スルガスキーム

 以前ご紹介した、サブリース賃料不払いが続く「かぼちゃの馬車」問題の続報です。

 トラブルの中身を簡単に復習しておきます。
 スマートデイズ社が次々とシェアハウスを建て、収益性の高いサブリースを条件に家主に売却。
 ところが、会社の運営が行き詰まります。

 「年間7億5000万円のサブリース家賃支払いに対して、当社の家賃収入は2億5000万円。
 不足する5億円を、一棟売り販売等で補填していた。
 ところが、昨年10月以降、販売自体が無くなり、資金繰りに詰まった。」   社長

 自転車操業と表現するには、余りにも稚拙で、あからさまな自転車操業。
 前回書いた通り、サブリースを餌にして短期間で物件を売り抜け、手元にお金が残っている間に海外に高飛びする詐欺事件なのだ、と言われた方がしっくりきそうです。

 そして今、融資していたスルガ銀行に対する責任追及がヒートアップしています。
 不正融資の論点は四つ。

1. スルガ銀行が融資する安心できる物件・・・と宣伝していた
2. 借入申込時点で、通帳コピーの偽造等、不正が行われていた(私文書偽造)
3. シェアハウス購入とは別に、1000万円前後のフリーローンを抱き合わせていた
4. 上記フリーローンで得た資金を、定期預金に積み立てさせていた(歩積両建て)

 更に、「与信賃料の改ざんに指示を出していた」という証言も上がっています。
 例えば、年間賃料300万円で、販売価格5000万円なら利回り6%。
 この賃料を400万円にしたら、利回り8%の魅力的な商品に成ります。
 
 いわゆる粉飾ですが、「大手銀行が薦めるのだから間違いないだろう。 サブリースで賃料は保証されているのだから入居者が入ろうと入るまいと関係ない。」と、オーナーは挙って「かぼちゃの馬車」に乗り込みました。
 そして、一夜にしてその魔法が解けたのです。

 実は、本件以外にもトラブルは続出。
 賃貸住宅新聞では、これを「スルガスキーム」と呼んでいます。
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続 経営計画

 経営計画はまず、会社のあるべき姿を描き、それを段階的にブレークダウンしていき、最終的に今期(来期)やるべきことを明確に落とし込みます。

1. グループ・ポリシー(グループ共通の価値観を示した創業者の言葉)

2. トップ・メッセージ(代表取締役のメッセージ)

3. 経営理念/経営方針(会社の存在意義)

4. 長期事業構想 ~10年後の我が社~(将来的なあるべき姿)

5. 五ヶ年計画(具体的な数値目標の推移)

6. 来期計画損益計算書(来期の詳細な数値目標)

7. 各部門重点目標(各部門でやるべきこと)

 勿論、外部環境の変化に対応するフレキシブルさは必要です。
 経営計画書が羅針盤であるならば、急激な天候の悪化や、船体機器のトラブルもありましょう。

 しかし、何となく「変わる」のではなく、主体的な意思を持って「変える」べきです。
 そのためには、元々の軸がしっかりしていなければ成りません。
 経営計画は、正に経営の基軸です。

経営計画書

 今期まだ三分の一を残し、最後の追い込みに躍起と成っているタイミングで、随分気が早いと思われるかもしれません。
 これまでの「事業計画書」を、来期から「経営計画書」と改め、刷新しようとしています。
 
 名は体を表す。
 事業と経営の、言葉の違いを紐解きますと・・・。

 『事業』 ~プロジェクト~
 1.社会的な、大きな仕事
 2.生産や営利を目的とした経済活動

 『経営』 ~マネジメント~
 1.事業を営むこと
 2.方針を立てて、それを行っていくこと

 つまり、「事業」は「経営」の中に包含されています。
 方針に基づく幾つかのプロジェクトを、会社全体で統括する意味では、やはり「経営」の方がしっくりきます。

 さて、「経営計画書」は、設計図の様なものです。
 家を建てる際、無計画に、行き当たりばったりで着工することはありません。
 
 予算、構造、面積、間取り、工期・・・細部に渡る納まりまで、すべて設計図には表現されています。
 そして、お客様と建築会社は、この設計図に基づいて契約します。
 仮に、設計図通りに仕上がっていなければ・・・。
 
 ・ 工事のやり直しを命じられる
 ・ お金を貰えない
 ・ 損害賠償を請求される

 契約は約束ですから、こちらが義務を果たさずして、相手にだけ履行を求めるのは横暴でしょう。
 中には、「計画書」の意味を取り違えている方もいらっしゃいます。
 「計画はあくまでも計画だから、やってみないと判らない。」
 こんな理屈がまかり通るなら、経営計画の意味はありません。

 経営計画は、経営者の覚悟。
 目標は、「できたらいいな」といったぼんやりしたものではなく、「何が何でもやり切る」というコミットメント(必達目標)です。
 そこまで昇華させるには、経営者と幹部と社員とが、膝詰めで対峙し、時間をかけて擦り合わせなければなりません。
 期末4ヶ月前に発信する理由は、そこにあります。

サービスが先

 一つの商談がまとまりました。
 居住者のいらっしゃらない空き家だったので、活用頂けるだけでも幸いです。

 既に、売り買い双方と数回の商談を重ね、現地案内を経ています。
 農地絡みの土地であるため、これから非農地証明を取得し、農地転用も必要です。
 売買契約は4月、決済は農地転用の完了する6月初旬になります。

 周知の通り、空き家流動化促進のために、今年から法改正があり、400万円以下の媒介報酬が増額されました。
 そして、手にする手数料は十数万円。
 いや、一般の物販や飲食等と比較すると、高額に思われるでしょう。
 
 それでも、責任の重さを考えると、必ずしも見合いません。
 そんな不遜な心に言い聞かせます。
 例え1万円の仕事であっても、1000万円の仕事同様に手を抜かないこと。
 
 金額は低ければ低いほど、手間がかかればかかる程、ある意味それは、他社との差別化のチャンス。
 商売とは、サービスが先。
 報酬は後からついてくるものです。

如月の望月の頃

 大変お世話になった方がまた一人、天に召されました。
 今の会社を起業した際、第一棟目の管理をお任せ頂いたオーナー様です。
 
 先日開催された「お別れの会」にも、参加させて頂きました。
 常に、笑顔で、豪快で、優しく、思いやりとバイタリティに溢れ・・・。
 来賓の方々や御遺族からのエピソードからも、故人らしさが偲ばれます。

 故人は生前、西行の和歌を好み、自邸庭の石碑にしていたそうです。

 「願わくは、花のもとにて春死なむ。 その如月の望月の頃。」
 ※ できれば(お釈迦様の命日である)2月15日頃、満開の桜の木の下で死にたいものだ。

 その句の通りに、2月10日他界されています。
 直前に会社の後継者を指名して・・・。

 まるで、申し合わせたかの様なタイミング。
 そして、立つ鳥跡を濁さず。
 責任感の強い方は、自らの死期を悟る力があるのかもしれません。 
 合掌・・・。

人事管理6つのポイント

 ジャックウェルチの名著「WINING 勝利の経営」第7章は「人事管理」。
 本著では、6つの基本的なポイントに整理されています。

1. 人事部門を組織の上の方に置き、権限を与える
※ 理想の人事担当者「一方では牧師の様に、相手を非難することなく犯した罪を聞き、不満を聞いて上げる。
  もう一方では、親の様に愛情を持って接し育てるが、誤った道に踏み込めばすぐにはっきりとそう言う。」

2. 官僚的に陥らない厳格な評価システムを使い、誠実な行動を取るように監視する
※ 会社が求める人材像が評価システムによって量られ、人事考課面談でフィードバックされる

3. 良い人材の士気を高め、会社に長く留まって貰うための効果的なシステムを作り出す
  ① 金銭的報酬(ハイパフォーマーには相応しい待遇が必要)
  ② 成果を認める方法(褒賞、表彰)
  ③ 研修(会社の期待を伝え、社員の士気を高め、成長する方法を与える)

4. 緊張関係にある時には、逃げずに真っ直ぐ向かい合う
  ① 組合(誠実な態度で臨むこと&自分の言葉を守ること)
  ② 花形プレイヤー(スターは気を付けないとモンスターになる)
  ③ 落ち目の人(新しい仕事を与えるか研修をして、再び活力を取り戻させる)

5. ミドル70%を軽視せず、組織の中核として扱う
※ ミドル70%が中核を成すにも関わらず人情から、落ち目の人や妨害者を救済するために時間を使い過ぎるのは間違い

6. 組織がなるべくフラットに成るようにデザインする
※ 階層が重層的になると、伝言ゲームとなり指示が正確に伝わらない、噂に尾ひれがついて拡がる、承認と会議の時間が増える、何よりもコストがかかる

 こうして列記すると、とても複雑で、面倒で、手間がかかるのが人事管理のプロセスと言えるでしょう。
 何故なら、人間は感情の動物です。
 やる気を引き出すのも、やる気を失くさせるのも、人事管理するマネージャー次第。
 そこに存在するだけの人在を、人財に育て上げるか、人罪に貶めるか。
 企業の業績も不沈も、人事管理にかかっていると言っても過言ではありません。

魔法の著:後編

  平成10年、分譲マンション事業部が創設されたものの、スタッフは部長である自分だけです。
 しばらくすると、営業社員が1人配属されました。
 4月になると、高卒、大卒の男女が入社してきて、やっと4名体制と成ります。
 
 一方、賃貸マンション事業部は、20名の陣容を誇る、花形部署でした。
 文字通り、追い付け追い越せと邁進した結果、5年後には分譲マンション事業が主力となります。
 
 経営計画は分譲マンション事業中心のカラーに塗り替えられていきました。
 平成9年の段階で5年後の目標に掲げられていた、売上高100億円も達成。
 やはり経営計画書は魔法の著か・・・しかし、事業の内訳は全く違っています。

 ゼネコンであれば、支払よりも受入が先行するため無借金でも運営できますが、デベロッパーの場合そうはいきません。
 プロジェクト資金としての短期借入金が増え、自己資本比率が下がる。
 販売が止まると、企業にとっての血液であるキャッシュが止まるので、走り続けなければならない。
 それは雨降りしきる高速道路です。

 最終的に、分譲マンション事業への依存度の高さがリスクとなり、破綻を招いてしまいました。
 そういう意味で、紛れもなく自分はA級戦犯です。

 歴史に「たら」「れば」はありませんが、仮に 「年一棟を原則とし、どんなに好況になっても無理をしない」という文言を経営計画書に残していたら・・・。
 今もなお、会社は存続していたに違いありません。
 
 経営計画書は、経営の羅針盤。
 どの会社にも、どの事業にも、絶対に見失ってはならない重要なファクターがあります。   完

魔法の著:前編

 書類整理をしていると、前職時代の経営計画書が出てきました。
 本来は期末に返しておくべきものです。
 平成9年度、自分は子会社に在籍していたため、回収にかからなかったものと思われます。
 往時に比べれば薄い装丁ながら、それでも55頁に渡り、社長の志や意気込みが綴られています。

 中小企業のカリスマ故一倉定先生は、自著でこう語っています。
 「経営計画書は、社員の心に革命をもたらし、会社に奇跡をもたらす、魔法の書である。
 社長が、自らの未来像を明示せずに、社員はどうして自らの未来を考えることができるのか。
 社員の最大の不安はここにあるのだ。」

 前職の社長も一倉教の一員で、忠実な教えの元、経営計画書を作り、年始の進発式で全社員に熱く語りかけていました。
 平成9年当時、社員数73名、売上高51億円。
 ここから僅か数年で、社員数も売上高も約8倍に急成長しました。
 正に魔法の著と言えるでしょう。

 当時自分は、子会社の役員兼、分譲マンション販売の責任者です。
 分譲マンション事業の売上全体に占める割合は、僅か1割しかありません。
 しかも、経営計画書には、次の文言が明記されていました。

 「(分譲マンション事業はリスクを伴うため)年一棟を原則とし、どんなに好況になっても無理をしない」

 翌年、子会社から親会社に転籍し、分譲マンション部長に就任。
 自分は、担当する事業の成長発展を否定するかの様な、この一行を削除する執念に燃えていました。
 思惑通りに3年後、この一行は経営計画書から消え去ります。
 
 そしてそれが、よもや転落の第一章に成ろうとは、この時誰も予想だにしていなかったのです。    つづく

弱者の味方

 最近の若い者は・・・。
 こう言い始めると、歳をとった証拠かもしれません。
 
 しかし、敢えて申し上げますと、最近の若い者は、教師や上司に対する敬意に欠けています。
 挨拶や礼節も、成っていません。

 また、そうした若手同士が、稚拙な考え方を元に情報をやり取りする中で、「会社(上司)は間違ってるよね」という、誤った認識が拡散される傾向が顕著です。
 自らの非を認めようとはせず、自分達の価値観に合わない会社や上司を敵対視してしまいます。
 
 本来はそこで、中堅どころの先輩が、「いやいや、それはお前たちが間違ってるよ。」と諭してくれるべきなのですが、残念ながら今は、その世代がゆとり真っ只中であるため期待できません。
 
 先輩社員どころか、役職者であっても若手社員と同じ目線で、会社を仮想敵にしてしまう傾向が見られます。
 「会社や上司といった強者に立ち向かう弱者の味方」として、群れを束ねる方が心地良いからです。
 中間管理職がそのポジションに甘んじたら、組織はガタガタになります。
 
 大前提として、会社組織は上意下達。
 上司の指示に対して、部下が不貞腐れた態度を取るなど論外です。
  
 勿論、会社(上司)が全て正しいとは限りませんし、イエスマンでもいけません。
 感覚や感情ではなく、一つひとつの事象を是々非々で判断することは大切です。

 最後にお伝えしたいのは、社内の人間は全て味方だということ。
 戦うべき敵は外に居ます。

心づかいの反面教師

 先日、通勤途中でパンクしたため、昼休みを利用してパンク修理に行きました。
 そのカーピットの隣は飲食店なので、修理待ちの間に昼食も取れます。

 12:00ジャストに入店すると、20分待ちで、作業時間20分とのこと。
 12:40分完了なら、ゆっくり食事できそうです。

 ところが直後に、「13:00からの作業開始になります。」と修正が入ります。
 仕方なく、遅れる旨を会社に連絡した上で、この上なくゆっくりと昼食を取りました。

 13:00、カーピットに戻り、暫くウロウロしていたのですが、13:15に成っても車がピット入りしません。
 受付で、「まだピットに入ってないのですが」と伝えると、「今から取り掛かります」という元気な声。
 蕎麦屋の出前か・・・。

 すったもんだで、最終的に仕上がったのは14:00。
 支払いにデビット(即時決済)カードを差し出すと、レジ操作の方法が判らないようで、二回続けてエラー。
 「すみません。このカードを読み取るとエラーに成ってしまうんですよね。」(心の声:残高不足なんじゃないの?)
 とまるで、こちらの責任であるかのような言い回し。

 面倒臭いと思ったので、「現金でも良いですよ。」(心の声:その位の金は持ってんだから)
 という投げかけには目もくれず、「ちょっとお待ち下さい。もう一度暗証番号をお願いします。」と三回目のチャレンジ。
 結果、それで通ったけれど、「申し訳ありません」も「お待たせしました」の一言もありません。

 職場復帰は、大幅に遅刻でした。
 同じサービス業として、忙しいのも、予定通りに運ばないのも理解できます。
 但し、その時に当たり前の様な対応をされると、少し苛立つのは人情でしょう。
 
 繁忙期いや繁盛期の反面教師、気を付けたいものです。

恩義の貯金

 人脈はバランスシートに載らない資産の一つです。

 年賀状の枚数、SNSの友達の数、携帯電話の登録数。
 これらは、資産を定量的に量る指標です。

 しかし、本当の財産的な人脈は、いざという時に力に成ってくれる人のことでしょう。
 今流行りのSNSの友達も、人によって考え方は違います。

 何千人もの友達数を誇ったとしても、何処の誰か認識していないケースが散見されます。
 自分がリクエストするのは、原則リアルに面識のある人だけです。
 初見の方であっても、リクエストを頂く際にメッセージが添えられていれば、メッセージをお返しして、承認させて頂きます。

 SNS上の投稿に「いいね」を押したり、適宜コメントのやり取りをしていたとしても、いざという時に力になってくれるかというと、必ずしもそうではありません。
 それどころか、友達の筈なのにディスるコメントを見ることすらあります。

 人間関係は、50:50、ギブ&テイクが原則です。
 困った際に力に成って貰おうためには、日頃から相手を敬い、お役立ちする必要があります。
 
 恩義も信頼も、貯金と同じ。
 引き出すばかりだと、残高は無くなります。

過ちて改めざる

 ポピュラーな論語の一節です。

 「過ちて改めざる、是(これ)を過ちと謂(い)う」

 人は不完全な生き物だから、過ちはつきもの。
 過ちを犯したら、省み、戒め、改めれば良い。
 改められないとすれば、それこそが過ちなのだ。

 改めるためには、まずもって過ちを認めることが前提です。
 その上で、迷惑をかけた相手に対して、真摯に詫びます。
 
 「ごめんなさい」
 「ご迷惑をおかけしました」
 「申し訳ありません」

 そうした言葉があってこそ、周囲も改心に期待し、赦すことができるのです。
 謝罪が無い人は、果たして何が悪かったのか?、その本質を理解できていません。
 従って、また、同じ過ちを繰り返すことになります。

相続拒否という選択

 不動産取引における報酬額は、上限額が定められています。

 ~200万円 5%
 200~400万円 4%
 400万円~ 3%

 例えば100万円の土地を売買する場合には、売買の片方から5万円です。
 現地調査、役所調査、査定、媒介契約を踏まえ、商談を取りまとめ、重要事項説明書を発行し、契約を締結し、決済を見届けて5万円。
 業務の煩雑さと、取引終了後のトラブルも想定される重い責任を鑑みますと、正直割に合いません。

 全国的に空家問題がクローズアップされる中、周囲への安全配慮や移住促進の観点から、各自治体は空家の流通を活性化させようと躍起です。
 しかしながら、報酬とリスクが見合わないために、空き家対策は遅々として進みませんでした。

 そこで、今年の1月1日から、報酬規程が見直されています。
 「物件売買価格が400万円以下の場合、最大18万円受け取ることができる」
 これは、業者にとっては大きな一歩です。
 
 一方、売主の立場で見るとどうでしょう。
 例えば、子供の居ない親戚が亡くなり、親戚が相続したとします。
 田舎の古い一軒家です、なんとか一年後に買い手が見つかりました。
 売買金額は100万円。

 代金から相続時の登記費用、今回の売渡の費用、印紙代、更に仲介手数料18万円を差し引いた額が譲渡所得。
 そこから短期譲渡の所得税30%、住民税9%、復興税2.1%を差し引くと・・・。
 
 資産財産の代名詞とでもいうべき、大きな家屋敷を引き継いだにも関わらず、手残り額はすずめの涙ほどしかありません。
 いや、時に逆ザヤとなることもあるでしょう。
 だからといって、不要な不動産を所有し続ければ、固定資産税が毎年かかり、評価も価値も年々目減りし、やがて建物が老朽化すると、安全確保のために、何十万も自腹を切って解体せざるを得なくなります。

 リアルな話として、相続拒否も一つの選択肢です。

360度評価

 この春、グループ会社の全社員面談を実施しました。

 「仕事は楽しいか?」
 「職場のコミュニケーションは良好か?」
 といった質問を切り口にして、会社への要望や率直な意見を傾聴し、可能な限り回答もさせて頂いたつもりです。
 我々も、一端ではございますが、現場のリアルな実態を垣間見ることができました。

 さて、別の切り口からの気付きもあります。
 それは、社員の皆様の受け答えの姿勢です。
 
◇ 入室時の挨拶 : 丁寧にお辞儀して大きな声で挨拶 > お辞儀をせず挨拶の声も聞こえない
◇ 服装・髪型  : 清潔感溢れる服装と髪型 > 少しだらしなく見えてしまう服装と髪型
◇ 受け答え : 明るく溌剌とした明瞭な声 > 小さく聞き取りにくいくぐもった声 
◇ 姿勢 : 背を伸ばし相手の目を見て話す > うつむき加減で相手の目を見ない

 評価目的の面談では無いとはいえ、評価に反映したくなる程、その差は歴然としていました。
 評価は、評価時期だけに成されるものではありません。
 また評価は、直属の上司だけが採点するものでもありません。

 お客様、取引先の社員さん、銀行の営業マン、宅配便の配達員・・・。
 実は、知らず知らずの内に360度評価されています。
 
 「ここの会社は、明るくて溌剌としていて気持ちの良い挨拶ができる社員ばかりだ。」

 何かで必要に成った時、どうせなら感じの良い会社の社員に声を掛けたくなるのが人情です。
 そういう評価の高い会社は、必然的に御用命が多くなり繁盛します。
 逆に社員の感じが悪ければ、それは社業衰退のシグナルと言えるかもしれません。
 
 常に見られている、常に評価されているのだということを念頭におき、程よい緊張感を持った姿勢で仕事に臨んで頂ければ幸いです。

罪作りを作らせない仕組み

 建築会社は、全ての工事を内製化している訳ではありません。
 現場監督と呼ばれる施工管理者が、工種毎に下請発注します。

 工事の前に全ての協力業者から見積もりを取り、全体予算を組み立てるのが実行予算書です。
 売上を最大化し、原価を最小化すれば、利益は最大化します。

 そのために、協力業者からの見積書の中身を徹底的に精査し、交渉するのです。
 大規模な工事になれば、そうしたネゴの積み重ねで、数十万円、数百万円という利益が絞り出されます。
 逆に、実行予算が杜撰(ずさん)な場合、利益を失うだけでなく、不正の温床にも成りかねません。

① 「ここは見積チェックが甘い」となめられ、本来100万円の工事金額を、120万円に吹っ掛けてきた
② 現場監督が、下請業者から飲食の提供を受けて懐柔され、心情的に価格交渉が出来難くなった
③ 80万円の見積を100万円で通す代償に、現場監督へ10万円バックすることを業者が持ち掛けてきた

 上記の①は脇の甘さで利益を失うだけですが、②③は明らかに贈収賄と背任行為です。
 実は、建築業界において、これらの不正は蔓延しています。
 こちらが持ち掛けなくても、向こうから忍び寄ることもあります。

 人は弱い生き物。
 貧すれば鈍する。
 魔が差すこともあるでしょう。
 
 価格交渉や相見積もりによる厳しい実行予算管理は、会社の利益を守るため、そして罪作りを作らせないために、不可欠なプロセスなのです。

心の中の天使と悪魔

 不祥事などというものは、起こらないに越したことはないでしょう。
 しかし、組織が拡大するにつれて、リスクは高まります。
 ルールを逸脱すれば、相応の罰を受けなければなりません。

 さて、罰を受けるのは、当事者だけでしょうか? 
 会社には、その人を採用し任命した責任が、上司には、指導教育や管理監督の責任があります。
 
 決して、罪を薄めようとしている訳ではありません。
 さりとて、自分も含め他人事でもない筈です。

・ 制限時速50㎞の一般道、65㎞で運転していた横を、時速100㎞で抜き去った運転手に対し、「乱暴な運転しやがって」と舌打ちする。
・ 道路に落ちていた100円玉を拾ってラッキーと財布に入れた翌日の新聞で、拾得物の財布の中身を着服した警察官の記事を知り、「とんでもない奴」と文句を言う。

 そんな自分はいませんか?
 程度の問題と捉える向きもあるでしょう。
 一方で、五十歩百歩という言葉もあります。
 
 「戦闘の際に五十歩逃げた者が、百歩逃げた者を臆病だと笑ったが、逃げたことには変わりはない。」 孟子:梁恵王上の寓話から

 誰しも心の中には、天使と悪魔が同居しています。
 人は弱く、間違える生き物です。
 悪魔の囁きに負け、躓(つまづ)くこともあります。
 かくいう私も、何度も躓いてきました。

 膝を擦りむき、泥にまみれ、どんなに無様でも、人生は再び立ち上がらなければなりません。
 同僚として、同志として、その苦しさに寄り添う優しさを期待しています。
 そして、対岸の火事ではなく、自らの過去の行いに照らし、省み、戒め、他山の石として胸に刻みましょう。

つまらないものですが

 世の中には、欧米人を尊大とし、日本人を謙虚とする、偏った考え方があります。
 一例を挙げると、贈り物の手渡し方。
 
 欧米人は、その贈り物がいかに素晴らしいものであるかを語るのが常です。
 一方日本人は、こう言います。
 「つまらないものですが」
 「お口汚しですが」

 万事、遜(へりくだ)り、奥ゆかしいのが、日本人の美徳とされたりもします。
 しかし、見方によれば、「つまらないものをよこしやがって」という非礼に受け取られかねません。
 新渡戸稲造は、名著「武士道」において、こう説きます。

 <欧米人>
 「この品物は、素晴らしいものだ。
 素晴らしくなければ、あなたにあげたりはしません。
 素晴らしくないものをあげれば、あなたを侮辱したことになります。」

 <日本人>
 「あなたは立派な人です。
 どんな贈り物でも、立派なあなたに相応しいものはありません。
 だからこの品物の価値ではなく、私の心のしるしとして受け取って欲しい。
 最上の品物でも、あなたに十分相応しいものと言えば、あなたの価値に対する侮蔑となるでしょう。」

 つまり、アプローチの仕方は真逆でも、相手に対する敬意の心根は一緒だということ。
 何事も表面だけで判断するのではなく、裏や奥に潜む真意を探る、思慮深き洞察力を身に付けたいものです。

人生帳尻合わせ

 芸能人、一般人を問わず、折に触れて思うことがあります。
 人生帳尻合わせ。

 逆境をものともせず、真摯な姿勢で、努力に努力を重ね、栄冠を掴む人。
 順境に胡坐をかき、傲慢な態度で、怠惰と私欲にまみれ、転落を招く人。

 短期的にはともかくとして、長期的スパンでみれば、人生は上手く帳尻が合うように成っているようです。
 例えればそれは、自転車で坂道を進む様なもの。
 
 上り坂に差し掛かると、漕げども漕げどもなかなか進みません。
 辛く、苦しい道程です。
 やがて、頂上を極めると、そこからの下り坂は、労せずして快調に進みます。

 坂を下りきってしまうと、また自分の足で漕がざるを得ないのは当然です。
 下り坂でも、漕ぐ足を止めず、勢いを保った自転車は、次なる坂も難なく乗り越えられます。 

 まさしく、どん底まで落ちた時が正念場。
 今まで楽をし過ぎたことを反省し、再び立ち上がり、頂を目指して懸命にペダルを漕ぎ続ければ、必ず道は拓けます。
 一方、「何故こんな目に遭わないといけないのか」と自暴自棄に陥り、楽な下り坂ばかり探していたら、やがて地の底まで落ちていくことでしょう。

 善因善果、悪因悪果。
 善い種を蒔けば善い果実が実り、悪い種を蒔けば悪い果実が実ります。

知らなくても悪意

 コンプライアンスを一言で訳すと「法令遵守」ですが、厳密には規則や倫理も含む、網羅的・包括的な意味合いに成ります。

◇ 法律 : 社会生活を保つために定めた、支配的(特に国家的)な規範
 日本は、紛れもなく法治国家です。
 国民としての権利を主張するからには、法律を守る必要があります。
 企業も同じです。
 雪印や三菱自動車の様に、コンプライアンスの軽視によって会社が消滅したり、身売りを余儀なくされた事例もあります。

◇ 規則 : それに基づいて行為・手続き・操作が行われるように定めた規準
 一般的に就業規則は、何処の会社にも備えられています。
 ところが、これをしっかり読み込んで、理解している人は少数派です。
 かくいう自分も、処分対象者が出た段階で、その過ちが何条の何項に該当するのかを確認して初めて認識したりします。

◇ 倫理 : 人間生活の秩序つまり人倫の中で踏み行うべき規範の筋道
 法律や規則に、抵触さえしなければOK・・・ということではありません。
 企業として、人として、社会から認められ、必要とされる存在となるためには、後ろ指を指されることのない、立派な人格と生き方が求められます。

 法を犯せば、国に罰せられます。
 規則を破れば、会社が罰します。
 倫理に背けば、信用を失います。

 同じ過ちでも、知らずに行った場合は善意、知りながら手を染めてしまった場合は悪意、とする解釈もあります。
 子供なら、「知らなかった」という釈明もあるでしょう。
 もし、あなたが大人なら、知ってても、知らなくても、それは悪意です。  

最後の砦

 前職の会社は非上場でしたが、上場一歩手前まで行ったこともあり、地方の企業にしては、行き届いた企業統治だったと自負しています。
 また、当時としては先進の、委員会設置会社でもありました。

【 三つの委員会 】
 ・ 指名委員会(株主総会に提出する取締役の選任や解任に関する議案の内容を決定する権限を持つ機関) 
 ・ 報酬委員会(取締役や執行役が受ける個人別の報酬の内容を決定する権限を持つ機関)
 ・ 監査委員会(執行役の職務の執行を監査することを目的に、取締役会内に設置される機関)
 ※ 取締役 3人以上から構成される各委員会の委員の過半数は、社外取締役でなければならない。

 従来型の会社は、取締役の解選人も報酬も、社長の一存です。
 個人の偏見を排除し、客観的な人事とするために、委員会で決定します。
 また、幾ら複数で協議するといっても、子飼いの部下が社長に異を唱えられるか否かは疑問です。
 そこで、過半数は社外取締役としています。

【 取締役と執行役 】
 一般的な会社で役員と云えば取締役です。
 しかし、取締役の多くは、業務執行のラインを担っています。
 業務執行しながら自らを取り締まるのは、行事が相撲を取るようなもの。
 そこで、委員会設置会社では、業務執行を行う執行役を、取締役とは別に設け、役割と責任を明確に分離しているのです。

 一時期自分は、住宅、リフォーム、分譲マンション、賃貸マンションの四事業統括に加え、人材育成担当の常務執行役を務めていました。
 その時、自宅の僅か5,000円の小工事を行う際、取締役会で申告し、工事完了後の取締役会で、
 「売上5,000円 原価3,500円 粗利1,500円 粗利率30%で、適正に処理されています」と報告されます。

 細か過ぎて、厳格過ぎるコーポレートガバナンスは、罪作りを作らせないための最後の砦です。

利益相反取引

 社員の方にとっては、耳馴染みの無い言葉でしょう。

 「競業避止義務」
 労働者は、所属企業と競合する会社への就職または、競合する会社を自ら設立する等の競業行為を行ってはならない。
 労働者は在職中、労働契約における信義誠実の原則に基づく付随的義務として、競業避止義務を負う。

 言うまでもなく、社員の副業は、就業規則で禁じられています。
 休日や就業後も例外ではありません。

 ましてや同業他社への二重就職や、自ら同業で内職することは、所属する会社との利益相反に当たるので当然NG。
 違反すれば、懲戒の対象です。
 また、取締役の義務は更に重く、法律によって定められています。
 
 【 会社法355条 : 忠実義務 】
 取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。

 【 会社法356条 : 利益相反取引 】
 取締役が、自己(自己取引)又は第三者のために、「株式会社の事業の部類に属する取引」を行うことはできない。

 例1)親戚からキッチンの入れ替えを依頼された設備会社の取締役Aが、休日を利用して自ら手配した
 例2)建築会社の取締役Bは、自宅のトイレを改装する際、自社で工事を行った
 
 これは何れも利益相反取引。
 優越的な地位を利用して、代金を着服したり、不当に低廉な金額で請け負わせて、会社に損害を与えると問題に成ります。
 従って、どうしてもその業務を進めざるを得ない場合には、以下のプロセスが必要です。

① 取締役会において、重要な事項(取引先・目的物・金額・期間等)を開示する
② 取締役会において、承認を得る
③ 取引終了後、取締役会において、重要な事項を報告する

 これらを怠れば法律違反として、罰則(会社法976条:百万円以下の過料)を受けます。

ゴマすり型人材

 昨日、一昨日とお届した、「日経ビジネス」の「マックジョブ型人材」について、補足です。

 『低賃金で、技術レベルが低く、将来性の無い仕事と揶揄される、マックジョブ型人材にも活路はある
 マックジョブ型人材が持っていて、非クリエーティブジョブ型人材には備わっていない能力・・・それは社交性である。』

 米ウィスコンシン大学のジェイソンフレッチャー教授は2013年、米国企業を対象として、昇進や賃金に大きく影響した要素を統計的に分析。
 『出世に最も必要な要素は、スキルや才能ではなく、行動的で社交性が高いことだ』という内容を発表しました。

 ・ 上司への徹底的な、報告・連絡・相談
 ・ 取引先との頻繁な会食
 ・ 様々な社内情報の収集
 ・ 経営層と現場とのパイプ役、調整役・・・

 これを名付けて「ゴマすり型人材」。
 
 『経営のスピード化のためにも、意見を擦り合わせ、反発を招かない様に、経営者の意向を現場に浸透させる。
 ゴマすり型人材は有用だ。』    フジテック 友岡賢二常務

 「ゴマすり」という言葉は、「他人に気に入られるように振る舞って、自分の利益を得ようとすること」ですから、決して良い意味ではありません。
 本来のゴマすりは、下には配慮無く、上にだけ阿(おもね)る行為・存在ですから、明らかに誤っています。
 誤用の是非はともかく、今現在、資本家とグループ各社との間にある私の立ち位置は、まさに「ゴマすり型人材」です。
 
 クリエーティブなTOPから投げられる、多種多様な荒れ球を、一旦グラブに納めた上で、現場の構えたミットに確実に届く様、受け止めやすい球にして放る。
 是々非々で時期尚早と判断すれば、明確な理由を添えて、その球を投げ返す。
 或いは、現場から来た球を受け止め、ジャッジした上でTOPへ投げる。

 そうした調整の目的が、企業の成長と社員の幸せにあるのだとすれば、喜んで「ゴマすり型人材」の称号を拝命したいと思います。

マックジョブ型人材:後編

 まずもって、有能なクリエーティブ人材は限られており、獲得には手間もお金もかかります。
 併せて、以下についても問題です。
 
 『外から人を採り続けるだけでは組織は肥大化するから、獲得した人数と同規模のプロパーの社員に退職して貰わなければならない。
 ここで彼らを無慈悲に放り出せば、残りの生え抜き社員の士気に関わるため、入念なケアが不可欠だ。
 - 中略 -
 外部登用を進めれば、社内に不協和音も起きやすくなる。
 嫌気が差した有能なプロパー社員が退職してしまったり、折角の外部人材がイジメに遭って実力を発揮できなかったり・・・。』

 何より、『マックジョブ型人材』が、これからの企業にとって不要なのかというと、必ずしもそうではありません。  
 
 ヒューマンロジック研究所の古野社長は、次の様に語っています。
  『クリエーティブ業務が全盛の時代に、それが苦手なマックジョブ型人材が出世できる筈が無い、と思うのは大きな誤解だ。
 どんな企業でも、管理職や経営層を、創造性の高い人材だけで固めることはできない。
 クリエーティブ型人材は、組織や他人の管理が大の苦手だから。』

 いわゆる、四番バッターばかり集めても強いチームは作れないということ。
 総合的にバランスを見て配置する、適材適所な人事こそが理想です。

 まとめ・・・。
 手の届く所に、優秀なクリエーティブ型人材が居るのだとすれば、積極的に外部招聘すべきでしょう。
 しかし、幹部を総代えする訳にはいきませんし、心配せずともそんな沢山の外部人材はいません。

 外部人材にアンテナを張りつつ、並行して社内プロパーの幹部や社員を教育していくことが経営層の使命です。 以上

マックジョブ型人材:前編

 日経ビジネスの記事の中で、二つの人材が対比されています。

1. クリエーティブジョブ型人材
2. マックジョブ型人材

 マックジョブは、文字通りマクドナルドのクルーの様な仕事を指す造語で、米国では「低賃金で、技術レベルの低い、将来性のない仕事」という意味に使われているようです。
 確かに、AIの発展によって、今ある仕事の半分は、十年以内に無くなると予想されています。

 『ルーティン(定型的)な仕事が消滅し、才能とセンスがモノをいうクリエーティブ型業務の比率が高まる中、素質の無い人材は、入社から何年たっても精彩を欠き、活躍せぬまま一線を退かなければならない。』
 名付けて、「歳だけ重ね人材」。
 しかも、業種を問わず、「歳だけ重ね人材」は、組織のマジョリティー(多数派)という、冷酷な現実に直面しています。

 識者は続けます。
 『コスト・スペック競争が終わり、顧客に全く新しい価値を提供する、新しい時代に突入した。
 古い慣習を捨てなければならない。
 そのためには企業を根本から変える必要がある』 日本ヒューレット・パッカード社 吉田社長
 
 従って、『既存事業の延長線上にない新分野開拓には、プロパー(生え抜き)だけに頼らず、新しい人材が必要。』ということになります。
 先進企業では、『大卒総合職を中心とする日本企業のプロパー社員を、いくら今から教育しても、新しい時代に適応する人材には成り難いという、残酷な事実に気付き始めた。』
 そして、少なからぬ企業が、「キーマンほど、生え抜きよりも外様」へと、かじを切り始めています。

 しかしながら、この体質改善は、一筋縄にはいきません。       つづく

徳川家康公 遺訓

 関ヶ原の戦いの終戦から戊辰戦争の開戦に至る江戸時代。
 15代270年にも及ぶ天下泰平を築いたのは、紛れもなく徳川家康です。
 400年の時を越えて、その家康公の遺訓を再考したいと思います。

【 徳川家康公 遺訓 】
一、 人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し、急ぐべからず。

一、 不自由を常と思えば不足なし。
   心に望み起こらば、困窮したる時を思い出すべし。

一、 堪忍は無事長久の基、怒りは敵と思え。
   勝つことばかり知り、負くることを知らざれば、害その身に至る。

一、 己を責めて人を責めるな。
   及ばざるは過ぎたるに勝れり。

 改めて読み込むと、努力、感謝、謙虚、努力、辛抱、堪忍、人情、恩赦、自己責任・・・。 
 豊かな人生を送るための金言至言が網羅されています。

 55歳に成り、世の中の変化に追随するのが難しいと感じることも増えてきました。
 しかし、世の中も、組織も、治めるための要諦は今も昔も変わりません。

学歴フィルター

 就職活動における、企業側の「学歴フィルター」が問題に成っています。

 具体的には、説明会を予約しようとしたところ、満席表示で予約ができなかったにも関わらず、偏差値が高い他大学に変えたところ、空席表示が出た。
 或いは、女子学生がエントリーしようとしたところ満席だったものが、男子学生の場合空席になったというものです。
 学生側は、これに憤慨し、ネットを通じて実名告発し、拡散させています。
 
 ネット情報によれば、学歴フィルターという機能が就職ナビサイトのサービスとして存在するわけではありません。
 セミナーエントリー受付機能の中に、「特定学生を対象とした非公開日程の設定が可能になる」という仕組みがあり、これを学生の属性によって表示させたりさせなかったりする事ができるようになっているとのこと。
 
 ともあれ、結果的に「学歴フィルター」は存在するのは間違い無いようです。
 それは、雇用機会均等法に抵触するとか、しないとか。
 とはいえ、告発に意味があるとは思えません。

 学生は、その会社の姿勢に憤慨しています。
 では、この告発によって企業側の姿勢が改まったとしたら、その会社に入りたいのでしょうか?
 そんな暇がある位なら、自分を認めてくれる、心の広い会社を求めた方が得策だと思います。 

 また、制約を解いて説明会に参加できたとしても、次なる書類選考や面接でふるいにかけられることを思えば、端(はな)からエントリーできない方が、双方にとって合理的でしょう。
 
 公言している通り、私は中卒社長です。
 従って、我が社の求人条件は学歴不問としています。

 しかし、仮に面接の印象が同等なら、自分は迷いなく高学歴の方を選びます。
 何故なら、高学歴の方は、厳しい受験戦争を努力によって勝ち上がった訳で、競争力や目標達成能力に長けていると判断できるからです。

 今の自分が厳しい立場にあるとすれば、それは他人や環境のせいではなく、自らの過去の行いの結果。
 汝の今の行動が未来の予言者です。

心亡くさない繁盛記

 賃貸仲介における繁忙期は2~3月です。
 心を亡くすのは良くないので、業界的には繁盛期と読み替えます。

 開店前から反響メールが殺到し、
 開店と同時に電話が鳴り響き、
 立て続けに来店があり、
 昼食もままならず、
 閉店してロールスクリーンを下ろすと、やっと一息。

 そこから、明日の来店予約を確認し、
 物件を準備し、
 契約書や重要事項説明書を作成・・・。

 帰宅するのは深夜、時には日付変更線を跨ぐこともあります。
 国会において「働き方改革」が喧(かまびす)しく叫ばれていても、それが繁盛記というものでしょう。
 
 創業から9年。
 草創期には、閑散期と大差ない2~3月も経験しました。
 そんな調子だと、当然に売上も利益も上がりません。
 
 それ以上に、「お客様から選ばれない」「必要とされていない」現実を、冷徹に突き付けられている様で、やるせなさと虚しさが込み上げました。
 そういう時期を経験してきたからこそ、今の賑(にぎ)わいに対して、心から感謝できます。
 
 さりとて、喉元過ぎれば、熱さも感謝も忘れがちなのが人間の悲しい性(さが)です。
 心を亡くしそうな時に、思い出して下さい。
 必要とされるからこその賑わいであることを。

売値と価値の乖離幅

 先日のブログで、シェアハウス・サブリース事業の債務不履行問題を取り上げています。
 小学生でも判る様な単純な足し算引き算で、採算に疑問符がつくビジネスモデルを信用する側にも問題があると表現しました。

 そもそも論で言えば、個人的にはサブリース事業には否定的です。
 表面利回り10%、管理料や諸経費を差し引いて、手元に残るのは、せいぜい4~5%。
 将来的に空室が増え、金利が上昇したら、赤字に転落するのが賃貸住宅経営の実態。
 その収益の上澄みを、一割ほど跳ねられて、儲かる訳がありません。

 それでもなお、サブリースを選ぶなら、以下の見通しと自信が必要です。
 ① サブリースを外されたとしても入居率は堅持できる
 ② サブリース抜きで売却しても、損失が発生しない

 物件の価値と、購入(建築)価格が、かけ離れるほどにリスクは高まります。
 例えば、一室300万円の価値しかない建物を、700万円で買う馬鹿はいません。
 それでも、毎月6万円の賃料を保証されれば、利回り10%以上となり、飛びつきます。 
 しかし、サブリースの梯子を外された時には、毎月3万円の賃料でも貸せるか否か怪しい。
 同じサブリース大手でも、D社が生き残り、L社が撤退した、その差はここにあります。

 また、マルチ的な商法で有名なA社が生き残っているのも、売値と価値が大きく乖離していないのがポイント。
 二束三文の健康マットを、何十万円といった価格で売る商売をイメージすれば、見極めは難しくありません。

企業が果たすべき何か

 我が社および我がグループは、何れも地方都市の中小企業ですが、ソフトボールやアーチェリーやバレーボールといったアマチュアスポーツを奨励し、多くの国体レベルの選手を擁しています。
 大会ともなれば会社を挙げて応援に出向き、選手達の繰り広げる真剣勝負の気迫や情熱から、勇気を授かることも少なくありません。

 しかし、残念ながら一部、批判的な声も聞こえてきます。
 「大企業でもないのに・・・。」
 
 平昌五輪のスピードスケートで二冠に輝いた、高木菜那選手が所属する日本電産サンキョーの永守重信会長が、スポーツ支援についてこう語っています。

 「マイナースポーツ支援の意味や意義を理屈で語るのは難しい。
 年間で何億円というお金をかけるので、社員から見たら“もっと別のところに使ってほしい”(とか)“新しい機械を買いたい”といった意見も出てきます。
 でも、こういうものは理屈で割り切れるものではなくて、夢やロマンなんですね。」

 日本電産といえば、文字通り世界的な優良企業であり、永守会長はカリスマ創業者です。
 それでも社内には、我が社と同じ様な批判的な声があることに驚かされます。
 
 「会社は利益を上げるだけではなくて、社員に夢を与えたり、私自身も夢やロマンをもらったりするような、理屈とは違う見地、計算で考えないといけません。
 一般企業がどんどんスポーツ競技から撤退されています。
 (確かに)理屈で考えたら、こんなこと意味ないという判断になると思います。
 だけど、そこは違った意味がある。
 今回、彼女の活躍が多くの国民の皆さまに感激を与えた。
 (そこには)企業が果たすべき、社会貢献とは違う“何か”があるんです。」

 縁あって我が社、我がグループで働く選手は勿論、選手以外の皆様にも、是非、耳を傾けて頂きたい言葉です。
 決して理屈ではありません。

公益と私益の一線

 所属している愛媛県宅地建物取引業協会は、公益社団法人です。
 公益事業の柱の一つは、月一度の不動産無料相談。
 内容は様々ですが、物件の売却にまつわる相談も少なくありません。

 親身になって相談に乗っていると、相談者から、こう持ち掛けられることがあります。
 「話し易いので、貴方の会社で売却して貰いたい。」
 公益の窓口に来られた相談を、自社の商売に結び付けるのは御法度です。

 「では一体、誰に頼めば良いのか?」
 そう聞かれた際に、どう対応すべきか?
 一旦、相談を終え、事務局にバトンタッチ。
 事務局は、当該エリアのハトマークの会員名簿を提示し、相談者に選んで頂きます。

 相談とは一線を引いて頂くべく、連絡は外に出てから。
 結果的に選んだ業者が、相談員と被る場合もありますが、そこまでは問いません。

 「金儲けどころか、誰も引き受けてくれない様な、薄利で煩雑な相談内容。
 誰かが助けてあげないといけないと思い、ボランティア的に一肌脱いだ。」
 この場合にも、先述した一線を引く必要があります。

 善意なのか、悪意なのかは、見た目では判りません。
 儲かるのか、儲からないのかは、結果でしかありません。

 不倫スキャンダルの常套句、「一線は越えていません」の「一線とは何か?」が、昨今よく議論になりますが、公益と私益の一線は明確です。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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