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カタイ人間とユルイ人間

 コンプライアンスの優先順位を、改めて振り返ります。

1. 法律
2. 就業規則
3. 倫理

 言わずもがな、法律を違えれば罪に問われます。
 また、その会社の社員で居る限り、就業規則は遵守すべきです。
 最後に、法律や就業規則に触れなかったとしても、人として如何なものかという倫理的価値観は、蔑(ないがし)ろにできません。

 世の中には、法律の網の目を掻い潜って富を得ようとする輩も散見されます。
 企業では、そうした行為に倫理としての警鐘を鳴らすために、経営理念を定めている訳です。

 さて、就業規則は完全無欠ではなく、ところどころ漏れがあります。
 その漏れの部分については、各人の判断に委ねられます。
 すると、カタイ人間とユルイ人間とで、倫理観のバラつきにより運用に幅が生じます。
 時としてそれが、不平等感を招き、不信感につながることもあります。

 それらの問題を解決する上で、ルール作りは大事です。
 企業は、罪作りを作らないために、ルールを周知します。
 働く社員は、定められたルールを守らなければなりません。 
 それが組織人の務めです。 
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管理を制する者

 弊社は創業十年目です。
 自分がこの業界に関わり始めてからは、約30年が経過しています。
 その間、市場環境は大きく変貌を遂げました。
 
 電話とファックスと情報誌の時代は終わりを告げ、今やインターネット無しに反響を取ることはできません。
 FCも増えました。

 アパマンショップ、ミニミニ、ピタットハウス、エイブル・・・。

 御承知の通り、弊社もエイブルの看板を掲げています。
 地元のミニスーパーや雑貨屋が、短期間の内に次々とコンビニに取って代わられたことを思えば、ブランド力の偉大さは無視できません。
 一方で、FC離脱の動きも散見されます。
 そうした中、30年前からの古典的な教えを、今更ながら確信しています。 

 「管理を制する者は賃貸仲介を制す」

 逆説的に言えば、一定の管理数を持たずして安定経営は望めません。
 管理が増えれば自然と繁盛し、管理が取れなければ撤退を余儀なくされます。
 
 シンプルな法則ながら、日常業務において、管理増大のためのアクションがファーストプライオリティに成っているかというと、煩雑な業務に日々追われ、必ずしもそうなっていないのも賃貸管理業の実態です。
 もう一度繰り返しましょう。

 管理を制する者は賃貸仲介を制します。

感謝に感謝の倍返し

 先日開催した研修レポートを読ませて頂き、とても感動しました。
 レポートの内容そのものとは、違う観点です。

 「テーマをつくり、場をつくる作業は、そんなに簡単なことではない。
 今回のコンプライアンス研修は、研修としての組み立ても流れも素晴らしいと思う。」

 「今回、研修の資料作成や準備、調整された講師お二人にエールを送りたい。」

 これ以外にも、多くの受講者の文末に、「今回は有意義な研修の機会を与えて頂きありがとうございました。」といった趣旨の、感謝の言葉が並んでいます。

 自分が受講者の立場で、主催者側への感謝の意を伝えられるかというと、正直自信がありません。
 受講できるのは当たり前。
 寧ろ、受講させられるという被害者感覚。
 レポートには、どちらが講師か判らない様なダメだしの連続。

 そんな不遜で、愚かな受講者を何度演じてきたことでしょう。
 自分が講師になって、初めて判ることもあります。
 
 相手の立場に成って考えることの尊さ。
 給料を貰いながら学ばせて貰うことの有難さ。
 
 皆さんのお気遣いに、心より感謝申し上げます。

暗黒の日々に感謝

 自分の人生の殆どは内子町ですが、松山で4年、大三島で3年を過ごしています。
 この13~18歳の多感な時期は、自分にとって文字通り黒歴史です。

 中学時代の家庭は、父一人子一人。
 当時父は、肺結核を患い、生活保護を受けていました。
 車はおろか自転車も買えない、昼食のパンも買えない、極貧家計です。

 公立に進むほど出来も良くなかった自分は、身の程も弁えず、私立新田高校に進学しました。
 義務教育が終われば、学業に対する民生の保護もありません。

 進学して二週間目、突然姉が高校にやって来て、「生き別れた母が危篤」と先生に告げ、自分は制服姿のままで大三島へと連れて行かれました。
 島へ着いてみると、危篤である筈の母は元気に笑っています。
 どうたら自分が困窮していることを、風の便りに聞きつけた母姉が、強制的に父元から略奪しに来たという顛末です。
 父は父で、突然自分が姿を消したものですから、警察に捜索願を出し、高校も巻き込んでちょっとした事件に成りました。

 島に渡ってから半年間は、母が営むスナックの裏に住まい、学校にも行かず、働きもせずプー太郎の生活です。
 暫くして、義兄の営む小さな工務店へ、手伝いに行くことに成りました。
 しかし、不器用で気の利かない自分は、四六時中短気な棟梁に叱られてばかり。
 仕事が嫌で嫌でたまらず、外仕事の際は、ずっと雨乞いをしていました。

 そんな姿勢で仕事が身に付く筈はありません。
 三年目のある日、棟梁から「今のままではものにならないから職を変えた方が良い」と諭されます。
 学歴も、資格も、何もないからこそ大工に弟子入りしたにも関わらず、リストラされてしまう訳です。

 その言葉に、「なにくそ!」と悔しさを感じたならば、まだ見込みがあります。
 残念ながら自分は、「これで棟梁から叱られなくなる」と安堵の気持ちの方が強い愚者でした。

 人には生来、認めて貰いたいと思う、承認の欲求が備わっている筈です。
 ところが、島で生活した3年間、自分にはその気概すらなかったと、感慨深く思い返します。

 あれから40年。
 色々なことがありました。
 今は心底、「あの時期があったから今がある」と暗黒の日々にも感謝することができます。

十三回忌の法要

 私は、6つ離れた姉がいました。
 7歳の時に両親が離婚して以降、事実上母親の役割を果たしてくれていたのも彼女です。

 その姉が胃癌を患い、7時間に及ぶ手術に臨んだのは三十年程前。
 かなり進行していたため、胃の三分の二を切除し、余命三年を告げられました。
 
 ところが結果的に彼女は、術後19年間生き続けることになります。
 姉にとっての生き甲斐は、ピアノの才能に優れた愛娘を一人前にすることでした。
 
 小さな工務店の棟梁が、娘をロシアへの留学をさせるのは至難の業です。
 経済的な労苦も、想像に難くありません。

 しかし、念ずれば花開く。
 遂に念願叶い、ブルガリア音楽コンクールで優勝。
 凱旋コンサートが、地元で行われると聞き、自分も出張の合間に駆けつけました。

 楽屋を訪ねると姉は、自分を見て「顔色が悪いけど体調は大丈夫か?」と声をかけてきたのです。
 その15分後、本番開演直前に彼女は倒れ、救急車で病院に運ばれ、翌日帰らぬ人となりました。
 享年49歳。
 楽しみにしていた娘の晴れ姿を見ることもなく・・・。

 運び込まれた今治の病院は、19年前に胃癌の手術を受けた同じ病院でした。
 ところが、驚くべきことに、カルテがありません。
 何と彼女は、術後、抗癌剤治療を受けることなく、19年間生き永らえていたのです。
 娘をピアニストにするという気力だけで・・・。

 先日、13回忌の法要に、二人の子供や孫達が集まり、思い出話に花が咲きました。
 甥の下の娘は、葬儀の時に、まだ一歳。
 自分が抱いて歩き回っていた彼女は、もう中学生です。

 法事は、滅多に会えない親戚を、故人が引き合わせてくれる日だと言います。
 改めて、姉の偉大さと、血の絆の深さを痛感する一日でした。 
 合掌・・・。

働かせ方改革:後編

 麻雀好きな人が徹夜で麻雀をするとか、パチンコ好きな人が9時の開店から23時の閉店まで14時間ぶっ通しで打ち続けるといった話を聞きます。
 しかし、その人達が、遊戯中に過労死したというニュースを目にしたことはありません。

 人間とは、自らの意思に基づいて主体的に行動することであれば、疲労感さえ心地良く感じられる生き物です。
 一方、自分の意思とは裏腹に、指示命令によってやらされるジョブは、ストレスが溜まり、とても疲れます。

 記事の中で、一橋大学の小野浩教授は、次の様に語っています。
 「米国と比べ、日本は非自発的な『だらだら残業』が多い。
 米国は日本より労働時間が長くても、自発的だから生産性が高い。
 残業時間を規制しても、働き方が変わらなければ問題は解決しないだろう。
 
 -中略-
 
 例えばメルカリは、性善説にたち、働く時間や経費の細かい管理をしないという。
 下のレベルで意思決定できる仕組みをつくると、社員の満足感が高まる良い循環が生まれる。
 逆に過剰管理になると、信頼感を得られず、モチベーションが低くなり、事務作業も増えて効率が落ちる。」

 まさに、その通りです。
 性善説か、性悪説か。
 働き方改革は、働させ方改革でもあります。       以上

働かせ方改革:前編

 日経新聞に連載中の特集記事「働き方進化論」。
 2月22日は、「働き方改革」の矛盾を的確に示しています。

 「シンガポールは、労働時間などの規制が日本に比べれば緩い。
 大多数の社員は定時退社するが、幹部候補生はがむしゃらに働く。
 成果は給与や昇進に返ってくるからだ。
 残業時間の上限規制を決めた際、厚生労働相だった塩崎恭久も当初、
 「働きたい人まで制限していいのか」と悩んだ。
 効率化にも限界がある。
 日本の厳しい時間規制では業績が上がりづらいと、主要業務をアジアに移す外資系金融も出てきている。
 だが、2016年に電通の新入社員の過労自殺が発覚し、労働基準監督署の監視は、より厳しくなった。
 過重労働は、もう許されない。」

 社員が、仕事上のストレスを抱えて心の病に悩む。
 自ら命を絶つ。
 これは大変悲しいことですし、根絶すべき事象です。

 個人的に、その原因が、労働時間の長さだけにあるとは思えません。 
 逆説的に、労働時間さえ短縮すれば再発しないと言い切れるでしょうか。     つづく

大いなる勘違い

 職場内で、「今日のクイズ」がプチブームに成っています。
 元をただすと、保険の営業の方が配られる手書きチラシがきっかけです。
 昨日は、私がクイズを出題しました。

 「何月生まれのJリーガーが最も多いか?」

 ちなみに一番少ないのは2月。
 それは、単純明快に、28日しかないためです。

 実は、一番多くプロサッカー選手を輩出している月は4月。
 その理由はというと、幼少期の身体的な優位性に起因しています。

 4~6歳の頃を思い出してみて下さい。
 保育園や幼稚園で同じクラスであったとしても、4月生まれと3月生まれでは、丸一年違います。
 一年違えば、身体が大きく、運動神経に優れ、走れば早く、喧嘩が強いのは当然です。

 そして、自他共に認められた、そのラベリングのままで進学していきます。
 自信に満ちた4月生まれは、運動部に所属し、更にレベルを高めます。
 つまり、身体的優位が、やがて精神的優位につながり、自分の人生を拓くのです。

 京都から、京セラ、堀場製作所、ローム、日本電産と、世界的な企業が多く輩出される理由も、「あの親父にできて、自分にできない筈が無い」という、思い込みからだといわれます。
 恐るべき、大いなる勘違い。
 
 ポジティブシンキングの重要性は、そうした身近な事象からも知ることができます。

トルコと日本の絆:後編

 時は流れ、1985年の中東。
 半島は、「イラン・イラク戦争」の真っ只中でした。
 両国の都市爆撃の応酬が続く最中の3月17日、イラクのサダム・フセイン氏は、突如としてこう宣言します。

 「48時間の猶予期限以降、イラン上空を飛ぶ航空機は無差別に攻撃する!」

 各国は、直ちにイラン在住の国民を軍用機や旅客機で救出しました。
 ところが、日本は、自衛隊の海外派遣不可の原則のために、航空自衛隊機による救援ができません。
 加えて、当時日本で唯一国際線を運航していた日本航空も、安全上の配慮から臨時便の運航を拒絶。
 215名に及ぶ在イラン邦人は、イランから脱出できない危機的状況に陥ったのです。

 まさに土壇場に追い込まれたイラン駐在特命全権大使は、トルコ駐在特命全権大使に窮状を訴え、一縷の望みを託します。
 すると・・・。

 「判りました。
 直ちに本国に求め、救援機を派遣させましょう。
 トルコ人なら誰もが、エルトゥールルの遭難の際に受けた恩義を知っています。
 今こそ、ご恩返しをさせて頂きましょう。」

 トルコ航空は、自国民救援のための旅客機を2機に増やし、215名の日本人はこれに分乗し、全員無事に脱出できたのです。
 最期の一人が搭乗したのは、無差別攻撃の期限時刻の僅か一時間前でした。

 トルコ人なら誰もが知る、日本人との深い絆。
 それを知らない日本人のために、我々は語り継ぐ必要があります。    以上 

トルコと日本の絆:前編

 最近、その国で知名度の高い日本人をランキングするTV番組が放映されています。
 黒澤明、村上春樹、イチロー、本田圭佑・・・。
 世界的に活躍する日本人の名前を、外国の方が口にするのは誇らしいものです。

 さて、トルコで一番有名な日本人は誰か。
 答えは、「山田寅次郎」です。
 「えっ、それって誰?」と思う方は少なくないでしょう。

 逆に、知っているトルコ人と聞かれても、なかなか名前は出て来ません。
 せいぜい、トルコ風アイスかトルコ風ライスくらい。
 しかも後者は、トルコ本国には無い料理だそうです。
 
 閑話休題。
 1890年(明治23年)9月16日夜半、和歌山の会場でトルコの「エルトゥールル号」が、折からの台風で遭難。
 乗員600名以上が海に投げ出されます。
 実に、587名が死亡または行方不明。
 山田寅次郎等、地元民による懸命の活動によって、69名が救出されました。
 
 寅次郎は、多くの犠牲者の遺族のことを慮り、義援金集めに奔走。
 今の貨幣価値にして一億円以上を集め、一ヶ月かけてトルコに渡り、皇帝に献上します。
 
 皇帝 「何故日本人は、見ず知らずの異国人に対してここまで優しく接するのか?」
 寅次郎 「それは武士道の精神です。」

 皇帝は感激し、「どうかこのまま留まって、我が国民に武士道の精神を広めて貰いたい。」と懇願。
 寅次郎は、その申し出を受け入れトルコに留まり、十数年に渡って教育に当たったという実話です。

 しかし、130年も前の出来事を、トルコの人々が何故覚えているのか。
 それは、この史実が教科書に載り、累々と語り継がれてきているからです。
 そして、遭難事故から95年後、二国間の深い絆を示す感動的な結末が待っていました。      つづく

心の琴線に響く

 今から20年以上前の話です。
 社内の幹部を対象とする、二日間のセミナーが企画されました。

 当時、現場最前線の自分にとって、それは良いニュースではありません。
 「この忙しい時に、二日間も拘束されるとは・・・。」
 恐らく、受講した殆どの社員がそう思っていたでしょう。

 迎えた当日、席は一番前でした。
 「最悪だ。居眠りもできない。」
 意気消沈し、実に重たい気持ちの中での開講です。

 ところが、開講から閉講までの二日間、居眠りするどころか、身動(みじろ)ぎもせずに聞き入る自分がいました。
 講師の巧みな話術と、目から鱗の話の連続に感動すら覚えます。
 言葉の力を思い知らされ、講師の様に他人に影響を与えられるスピーカーに成りたい、と思った訳です。

 この時、同じセミナーに部下のM氏も参加していました。 
 彼に「どうだった?」と聞くと、予想外の答えが返ってきます。
 「話は上手いですよね。」

 その短い言葉の先にある、彼の本音は推して知るべしです。
 数年前に、某社長から貸して頂いた自己啓発DVDも、自分は素晴らしいと思い、全社員に見て貰いました。
 ところが、後々退職する某社員は、レポートにこう書いて寄こします。
 
 「そもそも、自分はこういうセミナーが苦手である。
 講師の話が流暢過ぎて、胡散臭く感じた。」

 同じ講師、同じ時間、同じ内容を、同じ人間が聞いても、受け止め方はこれほどまでに違います。
 講師のテクニックはどうでも良いことです。
 仮に、話し方が饒舌であったとしても、中身が薄っぺらなら心の琴線は響きません。
 感じ取って頂きたいのは話しの内容であり、同士として共有したいのは価値観です。

人生の楽園のプロセス

 昨今、ワークライフバランスという言葉が独り歩きしています。
 仕事とプライベートの時間をきっちり切り分ける考え方は、必ずしも間違っているとは思いません。
 しかし、実際にはそう単純ではないでしょう。

 若くて未熟な頃は、ただがむしゃらに仕事をして、知識や経験やスキルを身につける。
 5年、10年と経過すれば、何とか一人前と認めて貰う様に成る。
 そして、家庭を持つ。
 子供が大学に進学する頃には、家計支出もピークを迎える。

 丁度その頃、備わった能力に相応しい責任あるポジションを任され、仕事そのものを楽しめるようになる。
 その責任に応じて、待遇も改善されていく。
 やがて定年を迎え、経済的ならびに時間的な余裕を得て、充実した人生の第二幕を歩む。
 TV「人生の楽園」に取り上げられるのは、概ねこのプロセスを乗り越えてきた人達です。

 人生80年の中で、思いっきり仕事できるのは半分程度。
 つまりワークライフバランスは、終活部分を含めて初めて帳尻が合います。 

 若くて未熟な段階で、ワークライフのバランスを保とうとするなれば、なかなか能力は高まりません。
 家庭を持っても収入が追い付きません。
 定年退職しても、働き続けざるを得ません。

 世間の誤った煽動に振り回されない様に。
 経済的な余裕、安定あってこそのワークライフバランスです。

学び直すべき道徳

 相田みつをさんの、有名な詩です。

 「奪い合えば足らぬ。
 分け合えば余る。」
 
 先日、拙文で取り上げた「天国と地獄の違い」にも類似する言葉でしょう。
 大きな釜で煮えたぎる美味しそうなうどんを、長い箸で奪い合えば地獄。
 その長い箸を使って、「どうぞお先に」と相手に差し出せば、それが天国です。

 また、今の世相にも相通じる気がします。
 自国ファーストを掲げ、相手国への圧力を強める。
 自らの利に成ると思えば、平気で相手を蹴落としたり、足を引っ張ったりする。

 間違いを犯した人間が反省し、心から謝罪をしても、自らのことは棚に上げ、一切赦そうとしないサディスト。
 ネット上での小さな失敗の揚げ足を取り、匿名を良いことに執拗なまでに追い込む無責任な偽善者。

 相手の立場に立って考える。
 自分のして貰いたいことを人に成す。
 
 自分も含め、いい歳をした大人達こそ、今改めて道徳を学び直すべきかもしれません。

学習する組織

 我がグループは、創業から四半世紀、特段の教育や研修を行っていません。
 それでも、業容を拡大できてきたのは、創業者のマンパワーと手腕に依るものです。
 しかし、百年先まで永続する企業というヴィジョンを掲げた昨年、社員教育の重要性に気付き、大きく舵を切りました。
 
 課題図書を基にした、階層別の経営塾。
 大きなうねりを捉えた、働き方改革のセミナー。
 そして先日開催された、コンプライアンス研修。
 更にこれから先も、年間計画に基づき、各種研修が予定されています。

 何れも初めての試みだけに、当初は抵抗も少なくありませんでした。
 「研修で飯が食えるか!」
 「この本は大企業向けのものだ!」

 しかし、今や当たり前の様に研修が開催され、受講者が集います。
 業務都合等で、研修に参加できなかった方々には、後日DVDを配布。
 受講後7営業日までに、全員レポートが提出され、グループトップの会長にまで届きます。
 優秀なレポートは、表彰すると共に、全社員に開示されます。

 まさに学習する組織・・・一年前、この状況を誰が予想したでしょう。
 改めて、人は学習する生き物であり、教育されるべき生き物でもあります。

オフホワイトは黒

 先日、グループ各社の幹部を集めて、コンプライアンス研修を実施しました。
 T室長のセミナーの後、自分が担当したのはケーススタディに基づくグループディスカッションです。

 耳で聞いた知識を基に、提示された具体的な事例を自分の身に置き換えて頭で考え、言葉で伝え、立場の違う他人の意見を聞き、侃々諤々議論することで、更に理解は深まります。

 コンプライアンスのバリエーションは三つ。
① 法律
② 就業規則
③ 倫理・道徳

 この順番は優先順位でもあります。
 仮に、「法律さえ守れば良い」と解釈して、法律の網の目を掻い潜ることだけに注力すると、徐々にエスカレートして、やがて足下をすくわれることにも成りかねません。
 日産の前会長カルロスゴーン氏などは、その典型的事例でしょう。

 信号機の基本的な問題です。
・ 青は? 「進め」 〇
・ 赤は? 「止まれ」 〇
・ 黄は? 「注意」 ×

 黄信号は「止まれ」です。
 その時、既に交差点内に進入しようとしていて、安全に止まれないと判断した時のみ、注意して「進め」と成ります。
 しかし、実際の運転の場面でこれを遵守しているかというと、20年間ゴールド免許の自分も含めて怪しいものです。

 黄色を見たら、加速して進め。
 歩行者用信号を先読みして、点滅していたらアクセルを踏み込む。
 こうした運転をしている方も少なくありません。 
 それが、エスカレートして大きな事故につながります。

 コンプライアンスも同様です。
 白か黒か。
 白に近いグレーか、黒に近いグレーか。
 解釈が甘くなると、黒に近いグレーも白に見えてくるものです。

 例えオフホワイトでも、白でない限りは黒。
 企業人に求められるのは、堅苦しい位に厳格な倫理観です。

無様な無策の告白

 定期的に行われる様々な会議体毎に、各社・各部門から報告書が上がってきます。
 また、開催後には必ず、議事録を残すのがルーティンです。

 ところが、前回と全く同じ内容の報告書や議事録を、平気で上げてくるケースが散見されます。
 理由としては、二つの可能性があります。

 1. どうせ判らないだろうと高を括り、同じ内容で済ませた
 2. 前回の問題が解決していないため、敢えてそのまま残した

 前者は、手抜きであり、誤魔化しであり、欺きであり、もはや論外です。
 一方、後者は、管理者の無能さを露呈しています。

 仮に月例会議であるならば、問題が浮き彫りとなった会議から会議までの一ヶ月間に、何らかの対策を打ち出し、行動を起こし、改善を見届け、次回会議にはその結果報告が成されるべきでしょう。

 次月も報告内容が変わっていないとすれば、「本件について一ヶ月間、何もやってません」という、無様な無策の告白です。
 経営者として、管理職として、プライドある報告を頂きたいと思います。

先憂後楽が信条

 自分の基本的なスタイルは、朝5時過ぎに起床し、松山までマイカー通勤。
 6時過ぎに出社して、12時間仕事をして、定時ちょっと過ぎ退社。
 早朝出社も残業と言えば残業ですが、それが長年培ったルーティンでもあります。
 
・ 通勤時間が短縮される(ラッシュ時と比較したら10分以上早い)
・ その日の仕事の段取りを朝行う(俗に言う段取り八分)
・ 朝の時間は電話も来客も相談もないため、すこぶる捗る
・ 朝一で先手を打つと、一日仕事を追いかけられる・・・。

 加えて、ここ一年、原則昼食は摂りません。
 習慣とは恐ろしいもので、たまに昼食会食すると、午後から身体が重くなったりします。

 さて、先週の金曜日は、午前中の会議を経て、午後から宇和島という行程でした。
 すると、この日、メールが約30件溜まっています。
 さっと目を通して消せるものもありますが、添付ファイルのある重い内容も少なくありません。

 週明けの業務も立て込んでいることから、月曜日に休日出社しました。
 いつもより早く、5:30出社です。

・ メールチェック
・ 電子決済の承認
・ グループ会社の月次決算集計
・ 先週実施したサービス三社議事録のまとめ
・ 明日に控えたグループ部会資料の整理
・ 明日に控えた理事会資料の確認
・ 明後日に控えたグループ会議資料の確認
・ 明後日に控えたコンプライアンス研修内容の確認
・ 三日後に控えた新居浜での研修資料の作成と連絡
 そして、二日後指定の本ブログの執筆・・・。

 結果、午前中一杯を要しました。
 しかし、宿題が山積みになった重圧から解放された気分です。
 頭の引き出しが整理されれば、新たな情報を処理できます。
 
 仮にこの半日分の仕事を週明けに持ち越していたとすれば、ダイヤは大いに乱れ、平常運転に戻るまでには、数日を要したに違いありません。
 さて、心晴々とした帰路、休日ランチでも楽しもうか。

 「先憂後楽」

 それが自分の信条です。

業界団体の使命

 不動産業者の商品は何かといえば、紛れもなく物件情報です。
 ほんの四半世紀前までは、その情報を求め、顧客が不動産業者の元に来店されていました。

 顧客 : 「物件はありませんか?」
 業者 : 「実は良い物件があるんですよ。」

 紹介→案内→商談→申込と、契約までの流れの主導権は、業者が握っていた訳です。
 ところが今は、業者と同じだけの情報を・・・いや場合によっては、より仔細な情報を顧客が知っていたりします。
 
 それだけ多くの情報が、市場に氾濫しているのです。
 顧客は、パソコンやスマホを通じて、手軽にその情報を知ることができます。 
 裏を返せば、そこに情報を発信しない限り、顧客の来店は見込めません。
 
 畑で採れた大根やトマトを自宅前に並べ、料金箱を設け、百円均一で売るとしましょう。
 経費は然程かかりませんが、売れ行きもそこそこで、毎日売れ残り・・・。
 何故なら、自宅前では人目に触れ難いからです。

 では、農家仲間に声をかけ、皆で「道の駅」の直売所に出品したらどうでしょう。
 多くの人の目に触れ、比べ物に成らない程、売れる筈です。
 ある程度マージンを取られたとしても、これまでよりずっと儲かります。
 
 今回スタートする「ハトらぶ」は、まさに同じ理屈です。
 年間数万円程度の経費は、たった一件の成約で取り戻せます。
 そしてこの理屈の肝は、生鮮食品でも、不動産物件でも、品揃え豊富な所に人は集まるということです。

 ハトマークに加盟する県内1,000業者が一致団結し、物件情報を挙って持ち寄れば、より多くの反響を得られて、確実に商売につながります。 
 更に大きな市場へ持ち込みたいならば、主要ポータルサイトへの出稿も簡単に連動できます。

 御承知の通り大手業者は、十年前、二十年前から既に、こうした取り組みを行っていました。
 しかし、不動産を生業とする全国35万事業所中、9割弱にも及ぶ30万社は、従業者1~4名の中小零細です。
 その方々にとってみれば、これらの取り組みは決して簡単ではありません。

 「ネット広告の必要性は判るが、パソコンは苦手で、どうやって取り組めば良いのか判らない。」
 
 そうした会員の声に呼応して、2019年4月1日「ハトらぶ」は誕生します。
 売主(貸主)、買主(借主)相互へのお役立ちのために、会員の皆様の要望に応え、会員の商売を側面から支援することこそが、業界団体として果たすべき使命であると確信しています。

単に程度の問題

 大手サブリース会社の手抜き欠陥問題が、大々的に報道されています。
 仔細な内容は、その報道に委ねることとして、サブリース事業のビジネスモデルについて、私見をまとめたいと思います。

 まずもって古今東西、詐欺商法は絶えません。
 その手口は様々ですが、基本的なスキームは同じです。

 「価値に見合わない価格で商品を販売して法外な利ザヤを稼ぐ。」

 銀行定期預金で0.0〇%という低利の時代に、10%を超える配当を約束する商品があったとすれば、紛れもなく詐欺でしょう。
 うまい話には、必ず裏があります。
 
 サブリース事業は、現行の法律において詐欺商法ではありません。
 問題は、その程度です。

 先述のL社については、隣住戸の電子レンジの音や、携帯電話のバイブ音が聞こえる等、安普請な建物であることは有名でした。
 価値の見合わない商品が売れた理由は、一括借り上げで家賃が保証されるからこそです。
 
 有名タレントを使ったTVCMや、家具家電付きといった、建物の性能以外の部分で広く宣伝し、入居者を集めます。
 学生や社会人一年生といった、初めての一人暮らしの方であれば、音の問題も含めた居住性は、そんなものとして受け止められるでしょう。

 しかし、物件が古くなれば、当然の如く入居率は落ちてきて、家賃の見直しを迫られます。
 例えば、当初4万円だった家賃は、3万円になり、やがて2万円に成ります。
 その家賃下落は、そのまま施主に転嫁され、借上賃料の引き下げを求められます。

 メーカー側も、賃料収入の下落分を取り戻そうと、建築営業に奔走します。
 効率化とコスト削減を極限まで追求し、利益の最大化を図る取り組みが、商品の市場価値を更に貶めます。 
 報道されている今の問題は、その結果に過ぎません。

 繰り返しますが、詐欺商法か合法的な商法かという判断は、単に程度の問題なのです。

身の程と身の丈の運営

 劇団を旗揚げした時、様々な方針を定めました。
 最も大きな柱は、自主自立の運営にこだわること。

 劇団の運営には、少なからずお金が必要です。
 当初は、町に補助を要請する案が出たものの、団員の冷静な意見によって即座に退けられました。

 「町にしても、企業にしても、援助に頼った時点で、自主性が損なわれる。
 スポンサーの意向に沿った運営を強いられるのは、たまらない。
 どうせなら楽しく、自分達がやりたい題材で、やりたいようにやりたい。」
 
 内子座の舞台上に掲げられた通り、芸に遊ぶために自主性を重んじた訳です。
 アマチュア劇団は星の数ほどあります。
 しかし、自治体から一切の補助を貰わず、パンフレットにも広告の無い劇団は稀少です。
 そこが我々のプライドであり、アイデンティティでもあります。

 過去、某プロ劇団のメンバーが公演を手伝ってくれたり、某ミュージカル劇団の監督が練習を指導してくれたことがありました。
 そして必ず、「次の公演でコラボを・・・」と持ち掛けられます。

 プロ劇団からの声掛けに、浮足立つメンバーも少なくありませんでしたが、毎回丁重にお断りしました。 
 彼らは、地元民を舞台に上げれば、チケット販売が促進され、興行的に有利だということを良く知っています。
 誤解を恐れずに言えば、彼らの接触には必ず下心があります。
 その術中に堕ちるのは、本意ではありません。

 先日、NHKの番組で我々の活動が紹介されました。
 それは大変ありがたいことです。
 但し所詮我々は、プロを目指す団体ではなく、あくまでも趣味として芝居を楽しむアマチュア。
 どんなに浮かれても、その本分を忘れては成りません。
 数年前、演劇大学にパネラーで呼ばれた際も、「是非、内子演劇祭を」と盛り上がる文化人の皆様を尻目に、こう言い切りました。

 「我々はアマチュアなので、仕事や学業や主婦業を抱えながら活動しています。
 身の丈に合わない活動であったならば、20年も続けることはできませんでした。
 これからも、自分達のやりたいことを、やれる範囲で続けていくつもりです。」

 今後、30年、50年と活動を続けるためにも、改めて旗揚げ時の精神を思い出すべき時だと思っています。

俗語としての他力本願

 新事業の展開を検討する際、誰しもリスクが低く、成功確度の高いものを求めがちです。
 例えば、売上を見込める即戦力人材の採用。

 身も蓋もない話をさせて頂くと・・・。
 そんな人材であれば、今の会社は手放す筈が無い。
 そんな人材であれば、とっとと独立してしまう。
 
 仮に、首尾よく入社されたとしても・・・。
 その人材に辞められたら、瞬く間に成り立たなくなる。
 売上も、信用も、同時に失ってしまう。

 例えば、業績不振に喘ぐレストランが、三ツ星ホテルのシェフをヘッドハンティングするとします。
 一時的には評判を生み、顧客が増え、繁盛するでしょう。
 しかし、やがてシェフの我がままに振り回される様になる。
 高額な報酬を要求される。
 突然、辞めると言い出して、右往左往する。
 これでは、誰が経営者か判りません。

 他力本願という言葉は本来、宗教的な意味を持ちますが、今や俗語として、「ひと任せ」「他人依存」「第三者に任せっきりにして自分の手を一切汚さずに物事を完遂する」・・・といった意味合いで使われるのが一般的です。
 
 経営者と社員が共に汗を流し、調査研究を積み重ね、試行錯誤の末、掴み得たノウハウは、会社にとって掛け替えのない大きな財産と成ります。
 行く手の三差路が、安易な道と、困難な道との分かれているならば、迷わず後者を選ぶ。
 それが経営者の判断です。

最大級の賛辞

 NHKの人気番組、「鶴瓶の家族に乾杯」、先日の放送は我が内子町。

 事前情報で、我が劇団オーガンスが取り上げられることは判っていたものの、後半はほぼメインの扱い。
 それにしても、奇跡的な偶然が重なって、縁(えにし)の襷(たすき)が繋がりました。 
 
 まずは知る人ぞ知る、地元のシルクスクリーン版画家「山田清昭」さん。
 そして大洲和紙の職人「西岡芳則」さん。
 劇団創設前、自分は御二人等と共に、内子座社中「ふれだいこ」という団体で、プロモーター(興行主)の真似事をしていました。
 渡辺美佐子さんや、八名信夫さんといった、著名な方の芝居を内子座に誘致し、町民の方々に見て頂くという団体です。

 やがて、劇団創設の機運が高まり、平成6年旗揚げ。
 その際、西岡さんの和紙に、山田さんのデザインという、アマチュア劇団にはあるまじき立派なポスターを創って貰いました。
 我々劇団員も、一色ずつ色を重ねていく工程をお手伝いさせて頂いたものです。
 
 さて、山田さんの職場を訪れた鶴瓶さんは、何十枚ものストックの中から、一枚のポスターに着目します。
 それが、25年前の旗揚げ作品「石畳水車小屋未来伝」です。
 
 一枚のポスターを手掛かりに、鶴瓶さんは内子座へと向かいます。
 途中、一人の女子高生と遭遇・・・それがたまたま劇団員の娘さんでした。
 劇団員の勤務先である小学校に向かい、遂に内子座へ。
 
 「20年(正確には25年目)続けるって大変ですよ。
 素人は盛り上がりが一番最初なんですよ。
 そこからだんだんフェードアウトしていく。
 フェードアウトしないで、ずっともつのがプロです。」
 
 我々の信条は、身の丈にあった活動。
 あくまでもアマチュアであるという、本分を忘れてはいません。
 しかし、例え1,000円でも対価を頂くからには、プロとしての自覚と責任が必要になります。
 
 一切の公的補助も受けず、スポンサーを募ることもなく、自主自立の運営を四半世紀続けてきた我々にとって、代表に投げかけられた鶴瓶さんのお言葉は、文字通り最大級の賛辞です。

会社の天国と地獄

 3年目となる、グループ社員約200名の面談が終了しました。
 総体的には、一昨年よりも昨年、昨年よりも今年と、前向きな声が多くなっている印象を受けます。
 その理由は、大きく分けて二つです。

1.  週休二日、決算賞与等、待遇改善の改革が進んでいる
2.  会議や研修の奨励により、説明責任が果たされている

 以前は、一方通行で発信されるだけの決定事項も少なくありませんでした。
 何のためにやるのかが判らない指示に従うのは、ただ疲れるだけでしょう。
 今は、新たな取り組みについて、その趣旨や目的を、文書や会議や研修を通じて説明しています。
 すると、「その狙いならば、このやり方の方が良いのではないか」という、建設的な意見も出てきます。

 今回の面談を経て、改めて感じるのは部門格差です。
 全員が活き活きとしていてポジティブ or 全員が鬱々としていてネガティブ。
 そこを分けるのが、リーダーシップに因るのは間違いありません。
 
 家庭も同じです。
 お母さんが、お父さんを見下して、悪口ばかり言っていたら、子供も同調します。
 お母さんが、お父さんを敬い、繰り返し賛辞を口にしていたら、子供は両親を尊敬します。
 家族以上に長い時間を過ごす、リーダーの影響力と責任は絶大と言えるでしょう。

 さて、自分が若い頃は、上司から「給料の3倍稼げ!」と言われたものです。
 1は自らの給料分。
 1は会社の経費分。
 残りの1こそが、自らの生み出した正味の価値という意味です。
 比率はともかくとして、会社も社員も、各々権利と義務を有しています。


 会社は、社員の雇用を保証し、成果に見合った対価を分配し、やりがいに満ちた職場環境を創造する。
 社員は、就業規則や経営方針に則り、知識と技術と人間性を高め、生産性の向上に寄与する。
 両者が各々の役割を、しっかりとまっとうすれば、自ずと会社は繁栄し、待遇も改善されます。
一方、どちらもが自らの義務を果たさず、権利ばかりを主張すれば、会社は衰退し、待遇も悪化します。
京セラ創業者の稲盛和夫氏が引用する、天国と地獄の違いをご紹介しましょう。

■ 地獄とは
【 大きな釜の中で、美味しそうなうどんが湯気を立てて煮えている。
 皆、腹を空かせているため、うどんを食べようと競って大釜に近付く。
 ところがそこにある箸は、長さ1メートルもあって、上手く口に運べない。
 皆我先に食べようと、狂った様に貪(むさぼ)る。
 やがて喧嘩が起き、うどんは周囲に飛び散り、誰も食べることはできない。 】

■ 天国とは
【 同じ釜の周りに、腹を空かせた人が集まっている。
 人々はうどんを長い箸でつまむと、釜の向こうの人に、「どうぞお先に召し上がれ」と差し出す。
 するとその人は、「御馳走様でした。今度はあなたにお返しをさせて下さい」と、自分の箸でうどんをとって勧める。
 こうして、すべての人が美味しいうどんを食べることができる。 】

地獄も天国も紙一重、そこで生きる人の心が決めるものという教えです。
先日の面談で、20年目を迎えるベテラン社員が、次の様に語っていました。

 「会社が変わろうとしている中で、社員も変わる必要がある。
すべてを会社のせいにしていたのでは始まらない。」

 地獄は、テイク&テイク&テイク・・・と求めてばかり。
 天国は、ギブ&ギブ&ギブ・・・と互いに与え合う。

 好むと好まざるとに関わらず、一度きりの人生の大半を過ごすのが会社であるならば、そこは天国であって欲しいと、心から思います。                          

平凡を非凡に努める

 イエローハットの創業者である鍵山秀三郎氏は、「凡事徹底」を信条とし、「平凡を非凡に努める」と説きました。
 
 凡事とは、何でもない当たり前のこと。
 徹底とは、隅々まで行き渡らせること。

 それぞれの言葉の意味は平易ですが、二つを組み合わせた「凡事徹底」は簡単ではありません。

 例えば、提出物の期限に間に合わせる。
 社用車の乗車後、記録簿に記載する。
 毎朝会社に来て、出勤簿に押印する。
 
 これら一つひとつは文字通り凡事です。
 しかし、徹底できている会社は、決して多くありません。
 
 失念、怠惰、非礼・・・理由は様々でしょう。
 総務部門や管理者は、飴と鞭を駆使し、手を変え品を変え声掛けするものの、徹底できない状況に虚しさを感じたりします。

 裏を返せば、決められたことが決められた通りに実行できる組織は偉大です。
 いわば不徹底は、改善領域であり、伸びしろでもあります。

 「社員教育は井戸を雪で埋めるが如し」

 溶けていく雪に虚しさを感じながらも、諦めたら負け。
 いずれ井戸を埋めたいとする覚悟と根気が、良い会社を創ります。

矛盾の先の成長

 故:立川談志さんは、立川流の創始者であり、落語会の風雲児でした。
 志らく、志の輔、談春、等々、実力派を数多く輩出しています。
 しかし、それ以外の著名人にも、談志さんの弟子が沢山いらっしゃいます。

 ビートたけしさん、上岡龍太郎さん、横山ノックさん、赤塚不二夫さん、高田文夫さん・・・。
 その弟子の取り方も独特です。

 Aコース = 従来の弟子(プロの落語家)
 Bコース = 有名人
 Cコース = 一般人

 住み込みで師匠の身の回りの世話をする代わりに、寝食の面倒を見て貰うのが一般的な徒弟制度。
 ところが立川流は、弟子から上納金を取る家元制度だったようです。
 先日、後継者の志らくさんが、談志さんとの思い出を語っていました。

 「朝から晩まで、師匠の身の回りの世話をする。
 特に芸を教えてくれる訳でもない。
 タクシーで移動中、落語を演じさせては、散々下手くそと中傷する。」

 志らくさんは、そうした厳しい師匠から、徒弟制度の重要な意味を学びます。

 「カバン持ちをする、服にアイロンをあてる。
 そんなことで芸が身に付いたりはしない。
 弟子なんて矛盾だらけだ。
 しかし、その矛盾に耐える、矛盾を乗り越えることで人間性が磨かれ、芸が磨かれる。」

 仕事もきっと同じでしょう。
 人生も仕事も矛盾の連続。
 その矛盾の先にこそ、人としての成長があるのだと確信します。

長期ビジョンの重要性

 経営理念、経営方針が整えば、次は長期ビジョンです。
 平たくいえばそれは、貴方の会社は、10年先に、どういう会社を目指したいのか?
 その答えです。
 
 全国の中小企業の殆どは、経営計画を立てていません。
 理念も制定されていないか、あったとしても額縁に飾っているだけ。
 即ち、画に描いた餅です。

 売上、利益の数値目標すらない会社もあります。
 また、辛うじて今期目標はあったとしても、中長期の目標は無い会社が殆どです。
 それが何故だめなのか?

 まず、今期の目標しかなければ、短期の利益の最大化に目が行きます。
 すると、社員教育や、新卒採用や、設備投資は考えられません。
 結果、数年先には人材は育たず、高齢化し、設備は老朽化し、競争力の低下を嘆くことに成ります。

 また、自社の将来に目指すべきマイルストーンが無ければ、社員はその会社の未来に夢を見ることができません。
 やる気も出ないし、誇りも持てません。
 今の仕事が少々辛くても、未来に光が灯されていれば、人間は頑張れるものです。 

 少し考えれば当然判るであろうそのことを、まったく考えていない、場当たり的で、刹那的な経営者は、世の中に驚くほど沢山いらっしゃいます。
 少なくとも我がグループの経営陣にだけは、その重要性を訴えていきたいと思います。

理念なき経営は戯言

 新たに入社されたキャリア社員の方に、経営計画書の内容を説明しました。

 まずは経営理念、経営方針。
 ここは揺るがせにできません。

 仮に、金儲けだけのために経営するなら、社会悪さえも容認されてしまいます。
 例えば、障害者雇用のビジネス。

 企業は、ボランティアとは一線を画す必要があります。
 そのためには、従業者の社会的自立を促進することが重要です。
 ヤマト運輸の創業者「小倉昌男」さんの言葉は、その真髄をついています。

 「従業者に対して月2~3万円程度の小遣いしか与えられないのでは、それは自己満足の世界。
 障害者の社会的自立を促すのが、雇用する企業の使命。
 最低でも月額十万円以上の給料を払えなければ、その使命を果たしたとは言えない。」

 ハンディのある障害者にできる仕事を見つけて、教育訓練を施し、月額十万円以上の給料を払えるだけの生産性を導き出すのは容易では無いでしょう。
 しかし、そこを実現させない限り、そのビジネスは永続させられません。

 近年、障害者雇用ビジネスに、補助金目当てで参入する業者が社会問題化しました。
 障害者を雇用するだけで、国から多額の補助金を手にすることができるからです。
 
 補助金を当てにする経営者には、従業者に対する教育も愛情も、倫理もへったくれもありません。
 だから補助金の梯子が外されたら、すぐに破綻します。

 人間は誰しも、世の中に役に立ちたいという、承認欲求を持っています。
 仕事をして、その仕事が誰かの役に立ち、感謝され、見合った対価を貰う。
 それが仕事であり、遣り甲斐というものでしょう。
 そういう意味において、理念なき経営は戯言です。

魔法の言葉

 部下は、尊敬できる上司の元で働きたいと思っています。
 上司は、従順で気の利く部下を従えたいと思っています。
 
 しかし、相互が全面的に満足するケースは稀です。
 お互いが相手に不満を持ち、不協和音を奏でながら走ることもあります。
 とはいえ企業としては、相性が合わないからといって、どちらかを異動させることも、簡単にはできません。

 若い社員は当然に、知識も経験も不足しています。
 大きな心で包み込み、長い目で見て育てる覚悟が、上司には求められます。

 一方、部下は、自らの未熟さを謙虚に受け止めた上で、上司や先輩を敬う心掛けが必要でしょう。
 関係改善に導く魔法の言葉は、「何か手伝うことはないですか?」。

 上司や先輩が忙しそうにしている時に、声をかけ辛いと押し黙るのではなく、勇気を出して口を開きます。
 「何か手伝うことはないですか?」 「自分も手伝います。」
 すると上司は、「こいつも可愛げがあるな」と思い、少し心が緩む・・・そんなものです。
 
 上司に不満を持つ若い方々も、学生時代の部活の光景を思い起こせば判ります。
 練習後にグランドをトンボで均している時、後輩がベンチに座ってコカ・コーラを飲んでいたとしたら腹が立つでしょう。
 
 信頼関係の構築も改善も、相手を思いやる心と行動から始まります。

張本選手のパラダイムシフト

 昨日のブログで、「ウサギとカメ」の寓話を引用し、自分なりの仕事観を述べました。
 今日は、その話と逆行して受け止められるかもしれません。

 卓球界の新星と言えば、張本智和選手です。
 16歳の張本選手は現在、世界ランキング3位。
 ランキング上位20人中、十代は唯一人という点を見ても、張本選手の天才ぶりが伺えます。

 さて、スポーツにおいて世界レベルで戦うには、相当な努力が求められるのは言うまでもないでしょう。
 幼少の頃から親やコーチのスパルタ教育で鍛えられ、やりたいことも我慢して、365日休み無く泣きながら、血の滲む様な猛特訓を重ねるスポ根劇場。
 卓球の場合は特に顕著で、一日6時間以上の練習を十年続けないと、ひと通りの技術を修得できないと言われています。
 ところが、張本選手は例外でした。

 「小学校を卒業するまで、一日二時間以上の練習はしていない。
 夜もだいたい、21~22時には就寝していた。」

 小学校卒業といえば僅か3~4年前。
 数々のタイトルを総なめにし、百年に一人の天才と称されていた頃です。
 母親は卓球よりも、宿題や勉学を優先させていました。
 
 「いつか必ず卓球選手でなくなる日がくる。
 その時に、自分を見失わないで欲しい。」

 一日二時間しか練習しないことで、張本選手は練習をとても楽しいと感じていたそうです。
 強制的ではなく自主的、苦しみではなく楽しみ、嫌々ではなく嬉々として。

 このポジティブな思考こそが、張本選手の強さのバックボーンです。
 働き方改革によって、限りある時間の中で成果を生み出す秘訣も、このパラダイムシフトにヒントがあるような気がします。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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