、いらっしゃいますか?
 ああ、松岡さん、お久しぶりです。
 いやぁ、この方、随分鋭い質問されるんですわ。
 今日はどうぞ、お手柔らかに。
 さて、本日のテーマはですね・・・。」


 「今日は質問するなよ」と、釘を刺された次第です。
 それから自分も歳を重ね、大人に成りました。
 

 自らの過去を振り返ると、未熟なまま講師を務め、失敗したことは枚挙に暇がありません。
 穴が有ったら入りたいとはこのことです。 


 「粗探しではなく、宝探し。」


 参考に成らないことは聞き流し、自分にとってメリットのあることをしっかりと吸収するのが、受講生のマナーです。 
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン

・経歴 
 雄新中卒業 → 新田高校中退
 大工・石工と約十年職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業
 令和2年 ㈱南洋建設 代表兼任
 令和4年 ㈱たんぽぽ不動産起業

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