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八日目の蝉

 永作博美さん主演、「八日目の蝉」を観ました。
 以下、ネタばれのあらすじです。

【 あらすじ 】
 女は愛人として、待望の子を授かった。
 しかし、男は堕胎を強要。
 二度と子供の産めない身体になってしまう。
 
 一方、男と正妻との間に生まれる女児。
 女児を一目見ようと家を訪ねた際、衝動的に連れ去り、4年間に及ぶ背徳の逃亡生活が始まる。
 
 流れ流れて行きついた離島での、ささやかで平和なひと時。
 そんな生活の一部を切り取った一枚の写真が、偶然にも全国紙で入選を果たし、存在は世間に知れてしまう。

 逃げ出そうとする親子の元に忍び寄る捜査の手。
 逮捕、離別、裁判、そして・・・。

 ・ 育ての親への想いを引き摺り、産みの親に対して心開くことができない娘
 ・ 失われた時間を取り戻そうとするも、思うに任せず、恨みと怒りに泣く実母
 ・ 罪を償った後も、娘と暮らした4年の日々に感謝し、命の残り火を燃やす女
 
 女の目線で描かれるこのドラマは、犯罪者=「悪」という原理原則を超越し、不条理な同情と共感に浸る。
 誰も味方できない、誰も敵対視できない。
 切ない、実に切ない作品でした。

 何日か経過しても物語の余韻が残り、ヴァーチャルとリアリティの狭間に漂う・・・。
 脚本家の末席を汚す者として、いつかはこんな影響力のある作品を、舞台で表現したいものです。
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戦わずして勝つ方法

 営業の世界には、「スーパー営業マン」という方が沢山いらっしゃいます。
 「家のドアを開けるだけで、見込み度合が匂いで判る」とか、飛び込み営業でいきなり歌を唄って申込を取るとか、浮世離れしたスペシャルな話を、書籍やセミナーで数多く学びました。

 真偽の程はともかく、一般人が真似できないやり方であれば、まったく参考には成りません。
 そんな中、大変参考になる、素晴らしい営業マンを紹介します。

■ 田中敏則さん : 積水ハウス在籍27年で受注1,000棟の伝説的営業マン
■ 中澤明子さん : 不動産売買仲介手数料年間1億円を誇るスーパー営業マン
■ ジョー・ジラードさん : 15年間で13,000台の車を売った営業の神様

 何れの方も、何冊かの本を出版されています。
 田中さんと中澤さんに関しては、一緒に食事をしたこともあります。

 この三名の共通点は、全受注が紹介であるということ。
 即ち、営業しなくても仕事が取れるのです。

 先日、「ランチェスターの法則」弱者の戦略を説きました。
 紹介は、大企業であっても簡単に真似できない差別化戦略であり、一騎討ちであり、局所戦であり、一点集中主義です。
 もっと言えば、「戦わずして勝つ」最効率な営業戦略と言えるでしょう。

 我が社がここ数年来の重点戦略として進めている「BigSmile運動」は、一人ひとりのお客様の満足を追求するもの。
 あくまでも紹介は結果に過ぎませんが、少なくともその重要性を軽んじているとすれば考えを改めて下さい。
 BigSmileは、勝ち残りの必須条件です。

叡智を集める時

 弱者が強者に打ち勝つためには・・・。
 中小企業にとって永遠のテーマを、論理的にまとめたものが、「ランチェスター戦略」です。

 敵軍 : 兵力20,000人、騎馬3,000頭、鉄砲2,000丁
 自軍 : 兵力4,000人、騎馬200頭、鉄砲100丁

 常識的に見て、上記の戦力で真っ向勝負を挑むのは無謀。
 玉砕必至です。
 しかし、歴史的にみれば弱者が強者を打ち負かした事例は、枚挙に暇がありません。

 ■ 基本 : 差別化 (長篠の戦い) K’sカフェを併設する「サークルK」 
 ■ 商品 : 一点集中 (壇ノ浦の戦い) 炊き立てご飯の弁当を提供する「ポプラ」
 ■ 地域 : 局地戦 (一ノ谷の戦い) 北海道シェア№1「セイコーマート」
 ■ 流通 : 一騎討ち (桶狭間の戦い) 後発ながらドーナツで攻勢に出た「セブンイレブン」
 ■ 戦法 : 陽動戦 (日露戦争) 
 
 判り易くするために、コンビニの事例を幾つか挙げました。
 もっとも、こうした弱者の戦略すら、通用し難い時代になってきました。
 先述の「ポプラ」は「ローソン」に、「サークルK」は「ファミリーマート」に、呑み込まれつつあるのは周知の事実です。

 ランチェスター戦略は、その名の通り、戦いに勝利するための法則。
 我々賃貸管理業も、熾烈な戦いが日々繰り広げられています。
 勝ち残るために、どう差別化し、どこに集中し、どうやって戦うべきか。
 今こそ、叡智を集める時です。

恥ずかしながら

 ビジネス雑誌「PRESIDENT」のネット版、「PRESIDENT Online」の取材を受けました。
 取材の吉田さんから、「SNSやブログで紹介下さい」と言われたので、リクエストにお応えします。

 以前も書きましたが、中小企業に舞い込む取材依頼の99%は、「取材商法」と呼ばれる「有料取材」です。
 「御社の経営に大変興味を持っています。
 つきましては芸能人の〇〇さんが、〇月○日に松山入りしますので、そこで取材させて貰えませんか?」
 
 経営者は日々悪戦苦闘しています。
 努力を積み重ねてもなかなか報われず、理解されず、常に孤独です。
 そんな状況で、囁かれる甘い言葉は蜜の味。

 少しばかり名の売れた芸能人との対談ともなれば、浮つく気持ちは判らないでもありません。
 「そうかそうか、我が社を取材に来るか。」
 こうやって客観的に見ると、実に滑稽だったりします。

 いざ取材が受けてみますと、扱い枠の大きさによって価格が設定されており、見開きカラーとかになれば数十万円請求されるのが現実です。
 そこまでいっても、取材慣れしていないものだから、「そんなものかな」と納得し、発売日には大量に買い込み、お客様にお配りしたりします。
 配られた方も、「素晴らしいですね」とか美辞麗句で褒めそやしますが、知っている人は知っています。
 そもそも、大した実績も上げてない片田舎の中小企業に、興味など持つものですか。

 いかん、いかん・・・。
 こういう猜疑心に満ちた、ネガティヴな解説は蛇足でした。

 先の吉田さんは、そうした類(たぐい)の如何(いかが)わしいアプローチではなく誠実かつ真摯に向き合って貰えるライターです。
 メールのやり取りと、インタビューと、結構な時間を費やして頂いた結果、自分の半生が総括されています。
 正直な感想は、終戦に気付かないまま、たった一人でグァムに生き、四半世紀振りに帰国を果たした横井庄一さん同様、「恥ずかしながら」といった感じですが・・・。

 お暇な方は御目通し下さい。
 http://president.jp/articles/-/17349

ジャスト・イン・タイム

 繁盛期にいつも考えることです。
 接客業は、製造業の様に、仕事の作り置きができません。
 もっとも今や、製造業であっても効率を追い求めなければならない時代です。

 かつて、カルロス・ゴーン以前の日産とトヨタの差について、アナリストはこう語っています。
 
 「 日産は生産を前提として経営する。
 売れるか否かはともかく、生産能力の許す限り作り続ける。
 結果、在庫車が積み上がり、地代家賃が膨らむ。
 在庫車を売捌くために、広告費や販促費をかける。
 値引き交渉にも応じざるを得ず、利益率が下がる。

  トヨタは営業を前提として経営する。
 売れた分だけ生産するから、原則在庫を持たない。
 在庫車を保管する地代家賃や、在庫車を捌くための販促費もかからない。」
 
 「必要なものを、必要な時に、必要なだけ生産する」、「ジャスト・イン・タイム」です。
 その分、受注が立て込めば、夜間操業や休日操業も余儀なくされます。
 社員も社内も、混乱するかもしれませんが、だからこそ健全なのです。

 繁盛期は、どの店舗もてんやわんやです。
 昼食がまともにとれないことも、休みがままならないこともあるでしょう。
 
 仮に、各店舗一人増員すれば、概ね解消される筈です。
 しかし、3ヶ月の繁盛期が終わり、閑散期に成ると一転、暇を持て余すことになります。
 
 人員は、ピーク時に合わせて雇用できるものではありません。
 この忙しさも残すところ2ヶ月足らず。
 総力で乗り切って参りましょう!

不動産テック

 数年振りに、土屋先生のお話しを拝聴しました。
 宅建協会松山地区連絡協議会の研修会です。

 土屋先生は、前職の会社で不動産ビジネスカレッジを開講していた際、全面的にサポート頂いていました。
 奇しくもお互い、当時所属していた会社が無くなり、新たな会社で代表を務めているのも、何かのご縁でしょう。

 コンサルタントとは言え、単なる評論家ではなく、確かな実務経験と、豊富な知識に裏打ちされた方です。
 パワーポイント102頁にも及ぶコンテンツ満載のセミナーは、過去から未来、都心から地方、日本から世界とグローバルな視点で精緻に描かれています。

 特に興味深かったのは、「不動産テック」の台頭です。
 
【 不動産テック 】
 不動産取引のビジネスとIT(インフォメーション・テクノロジー)をかけ算したような斬新なサービス

 「SONY不動産」や「リブセンス」の取り組みに代表されます。
 ポータルサイトを窓口に、エンドユーザーと直接結びつき、取引まで完結する仕組みが一般化してきたならば、我々仲介会社や業界団体の存在意義すら問われかねないでしょう。
 先行するアメリカのポータルサイトでは、売主が依頼していない、売る気の無い物件にすら価格が付けられており、相場が出来上がっていると言います。

 集積される情報量、BIGデータの活用・応用力、手数料の減免、お客様からの信用力、広告宣伝・・・。

 圧倒的な資金力を背景に、底引き網で洗いざらい持って行く大企業ならではのスタイルは、代々一本釣りでやってきた地場業者にとって紛れもなく脅威です。
 その流れに抗って勝ち残る、差別化のポイントは何か?
 未来へ向けて、大きなテーマを与えて頂きました。 

マイナス金利時代

 遂にマイナス金利時代に突入しました。

 通常、お金を預けたら利息がつきます。
 それが逆に、お金を預けたら減るということです。

 現状の金利は、0.001%。
 1億円預けて、1年後の利息は僅か1,000円です。
 
 1990年バブル全盛時の定期預金金利は約6%。
 一億円預ければ、年間600万円と、利息だけで充分生活していけました。

 現金を家で持っておくのも不安なので、それでも銀行に預ける人もいらっしゃるかもしれませんが少数派です。
 所有しているお金の価値が薄まるインフレの動きも受け、大多数は財産を目減りさせないよう、投資を考えます。
 
 ところが、株式は年明け以降、世界同時全面安の様相を呈していますし、金価格も一時期に比べれば随分下がりました。
 その点、賃貸マンション、賃貸アパートの一棟売りは、ある程度の利回りが期待できることと、暴落リスクが無いことから、根強い人気です。

 というよりも、市場は熱狂的な買い一色で、売り物が無い状況が続いています。
 また、貸付先の無い金融機関が、収益物件を購入する投資家を積極的に煽り、その熱狂に拍車がかかっています。
 
 バブル → リーマン → アベノミクス・・・

 景気の波と歴史は繰り返します。
 一度でもどん底を経験したら、同じ轍は踏みません。
 今、熱狂の渦中にいる投資家の殆どは、歴史を知らない世代です。

 勿論、不動産の価値は絶対で、決して紙切れには成らない手堅さはあります。
 そこを踏まえた上で、金融機関が積極的に背中押しする時こそ、一際冷静に考えたいものです。

カルテを備えましょう

 来店アンケートは、会社の財産です。
 エイブル加盟料、地代家賃、広告宣伝費、販売促進費・・・。
 これらすべて会社の経費で、お客様を呼び込むためにお金をかけているのですから当然でしょう。

 ちなみに、我が社の昨年の実績で見ますと、アンケート一枚の単価は23,000円にも成ります。
 仮に100枚のアンケートがあれば2,300,000円・・・まさに一財産です。
 
 分譲マンションや住宅販売の会社になると、見込み客名簿を狙った泥棒も出現したりします。
 前職における名簿一枚当たりの単価は、約10万円でした。
 同様に100枚のアンケートがあれば、それは1000万円の価値があります。

 これだけ高価なものであると認識すれば、ぞんざいな扱いはできない筈です。
 アンケート空欄に、自分にしか判らない様な、乱暴な殴り書きを目にすることもあります。
 担当したからといっても、個人のものではありません。
 従って、誰が見ても判るように管理するのは必然です。

 アンケートの裏面には、〇月〇日に来店、△月△日に案内、□月□日に申込・・・といった追客履歴を丁寧に書き込んであるべきでしょう。
 そうすれば、担当者が外出中であっても、休日であっても、流れが引き継げます。
 そうした記録が無ければ・・・。

1. 以前うかがったのと同じ内容を、再度お客様に聞いてしまう
2. 外出(案内中・商談中)の担当者に電話をかけて、手を止めてしまう
3. 公休の担当者に電話をかけて、迷惑をかける
4. 時には、一度御紹介して断られた物件をまた紹介してしまう・・・

 追客記録は、病院診療時のカルテと同じ役割です。
 組織力でカバーするために、正確なカルテを備えましょう。

大穴の前の小穴

 先々週の土曜日から、先日の土曜日まで13連勤。
 ・・・ですが、決して働き詰めということではありません。
 先週一週間は体調を崩し、午後から通院やら早引けやらで、まともに仕事に成らず、帳尻は合いました。
 
 喉の痛み、咳、微熱、倦怠感、下痢・・・。
 万が一に備え、病院に行ってはみたものの、インフルエンザでは無かったようです。

 但し、この感染病でないことと、高熱でないことが災いし、完治を遅くしたとも言えます。
 感染病・高熱であれば、自宅で安静にして、無理な出社は控えたでしょう。

 特に我が社の場合、印鑑は自分が預かり、ネットバンキングは自分以外操作できません。
 迷惑をかけないように、ちょっとだけ顔を出す。
 ちょっとだけといっても、通勤往復に二時間かかるため、半日は仕事。
 これで引っ張ってしまいました。

 休日や時間外に関わらず、求められる時に出社するのは管理職の務め。
 いや我が社では管理職に限らず、御客様とのアポや業務締切や店舗のシフトに合わせ、フレキシブルに出勤調整して頂くことを奨励しています。
 暇な時に営業マンが何人も重なり、忙しい時に手薄になるのはナンセンス。
 公休だったので締切に間に合いませんでした・・・というのも論外です。

 先述した体調管理も同様。
 「ちょっとおかしいな」と感じたら、すぐに病院に行く。
 無理して悪化させるのではなく、早めに身体を休める。
 
 大穴を空ける前に、小穴で留める心掛けが必要です。
 公休前日夜に体調を崩し、公休明けに回復を理想とする私は、一年前の正月休みはずっと寝込んでいました(笑)。

 もっとも、それに先んじて体調を崩さない健康管理が肝要。
 大いに反省しています。

ステイタス管理

 不動産媒介には三通りの契約方法があります。

1. 一般媒介契約
  ※ その名の通り、一般的な媒介契約

2. 専任媒介契約
  ※ 業者は一社のみで他社には頼めない媒介契約

3. 専属専任媒介契約
  ※ 他社に頼めないだけでなく、自己発見も認めない媒介契約

 売れ筋の魅力的な物件の場合、専任もしくは専属専任を交わしていれば、売買成立時に少なくとも、売主側の手数料を確保できますし、あわよくば売買双方から頂ける可能性も高まります。
 
 協会では、手数料の最大化を狙った情報の出し惜しみを防止するため、指定流通機構への登録を義務付けています。
 ところが、登録情報を見た業者からの問い合わせに対しては、「商談中です」といった方便を使い断り、一般のお客様からの問い合わせには応じる、悪質な二枚舌の事例が後を絶ちません。
 早期に捌きたい筈の売主様の意向を無視する、信用を逆手にとった背信行為です。

 そこで今年から、「ステイタス管理」が導入されました。
 これは、業者だけでなく売主様からも、物件の動きが見えるシステムです。

① 公開中
② 書面による申込あり
③ 売主都合で公開停止中

 万が一、売主様の承知しないところで、②③がステイタス表示されていれば、媒介業者の契約違反が露見します。
 性悪説で管理されるのは情けない限りですが、こうした取り組みにより、少しでも業界が浄化されていけば幸いです。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン

・経歴 
 雄新中卒業 → 新田高校中退
 大工・石工と約十年職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業
 令和2年 ㈱南洋建設 代表兼任
 令和4年 ㈱たんぽぽ不動産起業

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