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義理人情の踏み絵

 田中角栄は、高等小学校卒の学歴ながら、一国の総理大臣にまで登り詰めました。
 ロッキード事件で晩節を汚したものの、今でも昭和の偉大な政治家として多くの人から信奉されています。

 通産大臣を務めていた時のエピソードは、田中角栄の人たらしたる所以です。

 関係者の訃報が入る。
 ところがその日は、通産省として最も大切な産業構造審議会の開催日。
 
 角栄 : 「おい、今日は誰かの葬式が無かったかね。」 
 秘書 : 「はい、確かにございますが、今日の産構審は通産相としてお葬式よりも重要な行事ですから、そちらを優先致しました。」

 角栄は、感情を抑えながら、静かな声でゆっくりと語った。

 「これが葬式でなくて結婚式だったなら君の判断は正しい。
  俺も何も言わない。
  新郎新婦に、また日を改めて会いに行き祝意を伝えればそれで問題はない。
  だが、葬式は別だ。
  亡くなった人との最後の別れの機会だ。
  二度目はない。
  今日、審議会があって駄目なら、何故昨日、お通夜の日程を組まなかったのか。」

 言葉通りに角栄は、敵対する党派の通夜にも出向き、読経が終わった後も、目を瞑ってずっと座っていたと言います。
 先日、某知人の御身内の訃報に接し、通夜も葬儀も都合がつかず、弔電と香典を手向けさせて頂きました。
 改めてそれは、判断の誤りであったかもしれません。

 生前のお付き合いの深さや、関係性もありましょう。
 それでも葬儀は、義理人情の踏み絵です。
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個々人のクレド

 顧客サービスのベンチマークとして著名な「リッツカールトンホテル」は、全スタッフが「クレド」と呼ばれる名刺大のカードを所持しています。
 また、朝礼等でクレドに基づく実践事例を発表し、画に描いた餅に成らない様な工夫も凝らされています。

 クレド(Credo)とは・・・
 企業全体の従業員が心がける信条や行動指針のこと。
  ラテン語で志・約束・信条を表す言葉で、企業理念などとは少し違う意味合いになる。

 さて、アマチュアスポーツの世界では、独裁政権下における歪みが取り沙汰されています。
 ボクシング協会、体操協会、テコンドー協会・・・。
 枚挙に暇がありません。

 大切なのは、お客様ファースト&アスリート(会員)ファースト。
 いわずもがなの当たり前です。
 
 しかし、長期政権による権力の集中は、知らず知らず天動説に陥りがちです。
 スポーツだけに限らず、業界団体も国家も同じでしょう。

 本来、ガバナンスの役割を果たす責務を負っている筈の理事も、いつの間にか感覚が麻痺し、長いものに巻かれ、権力に阿(おもね)る様になる。
 そこで貫かれるべきは、個々人のクレドでしょう。
 事なかれ主義も結構ですが、事が起きているにも関わらず、見て見ぬふりを決め込むのは怠慢に過ぎません。

幸か不幸か

 幸か不幸か、貧困な幼少期を過ごしました。

 父が結核を患い、小6から中3の四年間については、生活保護を受給。
 家は風呂無し、共同トイレの木造貸家。
 冷蔵庫の中に玉ねぎが一個しか無かったこともありますし、雨合羽が買えず、自転車で帰宅中びしょ濡れになったりもしました。

 学校では、集金日に校納金を納めます。
 母子家庭等の生活弱者も、同様に一旦納めますが、月に一度返金する形で免除されていました。

 該当する数名の生徒が担任の先生から呼ばれて、封筒を受け取ります。
 従って、「ああ、彼(彼女)も同じ境遇なんだな。」と判ります。
 
 先日、42年振りの再会を果たした友人もその内の一人。
 彼は、職場恋愛により20歳で結婚しました。
 夕飯の時に、食卓に並ぶ三品のおかずを見て、「贅沢だな」と感じたそうです。
 自分も、その気持ちが良く判ります。
 
 当時、おかずは一品のみがレギュラー。
 卵かけ御飯や、大根おろしを白米にぶっかけるだけの時もあります。
 カレーは、何週間に一度かの贅沢品でした。

 自分は、良く言えば倹約家ですし、悪く言えばケチです。
 その理由は、やはり生まれ育った環境でしょう。 

 しかし、当たり前の基準が低いことで、少々のことは不満に感じません。
 見過ごしそうな、何でもないような事象にも感謝できます。 
 
 冒頭で、「幸か不幸か」と切り出しました。
 57歳を目前に控えた今、それが幸いであったことを確信しています。

心が決めること

 某社で社員面談を実施しています。
 その個人差たるや、まるで別の会社を見るようです。
 当然ながら、全員が同じ会社、同じ社長、同じ就業規則に基づいて仕事をしています。

 この会社は、元々別の二社が統合したため、ここ2~3年、目まぐるしく組織が変更されました。
 その度に、名刺が変り、アドレスが代わり、制服が変わります。
 仕方無いこととはいえ、社員は翻弄され、落ち着いて仕事ができない環境にあったことは間違いありません。
 
 在籍数年の社員は、「以前に比べたら随分良い環境に成りました。」と答え、
 近年入社した社員は、「まだまだ、気に成る点が多く目につきます。」と答えます。

 現状に満足する人は、今を良しとしますし、
 あるべき姿を高峰に掲げる人にとってみれば、目につくことや鼻に付くことや気に成ることが目立ちます。

 何故なら、個々人の中での「標準」が違っているからです。
 「現状」と「標準」との差は「問題」。
 「標準」と「理想」との差は「課題」。

 今、幸せですか?
 この質問の答えも同じでしょう。
 すべては、心が決めることです。

人脈の糸

 一般的に高校卒業後は、各自バラバラの道を歩みます。
 自分は中卒ですが・・・。

 それから45年。
 内子町においては、自営業者が多いこともあって、親しかった同級生が相当数地元に戻ってきました。
 南予には、頼母子が定着しています。

 無尽とも講ともいわれるものですが、親しい仲間で何人組かを作って、毎月決まったお金を拠出し、まとまった資金を融通し合う仕組みです。
 我々が取り組んでいるのは実に少額で、頼母子にかこつけて酒を飲む集まりといっても過言ではないでしょう。
 
 しかし、この頼母子のおかげで、同級生の連帯は強まります。
 地元の友人、知人は沢山いますが、頼母子に参画していない人間とは、何年も飲んだ記憶がありません。
 近くに居て、いつでも飲める環境にあるからこそ、縁遠くなってしまうのは皮肉なものです。

 また、松山の中学三年の時の同級生数名とも、年二回の飲み会を継続しています。
 レギュラーメンバーが5名。
 そこから派生したゲストメンバーも、延べ十名に及びます。
 先日は、42年振りの再会を果たしました。

 人脈の糸は、手繰り寄せれば近付きますし、放っておくと切れてしまいます。
 一度しかない人生であるならば、出会いと縁を大切に生きて行きたいものです。

なめたらあかん

 我がグループが、経営の羅針盤としている書は、ジャック・ウェルチ著「WINNING 勝利の経営」です。
 その中では、繰り返し「率直さ」の重要性が説かれています。

 相手が上司であったとしても、社長であったとしても、臆することなく率直に話すことは大切です。
 建設的な意見が自由闊達に交わされる社風に成れば、次々と良いアイディアが共有されるに違いありません。
 しかし、時に「率直さ」は、「不遜さ」に変換されてしまうことがあります。
 
 「率直」 自分の気持などを飾ったり隠したりすることなく、ありのままであること
 「不遜」 思い上がった態度

 例えば、上司を上司とも思わない、社長を社長とも思わない、慇懃無礼な物言いをする社員の言動。
 それは率直さではなく、単なる不遜さです。

 「畏(おそ)れながら申し上げます」
 現代社会にあっても、礼儀、礼節、忠誠に満ちた、畏敬の念前提の率直さが美徳です。

 天童よしみさんも歌っています。
 「なめたらあかん♪ なめたらあかん♪」
 くれぐれも、上司や社長をナメてはいけません。

給料の貰い先

 我々は、誰から給料を貰っているのか?

 結婚式における、お袋+給料袋+堪忍袋という3つの袋の話。
 経営における、人財→人材→人在→人罪という4つのジンザイの話。
 と同じ位のレベルで、良く耳にする、ベタな質問です。

 答えは社長からでも、経理からでもなく、お客様から。
 そう、当たり前です。

 しかし、当たり前のことが当たり前に行われない会社もあります。
 例えば・・・。
 お客様と電話で話している時に、周囲が大声で無駄話をする。
 お客様が来社された時に、座ったまま、「いらっしゃいませ」とも言わない。
 お客様と社員が応接室で商談している時に、社員間で侃々諤々口論する。
 
 自分がコンビニに入店した時に、同じ光景を目にしたらどう思うでしょう。
 少なくとも、尊重されていない、大事にされていないと感じるに違いありません。

 給料は、お客様から頂くもの。
 どうか今日からは、その認識を、当たり前に備えて頂きたいと思います。

未知の領域・無知の領域

 とある案件で、顧問の先生からレクチャーを受けました。
 凡人が普通に考えると、コンプライアンス上も、運営上も、確実にNGとなってしまう案件であります。

 まさしく、目から鱗が取れるとはこのこと。
 聞く程に、頭の中の霧が晴れていく様な、実に爽快なお話しでした。 

 知らない人間は、知っている人間の半分も知らない。
 当たり前のことながら、知識も閃きも含め、何年かけても、逆立ちしても、この解は導けなかったと確信します。

 知っていること(知識)の周囲には、知らないこと(無知)の領域があります。
 知識の領域が拡がり、輪が大きくなる程に、無知の領域も拡がります。
 矛盾・・・いえいえ、無知でいる限り、未知の領域が存在することさえ知り得ません。

 知れば知る程に、知らないことが増えてくる。
 だからこそ仕事は面白いのです。

是々非々を貫く

 総ての判断は是々非々であるべきです。

 是々非々とは。
 良いことは良い、悪いことは悪いと公平な立場で判断すること。

 とは言いながら人の判断は、様々な主観によって左右されます。

 <好きか、嫌いか>
 「あの人の言っていることは正しいけれど、嫌いなので・・・。」

 <やりたいか、やりたくないか>
 「確かに正しいかもしれないけれど、やりたくない。」

 <損か、得か>
 「幾ら正しくても、損をしてしまう判断には同調できない。」

 また、軋轢を恐れ、事なかれ主義で流されることもあるでしょう。
 しかし、曲がりなりにも役員の立場にある方が、それではいけません。

 仮に、是々非々を貫くことによって組織から浮き上がり、孤高の存在となったとしても、信条に従って生きるのが美学です。
 例え、愚かであったとしても・・・。

一尺先にある鉱脈

 宅建士試験にまつわる、時間についてです。

・ 受験勉強の時間は、退屈でとても長い
・ 受験を決めてから、試験日までの時間は、光陰矢の如し
・ 試験会場に着席してから、試験開始までの数分間は異様に長い
・ 試験時間の二時間は大変短く、寧ろ足らない
・ 試験を応援し、見守る側の二時間は、とても長い
・ 試験終了後、解答速報が出るまでの数時間はあっと言う間
・ 不合格に終わって、次年度受験までの一年間は、とても早い
・ 合格してから、取引士証を手にするまでは一日千秋の思い
・ 初めて一人で行う、重要事項説明の時間はとても長い
・ 取引士証を手にしても、一人前には程遠い・・・

 一年は365日、一ヶ月は30日前後、一週間は7日、一日は24時間・・・。
 古今東西、老若男女、時は共通。
 しかし、その時間の感じ方は様々です。

 そして、受験だけに関わらず、時間を味方につけた者が勝利します。
 宅建は短期集中の暗記試験。
 半年前からの400時間学習で、大抵の人は合格できる筈です。
 
 裏返しに、仮に200時間を10年継続して、トータル2,000時間では、あと一歩及ばないのも宅建です。
 成功はあと一尺掘れ。
 来年こそは、一尺先にある鉱脈を掘り当てられんことを祈念しています。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン

・経歴 
 雄新中卒業 → 新田高校中退
 大工・石工と約十年職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業
 令和2年 ㈱南洋建設 代表兼任
 令和4年 ㈱たんぽぽ不動産起業

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