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本分と一分

 組織運営において、スタッフとラインとのパワーバランスはとても重要です。

 現場力が強く成ると、法律も規則も蔑ろにされて、リスクが拡大する。
 営業が強過ぎたが故、コンプライアンス違反に歯止めがかからなかった某金融機関や、某アパートサブリースメーカーも同じです。

 一方で、管理本部の力が強過ぎると、現場が抑えつけられて、稼ぐ力が削がれる。
 中小企業の父と言われた故一倉定氏は、自著でこう表現しています。
 「営業が肩で風を切って歩く会社は健全である」

 そうした功罪両面を理解しながらも、企業が成長を目指す上で、現場力の拡大は不可欠です。
 精緻な人事評価の仕組みも、充実した研修制度も、行き届いた福利厚生も、すべては社員が成長し、やり甲斐を感じ、現場で力を発揮して貰うための御膳立てという、本分を忘れてはいけません。

 「本分(ほんぶん)」とは、人が本来尽くすべき務めのこと。
 方や、一身の面目、一人前の人間としての名誉を「一分(いちぶん)」と言います。

 評論家に終わらない、というのが、自分なりの管理スタッフとしての一分です。 
 実務家である現場の社員は、地を這い泥を嘗めながら、成果を掴み取ろうと必死でもがいています。
 手を汚さないスタッフがそれを、客観的に見て、上から目線であれが駄目だ、これが駄目だと言うのは簡単です。

 人に指示する以上、いざとなれば自らが乗り込んで、共に泥の中に手を突っ込むだけの覚悟が必要でしょう。
 本分と一分と。
 双方備えざる者は、管理スタッフとしての資格がありません。
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正常性バイアスってなぁーに?

 トップダウンなのか、ボトムアップなのか、という問い掛けを行うと、大半の方がボトムアップを支持します。
 社員の声に耳を傾け、希望や要望に応える経営は、理想に思えます。
 今年行った研修の大きな狙いも、「トップダウン」から「ボトムアップ」へでした。

 しかし、「ボトムアップ」の大前提は、平常時・正常時であることです。
 例えば、戦時下の殺すか殺されるかという局面において、大将が末端の兵隊の意見を聞き、調整することなど無いでしょう。

 同様に、会社の業績が振るわず、存亡の危機を迎えたとすれば、トップダウンの大鉈(なた)が振るわれるべきです。
 人間は、現状維持を心地よく思い、変化を嫌う生き物なので、ボトムアップからの変革を期待する方が間違っています。

 このように、リーダーシップは、時と場合によって使い分けられるべきものであり、どちらかが正しくてどちらかが間違っているという性格のものではありません。

 閑話休題。
 『正常性バイアス』ってなぁーに?

 社会心理学、災害心理学などで使用されている心理学用語で、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のこと。
 例) 天災等で危機が迫っているにも関わらず、何の裏付けもなく「自分は大丈夫だろう」と高を括って逃げ遅れるケース。

 そんなことも知らずに、「トップダウンを強いられた」とか何とかボヤいている人のいかに多いことか。
 今こそ総ての日本国民に問います。

 危機的な状況にありながら、危機とも思わず、危機から抜け出すための行動を起こせないあなた。
 あなたは何も知らぬまま明日から生きていくおつもりですか?

土を耕し種を蒔く

 経営計画を策定するに当たっての、ポイントを列記します。

 一昨年まで作成していたのは、「事業計画書」。
 今期からの繰り越しを踏まえ、来期の損益計算書作りがメインでした。
 事業計画書は、短期の利益の最大化が目的。
 その場合、収穫ばかりが優先され、採用や教育や投資といった、未来への種蒔きが疎かに成りがちです。

 昨年は内容を一新し、「経営計画書」と名称も改めました。
 理念・方針に始まり、十年後のあるべき姿、五ヶ年の中期計画、来期損益計算書、それを達成するための重点目標とブレークダウンしていきます。

 更に今年は、社員の参画意識と納得性を高めるべく、4~5月にジュニアボード的な研修を実施。
 経営計画策定のための、土壌は耕されました。

 今月、経営計画策定のための解説本をお渡しします。
 6月中旬 「経営計画策定研修会」 → 個別折衝
 7月中旬 一次〆切 → 個別折衝
 7月下旬 「経営計画書」完成
 8月初旬 「経営計画発表会」

 トップダウンからボトムアップへ
 強制目標から納得目標へ
 やらされ感からやり甲斐へ

 期末までの二ヶ月間は、今期の総仕上げであると同時に、収穫をもたらす種蒔きの時期でもあります。

執行役員制の是非

 かつて、サラリーマンの究極のゴールは取締役と言われてきました。
 最近では、その風潮にも陰りが見えます。

 まずもって、取締役とは何でしょう。
 『取締役』 株式会社で業務執行に関する意思決定を行う者。

 法人の登記簿に名前が記載される取締役には、二通りあります。
 通常の取締役と、使用人兼務役員です。

 取締役は、就任時に一旦会社を退職します。
 報酬も原則、一年契約の年棒制で、株主総会で決められた報酬を毎月貰うことになります。
 失業保険も賞与もありません。

 一方で兼務役員は、文字通り使用人を兼ねていますので、社員としての身分が残ります。
 賞与も出ますし、退職時の失業保険、退職金も対象となります。

 近年、「執行役員制度」を導入する企業が増えてきました。
 「業務執行を意思決定」する取締役と、実際に「業務を執行する」者を分けようとする流れからです。
 
 半分役員、半分社員という立場にある兼務役員の場合、執行役員とした方が実態に則しています。
 また、抜擢された役員も、取締役としての法的責任リスクに晒されずに済みます。
 従って、我がグループにおける取締役は原則、「会長」「社長」「専務」「常務」等の役付役員のみです。

 来期に向けて、責任と権限の委譲がより加速するものと思われます。
 やる気とポテンシャルを有した若手人材を執行役員に登用し、より活性化する組織を目指して頂きたいものです。

甘さが招く失態

 グループ会社が新しい事業に取り組むにあたり、その採算性、成就性を確認するために、役員プレゼンが実施されます。
 新事業を目論むグループ会社の役員が資料を整え、資本家を含む経営管理スタッフに対しプレゼンする訳です。

 案件は、昨日今日出てきた話ではありません。
 担当スタッフとグループ会社の役員が、何度も折衝を重ねた上で上申されます。
 従って自分も、事業の概要については把握していました。

 本番では、何も知らない体で質問を繰り出します。
 ところが、その質問に対する回答は極めて要領を得ません。
 目が泳ぎ始め、右往左往する役員陣。
 見るに見かねて、管理スタッフが助け舟を出す体たらくです。

 そのフォローも手伝って、事業提案は無事可決。
 しかし、事後の反省会を踏まえ、その判断は間違っていた気がします。
 鬼と言われようとも、苦言を呈して、一旦突き返すべきでした。

 管理スタッフがアイディアを提供したとしても、稟議を手助けしたとしても、計画を実践するのはその会社です。
 事業の成否は、決定後の後天的な努力によって八割方決まります。

 そして、成功時の手柄も失敗時の責任も、何れも会社の役員が負うべきもの。
 であるならば、当事者は腹を括り、覚悟を決めて臨んで貰う必要があります。

 そうした覚悟の定まらぬまま、甘い裁量で事業化を承認したとすれば、それは我々の失態です。
 今後は、自省と自戒を踏まえ、より厳しい姿勢で臨みたいと思います。

先憂後楽の歓送迎会

 先日、大街道周辺で、職場の歓送迎会がありました。
 主賓は関わり深い方であったので、自ら幹事を買って出たのですが、それが間違いの始まりです。

 参加者全12名。
 主賓2名分を残る10名で負担する都合上、価格重視と成らざるを得ません。
 ネットで相当数検索しますが、週末が故に条件が厳しい。

 そんな中、コース料理9品+二時間飲み放題で、税別2,980円の店がヒットします。
 しかも、6名以上で一人分無料。
 
 これなら、税込一人3,600円で納まります。
 おまけにこのお店は、一世を風靡したTV番組「料理の鉄人」で、道場六三郎のライバル関係にあったK氏が監修とある。
 
 有名料理人監修とあれば、味も期待せずにはいられません。
 ところがこの後、現実の厳しさを思い知らされます。
 
 ・ 席がぎゅうぎゅう詰めでまったく身動きつかない
 ・ 一番奥の人は、手前の5人が一度出ないとトイレに行けない
 ・ 室内の照明が切れていて、ラウンジよりも暗い
 ・ いきなりスタッフが飲み物をこぼして、廊下が水浸し
 ・ 先清算を申し出るも、レジが立ち上がってないとかで10分待たされる
 ・ 準備が出来たとしてレジでカードを出すと、また10分待たされる
 ・ 定刻開催したにも関わらず、最初の飲み物を、また10分待たされる
 ・ 乾杯のビールが温い
 ・ 料理の提供も押し並べて遅く、量が圧倒的に少ない
 ・ 和食料理人K氏監修なのに、料理が多国籍というかカラオケボックスというか

 枝豆、フライドポテト、やみつき風キャベツ、チキンステーキ、水餃子、炒飯・・・

 しかし、やまない雨は無いし、明けない夜も無い。
 その後に行った店に持ち込んだ、路上販売のタコ焼きがすこぶる美味しかった。
 まさに先憂後楽。
 
 もう二度と幹事を任されることは無いでしょう。
 皆さん、誠に申し訳ありませんでした。

再考ミッション:後編

 分業するとしたら、どこの店舗から営業を一人抜くのか、もしくは採用するのか。
 営業を抜いた店舗は、業務が回るのか。
 採用した場合、増えた人件費以上に売上は積み増せるのか。

 それ以上に懸念されるのは、網羅的な視点を持つ社員が少なくなり、お客様との意思疎通が図れなくなることです。
 
 オーナー様  「管理担当者には、何度も言っていたのに!」
 管理担当  「仲介営業が、こんな入居者を入れたから、俺が怒られたじゃないか!」
 入居者 「そんな条件、まったく聞いていません!」
 仲介担当 「管理担当の態度が悪かったから、オーナー様も入居者もカンカンだ!」
 
 各々が他責に終始し、セクショナリズムの壁が立ちはだかります。
 お客様は、誰に言ったら良いのか判らず、戸惑うばかりです。
 方や一貫体制であれば、総てを自己責任で受け止めざるを得ません。

 組織拡大に欠かせない管理者育成の観点からすると、それが近道です。
 また、一部分だけを請け負うよりも、全体像を見渡せた方が、仕事の本質を掴むと共に、やり甲斐にも気づき易くなります。
 そういう意味で我が社は、新人営業マンであっても、見ているのは管理職や経営者と同じ景色です。

 『地域で一番親切な不動産会社を目指し、中立・公正かつ思いやりのある、ワンストップサービスを心掛けます』

 「親切」「思いやり」といったワードは、理念としてはやや泥臭く聞こえるかもしれません。
 しかしながら、それこそがNY「らしさ」です。
 経営者の愚かさ故、具体的に明文化されていなかった価値観が、社員個々人の十年間の営みから導かれ、このミッションに結実しました。
 まだ見ぬ未来は、このミッションに基づいて切り拓いて参ります。     完

再考ミッション:前編

 ミッションについて、ジャック・ウェルチは、こう言っています。

 「ミッションをつくるのは経営トップの責任だ。 
 ミッション策定は、最終的な責任を取る立場にある人にしかできない。
 誰かに移譲してやらせることは不可能だし、やるべきではない。
 ミッションは、会社のリーダーシップを明らかにする。
 ミッションは、リーダーシップの試金石である。」

 この教えの通り、今の経営理念は、創業時に自分が考えたものです。
 一方でウェルチは、効果的なミッションステートメントをこう表現しています。

 「私たちはこのビジネスで、どうやって勝とうとしているのか?」
 
 換言すれば、後発の中小零細企業が、先行する大手に追い付き追い越すための、差別化された独自性、価値観は何かです。
 そういう観点からすると、今の経営理念は実態なき美辞麗句だったのかもしれません。

 地場大手と我が社の違いは何か改めて考えると、分業制か一貫体制かという部分でしょう。
 賃貸仲介・管理は、煩雑な仕事です。
 
 お客様からのメール返信をしようと思っていたら、滞納督促の入居者から電話がかかってくる。
 PCに向かい物件入力していたら、飛び込みの来店がある。
 明日の契約書を作成していたら、管理物件の水漏れクレームがあり、現場に急行する。

 管理担当がいてくれたら。
 入力担当がいてくれたら。
 督促担当がいてくれたら。
 
 これは、仲介営業の偽らざる本音です。
 確かに、分業して仲介に専念すれば、もっと契約が増やせるという仮説は道理。
 ところが、変化によって得られるのは、メリットだけではありません。           つづく

問題と課題

 問題と課題は、似て非なるものです。
 
 まずは、その人、その店舗、その部門、その会社にとっての「標準」を定めます。
 次に、「理想」を設定します。
 最後に「現状」を掴みます。

 標準と現状とのギャップ = 問題
 理想と現状とのギャップ = 課題

 現状が標準に至っていないとすれば、それは問題ですから直ちに是正する必要があります。
 勿論、コンプライアンスもここに含まれるでしょう。

 一方、理想の高さに比例して、課題は山積します。 
 但し、焦りは禁物です。

 例えば、社風や文化を変えていくのは、一朝一夕には叶いません。
 理想像とのギャップを嘆いたり、悩んだりすると、自分自身がしんどくなります。
 昨日よりも今日、今日よりも明日と、少しずつ改善していく部分に着目すれば、随分気持ちは楽です。

 山登りをする時は、誰しも辛いもの。
 たまに立ち止まって後ろを振り返ると、「ここまで上がってきたか」という実感が湧いて、更なる高峰を目指すモチベーションに成ります。
 
 どれだけ重たい荷物でも、今日一日なら背負っていける。

 一日一日の営みの先に、理想があることを信じて頑張りましょう。

社風という名の風

 小職が、グループの仕事を始めて、間もなく2年が経過します。
 社員の声に耳を傾け、幾つかの改革を実施してきました。
 その一つが、完全週休二日制の導入です。

 それまでは、隔週週休二日で、土曜日は午前中のみの出勤でした。
 祖業である建設コンサルタントにおいて、基幹業務は公共事業が中心であり、土曜日は役所もお休み。
 それでも隔週土曜日半日出勤としていたのは、社内コミュニケーションの充実が狙いです。

 業務に追われる平日は、皆が顔を合わせる機会も殆どありません。
 土曜日の朝は、全社員が会議室に集まり、二週に一度の朝礼。
 その後、各部門に戻っての部会。
 そこで、会社の決定事項を周知したり、トップが訓示することで、社員は迷いなく業務に邁進できました。

 「土曜日に半日だけ出社するのは非効率。」
 「土曜日を全休にしても、生産性は変わらない。」
 「年間休日数を同業他社並みにしないと、優秀な人材が集まらない。」

 様々な理由から、完全週休二日に移行した訳です。
 先日の研修を受講した幹部の一人が、レポートにこう書いていました。

 『研修など行わず、日々の業務に追われて、会議等を行う機会もなかなか取れない。
 そうした状況の中唯一、隔週で会議の場を取れる出勤土曜日の必要性に気付けなかったことを、今更ながら思う。』

 NYホームにおいても創業期から、隔月の第三水曜の定休日を出勤日として、全社会議を開催していました。
 社員目線では、定休日が出勤となるため、すこぶる評判が悪い。
 代休で対処するように指示しても、取り難いという不満が聞こえてくる。
 社員の声に屈した訳でもないのですが、やがて撤廃し、毎月一回20分の全社朝礼に代替することに成りました。

 しかし今度は、別角度の意見が出てきます。
 「短時間では、一方的な連絡しかできない。」
 「もっと社員の声をぶつける機会を持ちたい。」

 結果的に時間は巻き戻され、全社会議は復活することになりました。
 結果は同じでも、社員から起きた自燃的な発案であることに価値があります。
 
 トップダウンからボトムアップへ。

 まさに今、社風という名の風が吹き始めています。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン

・経歴 
 雄新中卒業 → 新田高校中退
 大工・石工と約十年職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業
 令和2年 ㈱南洋建設 代表兼任
 令和4年 ㈱たんぽぽ不動産起業

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