霜鬚秋暮驚初老

 55歳に成りました。

 誕生日を迎える度に、いつも同じことばかり思います。
 20代の頃は、55歳となる自分を想像し得ませんでした。
 そして、思う55歳は、もっと落ち着きある大人であった筈です。
 ところが、歳だけ重ねて中身はまったく追い付きません。

 後世、学問の神の天神様として崇められた菅原道真は、40歳の時にこんな句を読んでいます。

 「霜鬚秋暮驚初老」

 秋の日の夕暮れ、霜のように白くなった顎鬚(あごひげ)に気づき、「嗚呼、自分も初老になったのか」と驚く・・・。
 平安時代は、40歳で初老だったようです。
 もっとも、平安時代の平均寿命は30歳前後だったそうですから、現代に置き換えれば70歳過ぎのイメージなのでしょう。
 そういえば信長も、「人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり」と謳いました。

 医学が発達し、飽食となり、寿命だけ延ばされても意味はありません。
 何のために生まれてきたのか?
 そろそろ、この世に生きた証しと爪痕を残すべき年齢です。  
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ムーブメントとしての変革

 本日も「ウィニング」から。
 戦略を現実化するためのシートです。

シート1 競技場(市場)は今どんな状況か 
① この事業の競争相手は誰か?
② 各社の市場占有率は?
③ この事業の特性は?
④ 競合各社の強みと弱みは?
⑤ この事業の主な顧客は誰か?

シート2 競合相手は何を考えているか
① 過去一年の競合相手の革新的な取り組みは?
② 新商品、新技術、新流通チャネルを導入した会社は?
③ 新規参入の有無と、その会社の取り組みは?

シート3 あなたは何をしているんだ?
① 過去一年間で革新的な取り組みをしたか?
② 企業買収、新製品・新技術の導入に向けて行動したか?
③ かつての競争優位性は失われていないか?

シート4 曲がり角の向こうには何がある?
① 我が社の最も恐れるリスクは? 
② 他社からの投入が想定される新製品や新技術は何か?
③ 最もショッキングな、他社のM&Aとは?

シート5 勝利するための一手
① 業界を変革させる、買収、新製品、グローバル化
② 今以上に顧客を囲い込むための戦略とは?

 環境変化に対応する・・・これは生き残りの鉄則。
 しかしウェルチは、自らが仕掛けて環境そのものを変えようとします。
 スピードの時代に求められるのは、踏襲でも、順応でも、追随でもなく、ムーブメントとしての変革です。

経営のキャッチボール

 個の力は「1」ですが、その力が同じ方向に働けば、人数に比例して力も強くなります。
 個々人がバラバラの方向に向かえば、「1」は「1」のままの力でしかありません。
 寧ろ左右、上下と、正反対の方向であったなら、力は相殺され「1+1=0」に成ってしまいます。
 そういう意味において、グループ内でも、会社内でも、部署内でも、ベクトル合わせは不可欠と云えるでしょう。
 
 企業における意思決定や情報伝達の基本は、上意下達(トップダウン)です。
 組織全体を俯瞰し、短期と長期のバランスを取りつつ、優先順位を見極め、最適な判断を導く上で、下意上達(ボトムアップ)には限界があります。

 とはいえ、上意下達の一方通行ばかりだと、徐々に現場の意思や実態と乖離して、不満が芽生えます。
 何といっても、実際にお客様に接し、生産活動を行い、利益をもたらしているのは現場です。
 現場の生きた声に耳を傾けずして、正しい経営判断はできません。 
 
 TOP自らが、現場に出向き、リアルに感じ取るのがベストですが、組織が大きくなれば、物理的に不可能です。
 そこを解消するために、各種会議が必要に成ります。
 但し会議も、支持伝達&やりっ放しでは時間の無駄です。

 経営者から、一つの議題が幹部会に投げかけられる。
 幹部から、様々な意見が経営者に投げ返される。
 それを踏まえ調整した上で、再び幹部に投げられる。
 幹部が持ち帰り、部門会議を通じて自分の言葉で社員に投げる。
 社員から、様々な意見が幹部に投げ返される。
 活発な議論が議事録に記録されて、経営者に投げられる。
 経営者は議事録に目を通す。
 誤解があれば払拭し、課題があれば解決し、障害があれば取り除く・・・。

 上意下達と下意上達の双方向で、行きつ戻りつを繰り返しながらスパイラルアップする。
 これにより、社員の経営への参画意識が高まり、やらされ感や押しつけ感が払拭され、ベクトルが合ってくるものと期待しています。
 さながらそれは、経営のキャッチボールです。

報恩の形

 創業時から・・・いや正確に申し上げると創業前の前職の時代から、お世話になっていたオーナー様が他界されました。
 
 松山に進出する際、実績の無い我々に対し、惜しみない御協力を頂いたこと。
 空港までお迎えに行き、帰省の道中、沢山お話しさせて頂いたこと。
 病弱だった御親戚のために、何度も帰省して、親身にお世話されたこと。
 ご家族と共に、私の所属する劇団の定期公演を観劇頂いたこと。
 入院されている時に、心のこもった御丁寧な直筆の手紙を頂いたこと。
 いかなる時も、穏やかな、温かい笑顔で、優しい言葉をかけて頂いたこと・・・。
 
 故人との思い出が走馬灯の様に甦ります。
 単なるビジネスの枠を超え、人対人として深くお付き合いさせて頂きました。
 思い返せば、その優しさに甘えてばかり。
 充分な恩返しもできないまま、お別れとなってしまったことは残念でなりません。
 
 諸行無常。
 しかし、物件は生き続けます。
 御遺族に引き継がれた賃貸住宅が、今後円滑に経営できるよう、精一杯務めることが我々の出来得る報恩の形です。 
 
 ご冥福を心からお祈り申し上げます。
 合掌・・・。

リーダーの役割

 衆議院議員選挙投票日直前、某参議院議員は、したり顔でTVのインタビューでこう言いました。

 「今回の選挙では間違いなく、自公が大勝するだろう。
 その一番の功労者は小池さん。
 二番目は前原さんだ。」

 野党統一を目指し「希望の党」に擦り寄った前原さんと、「排除」発言で野党分裂を招いた小池さんがA級戦犯であることは、結果的には正論でしょう。
 しかし、この時点での政局の大勢は誰にも見えていた訳で、後出しジャンケンなら何とでも言えます。

 前大阪府知事の橋下徹氏の切り口は、少し違っています。
 「仲間にどれだけ恨まれようとも、怒られようとも、あの民進党のまま選挙に突入したら民進党の敗北は明らかだったんだから、何らかの手を打たざるを得ない。
 そして絶対に勝てることが保証された勝負なんて世の中には存在しない。
 勝ち負けが分からないから勝負なんで、ある種の博打である。
 前原さんの行動が最終的に勝ちにつながるのかどうかは分からない。
 しかしあの決断当時は勝つ「可能性」があった。
 そして何もしなければジリ貧であったことは確かだ。
 このような時、勝つ「可能性」に賭けることこそがリーダーの役割だ。」
 
 確かに、結果完敗ではあったけれど、もう少し上手く進めていれば、充分に勝機はありました。
 ビジネスも同じです。

 「このまま営業を続けたとすれば、敗北は明らかなので、何らかの手を打たざるを得ない。
  そして絶対に勝てることが保証された勝負なんて世の中には存在しない。
  勝ち負けが分からないから勝負なんで、ある種の博打である。
  その決断が、最終的に勝ちにつながるのかどうかは分からない。
  しかし、あの決断当時は勝つ可能性があった。
  そして何もしなければジリ貧であったことは確かだ。
  このようなときに勝つ「可能性」に賭けることこそがリーダーの役割だ。」

  そう、まさしくそれがリーダー(社長)の役割です。

引火性人材

 世の中には、三種類の人材が居ます。

 自燃性 10%
 引火性 80%
 不燃性 10%

 つまり、放っておいても自らが、情熱的に燃え上がる人材が1割。
 本田宗一郎であったり、稲盛和夫であったり、永守重信であったり・・・。
 こういうエネルギッシュな人材が、偉大な会社を起業する訳です。
 
 また、幾ら火を点けようとしても、湿っていて一向に燃えない人材が1割。
 これは、相手にするだけ無駄ですから、速やかに退場頂かないといけません。

 残りの8割は、燃える資質を持ちつつ、誰かが火を点けてくれたら燃えてみようかという引火性人材です。
 しかし、引火性人材も、火が付かなければ不燃性も同じでしょう。
 
 唯一言えることは、引火性人材に火を点けるのは社長にしかできません。
 自らが燃えて、燃えて、燃え上がって、その炎を社員に引火させるのが、社長の最も大事な仕事です。

丸投げ相談と二択相談

 デキル社員と、そうでない社員との差は、上司への相談で判ります。

 「社長! 〇〇が問題になっています。
 どうしましょう?」
 
 出ました、幼稚園生レベルの稚拙な「丸投げ相談」。
 意外に、経験豊かなベテラン社員でも、丸投げ相談は散見されます。
 
 本来、上司に判断を仰ぐ際は、YES or NOの「二択相談」を心掛けるべきです。

  「社長、〇〇が問題になっています。
 自分は〇〇すべきだと思うのですが、それで良いですか?」
 これなら答えは、YES or NOです。

 この二択相談を習慣化することは、思考力と判断力を高めるためのトレーニングです。
 自分が管理職と成った際にも、大いに役に立ちます。

賃貸仲介業界のレベル

 日産自動車において、新車の完成検査を無資格者が行う行為が常態化していたとして問題に成っています。
 問題が発覚し、社長が記者会見で謝罪した後も続いていたということで、企業風土としての問題の根深さは否めません。
 
 さて、我々の宅地建物取引業(以下宅建業)も許認可事業であり、宅地建物取引士(以下宅建士)という国家資格があります。
 ウィキペディアによりますと・・・。

 宅建士とは、宅建業法に基づき定められている国家資格者であり、宅建業者が行う、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の取引に対して、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実に法に定める事務を行う、不動産取引法務の専門家である。

 宅建士にしかできない業務は、35条書面(重要事項説明書)への押印および説明。 
 そして、各事務所毎、5人に一人の割合で専任の宅建士を置く必要があります。
 我が社では、大洲駅前店2名、松山市駅西店2名、松山南店4名の宅建士が従事しており、当然に法的要件を満たしています。
 ところが、某県、某市で6店舗を運営されている地場大手某社のHPにある、スタッフ紹介を見ますと以下の通りです。

A店 5人中 宅建士 1名
B店 6人中 宅建士 1名
C店 8人中 宅建士 0名
D店 3人中 宅建士 1名
E店 3人中 宅建士 0名
F店 2人中 宅建士 0名

 27名中、資格者は僅かに3名。
 尚且つ、6名の店長の中で、宅建士は2名しかいません。
 勿論、これは営業だけなので、例えば事務員の資格によって、届出上はクリアできているのでしょう。

 それでも、お部屋探しに行った店舗で、「いらっしゃいませ」とお迎えされて、商談→案内→契約→引渡を担当頂く営業スタッフは、殆どが無資格者ということに成ります。
 社の歴史、店舗数、売上、管理戸数、仲介件数、社長の能力と品性・・・どこをとっても、我々よりも数段上の、立派な会社の実態がこれです。
 それ以上に、この実態を臆面も無くHP上で晒していることに、誰も何の疑問も抱かない感覚こそが、賃貸仲介業界のレベルの低さを物語っています。

どうやって勝つのか

 我がグループでは、20世紀最高の経営者とされる元GE会長ジャック・ウェルチ著「ウィニング〜勝利の経営〜」をバイブルとしています。
 本を渡すだけでなく、毎月の部門会議において、一章毎に話し合うことで、実務に落とし込み、具体的な活用を目指します。

 第一章は「ミッション(経営理念)とバリュー(行動規範)」。
 本著は評論家による机上の空論ではありませんが、英訳本独特の表現もあり、難解に感じる方もいらっしゃるようです。
 そこで、僭越ながら少しだけ補足します。

 この第一章を煎じ詰めれば、一言に集約されます。
 「私たちは、このビジネスで、どうやって勝とうとしているのか?」

 不動産仲介、建築、コンサル、人材派遣、印刷、リース、大家業・・・。
 各社様々なビジネスを生業(なりわい)とする中で、

 ・ 自社の看板商品は何か?
 ・ その商品はお客様に、どういうメリットを与えているのか?
 ・ 同業他社に比較して、自社の強みは何か?
 ・ これからも、そのビジネスモデルは必要とされ続けるのか?
 ・ 変化が起きているとしたら、どうやって対応するのか?
 ・ 自社の存在価値は何なのか?
 ・ どんな会社を目指したいのか?

 これらの問いかけに、社員を巻き込み、議論し、一つひとつ答えを出していくこと。
 経営のスタートラインに着くために、このプロセスは欠かせません。 

かちかち山の泥船

 経営者として、ビジネスマンとして、或いは政治家として、何よりも人として、誠実であることは重要です。

 誠実さに、主義、主張、政党、流派、宗教、思想、趣味、嗜好は、全く関係ありません。
 右であろうと左であろうと、保守であろうと革新であろうと、ハトであろうとタカであろうと、それはどうでも良いこと。
 誠実さを示す唯一の要素は、「一貫性」です。

 「一貫性とは?」
 最初から最後まで矛盾がない状態であること。
 同じ態度を持続すること。 
 
 今回は、これまでになく誠実さが問われた選挙と言えるでしょう。
 緑色の新党が創設され、マスコミが騒ぎ始めた時、「この軽薄さが見抜けないほど日本人の目は節穴じゃない」と思っていました。
 ところが寧ろ、節穴だったのは野党の先生方であったようです。

 以下、昔話「かちかち山」のエンディング。
 『最後に兎は、狸を漁に誘い出しました。
 兎が用意したのは、小さな木の船と大きな泥船。
 狸は直感的に、沢山の魚が乗せられそうな大きな泥船を選びます。 
 二艘の舟は、沖に向けて漕ぎ出しました。
 しばらくすると、泥舟は徐々に溶け始めます。
 慌てた狸は兎に助けを求めたものの、兎は櫓で突き、泥船を沈めてしまいましたとさ。』 
 
 誰が兎で、誰が狸か。
 木の船が何で、泥船が何か。
 実に示唆に富んだお話しではありませんか。

 利に聡く日和見に動くことなく、揺るぎない信念を持って時に耐え忍ぶ。
 誠実な生き方こそが、信用、信頼の原点です。

ザ・殺し文句

 『ザ・殺し文句』(川上徹也・著)には、かつての総理大臣「原敬」のエピソードが紹介されています。
 
【 総理になった原の元には、毎朝数十人もの陳情客が来ていました。
 順番に面会していくのですが、朝一番の客には必ず次のように語ったといいます。
 「君の話は、いの一番に聞かねばならんと思ってね。」
 
 そして、最後まで待たせた客には次のように語りました。
 「君の話はゆっくり聞かなければならないと思って、最後までお待ち頂きました。」

 客の方も、原が来た順に会っていることは判っています。
 それでも、時の宰相に、こう言われて悪い気はしません。 】

 良く言われるのが、「ナラのシカ」。
 ミッションを与える際に、
 「君(なら)出来るだろう。」 「君に(しか)できない。」
  こう云われると、自己重要感がくすぐられて悪い気はしません。

 対比するのが、「ニモのデモ」。
 「君(にも)できる。」 「君(でも)できる。」
 こう云われたのでは、やってられません。

 しかし、後に続く言葉を肯定形から否定形に代えると・・・。
 「君(にも)できなかったか。」 「君(でも)できないか。」
 相手を尊重し、特別視した表現になります。

 やる気にさせるのも、やる気を削ぐのも自由自在。
 言葉は大切です。

始業前のアドバンテージ

 最近は5:00起床で、始業二時間前の6:30出社。
 このサイクルは、自分にとって大きな意味を持ちます。

1. 通勤ラッシュに巻き込まれない
 内子⇔松山間のマイカー通勤はラッシュ時、一時間以上かかります。
 早朝であれば行き交う車も殆ど無いため、約40分で到着します。
 いわずもがな、朝の20分は大きい。
 重ねて、渋滞の無い運転中はストレスフリーです。

2. 新聞を読む
 朝、日経新聞と地元紙の二誌に目を通します。
 バイブル的な本を読むこともあります。
 珈琲を飲みながら、社員に紹介すべき記事やブログの元ネタを探す、それは至福の時間です。
 サラリーマンではなく、ビジネスマンを目指すなら、日経新聞は当たり前に購読すべきでしょう。

3. メールチェック&返信
 夜間に溜まったメールに目を通し、必要に応じて返信、プリントアウトします。
 時折、社内外の方から、「メールの時間に驚きました。朝早いですね。」」という反応を頂きます。
 世間は一般的に、残業人間よりも朝活人間の方が「デキル」と認識するようです。
 錯覚にせよ、誤解にせよ、この評価だけでも大いにプラスでしょう。

4. ブログ更新
 原則、自分のブログは日記ではなくて、社員向けのメッセージです。
 毎朝更新した上で、訓示に代えて社員にメール送信します。
 社長が何を考え、何処に進もうとしているのか。
 リアルタイムな価値観の共有は、ベクトル合わせの第一歩です。

5. スケジュールの確認
 今日の予定を確認した上で、段取りを組みます。
 時に、資料が必要であれば作成します。
 
 こうして列挙すれば、特に何でもないことばかりです。
 しかし、始業ギリギリに駆け込んだとすると、朝礼、電話、来客、相談等々、煩雑なうねりに呑み込まれ、昼に成っても終わらないでしょう。
 自分は20年以上、このスタイルを続けています。

企業の寿命20年説

 俗に、会社の寿命は20年と云われます。
 以下は、ネット記事からの転載ですが・・・。

  5年生存率 14.8%
 10年生存率  6.3%
 20年生存率  0.4%

 つまり、200社が起業しても、20年後には1社残るか残らないか。
 寿命20年と云われれば、その通りです。
 理由は、大きく分けて二つあります。

1. ニーズの変化
 「富士フィルム」という会社が扱っている現像式カメラやフィルムは、全体の10%しかありません。
 レコード針を扱っていた「ナガオカ」という会社は、現在も一部残ってはいるものの、CD移行の波と共に事実上解散しました。
 この様に企業は、世の中の変化に対応できなければ淘汰されます。
 産業革命的な、ひとつの周期が20年です。 
 
2. 創業者の寿命
 エネルギッシュな人物が下積みを経て、30〜40歳で一念発起して起業し、情熱を傾けて会社を成長させ、代替わりするのが20年という節目でもあります。
 世襲であったり、優秀な社員であったり、それぞれ慎重に後継者指名されるものの、それでもやはりカリスマという実務的、精神的な支柱を失った会社は脆いものです。

 一方で、100年、200年、300年と、何代にも渡って永続する企業もあります。
 その違いはどこにあるのでしょうか?

 まずもって、永続する企業はぶれることのない理念を持っています。
 基本的に企業は、営利を追求する集団です。
 しかし、営利のためには手段を選ばず、ということではありません。

 かつて「雪印」「三菱自動車」は、その優先順位を掛け違え、法律や安全を蔑ろにしたため、半世紀以上続いた暖簾を下ろす事態を招きました。
 永続のためにも、ミッション(経営理念)とバリュー(行動規範)は欠かせません。

想像力の欠如

 今週はもう、嫌というほど宅建ネタで攻め(責め)続けましょう。
 無資格で何年も仕事をしている皆さんは、概ね想像力が欠如しています。 
 宅建に合格すると、どういうメリットが享受できるのか?

1. 昇給
 我が社に資格手当はありませんが、有資格者と無資格者とでは昇給時の号俸が変わってきます。
 ベースアップは自らの手で掴み取るものです。

2. 評価
 上司からだけでなく、お客様からも評価されます。
 名刺に書かれた「宅地建物取引士」の7文字で、大いに信用が高まります。

3. 自信
 自分のお客様の契約時、重要事項も含めて自己完結できるようになり、自信が漲ります。

4. 自覚
 重要事項説明を自ら行うことで、取引に対する責任が明確になります。
 不動産を生業として生きるプロであることの自覚が高まります。

5. 時間
 一般的に宅建は、400時間勉強すれば合格できると云われます。
 400時間一年だけ頑張れば、それ以降は時間を自由に使えます。
 
 上司からもお客様からも同業者からも半人前と見られ、
 折角契約を決めても、同僚の手を借り、負担をかけ、
 充分な評価もされず、満足のいく昇給もされず、
 限りある貴重な人生の中で、何年も同じ勉強に時間を費やす・・・。

 こんな思いをする位なら、一年だけ死に物狂いで頑張ってみたらどうでしょう。
 本文を読んで、怒りと悔しさに打ち震えているようなら、まだ見込みはあります。
 へらへら笑っている様なら、また来年も同じ結果に終わるに違いありません。

難易度ランキング

 世の中には、数多くの資格が存在します。
 資格取得難易度ランキングなるものを、ネット上で発見しました。
 難しい順番に偏差値で表記されています。
 業界的に馴染みのある資格を列挙しますと・・・。

 75 公認会計士
 72 司法書士
 69 不動産鑑定士
 68 税理士
 67 技術士
 66 一級建築士
 65 社会保険労務士
 64 土地家屋調査士
 61 マンション管理士
 58 CFP(技能一級)
 57 宅地建物取引士 〇 
 56 二級建築士
 55 管理業務主任者 〇
 54 インテリアコーディネーター
 44 建築施工管理技術認定2級 〇
 41 賃貸不動産経営管理士
 36 損害保険募集人一般 〇
 
 ちなみに、〇がついている資格は、自分が持っているものです。
 恥ずかしながら、難易度の高い資格は一つもありません。
 
 ということで、たかが宅建ごときで躓いている皆さんは、心して受け止めて下さい。
 無資格で営業するのは、毎日無免許運転しているのも同じです。

来年へ向けたゴング

 この時期、金木犀の香りに乗せて、22年前の記憶が鮮明に甦ります。
 年に一度の宅建試験が終わりました。

 協会の理事を務める様になって4年。
 毎年、受験生と同じ会場で、同じ時間を過ごしています。
 
 今年、結果が思わしくなかった方に問いたいのは一つです。
 「悔いの無い努力をしたか?」

 平成7年当時はネット環境も整っておわず、今の様にボーダーラインを知ることはできません。
 専門学校の採点結果は32点と、中途半端な結果でした。
 クリスチャンの先生に、「大丈夫でしょうか?」と尋ねると一言、「神のみぞ知る」。

 一ヶ月後の地元紙に名前を発見して合格を知ることになるのですが、ボーダー28点と、史上二番目に難易度の高い問題でした。
 文字通り背水の陣で臨み、不眠不休の思いで勉強を重ねたにも関わらず、4点オーバーという結果は満足し得るものではありません。

 それでも、試験終了後は、力を出し尽くしたという意味において、吹っ切れていました。
 「我が生涯に一片の悔い無し」 
 
 人生は、思うほど長くありません。
 次の機会があるならば、ラオウの台詞を言い切れる位、人生最大の努力をしてみて下さい。
 10カウントを聞いた瞬間から、来年へ向けたゴングは鳴っています。

漁夫の利

 選挙は「風」と云われます。
 個々人がその風の方向に倣って投票することで、時に台風にもなる訳です。

 典型的なのは、1993年に細川氏が担がれ、非自民連立政権を実現した日本新党。
 記憶に新しいのは、2009年の衆院選挙で、絶対安定多数を超える308議席を獲得した民主党。
 何れも、日本の近代政治において、大きな「風」の吹いた瞬間です。

 今回の選挙では、小池都知事の率いる「希望の党」が台風の目になるのではないかと注目を集めていました。
 確かに風は吹きました。
 野党内に・・・。

 勝馬に乗ろうとする人達が、なりふり構わず挙って小池詣で。
 民進党の前原代表に至っては、党の名を捨ててまで実を取ろうとしました。
 
 ところが、全員を受け入れる訳ではないという、非情なお言葉。 
 お膝元の都議の離脱もあり、お家騒動に嫌気を差し一転逆風。 
 
 梯子を外された枝野さんが、セーフティネットとして急ごしらえした立憲民主党に追い風。
 かと思いきや、何故かしら今は、自民有利とする声が支配的。

 「ハマグリが口を開けて日向ぼっこしていた。
 すると一羽のシギが飛んできてハマグリの実を食べようとした。
 ハマグリは食べられまいと口を閉じ、シギのクチバシを挟んだ。
 争いは白熱し、互いになかなか譲らない。
 そこへ、一人の漁夫がやってきて両者を難なく生け捕りにした。」

 いわゆる「漁夫の利」のお話しです。

ギリギリのスタートライン

 今日は、不動産業者にとって年に一度のイベント。
 宅地建物取引士試験の日です。
 
◆ 宅地建物取引業従事者 534,000人
◆ 宅建士証を持つ従事者 293,700人
◆ 不動産業者      123,400社

 総従事者数から、宅建士証を持つ従事者数を引いた、約24万人が無資格従事者ということ。
 代表者=概ね資格者とすれば、53万人-12万人=41万人中24万人・・・
 つまり、不動産を生業とする従業者の内、半分以上は無資格者です。

 更に、賃貸仲介というカテゴリーに成ると、その率は更に悪化します。
 体感的には、三分の二は無資格者でしょうか。

 ・ 体調を崩して病院に行き、診察してくれる三人に二人が免許の無い素人医師
 ・ 列に並んで乗り込んだタクシーの、三台に二台が無免許ドライバー
 
 想像しただけでもゾッとしますが、これが不動産業界の実態です。
 この道、十年、二十年という大ベテランで、実務に精通している人でも、無資格者はゴロゴロ居ます。

 比較的、我が社の資格者比率は高く、三人に二人以上は資格者です。
 しかし、それでも胸は張れません。

 今年の試験で、全員が合格を果たし、全営業マン資格者と言えることを祈念しています。
 それは決してゴールではなく、ギリギリのスタートラインです。

港で佇む旅行者

 経営上、結果管理は意味を成さない、というお話しです。
 
 いつも例示しますが、旅行する際に行き先を決めず、行き当たりばったり、出たとこ勝負で、着の身着のままで出発する人はいません。
 かなり前から日程を調整し、予算を立て、入念に行程を組みます。
 
 朝8:00集合 → 八幡浜港10:00着 → 10:20発フェリー乗船 → 別府港12:50着
 「うみたまご」 → 「高崎山」 → 「地獄めぐり」 → 「ラクテンチ」 
 17:00旅館着 → 18:00宴会スタート

 どれだけ精緻に計画したとしても、必ずしも行程通りに進むとは限りません。
・ 一人集合時間に遅れて出発が遅くなる
・ 事故に遭遇して渋滞に巻き込まれる
・ シケのためにフェリーが欠航になる・・・

 こうしたイレギュラーな事態が発生した際には適宜、臨機応変に対応する筈です。
 例えば、一般道で行く予定だったけれど、高速道路を利用して遅れを取り戻す。
 大回りになるけれど、急遽陸路に変更して、しまなみ海道経由で九州を目指す。

 経営も同じでしょう。
 部門毎に予算を立て、目標達成に向けて取り組みます。
 A部門が駄目でも、B部門で取り戻す。
 それでも達成が危ぶまれるならば、予定していなかった新たな収益源を探す必要があります。
 
 不振を自覚しながら具体策を打たずに期末を迎え、「色々なトラブルがあったので目標達成できませんでした」と他人事の様に語る経営者は、夕方陽が落ちてもなお欠航しているフェリーの港で漫然と佇んでいる旅行者も同じです。

 目標必達のためには、今何処にいるのか? 順調なのか遅延しているのか? 遅れている理由は何なのか?
 各々掌握していなければなりません。
 だからこそ、結果管理ではなくて、プロセス管理が重要です。

スターからモンスター

 今日も「ウィニング〜勝利の経営〜」から。

【 一つだけ確かなことがある。
 勝つためには花形プレイヤー、スターが必要だ。
 トップ20%に入るスターを見出し、やり過ぎだというくらい彼らを褒め上げ、報酬を与えるべきだといつも私は言っている。
 だが、褒めることが裏目に出ることもある。
 スターの自負心は危険でもある。
 - 中略 -
 あなたに代わる人はいないと何度も言われている内に、尊大になり、やがてチームのメンバーが腹を立てるようになる。
 優秀な能力のある人たちが、代わりが見つからないほど自分は貴重な存在だと思い込み、
 会社のバリューにも何にも縛られることはないと思う様になってしまった例は枚挙に暇がない。
 スターは、気を付けないとモンスターになる。 】

 自分は前職時代、こうした同僚を何人も見てきました。
 ・ 優秀賞受賞実績のある某住宅営業リーダー
 ・ 業績を急伸させた某県外支店長
 ・ 会社の成長期を支えた某営業系役員・・・

 彼らには共通点があります。
 秀でた実績、揺るがぬ自信、周囲を巻き込む弁舌。
 まさにスターそのものです。 

 紛れもなく彼らは、会社に貢献し、大きな利益をもたらしました。
 だからこそ、やがて自信が過信となり慢心に変るのです。
 
 ウェルチが言う通り、そうした動きが首をもたげ始めた際は、会社のバリューについて腹を割った話し合いが求められます。
 当時、私自身も立場上、何度か彼らとの話し合いを試みました。
 
 しかし、彼らの慢心の中には、高慢なプライドが巣くうています。
 良かれと思っての忠告も、耳障りな説教としか捉えられません。
 「自分は労をいとわず、これだけ会社に貢献してきた。」という自負と、認められない不条理とが交錯して怒りが爆発します。 
 結果、不祥事もしくは退職という、最悪の末路を辿るのです。
 
 手遅れとなるまでの、日常のコミュニケーションがいかに大切か。
 改めて考えさせられます。

怒りは明日への活力

 第一印象としては温厚に見える私ですが、実はかなり短気な性格です。
 勿論、年相応に丸くはなりましたが、未だ沸点は低い方だと思います。

 55年の人生を振り返ってみるにつけ、つくづく短気は損気。
 短気を起こした後に残るのは、後悔ばかりです。

 本来、徳を積むことが最善。
 悟りの境地に至れば、理不尽も不条理も矛盾も、全てを受け入れることができます。
 しかし、人間性は一朝一夕に高められるものではないでしょう。

 また、性格は直そうと思って直せるものではありません。
 腹を立てないようにしなさい、というのは無理な相談です。
 但し、性格は変えられなくても、行動は改められます。

 腹が立った、その後が問題。
 暴言を吐いたり、卓袱(ちゃぶ)台をひっくり返したりしたのでは、修復と後始末が大変です。
 一呼吸おいて、感情の昂(たかぶ)りを落ち着かせ、理性で制御します。

 怒りの原因の大半は、腹を立ててもしょうがないことですし、半分は自分に責任のあることだったりします。
 視野が狭いが故に、細部に拘(こだわ)ってしまうのですが、高所から俯瞰してみると景色は違って見えます。

 何より、怒りのエネルギーは、貯め込んで活かせる明日への活力。
 決して、無駄遣いすべきではありません。

日本人の美徳

 先般、えひめ国体成年女子バレーボールの試合を観戦した時の話です。
 
 その日、お目当ての愛媛の試合は、第二試合の11:30〜。
 早めに行かないと駐車場・座席が確保できないだろう、と思い早めに出発して9:00到着。
 この判断は正解で、間もなく会場は超満員。 
 「立見厳禁」と書いてあるにも関わらず、観客の波は次々押し寄せ、文字通り立錐の余地も無い状況です。
 
 愛媛の試合中、周囲がざわつき始めました。
 そう、13:30〜の第三試合を真子様が観戦されるためです。
 一時間前から、係員が観客席を注意して回ります。

 「間もなく、真子様が来場されますので、着席のままお待ち下さい。」
 「真子様がいらっしゃっても、立ち上がって写真を撮る等の行為はお控え下さい。」

 愛媛の試合の終了直後、入場された真子様が、観覧席に着座されました。
 関係者やSPも続々と入ってきて、物々しい雰囲気に。
 自分は、他の方に席を譲るべく立ち上がろうとすると係員に制されます。
 
 「今は駄目です!」

 一旦、席に戻され、暫くしてから、
 「今なら大丈夫です!」
 という声を受け、何とか退場しました。

 その間、中に入れずに待たされている方が係員と揉み合う場面も。
 更に驚いたのは、国旗を持った市民の方々が、出口付近に群れを成していたこと。
 そう、この方々は、これから始まる試合の観戦後に退場される真子様の出待ちなのです。
 
 何処かの国の様に、君主のために、笑顔と歓喜の表情を強制されて集められた方ではありません。
 自国の文化と誇りに対して、無償の愛と感謝を表すことのできる、それが日本人の美徳です。

感動をありがとう

 半世紀超の人生を振り返りますと、反省することばかりです。
 中でも中学の時に、何かしらの運動部に所属しなかったことを悔やんでなりません。
 帰宅部でありながら、与えられた時間を無為に過ごしてしまったことは背徳です。

 先日、国体成年女子バレーボールの試合に愛媛代表で出場する、部下の応援に行って参りました。
 彼女は、この国体をもって引退。
 恥ずかしながらこれが、最後にして最初の観戦です。

 結果はともかく、そのレベルの高さに驚かされました。
 同じブロックで対戦する岡山、佐賀、滋賀といった面々は、プレミアVリーグでも活躍されています。

 国内トップリーグとは言え、プレミアリーグの選手の殆どは単なる会社員。
 年収も一般サラリーマンと然程変わりません。
 それでも、バレーボールに仕事として取り組める点は恵まれていると言えるでしょう。

 愛媛の選手は日常、一般社員同様の勤務体制のため、練習は就業後の夜間のみ。
 また、週末遠征することで、休日も限られます。

 練習量が力に比例するのは当然。
 そうした不利な条件下、彼女等は互して戦っていた訳です。
 
 社員として妻として選手として、責任を全うしてきた彼女の、これまでの頑張りに敬意を表すると共に、これからの新たなる人生の門出にエールを贈りたいと思います。
 おつかれさまでした。
 感動をありがとう。

大いなる矛盾との対峙

 私は昔気質(かたぎ)の人間です。
 無能な人間が有能な人間に、三流企業が一流企業に、後進国が先進国に追い付くには、時間を味方につけるしかありません。

 終戦後、焼け野原だった日本が、僅か半世紀で世界トップレベルの経済大国に成り得たのもそう。
 トヨタやホンダや日本電産や京セラが、世界的な一流企業と成ったのもそう。
 先人が貧困に耐えながら、24時間365日、なりふり構わず、がむしゃらに働き続けてきたからこそ、活路は拓けたのです。

 寓話の世界は、そのことを判り易く説いてくれています。
 ウサギが負けたのは、途中で怠けて居眠りしたから。
 カメが勝ったのは、休まず歩き続けたから。
 カメが怠けたらどうなるか?・・・、言うまでもないでしょう。
 
 誤解を恐れずに言うならば、個人的な考えの根っこは不変です。
 しかし、今は時代が違います。
 自分の生き様や価値観を、世間や部下に押し付けてはいけません。 
 法律や社会的ニーズを踏まえ、時間を短縮しつつ生産を増大させる・・・大いなる矛盾と対峙するのも経営者の務めです。
 経営者自らが、古い考えに固執したままだと、会社丸ごと思考停止してしまいます。

 そもそも論として、やらされ感では、生産性は上がりません。
 嫌々仕事をさせられていたのでは、心も病みます。
 自からが経営に参画する自覚の元、やり甲斐に満ちた仕事が与えられれば、きっと活き活きと働ける筈です。

 額に汗するのではなく、脳に汗をかく。
 生産性向上のために、今こそ全社員の叡知を結集させましょう。

実態なき美辞麗句

 以前にも取り上げた「ウィニング」から、ミッション(経営理念)とバリュー(行動規範)の続編です。

 【 立派な意図を持って、何時間も何時間も感情的な議論を戦わせたというのに、出てきたものは、そこらの市販のリストから抜き出してきたような「誠実・品質・卓越・サービス・敬意」なんてバリューが並んでしまったというのは、よくある話だ。
 冗談じゃない。
 まともな会社なら当然そんなことは信奉しているに決まっている。
 そもそも、誠実であることはゲームに参加する入場券みたいなものだ。 】

 例えば、「差別化された独自ブランドを確立するために、戦略と目標を明確化し、実施計画を入念に練り、慎重に行動する」
 いかにも、もっともらしい、期待感を煽る言葉が羅列されています。
 しかし、誰が、いつまでに、どうやって、何を実施するのか、具体策はスッカラカン。
 以前の会社ではこうした言葉遊びを、実態なき美辞麗句と呼んでいました。

 【 優れたミッション・ステートメントやバリューは、すごく現実的で、その具体性にビシッと鼻面を打たれた様な気分になるものだ。
 - 中略 -
 収益を上げるための方向性を明確に示しつつ、社員に自分達は何か大きな重要なことの一部なのだという気持ちにさせてくれる。 】

 具体的で判り易く、聞いた端から手足口が動かせる・・・。
 そこまで落とし込むのが理想です。

性善説と性悪説

 トップダウン(上意下達)は組織運営の常。
 しかし、上司から指示命令が飛び、速やかに実施されて、報告までされる組織は、そう多くありません。
 
 だからこそ、取り組みの狙いを説明し、現場の声を聞き、擦り合わせた上で、ボトムアップ(下意上達)の体裁を整えます。
 「これは一方的に指示した訳ではない。 
 皆さんの意見も斟酌した上で、皆で決めたことなんですよ。」
 強制目標から、納得目標に変換する作業です。

 例えば、社員の経営参画意識を高めるべく、課内会議の実施を提案したとします。
 開催日や議事録の雛形について、侃々諤々の議論が交わされる。
 最終的に方向性が定まり、満場一致で実施と議事録提出が決定する。

 しかし、実施していない。
 実施していたとしても、議事録を残していない。
 議事録があったとしても、提出していない。
 提出を呼び掛けても、返事が返ってこない・・・。
 悲しいかな、決まった通りに実行・報告するのは、極一部に留まるのが実態です。
 
 「きっとやってくれる」という性善説と、「きっとやらないだろう」という性悪説。
 この二つの考え方を、時と場合によって使い分けるのも管理職の仕事です。

アマラとカマラ

 有名な狼少女の話しです。 

 『アマラとカマラは現在の西ベンガル州ミドナプール付近で発見され、孤児院を運営するキリスト教伝道師ジョセフ・シングによって保護、養育されます。
 シングは、2人が幼少時に親に捨てられた後オオカミに育てられた野生児だと主張し、文明から切り離されて育てられた子供の事例として有名な逸話となりました。
 アマラとカマラは共に言語を話せず、二足歩行もできず、オオカミのような振る舞いだったと言います。
 1歳で発見された妹のアマラは3歳で早逝。
 当時8歳だった姉のカマラは、そこから直立二足歩行の訓練を受け、三年後に初めて2本足で立つことに成功し、少しずつではあるが言葉をしゃべるようになったのです。』

 後に、すべては作り話との説が有力となっています。
 この信憑性はともかくとして、人は学ぶべき生き物です。
 そして、教育されるべき生き物です。

 必要とされる教育が施されない限り、知識や能力は高まりません。
 一般社員だけではなく、幹部や役員や社長の立場にある方こそ、教育機会や勉強する姿勢が必要でしょう。
 
 不勉強は、自分にとっての不幸。
 しかし、管理職の不勉強は、傘下の組織の全員を不幸にします。

万人平等に与えられる資源

 愛顔つなぐ「えひめ国体」。
 地元愛媛では64年振り、単独開催は初ということで、県内各地大いに盛り上がりを見せています。

 先日は、成年ソフトボールチームが、男女アベック優勝を成し遂げました。
 成年男子の「愛媛ウエスト」は、我がグループ企業が運営しています。
 
 同様に、栃木はホンダ、愛知は豊田、宮崎は旭化成と、事実上全国トップリーグの争いとも言えます。
 他県代表は、名立たる大企業の実業団チームです。
 当然に資金も潤沢で、練習環境も整っていることでしょう。
 それが証拠に、リーグ戦においては本場外国人選手を助っ人として招いていたりします。
 
 そうした中、四国松山の中小企業を母体とするチームが、伍して戦うのは簡単なことではありません。
 選手は皆、通常の業務をこなし、夕方から夜にかけて練習。
 シーズン中の週末は、毎週の様に遠征に出るため、心身の休まる時間は限られます。
 
 弊社所属の二名は三年前、宅建士に合格しました。
 過酷な練習を終え、家に帰り、風呂に入って、食事をして、誰もが寛(くつろ)ぐ深夜から未明にかけ、死に物狂いで勉強して掴んだ栄冠です。
 
 昨年の宅建試験から間もなく一年。
 一年365日、一日24時間は、有意義に過ごそうと、無為に過ごそうと、万人平等に与えられる資源です。
 今年受験する三名に、言い訳の余地は残されていません。

カルビー躍進の秘訣

 NHKの番組「プロフェッショナル~仕事の流儀」を見ました。
 「まっすぐ稼げ!飽くなき野心」
  国内スナック菓子メーカー最大手、「カルビー」躍進の立役者、会長兼CEO松本晃(70)。

 国内では向かうところ敵無しのカルビーは、更なる成長を目指して北米へ進出しています。
 しかし、思わぬ苦戦を強いられ、社内では撤退の声も。
 松本会長は、ネガティヴな幹部を前にこう言い切ります。

 「日本には1億2000万人しかいない。
 世界人口は70億人。
 世界への挑戦を止めるということは、成長を止めるということ。」

 エンディングで松本会長へ、恒例の質問。
 「プロフェッショナルとは?」

 「ひとつ、圧倒的な実績。
 ふたつ、何人(なんびと)も納得させられる理論。
 みっつ、誰からも尊敬される人徳。」

 そして、続けます。

 「自分は、まだまだです。」

 国内最大手スナック菓子メーカーの地位を確固たるものとした70歳をして、未だ未熟者と言わしめるその謙虚さこそが、カルビー躍進の秘訣なのでしょう。

全体最適の総論

 先般、組合思想の管理職に対する警鐘を鳴らしました。
 しかし、これは決して、「YES MAN」を求めている訳ではありません。

 上司に対してでも、社長に対してでも、資本家に対してでも、具申できる率直さは不可欠です。
 大きな違いは、二つあります。

1. 敵と味方の分別
 敵と味方との見極めができないリーダー程、厄介な存在はありません。
 稚拙な様ですが、まず、ここです。

2. 代替案の提示
 どこかの国の野党の様に、言葉尻を捉え、上げ足を取り、批判ばかり繰り返す輩は、社内にもいらっしゃいます。
 批判で飯が食えるのは、評論家かマスコミか学者か・・・。
 我々は実務家です。
 
 批判するからには、返す刀で代替案を示せなければ、単なる文句言い。
 尚且つ、部分最適の各論ではなく、全体最適の総論として提案できなければ、経営には成りません。
 「今だけ、ここだけ」の枝葉を論じることは誰にでもできます。
  
 だからこそ、もの申すからには、経営者としての勉強が不可欠なのです。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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