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価格決定のメカニズム

 先日のブログで、「今こそ太陽光発電」を訴えたところ、多くの反響を頂きました。

 これまで何度も申し上げている通り、価格決定のメカニズムは明快です。
 世の中の全てのモノの価格は、原価の積み上げではなく、需要と供給のバランスで決まります。
 
 商品が少ししかないのに、欲しい人が沢山いらっしゃると、プレミアがついて価格は高くなります。
 逆に、需要が減退し、商品がだぶつくと価格は下がります。

 自分が愛車プリウスを購入した時、エコブームで納車は4ヶ月待ち。
 購入価格は、値引きゼロの定価です。

 1964年に開発されたシャープの電卓は、トランジスタを530個、ダイオードを2,300個使用し、重量は25㎏。
 価格は50万円だったそうです。
 当時の大卒初任給が約2万円だったことを勘案すると、現在の500万円にも匹敵します。
 
 かつて液晶TVは、インチ=1万円、例えば37型なら37万円、というのが相場でした。
 それが今や、インチ=1千円も珍しくありません。
 旺盛な需要を受け、メーカーが量産し始めることも、低価格実現の一因です。
 
 県外の方に、「松山の家賃は47都道府県の県都の中で最下位」と言うと驚かれます。
 四国の中では、最も繁栄しているイメージがあるからでしょう。
 実際に大手ポータルサイトで検索すると、1万円台の部屋がゴロゴロしています。

 ここでもやはり、需給バランスが価格を決定しているのです。
 即ち我々としては、価格勝負に陥らないための差別化を織り込んだ提案が望まれます。
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大人になれない人種

 一般社団法人松山宅建協会の総会に出席しました。
 我が社の所属は、本社所在地の大洲です。
 また、大洲宅建の支部長として、公益社団法人愛媛県宅建協会の常務理事も務めています。

 松山には二店出店し、各々毎年少なからぬ会費を納めている訳です。
 ところが、会員としての権利は大きく制限されています。
 
 1 理事および代議員の選挙権がない
 2 理事および代議員の被選挙権がない
 3 総会での議決権がない
 4 総会での発言権がない
 5 実は、総会への参加権がない(初めて知りました)

 結果、途中退席を求められた次第です。
 ここまで権利が認められないのだとすれば、支店としての加盟の意味そのものを見直さざるを得ません。
 それにしても今回の総会は、あり得ないレベルの低さです。
 
 恥ずかしすぎて具体的な論評は致しませんが、こんな醜態を目の当たりにして、志ある方のモチベーションに水を差されないかが心配です。
 実際に、思いをぶつけられたN社長の言葉が皆さんの胸に響きました。

 「不動産が好きでこの業界に入り、この団体に所属させて貰いました。
 - 中略 -
 このまま居たら不動産業界を嫌いに成ってしまいそうなので退席させて貰います。」

 議事紛糾の渦中にいらっしゃった経験豊富な古参長老の方々は、我が子ほどの年齢の会員の声をどう受け止めたでしょう。
 いたずらに歳だけ重ねても、大人にはなれません。

絶対的なタブー

 年初から手掛けていた物件の、売買契約および決済が無事終了。 
 後見人を立てての手続きは初めてで、記憶に残る仕事になりました。

 長寿国日本にあって、高齢化の進行と相まって問題になっているのが認知症です。
 認知症患者数は、500万人とも600万人とも言われ、急増傾向にあります。
 
 認知症が進行し、制限能力者に位置付けられると、自身による資産管理や処分は不可能。
 当事者の介護等で、資産売却の必要性が発生しても、配偶者や子供は手を出せません。

 こうした場合の救済措置としてあるのが、成年後見人制度。
 相続人の代表者が裁判所に申し立てをして、第三者(司法書士)が指名されます。

 某業者は、「名前さえ書ければ大丈夫」と言ったそうですが、これはとんでもない暴言。
 ローカルタレントを起用したTVCMで知名度が高まり、一般の方が信用してしまうのは甚だ遺憾です。

 仮に、本人の行為能力を無視して処分してとすれば、後々リスクと禍根を残すでしょう。
 知識と常識と良識を具備した宅建士、司法書士であれば、犯してはならない絶対的なタブーです。 

今こそ太陽光発電

 平成23年、東日本を襲った大震災により、原発廃止の機運が高まり、日本丸は自然エネルギー活用へ向け大きく鍵を切ります。
 産業用全量買取単価も、平成24年には40円という破格値でした。
 震災の動乱が収まり、原発が稼働再開するにつれ、36円→32円→29円→24円→21円と、年々単価も下落しています。

 従って、太陽光発電事業は既に過去のもの・・・というのは思い過ごしだったようです。
 その理由はというと・・・。

① 太陽光システム価格の下落
 十年前までは1kw当たり60~70万円だったものが、4~5年前には40万円台になり、ここ2~3年は30万円台に。
 更に現在は、30万円を切るケースも珍しくありません。
 太陽光ブームに乗じて、雨上りの筍の如く沢山の会社が誕生しました。
 供給が旺盛で、需要が細れば、価格が下がるのは当然です。

② 太陽光システムの性能アップ  
 4~5年前まで20%以下だった、太陽光をエネルギーにする変換効率は、近年25%前後まで向上してきました。
 曇天でも、影でも、発電できるとなれば、当然収入はアップします。

③ ローン金利の下落
 2~3年前の金利は、2%台後半が主流。
 それが今や、1%台前半も当たり前にあります。
 勿論、その方(企業)の信用状況次第ですが・・・。

 つまり、買取単価は▲40%下落したけれど、性能は25%向上しているので、収入減はそれほどでもない。
 システム価格は▲40%も安くなっている。
 おまけに金利は半分なので、実質の手残りは今の方が良い・・・。
 加えて、固定買取期間である20年間経過した後の運用まで見据えれば、現状の単価で成立する高性能システムの方が圧倒的に有利になります。
 
 実は今こそ、理に適った、利につながるビジネスが太陽光なのです。

中庸の徳

 最近のマスコミ報道は、白か黒か、右か左か、上か下か、善か悪か・・・。
 余りにも極端で、中庸(ちゅうよう)という捉え方は見当たりません。
 どちらかに色分けした方が、伝える上で判り易い、という一面もあるのでしょうが、甚だ危険な香りを感じます。

 例えば、STAP細胞で話題になった小保方さんや、現代版ベートーベンの名を馳せた佐村河内さん。
 二人とも、ターニングポイントに至るまでは天才と称されていたにも関わらず、ある日突然、嘘吐き、詐欺師に成り下がります。
 まさに、全否定か全肯定の両極です。
 
 世の中には、100%善人も居なければ、100%悪人も居ません。
 心の中の天使と悪魔が葛藤しながら生きているのが人間であり、人生そのものです。

 一触即発の国際関係も、各々の立場からすれば、自らが正義です。
 騙したり、誤魔化したりすることは、決して良い行いではないものの、時として嘘も方便です。
 こうした、理屈では割り切れない機微を弁えたところに、中庸はあります。
 
 トランプさんやジャイアンは、決断力や実行力に優れたリーダーである一方、拙速で横暴な人です。
 オバマさんやのび太は、慎重で忍耐強いリーダーである一方、優柔不断で決断力に欠けます。

 この様に、長所と短所は、どちらか一方が独立して存在する訳ではありません。
 上下、左右、善悪、白黒・・・すべての事象は表裏一体。
 どちらにスポットが当たるか、どちらにフォーカスするか、それ次第で印象は変わります。
 
 「中庸の徳たるや、それ至れるかな」 (中庸の徳に勝る徳はない)
 
 これは、孔子の言葉です。
 二次元的な真ん中を指すものではなく、「人として守るべき道(中)に対して過不足のない状態(庸)」を指します。

忘れないことが第一条件

 先日、バーター取引について、否定的な文章をupしました。
 それを前提とした上で、更に深掘り致します。

 契約を頂いたお客様は勿論、大切です。
 賃貸の入居者様もしかり、管理物件の大家様もしかり。

 何かモノを買う時、頼む時。
 該当する商品やサービスを、お客様が手掛けられているのだとすれば、無理のいかない範囲でお声掛けするのが礼儀です。
 
 皆でランチする際の飲食店。
 土地を分筆する際の土地家屋調査士。
 保険を掛ける際の損保会社・・・。

 これらは最近、意識してお客様のところにお声掛けした事例です。 
 喜んで頂くことで、更なる紹介の連鎖に発展することもあります。

 さて、「無理のいかない範囲で」と付け加えました。
 例えば、同一品質でありながら、他社の方が明らかに安いなら、優先する必要はないのです。
 というよりも、それは絶対にやってはいけません。

 企業は、営利を追求する集団です。
 判っていながら、損失を看過するのは背信行為であります。
 何より、相互が甘い値決めでもたれ合っていると、厳しい市場競争から脱落して共倒れになるでしょう。

 また、仮にラーメン屋さんの店舗を仲介したからといって、毎日毎日ラーメンを食べていたのでは体調が悪くなります。
 あくまでも、必要性のある時、ニーズを満たしてくれるなら、お客様のところを優先すべきだという話です。

 感謝、気付き、思いやり、CS・・・。
 美辞麗句を並べるのは簡単だけれど、受けた恩義を忘れないことが第一条件です。

バーターの誘惑

 商売というのは、持ちつ持たれつ、give&takeが基本です。
 但し、「バーター取引」とは違います。

 「バーター取引」とは?
 お客様に何かを買って貰う際、交換条件としてお客様から別の何かを買う条件付の取引。

 「バーターの誘惑」は、巧妙に「お客様満足」や「give&take」の仮面をかぶって近づいてきます。
 過去あった、私の部下の実例です。
 「2000万円のマンションの申し込みを頂いたお客様から、20万円の健康食品を勧められて購入した。」

 高額なマンションを買ったのだからということで、当然の様に勧められたので、断り難かったのは間違いないでしょう。
 価格としては100対1なので猶更です。

 ところが、その後どうなったかというと、マンションはキャンセル。
 部下の手元には、健康食品とローンだけが残りました。
 
 他に、よくバーターを持ちかけられるのは生命保険です。
 気が付くと、保険金目当ての事件に巻き込まれそうな程、多額の補償に成っていたりします。

  give = 与える
  take = 受け取る

 これは、その仕事の中で完結しなければなりません。
 扱う商品がどれだけ高額であったとしても、受け取る対価に相応しい、品質、空間、サービスを与えます。

 賃貸も同様。
 仲介手数料が5万円であれば、それ以上の提案、満足、価値を与える訳です。
 実際に、5万円の報酬を頂いたお客様から、次の様なアンケートを頂きます。
 
 「面倒な要望にも丁寧に応えて貰い、思った以上のお部屋をご紹介頂きました。
 利便で、明るくて、快適で、とても満足です。
 次回も〇〇さんにお世話に成りたいと思います。」

 先述した通り、その仕事の中だけでgive&takeが完結しているのです。
 プロとしての提案に自信があるのなら、バーターのつけ入る隙はありません。

百年の計を論じる

 過日、大洲宅建協会の年次総会を開催致しました。
 会員数の6割を超えるご出席を賜り、閉会後の懇親会にも半数近くが参加。
 また来賓として、大洲市役所から都市整備課課長の谷川様、県議会の岡田先生、西田先生にも来て頂き、盛況の内に終えることができました。

 会長職を拝命したのは3年前。
 過去4回は、意見も質問もない、俗にいうシャンシャン総会です。

 本来は、前向きな議論が活発に交わされるべきなのでしょう。
 そういう意味において、力足らずを痛感しています。

 これまでのお話を伝え聞くところによると、かつては紛糾したこともあったようです。
 先述した通り、シャンシャン総会を是とする訳ではありません。
 
 しかし、肝要なのはその中身。
 どこかの国では、三流週刊誌的な女性問題追及や、失言の揚げ足取りを能天気に繰り返す間、国会が空転し、有事の危機が確実に迫ってきています。

 業況や業界を俯瞰した上で、百年の計を語るのがリーダーの務めでしょう。
 重箱の隅を突いて政争の具とする輩は、もはや野党ではなく、単なる批判家に過ぎません。

掌返しの真相

 日経新聞の記事が、トランプ大統領の発言のブレを指摘しています。

1/11 「プーチン大統領はドナルド・トランプを好んでいる」 
4/12 「米ロ関係は史上最低かもしれない」
   ※ シリア空爆による自業自得ですが・・・。

4/2 「中国は為替操作や通貨切り下げのチャンピオンだ」
4/12 「中国は為替操作国ではない」
   ※ 習金平さんが訪ねてきてくれたので・・・。

3/12 「NATO(北大西洋条約機構)は時代遅れだ」
4/12 「NATOはもはや時代遅れではない」
   ※ シリア空爆で批判を浴びて孤立しないように・・・。

2/17 「偽ニュースメディアは米国民の敵だ」
4/13 「彼らはとても立派な人たちだ」
   ※ まあこれは嫌味かもしれませんが・・・。   

 これ以外にも、FRBのイエメン議長や北朝鮮の金正恩氏に対する姿勢も、明らかな掌返しです。
 何より、かつてトランプ氏はこう語っていました。

 「シリアを攻撃するな。
 その戦いから米国が得るものはない。」

 勿論、事態が変われば朝令暮改もあるでしょう。
 節操のない、大衆迎合的な転換でないことを望みます。

win-win-win-win

 今、全国的に「空き家」問題が取り沙汰されています。
 周知の通り大洲市では、行政と宅建協会とで協議を進め、昨秋、協定の締結に至りました。

 公益社団法人愛媛県宅建協会および地区連絡協議会による、自治体との三者協定は愛媛初の取り組みです。
 これを受け、大洲市では、この4月から「空き家バンク」が立ち上がっています。
 
 マイホームを取得する方の内訳を、世界基準で比較すると、欧米の先進国は中古が7~9割。
 日本はというと、僅か十数%しかありません。
 それほどまでに日本人は、「新築でないと家じゃない」という考え方が根強い訳です。
 
 そうした価値観は、市場価格にも反映され、築後10年で半額、20年で価値ゼロというのが通り相場に成っています。
 業界も行政も、景気対策としての新築を奨励し、税制等で優遇してきたこともあり、まだまだ活用できる住宅が解体され、また新築される、スクラップ&ビルドが繰り返されてきました。
 
 本来、高品質の住宅であれば、50年でも70年でも住み続けることはできます。
 欧米の様に、状況変化に合せてリフォームしながら価値を高めていく方が、経済にも環境にも優しいのは自明の理です。

 工場撤退、人口減少、高齢化・・・。
 地元で商売をする我々にとって、取り巻く環境は決して明るくありません。

 それでも、「空き家バンク」を通じ、空き家をお持ちの方と、田舎暮らしをしたい方とを、会員の力でマッチングできれば、人口減少にも歯止めがかけられ、地元が活性化します。
 売主・買主・業者・地域、四方良しの、win-win-win-winです。

 景気や環境を嘆くだけでは始まりません。
 各自にできる、小さな取り組みの連鎖が、希望につながります。
 何卒、会員の皆様のご賛同、ご協力頂ければと思います。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン

・経歴 
 雄新中卒業 → 新田高校中退
 大工・石工と約十年職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業
 令和2年 ㈱南洋建設 代表兼任
 令和4年 ㈱たんぽぽ不動産起業

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