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許されないこと

 今から十年以上前の話です。
 前職の建設会社の現場に出入りしている、ビジネスパートナー(協力会社)からの告発を受けました。
 
 「現場監督が、若い社員に対して、恒常的に暴力を振るっている。」

 会社として、当事者にヒアリングすると、監督も若い社員も、素直に事実を認めます。
 しかし、そこに被害者と加害者の姿はありません。
 若い社員は監督に対して、処分を望むどころか、尊敬の念を抱き、日頃の指導に感謝しています。
 厳罰or情状酌量、賛否両論が飛び交い、最終的に会社が下した答えは諭旨解雇でした。

 我々は、スポ根アニメを見て育った世代です。
 「巨人の星」にも「アタック№1」にも「エースを狙え」にも「柔道一直線」にも・・・。
 主人公を厳しく鍛える、鬼コーチが必ず存在していました。

 何れも師弟間は、深い愛情と厚い信頼の絆で強固に結ばれています。
 叱るのは、膨大なエネルギーが必要です。
 我が子だと思うからこそ、愛情があるからこそ、正しい道へ向かわせるために厳しく指導します。

 「スクールウォーズ」では先生が、大敗した試合の後、選手一人ひとりを拳骨で殴りつけ、泣きながらこう語りかけるのです。
 「いいか、殴られた痛みなど三日で消える。
 だがな、今日の悔しさだけは絶対に忘れるなよ!」

 御存じの通り、このドラマは実話です。
 先生のモデルであった山口良治さんの講演は、涙無くしては聞けません。
 その山口先生が十数年前に、内子座で講演された際、最も感動的な鉄拳のエピソードはカットされていました。
 地元教育委員会の主催であったためです。

 時代は変わりました。
 心根はともかく、許されないことは許されません。
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リンゲルマン効果

 社員面談には、二つの狙いがあります。

1. 組織の方針を伝える
2. 社員の本音を探る

 その上で、不明な点は説明し、ズレがあれば是正し、納得して貰い、ベクトルを合わせます。 
 本来、組織人である限り、上意下達は絶対です。
 しかし実際の現場では、上司からの鶴の一声で、組織の末端まで一気通貫することは、まずありません。

 綱引きに例えてみましょう。
 敵軍に打ち勝つべく、苦悶の表情で一所懸命、全身全霊の力を込めて引っ張る人もいます。
 一方、取り合えず綱に手はかけているものの、力は程々に、うすら笑みを浮かべている人もいます。

 実際、綱引きにおける「社会的手抜き」は、心理学で実証済みです。
 「リンゲルマン効果」
 実験結果によると、1人で綱を引っ張ったときより集団で綱を引いたときの方が、明らかに1人当たりの力は弱くなります。
 しかも、参加人数が増えるほど、1人当たりの貢献度が低下します。
 つまり、人数が多くなるほど手抜きがひどくなるのです。

 この戦いに勝利することの意義と意味。
 勝利した際の報われと、敗北時の辛酸。
 全員が力を合わせれば、必ず勝てるという洗脳・・・。

 様々な言葉を紡(つむ)いで社員を鼓舞し、手抜きを排除し、組織の力を最大限に引き出す。
 やる気にさせるのは、リーダー次第です。

大義なき不毛な争い

 最終的かつ不可逆的な合意を反故にしようとしている隣国で開催される五輪。
 その開会式に、自国の首相は参加すべきか否か?
 賛否両論あるところです。

 TV番組に出演されていた石破元防衛大臣から、明快な答えを頂きました。
 「こうした国際間の約束が守られないようであれば、今後とも外交は成り立たない。
 しかし、今回の五輪に当たっては、先方から招待状が届いた。
 選択肢は二つ。
 一つは、招待を受け入れ、参加した上で、改めて自国の主張を伝える。
 もう一つは、不参加によって抗議の意思を伝える。
 これまで日本は、良識的なスタンスで外交を展開してきた。
 後者を選べば、相手と同じ土俵に乗ってしまう。
 従って、安倍首相の選択は正しい。」

 ポスト安倍の最右翼と目される石破氏ですが、是々非々でのコメントは流石です。
 我々の属している業界団体も、同じことが言えるかもしれません。

 大義なき不毛な争いが十年以上続いています。
 しかも、目には目をと言わんばかりの、低レベルの泥仕合。
 改選期の今春こそは、業界の未来に灯りをともす、建設的な総会を期待しています。

ストックホルム症候群

 ストックホルム症候群についてご紹介します。

 1973年8月、ストックホルムにおいて発生した「銀行強盗人質立てこもり事件」において、犯人が寝ている間に、人質が警察に銃を向けるなど、犯人に協力して警察に敵対する行動を取っていたことが判明。
 また、解放後も人質が犯人を庇い、警察に対して非協力的な証言を行っている。
 この問題を調査したフランク・オックバーグ博士は、FBIとイギリス警察に、以下の報告をした。

 「人は、突然に事件に巻き込まれて人質となる。
 そして、死ぬかもしれないと覚悟する。
 犯人の許可が無ければ、飲食も、トイレも、会話もできない状態になる。
 犯人から食べ物をもらったり、トイレに行く許可を貰ったりする。
 そして、犯人の小さな親切に対して、感謝の念が生じる。
 犯人に対して、好意的な印象を持つようになる。
 犯人も、人質に対する見方を変える。」

 正に心理学の世界です。
 同様に人間関係は、心の振り子の振れ幅によって決定付けられます。
 
 危害を加えられずとも、常に叱られたり、嫌味を言われたりすると、人は逃げ出したくなるでしょう。
 だからといって、年がら年中、四六時中、褒められたり、優しくされたりしても、決して心は揺さぶられません。
 何故なら、振り子が振り切った状態で動かないからです。

 一方、例え烈火の如く叱られたとしても、時に優しい言葉で絆(ほだ)されれば、相手に対する従属性が強まります。
 心の振り子の振れ幅が、大きければ大きいほど、心が揺さぶられるためです。

 上司部下の関係も、この振れ幅によってバランスされている場合があります。
 但し、その均衡は極めてリスキーです。
 被害者からの声が上がらないからといって、必ずしも結果オーライではありません。

そして誰もいなくなった

 昨日のブログで、「上司としての役割と責任を果たせる人だけが手を挙げれば良い」と説きました。

 数字に強く、勉強熱心で、愛社精神に満ち、知識も経験も豊富で、戦略性に富み、部下の面倒見が良く、クライアントからも信頼され、いつも笑顔で、ポジティブで、徳があって・・・。
 そんな百点満点の、完全無欠な上司はなかなかいらっしゃらないでしょう。
 
 実際、社員との個別面談においては、上司に対する不平・不満・愚痴をぶつけられることが多々ありますし、相応しくないと思われる上司はいます。
 当然会社には、役職者の任命責任もあります。
 とはいえ、「上司としての役割と責任を果たせない人は手を下ろせ」と、単純に裏を返す訳にはいきません。
 
 まずもって、役職者は組織に応じて必要です。
 また、中小企業における、管理職人材の層はそう厚くありません。
 欠点だけにフォーカスし、外していったら、社長の自分も含めて誰もいなくなってしまいます。

 コンプライアンスに反する場合を除いては、これからの成長に期待し、片目を瞑って任せるしかないのがお家事情です。
 その現実を受け止めた上で、長所にフォーカスし、指導・教育によってレベルアップさせることがTOPの役割であり、会社の成長に不可欠な要素だと思っています。

上司を部下が評価する

 数年前、ある社員から意見されたことがあります。

 「上司は部下を評価する。
 部下は上司を評価できないのか?」

 その時の、自分の回答は以下の通りです。

 「上司が部下を評価するのは仕事の一環。
 上司を評価するのは、部下の仕事ではない。」

 実は部下も、上司を評価しています。
 勿論、評価書等のアウトプットはありません。

 上司にセクハラやパワハラやコンプライアンスに抵触する様な実態があれば、訴えることで当然に処分されます。
 独善的であったり、思いやりに掛けるとしたら、部下はやる気を失くして生産性が低迷します。
 上司が原因で、心の病を患ったり、退職してしまったりすると、戦力に穴が空いてしまいます。
 一連の理由で数字が上がらない上司は、責任を取ることになります。

 つまり部下は、上司の言動を日々つぶさに観察しながら、評価を重ねています。
 だからといって上司が、部下に阿(おもね)る必要はありません。

 社長も含め上司は、「エライ」訳ではないでしょう。
 上司の居場所を煎じ詰めれば、役割と責任。
 果たせる人だけが、手を挙げれば良いのです。

既成概念の打破

 宅建協会八幡浜支部&大洲支部合同研修会。
 今回の講師は、宅建協会の会員でもいらっしゃる、公認会計士の鵜篭先生でした。
 実は会社でも毎月顔を合わせ、教えを乞うキーパーソンです。

 世の中には、相続税や事業承継に関するセミナーが沢山あります。
 しかし、その多くは、士業の先生が上から目線で、知識や情報を垂れ流すだけ。
 受講者は殆ど理解できず、煙に巻かれて終わり。
 鵜篭先生はそれを、「マスターベーション」と表現されました。

 おっしゃる通りです。
 簿価、時価、固定資産税評価額・・・。 
 これらは全て結果。
 数字が何を意味して、各々がどう関係しているのか理解できなければ、実務に活用できません。

 不動産業者がクライアントから、売買の相談を受けた際も同じ。
 「何故、売ろうとしているのか?」
 転勤、相続対策、資金繰り・・・。
 本音の理由を聞かなければ、正しい提案はできないでしょう。
 時に、売らない方が良い場合も、売れない場合もあります。
 
 参加していた宅建業者は当初、損益計算書や貸借対照表の数値の羅列に敷居高く感じていた筈です。
 しかし、鵜篭先生のセミナーは良い意味で期待を裏切って下さいました。
 
 そういえば数年前、相場に見合わない固定資産税額に異議を申し立て、大幅減額を勝ち取ったことがあります。 
 お上が定めた数値だからといっても、完全無欠ではありません。
 結果として目の前に提示された数値に対し、当たり前と思わず、「何故」と疑問を持つ姿勢が肝要です。

 今回のセミナーは、既成概念を打破し、思考回路を転換する良い切っ掛けと成りました。
 鵜篭先生、ありがとうございます。

リーダーとは

 「WINING 勝利の経営」でジャックウェルチは、リーダーとして行うべきことを八か条にまとめてくれています。
 リーダーと思しき方は是非チェックリストとして、出来ているか否か、自らを採点してみて下さい。

1. リーダーはチームの成績向上を目指して一生懸命努力する。
  あらゆる機会を捉えて、チームのメンバーの働きぶりを評価し、コーチし、自信を持たせる。

2. 部下にビジョンを理解させるだけでは不十分だ。
  リーダーは部下がビジョンにどっぷりと浸かるようにさせなくてはならない。

3. リーダーは皆の懐に飛び込み、ポジティヴなエネルギーと楽天的志向を彼らに吹き込む。

4. リーダーは率直な態度、透明性、信用を通じて信頼を築く。

5. リーダーは人から嫌われるような決断を下す勇気、直感に従って決断をする勇気を持つ。

6. リーダーは猜疑心と言い換えても良いほどの好奇心で、部下に質問し、プッシュして、部下が行動で答える様にする。

7. リーダーは、リスクをとること、学ぶことを奨励し、自ら率先して手本を示す。

8. リーダーは派手にお祝いをする。

 文中にある以下の二行は、リーダーとは何かを、明確に表しています。
 『 リーダーに成る前、成功とはあなた自身が成功することだった。
 ところが、リーダーに成った途端、成功とは他人を成長させることになる。 』

事後の百手より事前の一手

 クレームゼロは理想ですが、現実的には避けて通れません。
 実際にクレームが発生した場合の、解決に向けたポイントを列記します。

1. 謝罪
 まずもって、非があるとすれば、誠心誠意のお詫びを申し上げることが最優先です。
 そこが伝わらなければ、相手方は感情的になり、一層拗れてしまいます。

2. 報連相
 組織的に動く場合、事細かな上司に対する報連相が必須。
 知識と経験値からして、部下よりも正しい判断を下すことができるからこその上司です。
 しかし、正しい情報が伝わっていなければ、判断を誤ります。 

3. スピード
 クレームが拗れてしまう、大きな要因は「遅い」。
 担当者が苦手意識を持った場合、一週間、一ヶ月はあっと言う間に経過します。
 その放置されている間に、怒りはマグマの如く沸騰するのです。

4. 複数対応
 揉め事になれば、必ず言った言わないの話になります。
 そして言った言わないに成ると、こちらの負けです。
 複数で対応すれば、そうした齟齬や思い違いを失くすことができます。

5. 守秘義務
 当事者しか知らない内容が、第三者に漏れてしまうとしましょう。
 すると、個人情報の漏洩として、二次クレームに発展します。
 くれぐれも留意すべき事項です。

 担当で解決できなければ、上司の店長に。
 店長で解決できなければ、社長に。
 社長で解決できなければ、地元の協会の無料相談に。
 地元で解決できなければ、県の協会の苦情処理委員会に。

 当然のことながら、段階を経る程に事態は深刻化し、円満解決は遠くなります。
 事後の百手よりも事前の一手です。

アカウンタビリティー

 国家はもとより、大企業において、独裁的な運営はリスクです。
 一方、創業期および中小零細企業におけるTOPは、ワンマンで無ければ務まらないというのも事実でしょう。

 大前提として意思決定は、責任の取れる人間にしかできません。
 中小企業のTOPが、重要な経営判断に際し、社員に対して「どうしようか?」と相談するのはナンセンスです。
 仮に相談したとしても、最後は自らの意思で決断する必要があります。

 さて、ここから先は、中小企業のワンマン社長を奨励する前文と、少し趣きが異なります。
 決断はワンマンだったとして、その意思決定プロセスの説明責任は、TOPが果たすべきの重要な仕事です。

 人間は、保守的な生き物と云われます。
 現状維持を心地よく感じ、変化を嫌うのが常です。

 TOPが唐突に改革を宣言した場合、社内には「なぜ?」「どうして?」という、不平不満の声が渦巻きます。
 そうした声を力で抑え込んだとしても、疑問が潜在する状況では、100%の力を発揮できません。

【 社員が迷う三つの疑問 】
 ① 今、どこに居るのか判らない
 ② これから、何処に行くのか判らない
 ③ そこへ、どうやって行くのか判らない

 社員の疑問に答え、不安を取り除き、納得して働ける状況を創る。
 それがTOPに求められるアカウンタビリティー(説明責任)です。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン

・経歴 
 雄新中卒業 → 新田高校中退
 大工・石工と約十年職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業
 令和2年 ㈱南洋建設 代表兼任
 令和4年 ㈱たんぽぽ不動産起業

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