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霜鬚秋暮驚初老

 55歳に成りました。

 誕生日を迎える度に、いつも同じことばかり思います。
 20代の頃は、55歳となる自分を想像し得ませんでした。
 そして、思う55歳は、もっと落ち着きある大人であった筈です。
 ところが、歳だけ重ねて中身はまったく追い付きません。

 後世、学問の神の天神様として崇められた菅原道真は、40歳の時にこんな句を読んでいます。

 「霜鬚秋暮驚初老」

 秋の日の夕暮れ、霜のように白くなった顎鬚(あごひげ)に気づき、「嗚呼、自分も初老になったのか」と驚く・・・。
 平安時代は、40歳で初老だったようです。
 もっとも、平安時代の平均寿命は30歳前後だったそうですから、現代に置き換えれば70歳過ぎのイメージなのでしょう。
 そういえば信長も、「人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり」と謳いました。

 医学が発達し、飽食となり、寿命だけ延ばされても意味はありません。
 何のために生まれてきたのか?
 そろそろ、この世に生きた証しと爪痕を残すべき年齢です。  
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ムーブメントとしての変革

 本日も「ウィニング」から。
 戦略を現実化するためのシートです。

シート1 競技場(市場)は今どんな状況か 
① この事業の競争相手は誰か?
② 各社の市場占有率は?
③ この事業の特性は?
④ 競合各社の強みと弱みは?
⑤ この事業の主な顧客は誰か?

シート2 競合相手は何を考えているか
① 過去一年の競合相手の革新的な取り組みは?
② 新商品、新技術、新流通チャネルを導入した会社は?
③ 新規参入の有無と、その会社の取り組みは?

シート3 あなたは何をしているんだ?
① 過去一年間で革新的な取り組みをしたか?
② 企業買収、新製品・新技術の導入に向けて行動したか?
③ かつての競争優位性は失われていないか?

シート4 曲がり角の向こうには何がある?
① 我が社の最も恐れるリスクは? 
② 他社からの投入が想定される新製品や新技術は何か?
③ 最もショッキングな、他社のM&Aとは?

シート5 勝利するための一手
① 業界を変革させる、買収、新製品、グローバル化
② 今以上に顧客を囲い込むための戦略とは?

 環境変化に対応する・・・これは生き残りの鉄則。
 しかしウェルチは、自らが仕掛けて環境そのものを変えようとします。
 スピードの時代に求められるのは、踏襲でも、順応でも、追随でもなく、ムーブメントとしての変革です。

経営のキャッチボール

 個の力は「1」ですが、その力が同じ方向に働けば、人数に比例して力も強くなります。
 個々人がバラバラの方向に向かえば、「1」は「1」のままの力でしかありません。
 寧ろ左右、上下と、正反対の方向であったなら、力は相殺され「1+1=0」に成ってしまいます。
 そういう意味において、グループ内でも、会社内でも、部署内でも、ベクトル合わせは不可欠と云えるでしょう。
 
 企業における意思決定や情報伝達の基本は、上意下達(トップダウン)です。
 組織全体を俯瞰し、短期と長期のバランスを取りつつ、優先順位を見極め、最適な判断を導く上で、下意上達(ボトムアップ)には限界があります。

 とはいえ、上意下達の一方通行ばかりだと、徐々に現場の意思や実態と乖離して、不満が芽生えます。
 何といっても、実際にお客様に接し、生産活動を行い、利益をもたらしているのは現場です。
 現場の生きた声に耳を傾けずして、正しい経営判断はできません。 
 
 TOP自らが、現場に出向き、リアルに感じ取るのがベストですが、組織が大きくなれば、物理的に不可能です。
 そこを解消するために、各種会議が必要に成ります。
 但し会議も、支持伝達&やりっ放しでは時間の無駄です。

 経営者から、一つの議題が幹部会に投げかけられる。
 幹部から、様々な意見が経営者に投げ返される。
 それを踏まえ調整した上で、再び幹部に投げられる。
 幹部が持ち帰り、部門会議を通じて自分の言葉で社員に投げる。
 社員から、様々な意見が幹部に投げ返される。
 活発な議論が議事録に記録されて、経営者に投げられる。
 経営者は議事録に目を通す。
 誤解があれば払拭し、課題があれば解決し、障害があれば取り除く・・・。

 上意下達と下意上達の双方向で、行きつ戻りつを繰り返しながらスパイラルアップする。
 これにより、社員の経営への参画意識が高まり、やらされ感や押しつけ感が払拭され、ベクトルが合ってくるものと期待しています。
 さながらそれは、経営のキャッチボールです。

報恩の形

 創業時から・・・いや正確に申し上げると創業前の前職の時代から、お世話になっていたオーナー様が他界されました。
 
 松山に進出する際、実績の無い我々に対し、惜しみない御協力を頂いたこと。
 空港までお迎えに行き、帰省の道中、沢山お話しさせて頂いたこと。
 病弱だった御親戚のために、何度も帰省して、親身にお世話されたこと。
 ご家族と共に、私の所属する劇団の定期公演を観劇頂いたこと。
 入院されている時に、心のこもった御丁寧な直筆の手紙を頂いたこと。
 いかなる時も、穏やかな、温かい笑顔で、優しい言葉をかけて頂いたこと・・・。
 
 故人との思い出が走馬灯の様に甦ります。
 単なるビジネスの枠を超え、人対人として深くお付き合いさせて頂きました。
 思い返せば、その優しさに甘えてばかり。
 充分な恩返しもできないまま、お別れとなってしまったことは残念でなりません。
 
 諸行無常。
 しかし、物件は生き続けます。
 御遺族に引き継がれた賃貸住宅が、今後円滑に経営できるよう、精一杯務めることが我々の出来得る報恩の形です。 
 
 ご冥福を心からお祈り申し上げます。
 合掌・・・。

リーダーの役割

 衆議院議員選挙投票日直前、某参議院議員は、したり顔でTVのインタビューでこう言いました。

 「今回の選挙では間違いなく、自公が大勝するだろう。
 その一番の功労者は小池さん。
 二番目は前原さんだ。」

 野党統一を目指し「希望の党」に擦り寄った前原さんと、「排除」発言で野党分裂を招いた小池さんがA級戦犯であることは、結果的には正論でしょう。
 しかし、この時点での政局の大勢は誰にも見えていた訳で、後出しジャンケンなら何とでも言えます。

 前大阪府知事の橋下徹氏の切り口は、少し違っています。
 「仲間にどれだけ恨まれようとも、怒られようとも、あの民進党のまま選挙に突入したら民進党の敗北は明らかだったんだから、何らかの手を打たざるを得ない。
 そして絶対に勝てることが保証された勝負なんて世の中には存在しない。
 勝ち負けが分からないから勝負なんで、ある種の博打である。
 前原さんの行動が最終的に勝ちにつながるのかどうかは分からない。
 しかしあの決断当時は勝つ「可能性」があった。
 そして何もしなければジリ貧であったことは確かだ。
 このような時、勝つ「可能性」に賭けることこそがリーダーの役割だ。」
 
 確かに、結果完敗ではあったけれど、もう少し上手く進めていれば、充分に勝機はありました。
 ビジネスも同じです。

 「このまま営業を続けたとすれば、敗北は明らかなので、何らかの手を打たざるを得ない。
  そして絶対に勝てることが保証された勝負なんて世の中には存在しない。
  勝ち負けが分からないから勝負なんで、ある種の博打である。
  その決断が、最終的に勝ちにつながるのかどうかは分からない。
  しかし、あの決断当時は勝つ可能性があった。
  そして何もしなければジリ貧であったことは確かだ。
  このようなときに勝つ「可能性」に賭けることこそがリーダーの役割だ。」

  そう、まさしくそれがリーダー(社長)の役割です。

引火性人材

 世の中には、三種類の人材が居ます。

 自燃性 10%
 引火性 80%
 不燃性 10%

 つまり、放っておいても自らが、情熱的に燃え上がる人材が1割。
 本田宗一郎であったり、稲盛和夫であったり、永守重信であったり・・・。
 こういうエネルギッシュな人材が、偉大な会社を起業する訳です。
 
 また、幾ら火を点けようとしても、湿っていて一向に燃えない人材が1割。
 これは、相手にするだけ無駄ですから、速やかに退場頂かないといけません。

 残りの8割は、燃える資質を持ちつつ、誰かが火を点けてくれたら燃えてみようかという引火性人材です。
 しかし、引火性人材も、火が付かなければ不燃性も同じでしょう。
 
 唯一言えることは、引火性人材に火を点けるのは社長にしかできません。
 自らが燃えて、燃えて、燃え上がって、その炎を社員に引火させるのが、社長の最も大事な仕事です。

丸投げ相談と二択相談

 デキル社員と、そうでない社員との差は、上司への相談で判ります。

 「社長! 〇〇が問題になっています。
 どうしましょう?」
 
 出ました、幼稚園生レベルの稚拙な「丸投げ相談」。
 意外に、経験豊かなベテラン社員でも、丸投げ相談は散見されます。
 
 本来、上司に判断を仰ぐ際は、YES or NOの「二択相談」を心掛けるべきです。

  「社長、〇〇が問題になっています。
 自分は〇〇すべきだと思うのですが、それで良いですか?」
 これなら答えは、YES or NOです。

 この二択相談を習慣化することは、思考力と判断力を高めるためのトレーニングです。
 自分が管理職と成った際にも、大いに役に立ちます。

賃貸仲介業界のレベル

 日産自動車において、新車の完成検査を無資格者が行う行為が常態化していたとして問題に成っています。
 問題が発覚し、社長が記者会見で謝罪した後も続いていたということで、企業風土としての問題の根深さは否めません。
 
 さて、我々の宅地建物取引業(以下宅建業)も許認可事業であり、宅地建物取引士(以下宅建士)という国家資格があります。
 ウィキペディアによりますと・・・。

 宅建士とは、宅建業法に基づき定められている国家資格者であり、宅建業者が行う、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の取引に対して、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実に法に定める事務を行う、不動産取引法務の専門家である。

 宅建士にしかできない業務は、35条書面(重要事項説明書)への押印および説明。 
 そして、各事務所毎、5人に一人の割合で専任の宅建士を置く必要があります。
 我が社では、大洲駅前店2名、松山市駅西店2名、松山南店4名の宅建士が従事しており、当然に法的要件を満たしています。
 ところが、某県、某市で6店舗を運営されている地場大手某社のHPにある、スタッフ紹介を見ますと以下の通りです。

A店 5人中 宅建士 1名
B店 6人中 宅建士 1名
C店 8人中 宅建士 0名
D店 3人中 宅建士 1名
E店 3人中 宅建士 0名
F店 2人中 宅建士 0名

 27名中、資格者は僅かに3名。
 尚且つ、6名の店長の中で、宅建士は2名しかいません。
 勿論、これは営業だけなので、例えば事務員の資格によって、届出上はクリアできているのでしょう。

 それでも、お部屋探しに行った店舗で、「いらっしゃいませ」とお迎えされて、商談→案内→契約→引渡を担当頂く営業スタッフは、殆どが無資格者ということに成ります。
 社の歴史、店舗数、売上、管理戸数、仲介件数、社長の能力と品性・・・どこをとっても、我々よりも数段上の、立派な会社の実態がこれです。
 それ以上に、この実態を臆面も無くHP上で晒していることに、誰も何の疑問も抱かない感覚こそが、賃貸仲介業界のレベルの低さを物語っています。

どうやって勝つのか

 我がグループでは、20世紀最高の経営者とされる元GE会長ジャック・ウェルチ著「ウィニング〜勝利の経営〜」をバイブルとしています。
 本を渡すだけでなく、毎月の部門会議において、一章毎に話し合うことで、実務に落とし込み、具体的な活用を目指します。

 第一章は「ミッション(経営理念)とバリュー(行動規範)」。
 本著は評論家による机上の空論ではありませんが、英訳本独特の表現もあり、難解に感じる方もいらっしゃるようです。
 そこで、僭越ながら少しだけ補足します。

 この第一章を煎じ詰めれば、一言に集約されます。
 「私たちは、このビジネスで、どうやって勝とうとしているのか?」

 不動産仲介、建築、コンサル、人材派遣、印刷、リース、大家業・・・。
 各社様々なビジネスを生業(なりわい)とする中で、

 ・ 自社の看板商品は何か?
 ・ その商品はお客様に、どういうメリットを与えているのか?
 ・ 同業他社に比較して、自社の強みは何か?
 ・ これからも、そのビジネスモデルは必要とされ続けるのか?
 ・ 変化が起きているとしたら、どうやって対応するのか?
 ・ 自社の存在価値は何なのか?
 ・ どんな会社を目指したいのか?

 これらの問いかけに、社員を巻き込み、議論し、一つひとつ答えを出していくこと。
 経営のスタートラインに着くために、このプロセスは欠かせません。 

かちかち山の泥船

 経営者として、ビジネスマンとして、或いは政治家として、何よりも人として、誠実であることは重要です。

 誠実さに、主義、主張、政党、流派、宗教、思想、趣味、嗜好は、全く関係ありません。
 右であろうと左であろうと、保守であろうと革新であろうと、ハトであろうとタカであろうと、それはどうでも良いこと。
 誠実さを示す唯一の要素は、「一貫性」です。

 「一貫性とは?」
 最初から最後まで矛盾がない状態であること。
 同じ態度を持続すること。 
 
 今回は、これまでになく誠実さが問われた選挙と言えるでしょう。
 緑色の新党が創設され、マスコミが騒ぎ始めた時、「この軽薄さが見抜けないほど日本人の目は節穴じゃない」と思っていました。
 ところが寧ろ、節穴だったのは野党の先生方であったようです。

 以下、昔話「かちかち山」のエンディング。
 『最後に兎は、狸を漁に誘い出しました。
 兎が用意したのは、小さな木の船と大きな泥船。
 狸は直感的に、沢山の魚が乗せられそうな大きな泥船を選びます。 
 二艘の舟は、沖に向けて漕ぎ出しました。
 しばらくすると、泥舟は徐々に溶け始めます。
 慌てた狸は兎に助けを求めたものの、兎は櫓で突き、泥船を沈めてしまいましたとさ。』 
 
 誰が兎で、誰が狸か。
 木の船が何で、泥船が何か。
 実に示唆に富んだお話しではありませんか。

 利に聡く日和見に動くことなく、揺るぎない信念を持って時に耐え忍ぶ。
 誠実な生き方こそが、信用、信頼の原点です。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン

・経歴 
 雄新中卒業 → 新田高校中退
 大工・石工と約十年職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業
 令和2年 ㈱南洋建設 代表兼任
 令和4年 ㈱たんぽぽ不動産起業

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