ゴーン流リーダーの条件

 日経新聞最終頁に連載されている「私の履歴書」。
 今回は、かつて瀕死の日産自動車を復活させたカルロス・ゴーン氏です。
 昨年、燃費偽装事件で存亡の危機にあった「三菱自動車」救済に名乗りを上げ、世間を驚かせました。
 
 昨日の文中で、ゴーン氏はリーダーの条件を三つ挙げています。
 読み砕くと、四つになるようですが・・・。

1. 厳しい条件下でも結果を出せる人
2. 軋轢を恐れず率直に意見できる人
3. コミュニケーション能力の高い人
4. 新しいことを学ぶ姿勢のある人
 
 二番目は特に印象深い内容です。

 『 トップは、経営、組織の問題点をはっきりさせ、時には周囲が「右」と思っているところを「左」と言う必要がある。
 日本人には簡単なことではないかもしれない。
 控えめなことを美徳と考える文化があるからだ。
 日産とルノーの「アライアンス・ボード・ミーティング」を始めて聞いた時、会議でずっとしゃべっていたのはフランス人。
 日本人は静かに聞いていた。
 だから私はフランス人に「仲間の意見も聞こう」と言い、
 日本人には「もっと意見を言って」と促したものだ。 』

 フランス人と日本人の、各々の長所と短所を踏まえた上で、的確に指示する。
 やはりゴーン氏は、卓越した経営者です。
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牛丼一杯290円の理由

 国会では、アベノミクスの是非について、与党と野党が舌戦を繰り広げています。
 「アベノミクスは失速している。 そもそも地方にまで届いていない。」と攻める野党。
 「いやいや、御党の頃に比較して、税収は〇倍、求人率は〇倍。」と返す与党。
 
 どちらかを擁護するつもりも、批判するつもりもありません。 
 但し、「風が吹いたら桶屋が儲かる」式の、金融緩和によるインフレ誘導は間違いでしょう。

 確かに、需給バランスは経済の根幹。
 であるならば、一万円札をドンドン刷って、市場にドンドン流通させれば、お金の価値が下がり、モノの値段が上がる筈です。
 実際ハイパーインフレ下の国では、食パン一斤を買うのに、ボストンバック一杯の札束が必要だったりしますが・・・。

 ・ ドラスティックな金融緩和により、日本中に円が溢れる
 ・ 円が溢れると価値が下がり、円安に誘導される
 ・ 円安誘導されると、自動車メーカーを始めとした輸出産業が潤う
 ・ 大企業が潤えば、下請けの中小企業も潤う
 ・ マイナス金利政策により、金融機関が融資に積極的に成る
 ・ 設備投資や住宅建築によって、市場にお金が回り、更に企業は潤う
 ・ 企業が潤えば、社員の給料も上がる
 ・ 社員の給料が上がれば、飲食や物品購入でお金を使い、店舗が潤う・・・

 まさに、良いことずくめです。
 実際に安倍政権は、企業に向けて「給料を上げて下さい。」と訴え、一部の大企業が呼応したりもしました。
 しかし、経済はそう簡単ではありません。

 これで景気が良くなるのなら、世界中の国が追随するでしょう。
 一次的なカンフル剤として有効であったとしても、恒久的な対策には成り得ません。
 現実、この日本では、未だに牛丼一杯290円で食べられる、デフレ真っ只中です。

 インフレ・デフレはこうして、実態経済そのものを反映します。

PDCA最終段階

 昨年の8月、既に今期はスタートしていましたが、拭えない危機感から、居ても立ってもいられず、隣県高知の同志の元を訪ねました。
 4日後、松山の責任者を伴い、再び高知入り。
 そこでレクチャーされた内容を分析、吟味し、自社に取り込むべく、ゼロベースで計画を巻き直したのです。

 退店、出店、基幹システムの変更、営業スタッフの総入れ替え・・・。
 よくもまあ、ここまでドラスティックな改革に踏み切ったものだと、自分でも感心します。

 当然に現場は混乱しました。
 社員に苦労をかけました。
 お客様やビジネスパートナーの皆さまにもご迷惑をおかけました。

 かつて、前経営者の独善的な経営によって躓いたマクドナルドの、再建請負人として請われたのが原田泳幸氏です。
 ・ 24時間営業店の拡大
 ・ 作り置き無し
 ・ オーダーから30秒以内での商品提供

 次々と新しい戦略を打ち出します。
 当然、社内は混乱しました。
 社員の反発も猛烈だったそうです。

 しかし、その戦略が当たり、危機を脱し、業績は右肩上がり。
 戦略の正しさが証明されました。
 よくよく考えれば、お客様の利便性を高め、作りたての美味しい商品を提供するのですから、当然と云えば当然です。
 晩年の凋落振りによって、原田采配に疑問を呈する方もいらっしゃいますが、個人的には素晴らしい経営者だと思っています。

 スケール的に比較にもなりませんが、足下の数字を見れば、今回の我が社の改革の必然性は明らかです。
 そしていよいよ、PDCA最終段階の繁忙期(繁盛期)。
 苦労や迷惑の分を御返しすべく、結果で実証する機会の到来です。

ドーピングの理由

 IOCは、北京オリンピック男子陸上400mリレーで、ジャマイカチームの一人がドーピングしていたとして、金メダル剝脱を決めました。
 この競技で銅メダルだった日本チームは繰り上げで、銀メダルに成ります。
 とはいえ、当事者も手放しには喜べません。
 「今まで銅メダリストとして生きてきたのが、実は銀メダリストでした、となるのは複雑。」  朝原宣治氏

 それにしても、北京といえば、9年前のオリンピックです。
 恐らく、何所かの誰かから情報提供があり、再検査した結果でしょう。
 
 チームの一員であった、短距離陸上のスーパースター「ウサイン・ボルト」は、三大会連続で100m、200m、400mリレーの三冠に輝き、前人未到の偉業を達成しましたが、今回の事件でケチがつきました。
 
 かつての旧東ドイツや、近年のロシアでは、国ぐるみで不正に手を染めていたとの疑惑もある位です。
 発覚すればメダルだけでなく、栄誉も、名声も、信用も、選手生命も、すべてを失います。
 人生を台無しにする可能性を孕(はら)んだリスクであるにも関わらず何故・・・。
 
 さて、企業は、営利を追求する集団です。
 売上高〇〇億円、経常利益〇〇%、そして上場・・・。
 大なり小なり、こうした目標に向かって邁進します。

 しかし、勘違いしてはいけません。
 目標ではあるけれど、目的ではない。
 マイルストーン(一里塚)ではあるけれど、ゴールではない。

 ここで、目的と目標を取り違えてしまうと、アスリートのドーピングと同様に、不正を受け入れ、道を踏み誤ることにつながります。
 何のために存在し、何によってステークホルダー(利害関係者)に貢献し、最終的にどういう企業を目指すのか。
 理念やヴィジョンやポリシーの重要性がここにあります。

知恵と汗と労の出し惜しみ

 中学校卒業後、折角進学した高校を僅か二週間で中退し、半年間のパラサイト生活を経て大工に弟子入りし、社会人の仲間入りをしてから40年近く経ちます。
 この間、業種を問わず、仕事の質は大きく変貌しました。

 ・ 交通インフラが整備され、移動時間が短縮
 我々世代が成人式を迎える頃、内子町と松山市とを結ぶ直通鉄道は未だありません。
 高速道路が開通したのは、僅か十数年前です。
 今では、内子⇔松山間は30分で、通勤圏になりました。

 ・ 携帯電話が普及し、いつでもどこでも連絡可能
 職人として仕事をしていた20代の頃は、固定電話しかありません。
 27歳で菓子店の店長を任された際は、ポケットベルです。
 外出先で音が鳴ると、公衆電話を探します。
 テレフォンカードは欠かせないアイテムでした。
 今や、365日24時間体制で、いつでも、どこでも、誰にでも連絡できます。

 ・ スマホやパソコンにより、外出先や自宅でも業務可能
 かつて、仕事はオフィスか、現場で行うものでした。
 今では何所からでも、ちょっとした隙間時間にメールを読み、指示することが可能です。
 また、予算や計画を練る際は、方眼紙に手書きで数字を書き入れていました。
 一ヶ所だけの訂正でも、縦計、横計、全てが狂ってしまうので、イライラしながら紙が破れる程消しゴムでこすったものです。
 それが今や、難解な関数も瞬時に解き明かす、表計算ソフトが存在します。

 これらは、革命的に生産性を向上させてくれました。
 工場や機械やシステムといった、設備投資も同様でしょう。
 残業することもなく、短時間で、大量生産が可能・・・だからこそ、「安価で高品質で均一な商品」が提供できるのです。
 
 ワタミや電通の問題を通じて、世の中の労働観が大きく変わろうとしています。
 しかし、産業革命は豊かさの見返りに、人の仕事を奪っていきます。
 AIや産業用ロボットの普及により、雇用が喪失してしまう懸念は拭えません。
 
 高い生産性レベルでの競争は当然・・・だからこそこれからは、一周回って知恵と汗と労を出し惜しみしない会社にこそ、勝ち目があるものと信じています。

トランプの矛盾

 アメリカ新大統領トランプ氏の語る、「アメリカンファースト」の矛盾について、ラジオのコメンテーターが語っていました。

 ・ そもそもトランプ氏の支持率は低く、女性、黒人、移民、富裕層からは支持されていない
 ・ 「偉大なアメリカを取り戻す」という期待感が、貧困に喘ぐ白人層を中心に広がり、トランプ大統領は誕生した
 ・ 世論を後ろ盾とするため、トランプ大統領はポピュリズム(大衆迎合)に傾倒せざると得ない
 ・ 貿易赤字にフォーカスし、TPP脱退やメキシコ工場企業に対する関税値上げを宣言したのも、そうした背景
 ・ こうした自国優先の保護主義が、短期的に国内投資を生み、雇用を創出するのは間違いない
 ・ しかし、長期的に見ればアメリカを強くするどころか、弱体化させかねない
 ・ 日本やメキシコを目の敵にしているが、実はアメリカにとって最大の貿易赤字国は中国
 ・ 対中貿易の赤字の殆どは、米企業が中国の工場で生産した製品を、米に輸入するブーメラン貿易によるもの
 ・ アメリカに限らず、最大のコストたる人件費の安い中国で生産するからこそ、低廉な商品が販売できる
 ・ 保護主義が進めば、人件費の高い米国人を雇用せざるを得なくなり、原価が確実に上昇する
 ・ 原価上昇を受け、売値を上げれば販売が停滞し、維持すれば利益が減る
 ・ 何れにしても、米国企業は確実に、国際的な競争力を削がれる
 ・ トランプの言っていることと、やっていることは裏腹で矛盾に満ちている
 
 経済に疎い私にも、なるほどと思わせる論理です。
 それよりも心に響いたのは、リーダーの資質についてでした。

 『彼の言葉は、戦略や戦術や戦法の話ばかり。
 この先、世界をどう導くべきかというヴィジョンやポリシーが全く見えない。
 大国の長ならば、自国の損得勘定よりも優先すべき事柄がある筈だ。』

 その通り。
 トランプ氏の経営者としての才覚を認めながら、どこかしら違和感を感じる理由はこの部分だったのかもしれません。
 企業も同じです。

制限能力者

 認知症と云う言葉が、一般的に用いられる様に成ったのは、今から13年前。
 それまでは「痴呆症」という、人格を否定する様なネガティヴな病名です。
 更にその前は、「ボケ」という表現で、病気であるという認識すらありませんでした。

 認知症患者は、全世界で3560万人。
 更にこれからも、毎年770万人ずつ増える見込みと言います。
 
 約20年前、前職の会社で分譲マンション用地を購入する際、所有者がまさに認知症でした。
 御高齢の女性でしたが、親族が寄り添い、なだめすかし、言い含め、震える手を支えながら、契約書にサインして頂いた場面を鮮明に覚えています。

 今なら完全にアウトです。
 当時はセーフ、と云う事でもありません。
 宅建で、「行為無能力者」という言葉を学んではいましたが、それを実務に整合させるだけの判断能力に欠けていました。
 
 近年、「行為無能力者」も、言葉のイメージから「制限能力者」と置き換えられています。
 認知症も勿論、「制限能力者」。
 財産の処分(売却)等は、単独でできません。

 そこを飛ばして、親族の方を相手に契約を交わすと無効となり、後々禍根を残します。
 過去には、それを理由にお断りしたこともありました。
 
 では、こういう場合にどうするのか?
 まずは、医師の診断書を裁判所に提出し、成年後見人を立てるための手続きを踏みます。
 期間は4~5ヶ月必要です。
 
 不動産業に就いて四半世紀。
 ある程度経験も積んできたつもりですが、未だ判らないことだらけ。
 一生勉強です。

19年振りの日本人横綱

 一月場所、稀勢の里関が14勝1敗で初優勝。
 苦節15年、史上四番目に遅い89場所目の快挙です。
 千秋楽結びの大一番で、横綱白鵬にも勝ち、場所後の横綱昇進を確実にしました。

 日本人横綱の誕生は、実に19年振り。
 この間支えてきた白鵬他の横綱には申し訳ないけれど、日本の全国民が待望した瞬間です。

 実力の世界とは言いながら、日本の大相撲は近年、国技とは言い難い程、国外の力士に席捲されてきました。
 番付を見てみますと、三横綱は全員モンゴル出身。
 ジョージア、ブルガリア、エジプト、ブラジル・・・。
 幕内だけでも、11名の外国人力士の名前が連なります。

 野球の本場で、イチローや前田や田中が活躍しているのですから、それもアリかもしれません。
 それでも、上位の取り組みが外国人だらけという状況には違和感を覚えます。
 お茶の間の盛り上がりに欠けたのも事実でしょう。

 かつて敗戦後、失意のどん底にあった日本人の誇りを取り戻させ、活気付けたのは、力道山が外人レスラーを倒す街頭TVでした。
 もっとも、力道山の出生とて日本ではありませんが(笑)。

 何はともあれ、稀勢の里の横綱昇進により、大相撲人気は更なる高まりを見せる筈です。
 アメリカ大統領がメキシコ国境に塀を築くとか、イギリスがEUを離脱して難民を受け入れないとか、昨今喧(かまびす)しい過激なナショナリズムとは一線を画す前提で・・・。
 日本人として、日本の生んだ遅咲きの横綱を心から応援したいと思います。

裏切りへの葛藤

 昨夜は、劇団の新年会。
 内子の劇団らしく、地元八日市の町並みにあるドイツ料理の店を貸し切りでした。
 24年目のスタートです。

 旗揚げから参加しているメンバーも十名以上居ます。
 前回好演したアイルランド人のピーターも、子役を演じた劇団員の子供も、参加してくれました。
 国境も言葉も世代も性別も超え、一つの舞台を作るために集う掛け替えのない仲間です。

 いつも思うことですが、旗揚げの時には、こんなに長く続けられるとは思っていませんでした。
 様々ありますが、最も大きな理由は経済的自立です。

 町の補助に頼ったり、スポンサーを募ったり、依存する体質であれば短命に終わっていたでしょう。
 絶対に赤字を出さないというポリシーの元、チケット販売の財源のみによって賄う自主自立の劇団は、全国でもそう多くありません。

 依存したくない、もう一つの理由は「表現の自由」です。
 先述したように、町やスポンサーに依存した場合、時として作品の内容にまで介入される恐れがあります。
 
 自分達のやりたい作品を、自分達のやりたいように、自分達で演じる。
 表現の自由を貫こうとするならば、自立性は欠かせません。
 そう思いながら今日まで走ってきた訳ですが、振り返ってみると、必ずしも自由な表現とは云い難い面もあります。
 
 自由に枠を立てるのは、皮肉にも御客様のニーズです。
 題材は「地域密着」、展開は「笑いあり涙あり」、最後は「温かなハッピーエンド」。
 感動の余韻に浸りながら、前向きな気持ちになって笑顔で帰路に着く。
 
 口幅ったい言い方をすればこれが、ファンに潜在する鉄板のストライクゾーンでしょう。
 全員では無いにしても、最大公約数ではあります。

 過去には、アンハッピーエンドの作品もありましたが、観客に広く受け入れられたか否かは疑問です。
 独りよがりなマスターベーションではなく、観客が求める作風に寄せてきたことも、永続の秘訣だったのかもしれません。
 そうした黄金律を理解しながら、敢えて裏切りたい思いもあり、実は少しだけ葛藤しています。

空き家バンクの課題

 大洲市と宅建協会で協定を結んだ空き家バンクは、来春始動に向け、着々と準備を進めています。
 空き家所有者の大部分が登録に積極的です。
 大洲市職員の方々のご尽力もあり、物件も思った以上に集まりました。
 しかし、課題はこれからです。

 まず、宅建協会の会員に向けアンケートを実施し、売買・賃貸に分けて、受け皿と成るか否かの判断を頂きます。
 大洲支部は39業者在籍していますが、実態として殆ど仲介を手掛けない会社も存在します。
 賃貸に限定すると、恐らく数業者しか居ません。
 
 最終的な業者名簿を配布し、所有者に指名して頂きます。
 一部業者に集中することもあるでしょう。
 
 所有者と業者とがマッチングされますと、物件調査・査定に進みます。
 場合によっては、相性のミスマッチもあるかもしれません。
 また、「売れない」「貸せない」「多額の修繕費用がかかる」といったネガティヴな判断もあります。

 こうしたハードルをクリアした後、媒介契約を締結し、晴れて「空き家バンク」登録です。
 サイトを見て物件に興味を持った方が連絡すると、市役所が業者につなぎ、ご案内・商談と成ります。
 以降は、通常の取引と同じです。

 中には、売却希望価格300万円以下という物件や、月額1万円の賃貸物件もあります。
 安くて手頃な物件のニーズはあるでしょう。
 しかし、低廉であればあるほど、業者の報酬が少なくなるのも現実です。
 築年数の古い、暫く人が住んでいない物件調査は手間がかかりますし、重要事項説明上のリスクも高まります。
 
 業者もボランティアではないので、「儲からない」と判断すれば及び腰になっても仕方ありません。
 受け皿業者が、徐々に少なくなっていく恐れもあります。

 売主も買主も業者も市役所も、こうした理想と現実のギャップを了解した上で進めるべきでしょう。
 過大な期待は危険です。

当事者意識

 管理業者は、入居者様とオーナー様との間で、常に中立公正なスタンスが求められます。
 そもそも、NYホームのNは、ニュートラルのNです。

 自らが身を置く入居者の立場は、概ね理解できます。
 一方、オーナー様の立場や苦悩は、なかなか判りません。
 主張が相違する最大の理由は、立場の違いです。

 そこで・・・という訳でもないのですが、我が社は幾つかの自社物件を所有しています。
 築年数の古い自社物件は、常に判断の連続です。
 
 ・ 入居促進のための条件変更
 ・ 小額で効果的なリフォーム
 ・ 家賃滞納者に対する督促方法・・・
 
 他人事ではなく、文字通り我が事として捉えれば、より真剣に知恵を働かせるものです。
 戦争を体験したことの無い人間は、どれだけ本を読んでも、映画を見ても、戦争の悲惨さは判り得ません。
 
 コミュニケーションの原点は、当事者意識です。

信用残高の記帳

 農地の取引が完了しました。
 取引金額120万円。
 売側の仲介を担った我が社の仲介手数料は6万円です。

 昨夏、買い手側の業者から購入希望を伝えられたものの、所有者は計8名。
 地元だけでなく、東京、京都、大阪と全国に散らばっています。
 
 伝え聞いた代表と思(おぼ)しき方も、登記簿の住所にはいらっしゃいません。
 苦肉の策で、そのエリアに強い業者に問い合わせると、奇蹟的につながり、市内の施設に入所されていることが判明します。
 
 その方を頼りに、8名全員の承諾を取り付けるべく、各々に手紙を送付。
 代表の方への委任状を作成・発送し、全員からの返信を受け、ようやく契約締結です。

 農地の取引は農地法に縛られており、一筋縄にはいきません。
 買主の方も農家であることを前提に、ブルーベリーを栽培するとして、農業委員会に申請します。
 
 農業委員会の事前協議が終わったタイミングで、売主の一人が司法書士の変更を申し出られました。
 また、一からです。

 一難去ってまた一難、今度は相続人の御一人が他界されます。
 不幸中の幸いで、故人の持分は、他の相続人が引き継ぎました。
 もし、その方の孫子に裾野が広がりますと、更に複雑化したことでしょう。

 当然手続きは、相続処理が優先。
 これらのプロセスを経て、半年後の昨日、遂に決済を迎えることができました。
 繰り返しますが、仲介手数料は6万円です。

 いつも申し上げる通り、
 複雑で儲からない仕事は他所へ、簡便で儲かる仕事は我が社へ・・・という商売はこの世にありません。
 儲かる儲からないは二の次に、目の前の仕事に一所懸命取り組み、お役立ちを心掛ける。
 仕事が面倒であればある程、報酬が少なければ少ない程、信用残高は増えていく。

 商売とは、こうした地道な積み重ねだと改めて思うのです。

非常識な常識

 研修を受けた際にレポートを提出するのは常識・・・と自分は思っていました。
 しかし、その常識は一般的では無いようです。

 レポートの効能は、二つあります。

1. 記憶の整理確認
 人は忘れる生き物です。
 三日で半分、一週間で7割、一ヶ月で9割忘却するとの説もあります。
 研修時のメモを読み返しながら、レポートにまとめたことだけは忘れません。

2. 講師への感謝と礼儀
 会社の業務時間に、自らのスキルを磨く研修の機会が与えられました。
 講師も前もって準備し、受講者に対峙します。
 
 人として感謝するのは当然。
 感謝するならレポート提出は常識でしょう。

 レポートは三日以内としたものです。
 レポート作成に然程時間はかかりませんし、日が経てば経つ程、記憶は薄まります。
 鉄は熱い内に打つべきです。

 気付きの能力の高い、
 相手の立場で考えられる、
 感謝と思いやりに溢れる、
 
 そんな人格の人が集う会社でありたいものです。

目に見えないトラップ

 不動産取引は、個人にとっても、法人にとっても、人生の一大事です。
 金額も高額ですし、リスクも大きい。
 そのリスクは、売主・買主だけでなく、仲介業者も負っています。

 善意のお客様が、悪意の業者に騙される構図は、一般的なイメージです。
 遺憾ながら・・・。

 しかし昨今は、悪意のお客様に、善意の業者が騙されたりします。
 従って業者は、自己防衛のため、非の打ち所の無い、完全無欠な契約行為を心掛けるべきでしょう。
 ところが、ベテラン業者も含め・・・ベテランだからこそ、得てして手抜きが目立つものです。
 
 「重要事項説明書や契約書は、簡略化されたオリジナルの書式を使う」
 これは、多くの業者に見受けられる事象。
 そして、大きな落とし穴です。
 
 宅建協会の会員は、漏れなくインターネットで最新版書式をダウンロードできます。
 法改正やトラブルに対する弁護士見解を踏まえ、適宜改編され、年々厚みを増しています。
 それが故に、年々複雑化し、時間がかかるのも事実です。
 だからといって、その手間をすっ飛ばせば、確実に業者自身のリスクを拡げます。
 
 説明しなければならない条項が記載されていない。 →  宅建協会の書式の項目に、無駄は無い。
 署名が必要な項目を前以て印字する。 →  印字できないのには、それなりの意味がある。

 善意のお客様はスルーしたとしても、悪意のお客様にとっては、飛んで火に入る夏の虫です。
 目に見えないトラップは常時口を開け、貴方の油断を手ぐすね引きながら待っています。

プロとしての誇りと自覚

 エイブルの得意領域は賃貸仲介。
 アパート・マンションの入居斡旋がメインの業務です。

 時には、新築提案を行うこともあります。
 というより、新築時に、工務店や設計士の意見しか聞かない賃貸経営は失敗確実。
 フロント硝子にカバーをかけて、スピードメーターやタコメーターばかり見て運転する様なものでしょう。

・ 立地としてターゲットの層は?
・ そのターゲットが望む間取りは?
・ そのターゲットの支払える家賃は?
・ そのターゲットが必要とする設備は?・・・

 こうした感覚は、一級建築士も一級施工管理士も持ち合わせません。
 数多くのお客様の声を聞き、ニーズを掴む仲介営業マンは、最も相応しいコンサルタントです。

 そういう意味で営業マンは、自信を持って積極的に提案すべきだと思います。
 勿論、オーナー様と対峙できるだけの、必要最低限の建築知識を備える必要はあります。
 コストもメンテナンスも考慮せず、「あったら良いな」だけを述べるのは、評論家の戯言です。

 くれぐれも、自信の無さが故に万事控えめな己の姿を、「謙虚」や「控えめ」に擦り替えて自己満足しないように。
 勉強・研鑽を怠ることなく、プロとしての自覚と誇りを持ちましょう。

性善説の裏付け

 約十年前、一人の一級建築士が構造計算を偽造したことに端を発し、建築業界には激震が走りました。
 構造計算書偽造事件です。
 
 この時、建築確認申請を受け付ける建築指導課や民間審査機関には批判が集中し、チェック体制の見直しにつながります。
 その余波で、建築確認申請から認可に至る期間が長期化。
 着工時期も竣工時期も大幅にずれ込み、売上時期や入金時期に遅れが生じます。
 前職の会社の経営破綻の一因でもありました。

 さて、事件が起きた際、チェック体制の不備に着目するのは当然でしょう。
 しかし、誤解を恐れずに言うならば、膨大なデータが蓄積された構造計算書を、ひとつひとつチェックすることは不可能です。
 極論すれば、細部に渡って正しくチェックしようとするならば、設計に要したのと同じ時間が必要になります。
 すると現場は、先述した様な遅延を来し、経済活動そのものに支障を来します。

 一級建築士の難関を突破した人物は、仕事に対する真摯な姿勢と、作品に対する誇りと責任を有している・・・という、性善説を前提としなければ成り立ちません。
 時と場合によって、抜き打ち抽出で牽制することはあったとしても、性悪説に基づく全数検査はナンセンスです。

 宅建士の重要事項説明書も同じ。
 「士(さむらい)」の称号を得る限りにおいて、プライドと責任と自覚を捨てては成りません。

奪い合えば足らぬ

 政治思想の異なる北朝鮮、中国、ロシアはともかくとして、昨今、韓国、アメリカ、フィリピン等々、「自国ファースト」を声高に叫ぶ国が増えてきた様に感じます。
 勿論、人間は皆自分が可愛いものです。
 だからこそ、本音と建前を使い分けてきたとも言えます。

 歯に衣着せぬドゥテルテ氏や、トランプ氏の台頭により、持って回った建前論が影を潜め、ダイレクトな本音がフロントに出ただけかもしれません。
 それにしても、諸国が口々に「自国ファースト」を叫ぶ、この世界の行く末はどうなっていくのでしょう。

Q 『天国と地獄はどう違うのですか?』
A 『天国も地獄も同じ。何も変わりません。』

 天国も地獄も共通で、直径2m程の大きな釜の中に、美味しそうなうどんがグラグラと煮えている。
 用意されているのは、これまた2m程の長い箸。
 腹を空かせた人々は、挙って釜の周りに群がる。

【 地獄 】
 我先にと箸を釜の中に突っ込み、うどんを食べようとするものの、箸が長過ぎて上手く口に運べない。
 やがて、小競り合いが起き、暴動となり、釜はひっくり返り、煮えたぎるゆで汁を被って大火傷を負ってしまう・・・これが地獄。

【 天国 】
 一人が箸でうどんをとり、釜の向こう側に居る人に対し、「お先にどうぞ」と差し出す。
 貰った人は、「ありがとうございます」と礼を言い、うどんをとってお返しをする。
 気がつけば、皆うどんを食べることができて空腹は満たされ、感謝と笑顔が溢れる・・・これが天国。

 外交の難しさを百も承知の上で、真理を訴えたいと思います。
 奪いあえば足らぬ。譲り合えば余る・・・。

賢者は歴史に学ぶ

 新たな取り組みとして、社内研修「U都宮塾」を開講しました。
 講師を依頼した宇T宮さんは、この道一筋20年超のベテランです。
 松山賃貸業界の生き字引、と云っても過言ではありません。

 これまで経験して来られた、リアルな成功体験や失敗体験を通じ、若手社員やキャリアの浅い社員に学んで頂き、接客に活かして貰えれば幸いです。
 さて、講師の話を聞くだけの受け身の研修は、なかなか身につきません。
 学校の授業を思い出せば明白でしょう。

・ 講義前 : 研修テーマを予告し、質問を集める(予習)
・ 講義中 : 受講者に質問を投げ、考えさせる
・ 講義後 : 宿題として、レポートを提出させる(復習)

 ここまでやって初めて、参画意識が高まり、当事者と成ります。 
 また、今回の宇都M塾では、業務上の問題点も浮き彫りになり、二点の改善事項が決定しました。
 座学としてだけではなく、実務の改善にもつながった訳です。

 自らが体験し、思い悩み苦労し、失敗を繰り返せば、最も強く脳内に刷り込まれます。
 しかしそれでは、余りにも時間がかかり過ぎますし、お客様を実験台にするのかと、批判を受けかねません。

 『賢者は歴史に学ぶ、愚者は経験に学ぶ』 ビスマルク

 営業マンの知識、スキル、人間力を向上させるべく、今後とも継続的に生きた研修を開催していきたいと思います。

丼勘定の経営者

 プレジデント・オンラインで、日本電産「永守重信」社長の記事が配信されました。
 御存知の通り日本電産は、自宅横の工場で社員数名から創業し、一代で世界トップのモーターメーカーへと躍進を遂げた会社です。
 永守社長は、業績不振企業を次々とM&Aし、漏れなく立て直す再建王でもあります。
 
 『 「ちょっと名刺を見せてくれ」
 再建担当役として日本電産シバウラに派遣されていたとき、私は永守重信社長にこう言われ、自分の名刺の入ったケースを手渡したことがありました。
 ケースの中から私の名刺を取り出して眺めた永守社長は、次に、こう問いかけてきました。

 「ああ、両面印刷だな。カラーか。これ、200枚いくらで買っているんや?」

 名刺の手配に関しては総務にお任せの私は、「いや、ちょっと分かりません」と答えました。
 そのあとも永守社長の質問と、私のモジモジ状態が続きます。

Q 「そうか。じゃあ、そこにあるコピー機、A4が1枚のコピー代はいくらかかる?」
  A 「いやあ、それも総務に聞かないと、ちょっと分かりません」
Q 「あそこに見える工場、1キロワットあたり、電気代いくらだ?」
  A 「いやあ、ちょっと……」
Q 「先日、中国に工場建てたな。そこの電気代は?」
  A 「……」

 ここで永守社長が一言。
 「君ね、よくそんなんで経営できるね」
 続けて次の言葉が発せられました。
 「経営は原単位だぞ。原単位を押さえてないと経営はできないんだぞ」 』

 売上高一兆円、税引後利益一千億円、社員十万人を誇る、世界的企業のTOPの言葉です。
 中小企業ならいざ知らず・・・いや、中小企業であったとしても、名刺のコストやコピーの単価を瞬時に明快に答えられるTOPがどれだけ居るでしょう。
 私自身、コストに厳しく細かい人間と自負していましたが、この話を聞いて愕然としました。
 とんだ、丼勘定経営者です。

 「原単位を押さえないと経営はできない」

 肝に銘じたいと思います。

四つの鏡

 大企業には、プロ経営者のカテゴリーが存在します。
 アップル(コンピュータ)→マクドナルド(ハンバーガー)→ベネッセ(通信教育)と渡り歩いた原田社長や、ローソン(コンビニ)→サントリー(酒)へと転身した新浪社長が、プロ経営者の代表格です。

 彼等はマネジメントのプロであって、業種を選びません。
 これは大企業ならではのマッチングと言えます。

 勿論、中小企業の経営者にも、経営センスや経営能力が必要です。
 しかし、それだけで社員を牽引するのは難しい。
 その理由はというと・・・。

 1. 足らざるを補うプレイングマネージャー
 2. 戦略よりも戦法や戦術が求められる
 
 社長一人の会社であれば、自らが現場で駆けずり回って数字を作るのは当たり前です。
 マネジメントを掌(つかさど)るゼネラリストよりも、自らが動けるスペシャリストたる必要があります。
 社員が増えてくるに従って、戦術・戦法よりも戦略が、社員をモチベートする指導・教育も含めた統率力が要ります。 

 組織が小規模であれば、狭所、極所を一点集中で睨む、「顕微鏡」の経営です。
 組織が大規模になるほどに、広域を俯瞰する、「双眼鏡」の経営や、
 遠い未来を見据える、「望遠鏡」の経営が求められます。

 更に大企業への飛躍をしようとするならば、人間力を磨かなければなりません。
 自らを客観的に省み、戒めるためには、あらゆる角度から自らを映し見る「三面鏡」が必要でしょう。

感謝に変える挫折

 昨日の日経新聞に、宇和島出身の元大リーガー岩村明憲さんのコラムが掲載されていました。
 今は、独立リーグ福島ホープスの選手兼監督を務められています。

 『プロと云っても、平均月収15万円というホープスの選手の生活は厳しい。
 みんなNPBなどを夢見て頑張っているが、先が見えないまま続けるのは良くない。
 そんな選手の「肩たたき」をするのも、僕の役目の一つだ。
 このオフ、ある投手に転身を勧めた。
 一時はNPBの球団も注目してくれるほどの投手だったが、彼も27歳。
 家族もいる。
 先の人生を考えなくてはいけない。
 今は納得できないだろうし、恨まれるかもしれない。
 でも僕は心を鬼にした。
 それは短いプロ人生に終わった、元近鉄の兄、敬士の例があったからだ。
 今、普通の仕事をしている兄は、
 「二年でクビになって良かった。
 あそこで野球を辞めさせて貰ったから、早く社会に出られた。」と言っている。
 彼も後に、そう思ってくれたら良い。』

 SNSや仕事を通じてお世話になっている、岩村さんの言葉だけに響きます。
 監督の紹介文は、「普通の仕事」と謙遜されていますが、尊敬に値する立派な経営者です。
 
 私も、似たような経験があります。
 高校中退後、ぶらぶらしているのを見かねた義兄から誘われ、大工に弟子入りしました。
 2年半修行したものの、とにかく不器用で要領が悪く、全くもって技量が身につきません。
 
 そんなある日、棟梁から言われました。
 「お前は、このままではうだつが上がらないから、道を変えた方が良い。」
 誤解を恐れずに言えば、学歴が無いから大工に弟子入りした、にも関わらず、そこをリストラされた訳です。

 一見、夢も希望も無い悲惨な話ですが、紛れもなく、この挫折があったからこそ今の自分があります。
 いかなるネガティヴな事象も、それからの取り組み方次第では、感謝に変えることができる筈です。 

万人に平等な資源

 いよいよ今年は、「えひめ国体」の年。
 地元愛媛県としては、実に64年振りとなる大会です。

 何度も御紹介している通り、我が社はグループを上げてスポーツ振興に力を入れており、後述する3名が強化選手として、日夜練習に励んでいます。 
 
 本部で経理を務める高本社員は、女子バレーボールチーム「CLUB EHIME」の一員です。
 全国実業団TOPリーグで戦う、男子ソフトボール「愛媛ウエスト」は、グループ主体のチーム構成。
 松山市駅前店の店長を務める石村取締役は、元オールジャパンのキャプテンで、現在は愛媛ウエストの監督を務めています。
 今般、松山南店の伊藤社員が、地元TVのニュースで取り上げられました。
 
 本業+αで、秀でた才能を開花させ、全国レベルで活躍する姿は社の誇りです。
 また石村社員、伊藤社員は二、年前に宅建士の資格を取得し、お客様からの信頼も厚く、業績にも貢献してくれています。
 
 一般的な概念からしますと、仕事だけでも、家庭だけでも大変でしょう。
 その多忙な狭間を縫って勉強をし、練習を重ねている訳です。
 
 彼らの一日が、特別に36時間ある訳ではありません。
 一日は24時間、一週は7日、一ヶ月は30日前後、一年は365日。
 時間という資源は、誰しも平等に配分されています。
 
 彼らの努力の前には、いかなる言い訳も通用しません。
 愛媛国体に向け奮闘努力する彼らを応援しつつ、自らの怠惰を省み戒めたいものです。

あるあるの話

 会社勤めの人間にとって、隣の芝生が青く見えるのは仕方ありません。
 
 ・ 給与
 ・ 賞与
 ・ 勤務時間 
 ・ 福利厚生・・・ 

 勤め人にとっては極めて重要な点なので、比較するなという方が無理な相談です。
 両社を天秤にかけ、結果的に他社を選ぶこともあるでしょう。 

 しかし、どんな会社にも一長一短あります。
 また、長い目でみれば良い時期と悪い時期とがあります。
 転職してから、後悔する人も少なくありません。
 時に、復職したいと申し入れする人も居ます。

【 向かいの山の紅葉 】
 山に登り、向かいの山を眺めた。
 とても紅葉が奇麗だ。
 そこで向かいの山に登ってみた。
 振り返ると、元居た場所の方が奇麗だった。

【 こちらはどんな村 】
 旅の途中、村境ですれ違う村人に訊ねた。
 ■ 「こちらは、どんな村ですか?」
 ◇ 「あちらは、どんな村だったかね?」
 ■ 「閉鎖的で、陰湿で、排他的で、住み難い村でした。」
 ◇ 「こちらも、そんな村さ。」
 
 続けてすれ違う村人に訊ねた。
 ■ 「こちらは、どんな村ですか?」
 ◇ 「あちらは、どんな村だったかね?」
 ■ 「開放的で、明るくて、協調性のある、住み易い村でした。」
 ◇ 「こちらも、そんな村さ。」
 
 あるあるの話です。

TOPの最優先課題

 宅建協会常務理事として、某大臣の賀詞交歓会に参加して参りました。
 現役大臣だけあって、県知事、市長、参議院銀等々、そうそうたる顔ぶれ。
 会場は、明らかにキャパオーバーと思われる沢山の支持者(?)が押し寄せ、芋洗いの盛況です。

 大臣は少し足を患っているご様子で、そこに配慮した知事がフォローします。
 「政治家というものは、体調を崩すと何を言われるか判らない。
 私も市長時代、盲腸で入院しただけで、再起不能という噂が駆け巡っていた。」

 かつて、安倍首相の父「安倍晋太郎」氏は、首相に最も近い場所に居ながら、膵臓癌に見舞われ逃しています。
 昨年末のアメリカ大統領選挙戦において、ヒラリー候補が車に乗り込む際、よろけたのも記憶に新しいところ。
 対抗馬のトランプ氏は、この場面を繰り返し糾弾し、少なからず選挙結果に影響をもたらしました。

 こうした流れは、政治の世界だけに留まりません。
 故スティーヴ・ジョブス氏が癌を告白した直後、アップル社の株価は暴落しています。
 
 TOPにとって必要な能力は、判断力、人間力等々様々ありますが、最も大切なのは健康。
 改めて留意したいと思います。

情報発信の品格

 業界に怪文書(年賀状)が出回っています。
 顔写真と実名を上げ、実在する特定個人を誹謗中傷する内容です。
 当事者が何をしたか、犯人がどういう仕打ちを受けたのかはともかく、匿名で攻撃するのはフェアじゃありません。
 
 何よりこの行為は犯罪です。
 当事者が名誉毀損で訴えれば、間違いなく警察も動きます。
 パソコンで打ち出した年賀状は、投函場所も特定できないため、足はつき難いのでしょうけれど・・・。

 かつて、前職の会社が民事再生を申請し、子会社のスポンサー付けに奔走していた頃、行く先々でこう言われました。
 「あなた、2ちゃんねる見てる。
 お宅の会社のブランドも地に落ちたもんだ。」

 自分は基本、匿名サイトを見ません。
 暇人間の悪ふざけに過ぎない、垂れ流し情報を信用する人間は、同じレベルだと認識しているからです。
 また、事実でも虚偽でも、誹謗中傷の言葉を読み込むだけで、心が病みます。

 帰社してからパソコンを開き、そこに連なるコメントにショックを受けました。
 内容を一瞥しただけで、元社員の方の書き込みが支配的であることは判ります。
 一通り目を通して感じたのは、「その書き込みの情熱を、何か別のことに活かせば良いのに」ということ。
 
 しかし割り切って考えればこれは、芸能人のゴシップ同様、有名税です。
 2ちゃんねるは、日本電産や京セラやワタミといった、立派な会社でも次々スレッドが立ちます。
 一方で、殆どの中小零細企業は、どれだけ乱れた社風であったとして、相手にされません。
 
 そういえば、賃貸仲介管理業界全国屈指の企業のスキャンダルを暴くコラムが、一昨年の業界新聞に掲載されました。
 「〇〇社の会長は、会社の創設記念パーティーに愛人を出席させる等、〇〇才過ぎても血気盛ん。
 そのエネルギーで、会社の発展成長も期待したいものだ。」
 
 こうした三流週刊誌まがいの記事はジャーナリズムとは大きく乖離しており、大義はありません。
 マスコミは勿論、社内報でも、SNSでも、ブログでも、情報を発信する者は、その情報の質で自らの品格が量られていることを、まず自覚すべきでしょう。
 自らも自省、自戒します。

中小の大企業病

 大企業と中小企業とを客観的に比較すれば、概ね前者が勝っています。
 
 ・ 資本
 ・ 財務
 ・ 人材
 ・ 待遇
 ・ 信用 ・・・

 それが全てということであるならば、大企業は百戦百勝、中小企業は百戦百敗。
 ベンチャーの出る幕はありません。
 しかし、実際には、伸び行く後発企業は星の数程ありますし、大企業とてそもそも中小企業です。

 自分は前職の会社に19番目の社員として入社し、僅か15年で680名の陣容にまで急成長しました。
 その後、自分の率いた分譲マンション事業の躓きに起因し、民事再生→破産という末路を辿ったのは記憶に新しいところです。

 中小企業が発展成長する中で、陥りがちなのが大企業病。
 多くのオリジナルグッズを作りました。 

 ・ 紙バック(大・小)
 ・ ボールペン
 ・ キーホルダー
 ・ キーケース
 ・ マウスパッド
 ・ クリアファイル
 ・ 契約書ファイル ・・・

 ブランド定着という、ボディブロー的な付加価値は認めます。
 ただ、果たして御客様がそれを求めていたのかというと疑問です。
 どちらかと云えば、自己満足だった気がします。

 成長過程では、メーカーの様な「模型が無いから」「パンフレットが無いから」「モデルハウスが無いから」、受注できない理由をそこに転嫁する営業マンも多く存在しました。
 やがて会社が成長し、模型もパンフレットもモデルハウスも手にする訳ですが、彼等の受注は伸びません。
 すると今度は、「価格が高過ぎるから」「設備のグレードが低いから」「立地が悪いから」と、別の理由を探します。
 
 本来、御客様が求めているのは、大企業的に洗練された見てくれ等ではなく、地を這い泥を舐めつつも、情熱と熱意とで大企業を凌駕してみせる提案力や人間力でしょう。

 「できない理由を排除し、どうすればできるかの可能性を追求する、ポジティヴ集団を目指します」
 弊社の経営方針は、そうした声に先回りするための布石。
 中小企業の大企業病は致命的です。

最も大切な温度感

 昨日のブログで、「下町ロケット」について触れました。
 小さな町工場が、大企業の思惑や策略に翻弄されながら、最後まで信念を貫くことで、自社のバルブをロケットに搭載し、夢と共に打ち上げるという痛快なストーリーです。
 
 ・ 大企業に対して、怯むことなく立ち向かう中小企業
 ・ 新たな戦略に、混乱しつつも前向きに突き進む
 ・ 会社や経営陣に失望し、離れて行ってしまう社員
 ・ 中小企業でありながら、保ち続けるプライド
 ・ 損得だけでなく、夢を追いかける青臭い企業風土・・・

 当然スケールも器も違いますが、フィクションの中で展開される事象の一つひとつが、会社の現状とオーバーラップし、大いに共感しました。

■  「良い歳して夢みたいなこと言うな!」って銀行に笑われて。
 だがな、良い歳したおっさんが夢見て何が悪い!
 中小企業が夢見て何が悪いんだ!

■ 社員数、年商、1部上場、それがどうした。
 この会社には、そんなものとは比較できない、世界に通用する技術力がある。
 それを培ってきた、最高の社員たちがいる。

■ 技術は嘘をつかない。
 勝つべくして勝つなんて事は、あり得ない。
 勝つか負けるか、ギリギリのところしか本当の勝負はない。

■ 難しいからこそ、やる価値があるんだ。
 どんな難問にも、必ず答えはある。
 挑戦すれば、必ず答えは出せる。
 私は、そう信じているんです。

 こうした熱めの温度感を、「ダサい」と切り捨てるのが、現代の風潮かもしれません。
 しかし、我が社が最も大切にしたいものこそ、この温度感なのです。 

夢 ~8年後の自分へ~

 今日は、仕事初め前日です。
 自分は年末から体調を崩し、文字通り寝正月。
 若い頃には、一日寝れば回復したものですが、この歳になると何日寝てもスッキリしません。

 おかげさまで、二日間ぶっ通し「下町ロケット」全編を観ることができました。
 「夢だけ追っかけても飯は食っていけないし、
 飯だけ食えても夢がなきゃつまらない。」
 池井戸潤お得意の勧善懲悪企業ドラマは、コテコテながら、何度も涙が溢れます。

 さて、大みそかから三箇日にかけて、午前3時出社だった次男も、今日は休日。
 松山に連れて来て、朝一で椿神社に初詣し、彼が映画を観る間、仕事することとします。

 仕事のハードルに直面している彼に、社会人の先輩として、父親として一通の手紙を送りました。
 感想はというと、「読んだけど、やる気は出なかった。」・・・。
 ドラマにおける、阿部寛と土屋太鳳の様な親子関係は、現実では難しいものです。

 そんな折、次男に宛てて、意外な人物から一枚の年賀状が届きました。

『 8年後の自分へ
 今、考えている夢とは、全然違う仕事に就いていると思うけど、
 今就いている仕事を精一杯頑張って下さい。
 今、考えている夢に就いていてくれていたら、
 今まで以上に頑張って下さい。
            8年前の自分より 』

 思わず鳥肌が立ちました。
 小学校6年の授業で、11歳の自分が、19歳の自分に贈る年賀状。
 そしてそれが、驚くほどタイムリーに、的確に、彼の心の奥に訴えかけます。
 事実は小説よりも奇なりです。

入念なアイドリング

 毎年思うことですが、正月三箇日はあっという間に過ぎ去ります。
 明日4日は水曜日で、休みは続きますが、私は出社する予定です。
 
 仕事初めの一日前出社は、20年来続く習慣でもあります。
 出社とは言っても、本格始動という訳ではありません。

・ 年賀状の整理
・ 郵便物やFAXの確認
・ メールチェック&返信
・ 日経新聞チェック(会社で取っているので・・・)
・ ブログup・・・

 大したことじゃない・・・と思われるでしょう。
 自分も、大したことじゃないと思います。

 しかし、これらのことを、仕事初めの5日にやろうとすると、あっという間に一日が終わってしまいます。
 つまり、大したことじゃないことに忙殺されて、大したことができなくなるのです。

 毎朝、始業3時間以上前に出社する理由も、ここにあります。
 要領の悪い自分が、始業と同時にスタートを切るには、入念なアイドリングが必要なのです。 

必要とされている証し

 この正月休みの間も、スーパーに勤めている次男は働いています。
 年末年始は書き入れ時とあって6連勤、しかも午前3時出社です。  

 友達や親戚が正月休みを楽しむ中、自分だけが仕事・・・。
 社会人一年生の彼は今、状況の厳しさを受け止めています。

 自分もかつて、某菓子店の店長を務めていましたから、気持は判らないではありません。
 クリスマスから年末年始にかけては、当然無休。
 開店前の7:00から店に出て、帰宅は21:00過ぎでした。
 ハードワークは同じでも、今の彼と当時の自分とでは、二つの違いがあります。

① お客様と直に接する or 裏で総菜を作る
 同じ15時間でも、接客しながら捌いていく前者に比較して、厨房で黙々と総菜を作る時間は、遙かに長く感じることでしょう。
 お客様の笑顔や、感謝の言葉に触れられれば、遣り甲斐も見い出し易くなります。
 
② 店長 or 一般社員
 当時サラリーマンとは言え、店舗のマネジメントを任される店長の自分は、売上の責任がありました。
 沢山のお客様に来て頂き、大忙しになって頂きたいと願う立場です。
 でありながら、余りにも忙し過ぎると、余裕が無くなります。
 
 店舗の中を走り回り、あちこちから呼び止められ、対応が遅れると叱責され、その度頭を下げ・・・。
 すると、あるまじき不謹慎な気持ちも過ります。
 「もう、お客様には来て欲しくない。」
 店長ですら、そうした邪(よこしま)な想いに駆られるのですから、一般社員の思いは推して知るべしでしょう。

 人間として、思うことは仕方ありません。
 しかし、その後、考えたいのが商売の原理原則です。

 ・ お客様に買って頂くことで利益が上がる ⇔ お客様に買って貰えなければ利益は上がらない
 ・ 利益が上がれば昇給や賞与で還元される ⇔ 利益が上がらなければ昇給も賞与も成し得ない
 ・ 利益が上がれば雇用が守られる ⇔ 利益が上がらなければ雇用が失われる
 
 私は、前職の会社の急成長と破綻の経験を通じ、この原理原則を学びました。
 忙しいということは、その会社や、お店や、社員が、必要とされていることの証し。
 多くのお客様に来て頂けることは、感謝すべき、感謝しなければならない事象。
 働くとは、仕事とはそういうことです。

 東京から帰省し、身の振り方に悩む中、今の会社から内定を貰い、心の底から感謝した、その時の気持ちを思い出し、今を乗り切って貰いたいと思います。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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