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無言のメッセージ

 グループ各社から続々と、来期の経営計画書が届いています。
 その中の一頁、「中長期目標」の話です。

 売上 - 原価 - 販管費 -営業外損益 = 経常利益
 
 この引き算は、言うまでもなく損益計算書。
 最も単純な経営指標です。
 中長期の経営計画では、向こう5年間の数字を並べて、会社の成長・発展の画図としています。

 A社は5年後、売上14%up、経常利益率10%の目標を立ててきました。
 とりあえず、そこは良しとしましょう。

 一方、販管費の伸び率はというと、5年間で5%に過ぎません。
 近々消費税が8%から10%に成り、人手不足から人件費が高騰し、すべからく物価が上昇し、国策としてのインフレ誘導が進みつつある昨今の情勢において、この数字が何を意味しているかというと・・・。

【 今からの5年間 】
・ 新たな人員の雇用はしない
・ 昇給できたとしても微々たるもの
・ 賞与も今以上には出せない
・ 福利厚生の充実はしない
・ 設備投資は一切考えていない
・ 新規出店やエリア拡大は努々(ゆめゆめ)するつもりがない・・・

 こんな会社で働き続ける社員は、実に悲劇です。
 「そんなつもりはない」と言われるかもしれません。
 しかしこの目標数字は、紛れもなくトップからの無言のメッセージです。
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失われた20年

 業界団体の総会ウィークが終了しました。
 例年であれば、執行部や理事に対する厳しい意見が寄せられ、怒号が飛び交う場面も珍しくありません。
 昨年、13:30に始まった某会は、19:00まで紛糾しています。

 そうした事態を避けるため、委任状を集めたり、想定問答集を整えたり、事前準備を入念に行います。
 ところが今年は、司会者および議長の捌きにより、スムーズな進行となり、不安はすべからく杞憂に終わりました。
 俗に、「山より大きな猪は出ない」と云われますが、その通りです。
 
 勿論、シャンシャン総会が必ずしも良いことではないでしょう。
 寧ろ、もっと活発な意見が交わされるべきだとも思います。
 但し、その前提は前向き、建設的であること。

 ・ 無責任野党的な、代替案なき批判
 ・ 特定個人をターゲットにした誹謗中傷
 ・ 木を見て森を見ない視野の狭い意見

 過去を振り返れば、そうした低レベルな言い争いによって、不毛な時間ばかりを過ごしてきました。
 心有る会員も、醜態を見せつけられ、呆れ果て、協会運営から距離を置いてしまうことで、悪循環は加速します。
 本来、会員及びその先にあるクライアントを見据えるべき業界団体が、覇権争いや個人の意地や私利私欲を優先しているのですから、時代に取り残されてしまうのは自明の理です。

 ここ数年の取り組みによって、少しだけ浄化されてきたことは間違いありません。
 失われた20年を取り戻すため、理事として与えられた二年の任期を全うしたいと思います。

手段を選ぶ経営

 理念とは何か?
 それは、組織の存在意義そして経営の目的。

 方針とは何か?
 それは、岐路に立った際の道標。

 いわずもがな、企業は営利を追求する集団。
 利益が無ければ、社員の賞与も昇給はおろか、雇用を守ることすら叶いません。
 ビジネスパートナーに仕事を与えるためにも、顧客サービスを向上させるためにも、株主に配当を行うためにも、利益は必須です。
 しかし、手段を選ばずということではないでしょう。
 
 例えば運送会社が、短期の利益を最大化するためには、幾つもの手段があります。
 ・ 法定速度を超過して、効率を上げる
 ・ 積載量をオーバーして、成果を上げる
 ・ 社員の過重労働によって、生産性を上げる・・・

 目先の利益を得るために、法律や倫理や道徳を軽視すれば、やがて大きな代償を払うことになります。
 下手すると、企業の存亡にも関わりかねません。

 理念・方針の中に、「コンプライアンス」の一言があれば、或いは「社員の幸福のために」という一言があれば、岐路で立ち止まることができます。
 
 太古の昔から繰り返してきた組織の腐敗や不祥事が、理念・方針の不備・軽視に因ることは間違いありません。
 永続するには、手段を選ぶ経営が必要です。

ゴーイングコンサーン

 早いもので、5月も最終週です。
 今月の目標の追い込み、そして経営計画書の一次締め切りでもあります。

 先週、先行してW社から届きました。
 正直、この会社の現業の流れを仔細には理解できていません。
 そんな自分でも、この経営計画書には「魂」を感じます。 

 全86頁と、一冊の本の様なボリューム。
 中身も実に重厚な仕上がりです。
 特に技術部門については、プロとしての自信と誇りと気概を感じるものでした。
 
 国、県、市といった公からの発注を受け、納期までに納める成果品は、いい加減では通用しません。
 そうした業務に直結した、素晴らしい成果品です。

 勿論、全く問題が無い訳ではありません。
 プロ集団、技術者集団という強みの裏には、技術者の高齢化や若手の伸び悩みといった課題が見え隠れします。
 何年か後に、ベテラン技術者がリタイヤしてしまうと、生産性が著しく低下する恐れがあります。
 
 だからこそ、10年後の我が社を見据える、長期事業構想が必要なのです。
 W社の社長が、トップメッセージに書かれている通り、ゴーイングコンサーン(継続企業)実現のためには、人材確保と人材育成が欠かせません。
 その前提として、個々人が仕事を楽しみ、向上心が育まれるような、仕組みや仕掛けを整備していく必要があるでしょう。
 
 まさしく経営計画書は、やり甲斐のある会社へ向けたパスポートであり、羅針盤でもあります。

失敗事例に学ぶ

 日大アメフト部の事件について、様々な論評が飛び交っています。
 その多くは、潔い学生と、往生際の悪い大人達の構図で捉えているようです。
 
 いつも思うことですが、人は間違えます。
 問題は、間違えた後の言動でしょう。

1. 速やかに対応する
 問題が起きた際、すぐにアクションを起こすのと、翌日あるいは一週間後に先送りするのとでは、大きな違いです。

2. 誠心誠意、自分の言葉で謝罪する
 平身低頭、やり過ぎに思える程頭を下げる位で丁度良いのが謝罪というものでしょう。
 原稿を読むのは最悪です。

3. 言い訳をしない
 本人にそのつもりはなくても、言い訳に聞こえたらアウト。
 言い訳は武装された嘘です。 

4. 自己都合は後まわし
 元TOKIOの山口さんの、「もし戻れるなら・・・」発言が炎上した理由はここにあります。
 謝罪会見に、自己都合は関係ありません。

・ 「Y印乳業」の集団食中毒事件で、詰め寄る記者に対して「私は寝てないんだ」と口走った社長
・ 「T横ホテル」の客室を違法改造した事件で、「制限速度60㎞のところを65㎞で走る様なもの」と語った社長
・ 「船場K兆」の食品偽装の記者会見で、「頭が真っ白になって」等、母親の囁きにリードされて回答した社長

 失敗事例には、学ぶべき点が多々あります。
 勿論、間違えないことが第一義。
 それでも間違えた際には、原理原則に則って対処しなければなりません。

四者WINの空き家対策

 愛媛県空き家対策ネットワークの設立総会に参加してきました。
 
 宅建協会は県内に10の地区連絡協議会があります。
 近年、大洲、八幡浜等各自治体からの依頼に呼応する形で、各々「空き家バンク」が創設されています。
 一所懸命な取り組みに水を差すつもりはありませんが、この「空き家バンク」は起死回生の切り札には成り得ません。

 確かに、売りたい人(モノ)、貸したい人(モノ)は、やたらといらっしゃいます。
 一方で、買いたい人(モノ)、借りたい人(モノ)は、限られます。
 いわゆる、需要と供給のミスマッチ。
 業者の立場からすると、手間がかかる、リスクが高い、報酬が見合わないという三重苦から、請け負えないのが実態です。

 極論するならば、良い物件は高くても売れるけれど、売れない物件はタダでも売れません。
 正直、商業ベースに乗らない物件については割り切るべきです。
 その上で、売れそうな物件だけは、しっかり精査し、人目に触れる様に陳列する必要があります。

 愛媛県にも「空き家バンク」が創設されていますが、公のサイトは玉石混交で、売れない物件を排除できません。
 八百屋に籠盛のトマトが並んでいたとして、腐ったものが幾つか混ざっていたとしたら、手に取ることも、二度と来店されることも無いでしょう。
 
 愛媛県宅建流通機構が運営する、BtoB業者間サイト「坊っちゃん」。
 今後はこれを、全県版に拡大した上で、ポータルサイトにも連動し、BtoC発信を可能にしたいと考えています。
 より利用し易く、実効性の高いものに昇華すれば、売主、買主、自治体、仲介の四者は、win-win-win-winの関係に成る筈です。

胸のすかない事件

 我々の幼少期は、スポ根もの(スポーツ根性もの)全盛時代です。

 「巨人の星」、「柔道一直線」、「アタック№1」・・・。
 何れも鬼コーチが居て、理不尽とも思える特訓を強います。
 途中、何度も挫折しそうになる主人公。
 苦難を乗り越え、最終的には栄冠を掴み、感動を分かち合う師弟関係。
 この定番のストーリーに、胸躍り、夢中に成りました。

 時は流れて1980年代、「スクールウォーズ」がドラマ化します。
 荒廃した高校に赴任した一人の先生が、弱小ラグビーチームを率い、熱血指導によって日本一を目指すドラマです。
 しかも、これは、フィクションではありません。
 スポ根ものは、現実の世界にも根付いていたのです。
 
 しかし、それも昔話。
 現代であれば、イジメ、虐待、暴力、パワハラ・・・と云われ、すぐに放映中止に追い込まれてしまうでしょう。

 思い返せばスポ根ものには、不正な手段を使う敵役も存在していました。
 対する主人公のスタンスは、常に正々堂々。
 「侍ジャイアンツ」のウルフは、出塁するとベース上で、スパイクの金具をやすりがけします。
 磨き上げたスパイクでスライディングして、相手を傷つけるためです。

 かつてプロレスのリングで活躍した、「タイガージェットシン」や「アブドラザブッチャー」もそうですが、卑怯な手段と云いながら、彼らは包み隠すことなく、あからさまにサーベルを振り回し、毒霧を吹き、言い訳もせず、ある意味正々堂々と悪事を働いていました。
 そうした輩を、正義のヒーローが正攻法で打ちのめす「判り易さ」に国民は熱狂し、胸のすく感覚を覚えたものです。

 驚くべきことに、今回の出来事はショーではありません。
 自己責任の学生と、自己保身の監督、コーチ。
 実に判り難い、胸のすかない事件です。

心潤す清らかな水

 同じ本を読んでも、人それぞれ受け止め方は違います。
 生まれも、育ちも、年齢も、性別も、趣味も、嗜好も、立場も、価値観も違うのですから、それは仕方ありません。

 違いはあっても良いけれど・・・。
 どこかの国の野党の様に、代替案を示せない批判家で終わって欲しくはないし、
 どこかの国のマスコミの様に、言葉の一部分だけを切り取って、全否定するのも如何なものかと思います。

 それほどまでに、強く批判できるエネルギーを持て余すのであれば、良い会社、良い環境を作るために具体策を示し、自ら実践して貰いたいものです。
 建設的で、的を射た提案ならば、会社も大歓迎でしょう。 
 
 我々ビジネスマンは実務家。
 会社に評論家は不要。
 重箱の隅を突いて、不平・不満・批判で憤るより、一つでも二つでも収集して役に立てた方が、遥かに健康的です。

 心がカラカラになっている時、その乾いた心を潤すのが良著の効能。
 仮に、清らかな水が注がれたとしても、コップを伏せたままでは、心を潤すことはできません。 

総会ウィーク

 業界団体の役職の末席を汚して早や5年目の春。
 総会ウィークに突入しました。

5/21(月) 松山宅地建物取引業協会 定時総会
5/22(火) 愛媛県暴力追放推進センター 定時理事会
5/24(木) 愛媛県空き家対策ネットワーク 設立総会
5/25(金) 愛媛県宅地建物取引業協会 定時総会
5/28(月) 愛媛県宅建流通機構 定時総会

 先日開催の松山宅建協会の定時総会は、「本店代表者のみ」という定義に当て嵌まらず、出席できませんでした。
 出店予定も含めて松山に3店目出店し、少なからぬ会費も納めながら総会に出られないとは、何とも承服し難いところですが、全部出席していたら仕事にも成らないので、寧ろ良かったかもしれません。

 業界団体の役職は、時間という意味においては、確かにマイナスです。
 しかし、人脈構築、社会貢献、情報獲得、といった効果は間違いなくあります。
 
 過去4年を振り返れば、不毛な争いが徐々に影を潜め、建設的な議論が交わされるようになったと思います。
 欧米では、医者や弁護士と並び評される不動産業が、世間から白い目で見られるようではいけません。
 どうせ身を置くなら一所懸命務めて、業界の地位向上に寄与したいと、決意を新たにしています。

市場の持つ自然の摂理

 5月21日付「日経新聞」11面に、「サブリース 潜むリスク」と題した記事が掲載されています。
 サブリース問題は昨日今日始まったものではありませんが、「かぼちゃの馬車」事件により改めてクローズアップした格好です。

 石油でも、野菜でも、家賃でも・・・世の中の価格は、需給バランスが決めます。
 つまり、欲しい人が多くて、モノが少なければ、価格は高騰。
 逆に、欲しい人が少なくて、モノが多ければ、価格は下落します。

 サンマが大漁で安くなるのも、天候不順で野菜が高騰するのも、この理屈。
 需給バランスが落ち着けば、やがて価格も回復する筈です。

 アパートの家賃も、この需給バランスの原則に基づいて変動します。
 例えば、新築ラッシュで、大学の近くに学生向けの単身アパートが林立したとしましょう。
 
 入居者から選ばれ易い新築ですが、それでも需要を上回れば厳しくなります。
 少子化の進行により、学生の数が減少すれば、空き家が増えます。
 空き家が増えれば、当然に新築しようという大家さんも減ってくる筈です。
 こうした、市場の原理によって、需給バランスは保たれます。

 ところが、サブリースは別物です。
 大家さんは、入居者が入ろうと入らまいと、家賃を保証してくれるのですから関係ありません。
 メーカー側も、一室500万円程度の価値の建物を、1000万円で買ってくれるのですから、短期的には儲かります。
 
 ところが、中長期的にみると、入居者が入らなければ、メーカーの収支は成り立ちません。
 逆ザヤを補うために、サブリースを餌にして、高家賃の入居者の入らないアパートを量産していきます。
 市場を無視した、負の連鎖です。
 
 サブリースメーカーは、一度走り出すと、その自転車操業を止められません。
A : オーナーと交わした家賃保証の約束を破るか?
B : 会社自体を潰すか?
 いつか、どこかの局面で、この二択が迫られます。

 現在生き残っているのは、Aを選択して、大家さんを犠牲にして会社を守った会社です。
 Bを選択した会社は、会社と大家さんの両方を犠牲にします。

 市場の持つ自然の摂理に背いて永続できる筈がありません。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン

・経歴 
 雄新中卒業 → 新田高校中退
 大工・石工と約十年職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業
 令和2年 ㈱南洋建設 代表兼任
 令和4年 ㈱たんぽぽ不動産起業

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