国家百年の計

 現在8%の消費税は、来年4月から10%に成ることが法律で決まっています。
 今の日本の逼迫した財政状況と、欧米諸国に比べ突出して低い税率を鑑みれば増税は必然。
 しかし、どうやら・・・というより「やっぱり」「案の定」先送りされることに成りそうです。
 
 「リーマンショックや東日本大震災の様な事象が起こらない限り、来春増税は揺るがない。」

 事あるごとに明言してきた安倍総理ですが、犠牲者数はともかくとして決して小さくはない被害をもたらした熊本地震と、G7における「恐慌前夜」の共通した見解が大義名分となりました。
 使命としている憲法改正へ向け、今夏の選挙は絶対に負けられないという想いも強かったのでしょう。

 勿論、一消費者とすれば、税負担は軽ければ軽いほど助かります。
 国の財政や将来よりも、今日のパンを憂うのが民の声です。
 そうした世論により、これまで消費税導入や増税を決定した政権は、直後の選挙で大敗を喫しているのも事実です。

 それでも、だからこそ、ここは踏ん張って欲しかったと思います。
 木を見て森を見ない、総論賛成各論反対の、稚拙なポピュリズムに翻弄されていて政治はできません。
 政治家は、国家百年の計を見据え、強いリーダーシップを発揮すべきです。
スポンサーサイト

働き方改革:後編

Q:3 幹部候補生として高学歴な人材が中途入社するものの、短期間で去っていく理由は?
A:3 MBA(経営学修士号)が邪魔になっている人がすごくいる。
 ケーススタディーを知っていて分析する力もあるから「自分はできる人材だ」と勘違いをしている。
 - 中略 -
 コンサルタント会社の業務は、経営者に「問題点はここです。こう改善すべきです。」と説明して終わり。
 だからこうした人たちには、「実行するのはあなたですよ」と言い続けている。

 まさしく、問題点の指摘、批判、論評でメシが食えるのは、コメンテーターか学者だけ。
 企業が求めているのは「評論家」ではなく「実務家」です。

Q:4 仕事とは何ですか?
A:4 僕は社員に、「明日の仕事を今日やれ」と言っている。
 本当の仕事とは、明日何が起こるか予測し、そのための準備や計画を明日までに間に合うようにしておくこと。
 それ以外は作業だ。
 作業だと毎日の繰り返しになってしまい、会社は変わることができない。」
 
 今日の仕事を今日の内に・・・これは良く言わる教訓。
 今日の仕事を明日に、明日の仕事を来週に、来週の仕事を来月に、来月の仕事を来年に・・・。
 そうやって先送りしてしまうのが凡人だからです。

 柳井氏は、「作業」と「仕事」を明確に区別しています。
 その上で、一歩先を行く「明日の仕事を今日やれ」。
 自社の未来を、自らが切り拓こうとする心掛けが伝播し、ユニクロを世界的なブランドに成長させたのでしょう。   以上

働き方改革:前編

 5月29日付日経新聞朝刊9面「日曜に考える」は、ユニクロを展開する「ファーストリテイリング」の柳井正社長のインタビューです。
 タイトルは「働き方改革に終わりなし」。
 つまらない本を読むよりもずっとためになる、金言至言が凝縮された秀逸な記事でした。
 四つの項目を抜粋し、二話に分けて御紹介します。

Q:1 働き方を変えるには意識改革も必要か?
A:1 日本の社会は「働くということ」について、真剣に考えていなかったと思う。
 大学までの教育は知識を詰め込む暗記型が中心だが、社会が求めるのは、現実の問題にぶつかった時に過去の知識も踏まえて臨機応変に対応する力であり、知識を応用して実行する力だ。
 今の若者は、会社に入るまでのことしか考えていない。
 
 以前自分は、某経済誌の取材を受けた際、同様の持論を語っています。

 『依然、知識詰め込み型、学校・教師からの指示命令型という、小中高校での教育のあり方を考えてみる必要があるでしょう。
 成績の良い生徒が偏差値の高い高校や大学に入り、やがて卒業して良い会社に就職する。
 そのプロセスには、「自分は何をして生きていくのか」を考えさせる機会が無いように思います。
 本来、こうした職業観は一生のテーマであり、もっと深く考えるべきことです。
 例えば、中学から高校に進学する時の進路相談で先生は、生徒の成績や偏差値を元に、普通科、商業科、工業科等、受験する高校を決めていきます。
 そこに、生徒の夢や意志や考えは殆ど反映されません。』

Q:2 パート社員の正社員化や、エリア限定社員の導入など、多様な人事制度に取り組み始めたことで見えてきたものは?
A:2 二極化だ。
 「正社員になったからもう安泰だ」という人と、「ここから努力して自分の能力を高めていこう」とする人。
 - 中略 -
 人間とは成長するものだと考えていたが、「成長しなくてもいい」と考える人がいた。
 それでは会社が困るので、本格的に教育すべきだと考えている。

 これぞ「ゆとり世代」そのもの。
 豊かな時代にゆとりをもって育てられた若者は、すべからく上昇志向が希薄です。
 その風潮を嘆き、文句を言っても始まりません。
 人は教育されるべき生き物ですから、企業がその役割を担うべきでしょう。     つづく

unhappyダイニング

 株式会社キッチンファクトリー代表:宇都宮貞史氏が詐欺容疑で逮捕されました。
 7年前、新規出店の融資を申し込むにあたり、実質1億円しかかからないにも関わらず、水増しした見積書や事業計画書を捏造し、金融機関に2億円を振り込ませた疑いです。
 問題の本質は、これだけでは無いでしょう。

 宇都宮貞史氏は、地元で少しは名の売れたムード歌謡歌手でもありました。
 実家の仕出し料理屋からの全面的なバックアップを受け、10年前に松山で飲食店をOPEN。
 看板や車に写真をラッピングし、自ら広告塔となって積極果敢に出店して行きます。
 ピーク時には10店舗、年商20億円を計上。
 当時は、その派手な展開を見て、「若いのにやり手だな」感心したものです。

 但し、実際の店舗のオペレーションは最悪でした。
 予約の電話はまともに通らない。
 ランチが出てくるのはオーダーから40分後。
 当然にお客様も離れ閑古鳥が鳴いていたため、破産の報を受けた時も特に驚きはありません。
 
 寧ろ驚いたのは、宇都宮氏の破産後の立ち回り方です。
 「ハッピーダイニング」から「キッチンファクトリー」へと社名を変え、僅か2ヶ月で再び自らが社長に就任し、FM愛媛のパーソナリティーは何事も無かったかの様に継続し、毎週日曜日の早朝一時間、恥ずかしげもなく自分の歌を延々と流し続けます。
 その番組は、逮捕直前の先々週までオンエアされていました。

 負債50億円、内延滞利息15億円で破産した経営者がです。
 少なくとも数年は表舞台から姿を消し、隠遁生活を送るのは当然でしょう。
 最終的に起訴されるか否かはともかく、そうした愚行を世間は許しません。

背任容疑で即逮捕

 前職の猪瀬さんもそう。
 現職の桝添さんもそう。

 ここまで追い込まれますとまず、起死回生の目は無いでしょう。
 辞任する以外に道はありません。
 
 確かに、論点を法的責任だけに絞れば、白黒つけるのは難しいし、相応の時間もかかります。
 しかし、道義的責任を絡めると、勝負あった。
 どんな調査結果を出そうと、どんな抗弁をしようと、却って火に油を注ぎます。

 「ごめんなさい」と全面的に非を認めない限り、世論を納得させることはできません。
 即ち、認めても、認めなくても、どっちに転んでも辞任は避けられないのです。

 従って、できるだけ早期に辞任を発表して、炎上を食い止めた方が賢明でしょう。
 頭の良い方なので、その辺の判断はついている筈。
 でありながら、辞めたくても辞められないのだとすれば悲劇です。

 今夏に控えた参院選挙。
 衆院解散も確実。
 ここに、都知事選は絡めたくない。
 東京五輪までの任期を睨めば・・・。

 いやいや、この状態で秋まで突っ走ることはできません。
 政治の世界が幾ら特殊でも、会社の社長がこれやったら、横領&公私混同の背任容疑で即逮捕ですから。

鋸の歯を研ぐ

 前職の会社は、とてつもなく会議・研修の多い会社でした。
 それが故に実務が削られ、限られた時間で成果を出すのは一苦労です。
 従って、起業した際は、会議・研修を最小限にしようと考えました。
 しかし最近になってつくづく、「バランスが大事だな」と思います。

 『 勤勉なきこり 』
 とある村に、一人のきこりが住んでいました。
 彼は勤勉で、日の出から日没まで、休むことなく鋸を引いて木を切り出します。
 ところが、それだけ働き続けているにも関わらず、思いのほか出荷料は伸びません。
 不思議に思った男は、きこりの傍で仕事振りを見ていて、あることに気付きます。
 長年使い続けている彼の愛用の鋸は、歯先が丸くなっているのです。
 男は、きこりに声をかけました。
 「その丸くなっている鋸の歯を研ぐと良い。
 そうすれば切れ味が蘇り、もっと生産性が上がるだろう。」
 きこりは、手も止めずに言った。
 「今は忙しい。 そんな暇は無い。」

 会議・研修を無駄だと思っている人は、まさにこの「きこり」です。
 会議と会議の間の行動が改まらない人も、この「きこり」と同じです。

 叱責やアドバイスを真摯に受け止める。
 他人の失敗も他山の石とする。
 会議・研修の内容を理解し、行動を改善し、次回の会議で報告する。
 
 鋸の歯を研ぎましょう。

気が利く社員の育成

 先日の店長会で、「気が利く社員を育成しよう」と呼びかけました。 
 言い方を変えれば、「気付きの能力の高い社員」です。
 といっても、決して高いレベルの話ではありません。

・ 他の社員のお客様が来店された際に、冷たいお茶を出して差し上げる
・ 他の社員が接客中、後から来られたお客様が立ったままだとしたら、さりげなく椅子を差し出す
・ 社員からのメールに対して、「ありがとう」の一言であっても返信する
・ お客様がお帰りの際、表に出て車を誘導し、一礼してお見送りする

 こうして文章にすると、「接客業なら当たり前じゃないか」と思うかもしれません。
 しかし、改めて社内を俯瞰してみると、その当たり前が意外にできていなかったりします。
 口煩(うるさ)い社長と思いながら、直接注意する場面もありました。
 そこで上司は、「自からの教育の至らなさ」を反省して貰いたいのです。

 先日のブログにある、研修レポートのレスポンスも、上司の姿勢が決め手に成ります。
 研修が終わった後、店舗に帰ってきた社員に、「どうだった?」と訊ねる。
 「鉄は熱い内に打てというから、早めにレポートは出した方が良いぞ」と指導する。
 部下は、一つひとつのそうしたやり取りから学び、「当たり前」のレベルが上がっていくのです。
 
 自分の部下に対して「気が利かない」と憤れば、その言葉は天に唾する様に帰ってきます。

真実は行動に表れる

 先だって実施したフォローアップ研修のレポートが届きました。

 Aさん = 当日22:00
 Bさん = 翌日
 Cさん = 翌々日
 Dさん = 一週間経過しても届かないので店長経由で督促

 同じ会社で、同じ人間に、同じ研修を実施したとしても、これだけ差が付きます。
 前職の会社では、「レポート提出は三日以内」というルールがありました。
 ルールを破ると顛末書、しかも経営計画書を数ページ手書きで模写しなければなりません。
 約二時間かかります。
 
 罪と罰を徹底することで、規律の文化が創り上げられたのは、偽りの無い事実です。
 しかし、最近になってそれは本当では無いと思う様に成りました。
 
 「ルールだからやる」「罰が嫌だからやる」
 決してそうではありません。
 多忙な中、講師が時間を取って教えてくれたことに対する礼儀や感謝の念。
 その思いを相手に伝えるのが行動です。

 22:00過ぎまでかかって、その日の内に提出してきたAさんは、そうした思いが強かったのだろうと評価します。
 一方Dさんが、「勉強に成った」とか、「ありがとうございます」とか口にしたとしても、それは嘘です。
 感謝も礼儀も希薄だったから、行動が伴わなかったのだと判断せざるを得ません。
 
 仕事も、ボランティアも、コミュニケーションも、総て共通。
 どれだけ心が美しくても誠実でも、行動しない限りは伝わらないもの。
 例え偽善や点数稼ぎやごますりであったとしても、世間は行動を評価します。

 言葉に真実はありません。
 真実は行動にのみ表れます。

必要とされる証し

 地元のシステム開発会社に入社一年の長男の話を聞いていて、思うところがありました。

 親の私が言うのも何ですが彼は、会社や仕事に対するロイヤリティが実に希薄です。
 休日に映画を観に行くのが趣味で、年間80本超もの作品を制覇。
 スクリーンだけでその数ですから、レンタルDVDやTV放映等を含めれば、下手な評論家よりも観ています。

 5月のGWも、有給休暇を2日組み込んで、10連休を取得しました。
 「プライベートを楽しむためだけに仕事をしている」
 そう公言して憚(はばか)りませんし、父親が話す「うざい」仕事観や職業感は適当に受け流します。

 「世の中、お父さんみたいな人間ばかりじゃない。少なくとも俺は違う。」
 きっとそれも本音でしょう。
 親子とは言え、別人格なので敢えて強制もしません。

 今年会社内で、あるシステム開発に当たっていた某担当者が途中で匙(さじ)を投げ、先輩と長男の二人が引き継ぎました。
 先日の土曜日、そのシステムが稼働開始。
 トラブルがあれば、二人の内の何れかに電話が入ることになっていたのだそうです。
 
 定休日、いつものようにJRで松山に出かけ、マニアックな作品を公開するシネマルナティックで映画鑑賞。
 映画マニアの彼は、上映中に鳴る他人のバイブ音が気に成るらしく、万が一に備えスマホを手元に置き、着信に備えていました。
 そして、案の定トラブルの電話がかかります。
 
 「上映中、周囲に気をつかって外に出ないといけなかった。」
 「わざわざかけて来るようなトラブルでも無いにも関わらず。」
 「平々(ぺいぺい)の自分じゃなくて、先輩にかければ良いのに。」

 帰宅してから、文句タラタラの彼でしたが、責任というものを初めて体感した瞬間でしょう。
 振り返れば自分も、二十代の頃には同様に、休みの電話に憤ったものです。
 しかし、きっと後から気付きます。
 その電話は謀らずも、貴方が必要とされている存在価値の証しだということに。

夢に日付を入れましょう

 稲盛和夫氏の名著「成功への情熱」の中に、夢・目標の大切さが説かれています。

 「私には、途方もない夢を見る癖があります。
 果てしのない夢を次から次へと見続け、その夢の中で事業を展開してゆくのです。
 その夢をただちに実現しようとする訳ではありません。
 ただ頭の中で一生懸命夢を描き続け、想像し続けるのです。」

 先頃、入社一年以内の社員を対象に、フォローアップ研修を実施しました。
 そこで、会社の将来のビジョンをお話しし、同時に受講者の方々の夢も聞かせて貰った訳です。

 すると一人は、「どうせやるからは店長を目指したい」と言い、一人は「稚拙に思うかもしれないが社長に成りたい」と言います。
 これまで、こうした具体的なポジションを目標に掲げる言葉は、余り耳にすることがありませんでした。
 少なくとも、店長や社長が、活き活きと仕事をしている様に映るからこその言葉でしょう。

 まず以て、夢は言葉にしなければ始まりません。
 ここは間違いなく、不言実行ではなく有言実行です。
 
 「言葉にして、できなかったら格好悪い」
 皆、そう思うものですが、そう考える時点で逃げ腰です。
 勇気を出して言葉にして宣言すれば、退路を絶ち腹が据わります。
  
 次に大事なのが、日付を入れること。
 「今年10月16日の宅建試験に必ず合格する!」
 「3年後までに店長になる!」
 夢に日付を入れれば目標になります。

 「素晴らしいチャンスは、ごく平凡な情景の中に隠れています。
 それは強烈な目標意識を持った人の目にしか映らないものなのです。」

 そうチャンスの神様に、後ろ髪はありません。

賢者は歴史に学ぶ

 昨日のブログで他人物賃貸について書きました。
 自分も、不動産業駆け出しの頃、他人物売買に関わる類似の失敗を繰り返しています。

1. 中古住宅の売却を依頼され、隣地の方に投げかけたところ快諾。
  トントン拍子に話が進んだにも関わらず、売主の方が契約を延期。
  確認すると、登記上の所有者である母親が、売却に難色を示しているとのこと。
  結果、これは破談となり、買主の方からは猛烈な叱責を受けました。

2. 売却依頼された土地の謄本を引き、所有者を調査したところ故人。
  窓口となる相続人の方の、「全員から処分を一任されている」という言葉を真に受けて営業開始。
  ほどなく購入希望者も現れ契約締結。
  ところが、決済を目前にして、他の相続人からクレーム。
  何とか引き渡しには漕ぎつけたものの、日本各地に散らばっている相続人の同意取り付けに、半年近く要しました。

 何れのケースも、詰めが甘いというか、プロとしてあるまじき稚拙さです。
 こうした失敗を経験しているからこそ、対岸の火事ではなく他山の石と捉えることができます。

 TVの番組ではありませんが、しくじりは最良の教師です。
 しかし、お客様にご迷惑をおかけするのは、プロとして失格でしょう。

 「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ。」 ビスマルク

 愚者の社長の元で働く皆さんは、是非歴史に学んで頂きたいと思います。

他人物賃貸

 不動産取引における、トラブルあるあるです。

1. 貸家の所有者という女性Aさんが店頭にお越し頂き、入居斡旋を依頼される。
   同一エリア、同一条件で一戸建てを探しているBさんがいらっしゃったので、渡りに船とばかりに御紹介。
   Bさんも物件を気に入り、トントン拍子の内に契約の運びとなった。
   ところが、入居後半年経ってから、Aさんの息子だというCさんが現れる。
   「この物件は亡父から、母(A)が二分の一、私(C)が二分の一の持分で相続した。
   私は、この賃貸契約について関知していない。
   所有者確認を怠った御社に、責任を取って貰いたい。」

2. アパートの所有者だという男性Dさんが来店して、「管理をして欲しい」と言います。
   善は急げとばかりに、その場で管理契約書を作成し、署名・押印・締結しました。
   順調に入居率も推移し、一年ほど経った後、Dさんの兄弟を名乗るEさんとFさんが来店します。
   「この物件は、亡父の名義となっている。
   父は一年半前に亡くなったが、相続の登記はできていない。
   相続となると、Dだけでなく当然、私達にも権利がある筈だ。」

3. 「分譲マンションの一室を貸したい」という、Gさんの相談を受けた。
   Gさん曰く、「登記上の所有者はGさんの母Hさんだが、Hさんは認知症が進行し判断能力が無い。
   他の兄弟IさんとJさんは、母の介護をGさんに押しつけ、連絡すらしてこない。
   経済的な負担も大変なので、家賃収入を介護費用の一部に充てたい。」
   気の毒に思い、お役立ちをお約束し、何とか入居斡旋が完了。
   めでたし、めでたしと思った時に、IさんとJさんが現れて・・・。

 何れも類似のトラブルです。
 当然に契約事は、判断能力の備わった所有者を貸主としなければなりません。
 複数の所有者の持分がついている場合は、その全員を貸主とするか、代表の方が賃貸の全権を託された委任状を必要とします。
 故人名義であれば相続が完了していない限り、制限能力者であれば裁判所で後見人を立てる手続きを経てない限り、いかなる契約行為もできないのです。
 
 売買なら、司法書士による所有権移転の手続きを経るため、他人物売買には至りません。
 賃貸契約や管理契約の場合は、書面だけで安易に成立してしまうことから、トラブルの温床になります。
 これまで甘く捉えていた方は、即刻その考えを改めましょう。

YeomanのY:後編

 トマトなどのナス科や、キュウリなどのウリ科の野菜は、連作に向きません。
 一つの作物を連続して栽培することで土壌の養分が損なわれるからで、収量が著しく低下したり、連作障害が発生します。
 それを避けるために考案されたのが、三圃制農法です。

『 三圃制農法 』
 耕地を三分割し、毎回作物を替えることによって地味の低下を避ける農法。
 ① 春蒔き→秋収穫 豆、大麦 等
 ② 秋蒔き→春収穫 小麦、ライ麦 等
 ③ 休耕地

 この①②③を毎回入れ替えていくことで、地味の低下が抑止され、収量が改善します。
 
 このポイントは「足るを知る」こと。
 収量にこだわれば、全ての畑に作付けしたくなるものです。

 しかし、三分の一の耕地を敢えて休ませることによって、より肥えた土地が醸成されます。
 自然の摂理に適った、偉大なる人の知恵と言えるでしょう。
 
 我々も、ヨーマンに倣い、叡智を集めた経営を目指します・・・。
 と、これは、こじつけが過ぎたかもしれません(笑)       以上

YeomanのY:前編

 入社1年までの社員4名を集め、導入研修を実施しました。
 一般常識から哲学的な話まで、質問を中心に展開したのですが、意外な程知らない。

 特に、社名の由来を答えられなかったはショックです。
 ただそれも、教えてないのだから仕方ありません。
 
 売主:買主、貸主:借主という、利益相反のお客様双方の間に立ち、中立・公正に対応する。
 NYの「N」は、ニュートラルの「N」です。
 そして、「Y」は?

『 Yeoman(ヨーマン) 』
 中世イギリスでの独立自営農民のこと。
 中世末期のイギリスで、三圃(ぽ)制農業の普及などを背景に生産力が向上し、貨幣経済の復興した。
 貨幣経済の浸透は、百年戦争・ばら戦争などで出費のかさんだ騎士階級=封建貴族(領主)を没落させ、それまで農奴身分であった農民も解放されて自立していった。
 イギリスの農村は中世末期から、没落した封建貴族と農民でも豊かな層は、ジェントリ(郷紳)となり、中間層の独立自営農民がヨーマン、その下に零細な農民というように分化した。
 ヨーマンは三圃制農法を基盤にして16世紀の絶対王政期には国王の軍事力を支え、またその中のピューリタン信仰に燃えた人々は、ピューリタン革命の中心勢力となっていく。
 しかし、18世紀の産業革命期までには三圃制農法を基盤としたヨーマンの農業経営は終わりを迎え、イギリスは地主による資本主義的な農場経営を行う近代農法に転換した。

 解説文を読むと一層難解ですが、要は「自立した従者」のこと。
 また、ヨーマンが基盤とした三圃制農法は、実に素晴らしい農法です。  つづく

最も価値ある資産

 先日、三菱自動車への資本提携をいち早く決めた、日産自動車社長カルロス・ゴーン氏の英断について触れました。
 先頃、すったもんだの末にシャープを吸収した、ホンハイ(鴻海精密工業)とは雲泥の差です。

 二年前の提携話では直前で梯子を外し、今回も引くに引かれない状況にまで追い込みながら、再び梯子を外しかけました。
 但し、ホンハイだけが悪者かと言うと、必ずしもそうではないようです。

 資本提携にしても、M&Aにしても、これまでライバル関係にあった企業が、縁組みして家族と成ります。
 そこで大切なのは、誠実さや正直さでしょう。
 リスク情報が正確に伝わって無かった・・・というのがホンハイの言い分です。

 M&Aで基本合意に至ったら、 企業価値を測るため或いはリスクを発見するために、相手方企業をデューディリジェンス(資産内容の精査)します。
 勿論、この内容次第では、破談もあり得ます。
 
 今回の二社の立ち回り方は、相手方を性善説で見たか、性悪説で見たかの違いです。
 性悪説のチェックで、リスクを徹底的に排除できたとしても、労使間の信頼関係に亀裂が生じれば意味がありません。
 その是非は、これからの再建プロセスに表れるでしょう。
 
 「最も価値のある資産は、ビジネス関係にあるすべての人々が示してくれる誠実さである」
 ドイツ「バドワイザービール」創業者 アドルファス・ブッシュ

 現預金も有価証券も不動産も、バランスシート上は重要な資産です。
 しかし、ブッシュ氏の言葉は、それよりも大切な資産が何かを教えてくれます。

理念の実践

 お客様感動満足について、以前拙文でも御紹介しました。
 お客様の満足は、期待値分の対応。

 即ち、それなりの対応でも、期待値が低ければ満足度は得られます。
 逆に、期待値が高かったならば、それなりの対応では満足できないでしょう。

 加えて、定型的なサービスや特典は当たり前で、お得感はあっても満足度は上がりません。
 「来店者全員に粗品進呈」といったサービスがそれに当たります。
 我が社も、春商戦の成約特典として、昨年は「無印良品」グッズ、今年は「カタログギフト」を提供しました。
 
 販売促進コストは約3,000円。
 このサービスは、果たして顧客満足につながったか?
 貰えるからには嬉しくないこともないが、さりとて期待を超える感動までは至らなかった筈です。

 例えば、お客様のお子様がファンであることを知った営業担当者が、「妖怪ウォッチ」のキーホルダーで鍵渡ししたらどうでしょう?
 せいぜいコストは数百円ですが、心の通うパーソナルなサービスに、感動が生まれること間違いありません。
 
 先日、マルブン小松本店で昼食した際、デザートのプリンに似顔絵とメッセージが書かれていたことで、大いに感動しました。
 誤解を恐れずに言えば、コストゼロにも関わらずです。
 
 × 「いつでも、どこでも、誰にでも」
 〇 「今だけ、ここだけ、あなただけ」
 
 営業担当者個々人が、各々のお客様に興味を持ち、「どうしたら感動して貰えるか」を考え実行する。
 お客様の喜ぶ様を見て、遣り甲斐が生まれ、モチベーションが高まる。
 まさに、笑顔の連鎖です。

 『お客様の喜びを自らの喜びとする社員が、活き活きと働く職場環境を創造します』

 毎朝唱和する理念・方針をお題目に終わらせないために、ここから実践しましょう。

火中の栗を拾う

 燃費偽装問題で、存亡の危機に立たされていた三菱自動車ですが、急転直下「日産自動作車」との資本提携がまとまりました。
 以前のリコール隠しの際は、ブランド存続のために下支えした、大株主の三菱商事や三菱重工ですら、今回ばかりは及び腰であったそうです。
 
 それもそのはず、補償額がどれほどまでに膨らむか、予想できない程にリスクは内在しています。
 一説によれば、一台当たりの補償額は約10万円。
 不正が明らかに成っている、62万5000台の補償だけで625億円です。

 更に、それ以外の車種についても不正はあったとする情報もありますし、OEM先の日産に対する損害賠償や、いつまで続くか分からない販売停止の影響等々。
 三菱と言えども、普通に考えれば倒産は免れなかったでしょう。

 失った信用を取り戻すには、スピードが重要です。
 このままの状況が数ヶ月続いたら、顧客・従業員・下請けの心は離れ、再生は不可能となったに違いありません。
 
  「リスキーだと言うが、リスクの無い経営判断など存在しない。」 カルロス・ゴーン
 
 予定している増資は、不正の全貌と賠償額、および国土交通省の判断が明らかとなった後とはいえ、火中の栗を拾う、カルロス・ゴーン氏の英断は、大いに勉強に成りました。

レッドカード

 熊本地震の窮状は、業界情報からも伝え聞こえてきます。
 エイブルネットワーク店を展開している同志、「熊本地所」のヒアリング内容が、賃貸住宅新聞一面に掲載されていました。

 『熊本中央店は、一日5~6組の来店だったのが、15~20組に急増した。
 震災被害で住まいを失った顧客が殺到し、提供できる物件が不足。
 問題に成っているのは、県が進める建物診断で、
 黄(一定の修理等を行えば使用持続可)
 赤(構造的に問題があり倒壊の危険性が高い)
 の判定を受けた入居者から上がる「転居したい」との声に応えられていない点だ。』

 阪神淡路大震災の時にもそうでしたが、犠牲者の死因の多くは、建物や家具の倒壊に伴う圧死。
 しかも、全壊家屋の大半は、昭和56年以前の、旧耐震基準でした。
 新耐震基準であれば、「命を守る器」に成り得ることが実証された訳です。

 ところが、転居がままならない住人は、余震の続く中危険な建物に住み続けなければ成りません。
 二次被害が起こる前に、行政の実行力が求められます。

ノーベル賞の帳尻合わせ

 オバマ大統領が、就任時の約束を果たすべく、広島訪問が決定しました。
 我が国としては大歓迎ですが、米国内は賛否両論だと言います。
 
 周知の通りアメリカにおいては、「広島・長崎への原爆投下が終戦を早め、日米両国の犠牲者を最小限に留め得た」として、その判断を正当化する声が支配的。
 米国のTOPが広島の地を訪れ、慰霊する行為そのものが、「加害者としての責任を認め謝罪する」こととして受け止められているようです。

 日本の中にも、謝罪を要求する声はゼロではありません。
 しかし、今回の広島訪問の真の意味は、過去の責任や謝罪といった「けじめ」のためではないでしょう。

 今や大国のみならず、北朝鮮の様に冷静な判断のできない独裁国家も、核保有国として名を連ねています。
 「核による核抑止力」という大義名分の元、核保有は外交カードの切り札に成り下がりました。
 そのリスクは、地球を数十回破滅させられる程迄に膨らんでいます。

 過去の責任や謝罪などに拘っている暇はありません。
 存在自体を地球の危機と捉え、核廃絶へ向け、政治や宗教や経済を超越し、全人類がベクトルを合わせる必要があります。

 世界唯一の核使用国であるアメリカのTOPが、世界唯一の被爆国である広島を訪問することは、そのための第一歩です。
 そしてそれは、前払いされていたノーベル平和賞の帳尻を合わせる行為でもあります。

バカコメンテーター

 以前TV共演した際、一方的に論破した橋下徹氏と、論破された森永卓郎氏が、連日共演しています。
 一時は共演NGとも噂されましたが、実態は違った様です。
  
 歯切れが良く、裏表が無く、才能に満ちた橋下氏の政界復帰を望むのは、自分だけではないでしょう。
 一方、森永氏程、的外れな主張を堂々と口にできる人も珍しい。

 橋下氏 「バカコメンテーターの井戸端会議とは違う。
      大阪の副市長のポストを用意しますから、自分でやってみて。」
 森永氏 「・・・。」

 決して森永氏だけでなく、評論家は責任がありません。
 他人のやっていることにケチをつけたり、言葉の揚げ足を取ることは得意ですが、自分が成り代わって実行などできないし、元々する気もありません。
 だから無責任に、現実離れした机上の空論を説くことができます。

 以前、森永氏が書いた本には、こんな茶番が書いてありました。
 「日本人は働き過ぎなので、休みを増やせば、旅行やショッピングやレジャーに出かけるようになり経済が回る。」
 解説するのも馬鹿馬鹿しくなるほどの論理矛盾。
 これがベストセラーなのですから、ポピュリズム(大衆迎合)がいかに危険であるか判ります。

 もっとも、この人が「経済アナリスト」を自称しているから腹が立つのであって、蛭子能収氏と同じジャンルのタレントと思えば然程気になりません。
 彼が、TV的なキャスティングを意識して、サーカスのピエロかプロレスのヒール役を演じているのだとしたら大したものです。

政争から政策へ

 会社が所属する、某団体の理事会に参加しました。
 スムーズな議事進行で、審議事項も次々と採決されていきます。
 
 俗に言う「シャンシャン理事会」を是とする訳ではありません。
 前向きな意見であれば、活発に議論されるべきでしょう。
 残念ながら過去は、必ずしも建設的でない、不毛な議論に時間を費やす場面も散見されました。

 ・ マイクを握って離さず、独壇場で私見をひけらかす
 ・ 人の発言中に、野次・怒号といった不規則発言で遮る
 ・ 特定の方を対象として行われる個人攻撃
 ・ 揚げ足取りとしか思えない様な、誹謗・中傷
 ・ 重箱の隅を楊枝で突く様な、些末な指摘
 ・ 対案を示すことのない、批判のためだけの批判・・・

 こうした言動に終始する一部の輩が、この団体の品格を貶(おとし)めてきました。
 単に、気に入らない対象をターゲットにして、追い落とさんとするだけの無責任な野党です。
 憎い仮想敵を追い落とすためであれば、昨日まで敵対していた相手と手を結ぶことすら厭(いと)いません。
 そもそも、志やヴィジョンやポリシーによって集っている訳ではないので、特に執着も節操もなく臨機応変なのです。
  
 しかし、長年続いた低次元な派閥抗争にも、そろそろ終止符が打たれようとしています。
 無益な争いを良しとしない賢者が、多数派と成りつつあるからです。

 政争から政策へ。
 それこそが、目指すべき道でしょう。

逆境時にこそ空元気

 リーダーに必要な能力は様々あります。
 判断力、決断力、統率力、傾聴力、謙虚、感謝、人徳・・・。

 力強いマンパワーで先頭に立ち、組織を引っ張っていくリーダー。
 社員の潜在能力を引き出すべく、黒子に徹するリーダー。
 それぞれタイプも分かれます。

 是非は別にして言えるのは、平常時と動乱期とでは、求められるリーダーシップが異なるということです。
 じっくりと社員の声に耳を傾け、「責任は俺が取る」として、失敗も厭(いと)わずチャレンジさせて見る・・・こうした懐の深いリーダーシップを支持する人も少なくないでしょう。
 しかし、DEAD OR ALIVE(生か死か)を問われる危機的状況において、そんな悠長なことは言っていられません。
 リアルな戦場なら、全員討ち死にです。

 先日、業績の良い店と悪い店とを対比しました。
 後者の社員は、リーダーの明確な判断、指示を待っています。
 決断を下したからには、迷わず突き進むこと。
 リーダーが迷えば、社員はより迷い、不安が増幅します。

 ここで重要なのが、部下の前で楽天的に振る舞う心掛けです。
 あたふた落ち着きのない態度や、しかめっ面ばかりを見せつけられる、部下の心情は堪りません。

 順境時は放っておいても溌剌としたもの。
 逆境時にこそ絞り出すべきなのが空元気でしょう。

 「不安だ」→「でもリーダーを見ていると何とか成りそうな気がする」→「よし頑張ろう!」
 
 モチベーションの伝播が形成逆転のスタートラインです。

良樹細根・大樹深根

 連休が明け、4月の月次決算が整いました。
 いつも同じ話を繰り返していますが、決算は経理が作るものでも、社長が作るものでもありません。

 収入を最大化し、支出を最小化すれば、利益が最大化する。
 決算は、社員の皆さんの日々の営みの結果が数字となって羅列されているだけです。

 全社的な傾向としては、右肩上がりの業績を維持しました。
 しかし、店舗別で切り分けますと、その差は歴然としています。

【 4月度売上 対前年比率 】
 A店 155%
 B店 140%
 C店 123%
 D店  48%

 これが、製造業のラインにおける生産性の指標なら一目瞭然。
 ABC3店が頑張ってフル稼働し、D店だけが怠けていたのです。
 しかし、賃貸仲介・管理業の場合、4月の数字を4月の頑張りだけでは量れません。

 物調、オーナー提案、物確、広告宣伝、店頭掲示、ランクアップ、ロープレ、写真撮影、ネット情報精査、紹介呼びかけ・・・。
 業績改善のために取り組むべき課題は、山積しています。

 上位三店は、少なくとも直近数ヶ月、一連の業務を密度濃くルーティンとしてこなしていたからこその数字です。
 今話題のライザップは、僅か二ヶ月で結果にコミットするそうですが、残念ながら我々に、そうした魔法の杖はありません。
 換言するなら、D店が挽回するには、少なくともこれから数ヶ月間に及ぶ、不断の努力が求められるでしょう。
 
 「良樹細根・大樹深根」
 
 暴風に打ち勝つ見事な枝振りの大樹も、実は目に見えない地中で、細い根を広く深く幾重にも張り巡らしているのです。

管理業者の使命と責任

 少し前の事件について解説したいと思います。

 松山地場の分譲マンション管理会社社長が、詐欺容疑で逮捕されました。
 某管理組合の修繕積立金800万円を使い込んだ疑いです。
 先日の公判で実刑判決が下っていました。

 問題は、どうやって犯行に及んだのか。
 こうした間違いが起こらない様に、印鑑と通帳を別々に管理することが法律で求められています。
 通帳は管理会社、印鑑は理事長という住み分けが一般的です。 

 管理会社の社長は、定期的に理事長の元を訪れ、
 「これが電球交換費用です。」 「これがポンプの修繕費用です。」
 と数枚の払い出し伝票を示し、印鑑を貰います。

 その際、「印影が不鮮明で再提出を求められるケースがあるので、念のためにもう一枚」として、白紙の払い出し伝票に押印を求めていたのです。
 恐るべきことに、この一枚があれば、通帳残高全額払い出しできます。

 勿論、悪事を働いた管理会社社長こそ責められるべきですが、押印してしまった理事長も不用意です。
 この管理会社社長は、愛媛県マンション管理士会の会長まで務め、公的なセミナーや新聞のコラムにも度々登場しています。
 人の良さそうな風貌と、社会的な地位が信用を高め、「よもや」「まさか」のリスクを増大した好例でしょう。

 自分は訳あって、この管理業者の業務実態を、一早く掴んでいました。
 直接の容疑は氷山の一角です。
 
 私見ながら、管理業者の監督官庁である国交省にも責任の一端はあります。
 杜撰な管理状況や、複数の管理組合からの使い込みの実態を、半年以上前から把握していたにも関わらず、業務停止や免許取消等の行政処分を下せなかった失態は明らかです。
 その放置した間に被害が拡大していたとすれば、由々しき問題でしょう。

 業種は違えども、他人様のお金を預かる者としての使命と責任を、今回の事件から学びたいものです。

他人の痛み=自らの痛み

 熊本・大分の大地震は、4月14日の第一波から3週間が経過しました。
 徐々に沈静化する傾向にはありますが、今もなお震度3前後の揺れは続いています。
 
 温泉県大分は、観光が主要産業の一つ。
 しかし、書き入れ時のゴールデンウィークを地震被害が直撃し、キャンセルが相次いでいるそうです。
 下手な自粛より、観光で貢献したいと思った人は沢山いた筈でしょうけれど、終息しない揺れに水を差されてしまいました。

 連休を利用して、全国からのボランティアも現地に駆けつけましたが、受け入れ体制が整わなかったり、悪天候による二次災害への懸念から、引き取らざるを得ないケースも少なくなかったようです。

 一人の力は限られています。
 大きなことはできません。

 公益社団法人愛媛県宅地建物取引業協会では、1,000を超える会員全員から寄付を募り、熊本の同志の元へお届けします。
 我が社では、一週間後に執り行われた全社会議の席に募金箱を設け、集めた金額を日本赤十字基金にお届けしました。
 
 金額の多寡は二の次として、国民一人当たり100円が拠出されれば100億円です。
 できる範囲の善意が集まれば、どれだけ多くの命が救われるでしょう。

 21年前の阪神淡路大震災。
 5年前の東日本大震災。
 もはや日本に、「ここなら安全」という場所はありません。

 阪神淡路大震災発生前の兵庫県は、寧ろ地震の起き難いとされたエリアでした。
 今回の熊本についても、二年前に見直された地震保険の等値区分では、最も安全とされる一等地。 
 一方、東海地方は、1970年代から大地震の到来が予想されながら、今日に至っています。 
 
 地震予知の難しさは、いつ何時我が身に降りかかるか判らないということの証明でもあります。
 つまり、いかなる災害も他人事ではありません。

 他人の痛みを自らの痛みと感じられる社員の集う会社でありたいと思いますし、そうした優しさ溢れる人々と関わって生きたいものだとも思います。

監獄ロック

 タイトルは、所属劇団「AUGHANCE」の今秋定期公演に向けて書き下ろした最新作シナリオ名です。
 とはいえコンペなので、採用されるかどうかは判りません。
 振り返れば21年前の旗揚げ以降、20本近くを書き下ろし、その内10作品が舞台化されています。 

 特に劇団創設時には、その作品の出来に関わらず、書けば採用の流れがありました。
 ところが近年は、新進気鋭のライターが台頭し、競争が激化しています。
 
 アマチュア演劇において、シナリオは重要なポイントであり、クオリティの高い作品を創り続けるために、競争は必須でしょう。
 そこに存在意義を見出しつつ、老骨に鞭を打っていきたいと思います。

 『 作者からのメッセージ 』

 命を奪った者の命を絶つ死刑制度は、決して軽々に扱うべき題材ではないでしょう。

 日本では現在、百名以上の確定囚が執行の日を待っており、年数名に対し法務大臣の印鑑が捺されます。
 グローバルな視点で見ますと、過去十年で死刑執行された国は、アメリカ、中国、インド等、一握りの少数派です。

 核による核抑止力同様、犯罪抑止力効果を訴える声は少なくありませんが、27年前に死刑を廃止したカナダの殺人発生率は、実に44%も減少しています。

 我々がホームとする内子座の花道後方脇にある検閲台は、リベラルな表現を取り締まるためのものでした。
 裏を返せば、タブーとされるテーマに敢えて対峙し、観客の皆様に問題提起することは、劇団の一つの存在意義と考えます。
 
 死刑宣告を受けなくても、不治の病に冒されなくても、人は刻一刻と死に近付き、いつか必ず死と向き合わざるを得ません。

 三名の確定囚とそれぞれの家族、そして執行までを見届ける刑務官との、ヒューマンなつながりを通じ、塀の向こう側が決して縁遠い世界ではないことを、考えるきっかけになれば幸いです。

もう半分とまだ半分

 ポジティヴとネガティヴを表す上で、よく取り上げられる「コップの水」の話です。

 喉を潤せる美味しい水が、コップの縁までなみなみと注がれています。
 喉がからからの二人の男は、共にコップを手に取り、一気に半分程飲みました。
 残り半分のコップを見つめ、二人は全く違うことを考えます。

 A : 「ああ、もう半分しかない。」
 B : 「おお、まだ半分もある。」

 置かれた状況は全く同じであるにも関わらず、思考は正反対。
 違いは、考え方だけです。

 先日の「子供の日」、10連休真っ只中の長男が、溜息交じりにこう呟きます。
 「ああ、あっという間に連休も終盤か・・・。」

 自分は、思いました。
 「まだ、三日以上あるのに・・・。」

 心のスイッチ一つで、人生は薔薇色にも暗黒にも、如何様にでも塗り潰せます。

メリハリを口にする権利

 前職の会社で、賃貸マンション・分譲マンション・住宅・リフォームと4事業部門の営業本部長を務めた時期があります。
 総勢200名近くの営業マンを総括していました。
 
 月初の定休日は、「ゼロ績研修」です。
 前の月に、定められた最低限の指標が達成できなかった「ダメ営業マン」を本社に集めて、徹底的に絞り上げます。
 参加するのは、全体の1割程度(15~20名)で、その上司も管理責任を負い同席しなければなりません。
 
 一人ずつヒアリングしていく中で、まず最初に聞くのは先月末の休日の過ごし方です。
 信じられないことに、そうした趣旨の研修に参加しながら、悪びれる様子もなく「休んでいました」と答える輩が居ます。
 
 「営業を生業(なりわい)としながら、実績の上がってない月末に、よくも休めたものだ。
 最後の最後まで諦めず、可能性を追求するのが営業の使命では無いか。 
 月末最終日の深夜24:00まで、戦いは終わっていない。
 であるにも関わらず貴方は、早々に白旗を上げて敗北宣言をしたのだ。」

 二人目からは流石に、「休んでいた」と発言するのが憚(はばから)れると思い、「宅建の勉強をしていました」と口から出まかせを言います。
 本人としては、「遊んでいた訳ではない」ということで、罪を軽くして貰おうという思惑なのでしょうけれど、そうはいきません。
 「宅建の勉強は仕事じゃない。 言い訳は武装された嘘だ。」

 今は立場上、こうした叱責をする場面は皆無です。
 しかし、人間が丸くなったとは思わないで下さい。
 口にしないだけで、心根は全く変わっていません。

 数字を上げられない営業マンは自店の足を引っ張り、
 数字を上げられない店舗は自社の足を引っ張ります。
 未達成部門の方々は、せめて「迷惑をかけた」という自覚と、「今月は取り戻すぞ」という気概だけは示して頂きたいものです。

 5月はゴールデンウィーク。
 ただでさえ閑散期で数字を上げ難い月なのに、営業日数が確実に減ります。
 
 メリハリは大事でしょう。
 「休む時は休む」、大いに結構。

 但し、肝に銘じて下さい。
 メリハリを口にできるのは、数字を上げた人間だけ。
 ハリがあるからこそのメリです。

店舗対抗コンペ

 今月、松山久米店の管理物件を対象とした、「店舗対抗リノベーションコンペ」が開催されます。
 リノベーションとは、リフォーム+イノベーションの意味です。

 雨漏りを直す、建付けを直す・・・といった、マイナスをゼロに戻すのが通常のリフォームとすれば、機能や設備やデザインを付加し、より快適な住まいを提案するのがリノベーション。

 何故、店舗対抗のコンペにしたか?というと。

1. 入居者ニーズを最も熟知した営業マンの知恵を活かす
 大家様よりも、社長よりも、多くの入居者の声を聞いているのが営業マンです。 
 その情報・知識を引き出さない手はありません。

2. 主体的に取り組むことで、より能動的な斡旋に期待
 ともすれば営業マンは、決まらない理由を並べたてるだけの、傍観者に成りがちです。
 「何故決まらないか」の発想を、「どうすれば決まるのか」に切り替えることで、当事者意識が芽生えます。
 自分達がプロデュースすれば、それなりの責任感も生まれ、積極的に決めようとするでしょう。

3. どうせ仕事をするのなら楽しく活き活きと
 大家様にとって空室対策は深刻な問題です。
 かといって、「怒られるから」「管理を外されてしまうから」という発想はネガティブ。
 店舗対抗で競い合うことで、「良いお部屋を作ろう」「一番に決めてやろう」という意識が高まり、「ゲーム感覚」を楽しみながらも成果が期待できます。

 当たり障りのない、ベーシックな提案では差別化できません。
 奇をてらい過ぎると、ストラークゾーンを狭めます。
 はたまた、コストを掛け過ぎると収支が悪化します。
 
 そして、最終的に大事なのは結果を出すこと。
 入居者も、オーナー様も、我が社も、三方良しのwin-win-winを目指しましょう。

重過ぎない制裁

 プロ野球界の盟主「読売ジャイアンツ」の野球賭博事件は、遂に逮捕者が出ました。
 勝ち負けを当てる二択のシンプルなギャンブルですが、中身は結構複雑です。

 例えば、今シーズン5連勝のエース涌井が登板予定の試合は、当然ロッテに賭け金が集中してしまいます。
 従って胴元は、データに基づきハンディを振ります。
 仮に1点のハンディが振られれば、1対0でロッテが勝っても分かれです。

 プロ野球の戦力は拮抗していますから、ハンデは1点2点の切りの良い数字だけでなく、「一点差で勝てば7割勝ち」等、仔細に区分されています。

 高校野球の場合は、戦力差が歴然とした組み合わせも多く、桑田&清原のKKコンビを擁した全盛期のPL学園等は、3点4点のハンディが振られていた筈です。
 
 言うまでもなく、野球賭博の胴元は反社会勢力です。
 賭け金1万円の場合、
 負け=全額没収、
 勝ち=9割配当の9,000円、
 差額の1,000円が胴元の手数料です。

 胴元は、ビッグデータと確率を元に、絶妙なハンディを振ることで、対戦チームのベット金額を均衡させます。
 それにより、リスクなく、確実に手数料を手にする訳です。
 勝ち半数×10%×全国規模の拡がりで、賭金総額1億円なら500万円、10億円なら5000万円。

 今回関わりを持った選手達はまだ若く、将来のエースと期待された方もいました。
 「誰しも魔が差すことはある」として、法的制裁・社会的制裁が重過ぎると指摘する声もあります。

 しかし、青少年の夢を育み、夢を与える職業として、高い倫理観を持つ必要があるでしょう。
 これを教訓として、二度と繰り返さない決意が、球界には求められます。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR