充分条件でない宅建

 宅建協会の地区代表は、苦情処理委員会の構成員です。
 また、各地区や県の無料相談員として駆り出されることもあります。

 当事者間でのトラブルが各支部の無料相談に持ちかけられ、各支部で解決できなかった問題が県に上がってくる仕組みです。
 様々な相談を受ける中、明らかに業者に非があることも少なくありません。
 一方、同業者として、同情的になる場面もあります。

 昨今、消費者側が手厚く取り扱われるのがトレンドです。
 例えば、重要事項について説明し、署名押印を頂いていたとしても、充分な納得が得られてない場合に、説明不足を指摘されることがあります。
 
 「言った」「言わない」となれば、正当性を立証するのは極めて困難です。
 仮に、調停や裁判を通じ、勝訴したとしても、商売として勝ったかどうかというとどうでしょう。

 費やす時間とエネルギー。
 周囲への情報拡散・風評被害。

 そう考えると、業者の立場は極めて弱いもの。
 誤解を恐れずに言うならば、法的責任を果たしていても、絶対はない訳です。

 ましてや、法的に落ち度があれば、釈明の余地はありません。
 従って、営業が宅建を持つことなど当然。
 
 それとても、無くてはならない必要条件であって、充分条件ではないのです。
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THE WINDS OF GOD

 皆さん御承知の通り、俳優の今井雅之さんが天に召されました。
 大腸癌の発症から1年足らず、屈強だった身体から20Kg以上を削ぎ落とす、壮絶な闘病の果てにです。
 
 今から10年前、当時のグループ会社社長の御紹介で、松山公演の楽屋にお邪魔しています。
 本番前、楽屋での今井さんは、TVで見るままの歯切れ良さです。  

 信じられないかもしれませんが愛媛では、思想的扇動を助長するとの理由から、昭和の末期まで高校演劇の活動が弾圧されていたため、文化的に未成熟と言われます。

 舞台「THE WINDS OF GOD」は、神風特攻隊をモチーフに、守るべきものを描いた感動の名作で、全国各地必ずスタンディングオベーションとなることで知られていました。
 正直、愛媛松山だけに心配していましたが、不安をよそに大盛況。
 自身も初めて、スタンディングオベーションを体験したのです。

 閉演後、地元劇団のメンバーも一緒に打ち上げに参加。
 やはり男らしい豪快な飲みっぷりです。
 そこで、実に印象深いシーンを目の当たりにしました。

 目の前の女性の「しゃっくり」が止まりません。
 今井さんが一言「止めてやろうか。」
 女性は、「えっ、今井さん止められるんですか・・・」
 言い終わらない内に、すっと近づき、彼女の唇を奪い、何食わぬ顔でまた酒を煽ります。
 勿論、しゃっくりは止まりました。

 目の前で繰り広げられる、映画の一コマの様な名シーン。
 格好良い今井の兄貴と、もう一度飲みたかったなぁ。
 貴重な時間を共有した劇団仲間は皆、共通の思いを噛み締めています。
 
 合掌。

第二本能を満たす

 昨日のブログで、厳しい現実を描きました。
 ここでは、仕事観を更に掘り下げてみたいと思います。
 
 仕事と人生は別々のものではありません。
 表裏一体、一体不可分の関係にあります。

 仮に、労働の対価として時間を切り売りする概念なら仕事は苦役そのもの。
 好むと好まざるとに関わらず、起きている時間の約半分は仕事。
 その殆どが苦役だとすれば、まさに牢獄です。

 仕事は、自らの頑張りによって成長でき、その成長に比例してお客様にお役立ちでき、そのお役立ちの結果として喜ばれ、感謝され、評価され、地位や報酬が与えられ、経済的な豊かさを享受できます。
 「食う、寝る、遊ぶ」の第一本能とは別にある、「自らの存在を認めて貰いたい」とする第二本能を満たしてくれるのもまた仕事です。

 仕事は仕事、遊びは遊び・・・と言った割り切りが今時の風潮。
 しかし本来、仕事が上手くいかない時には遊びも、心の底からは楽しめないのではないでしょうか。 
 一時の現実逃避はできたとしても、根本的な解決は図れません。

小善は大悪にも似たり

 今は亡き前職の会社で営業本部長を兼任していた頃、月末は戦争でした。
 爪先立ちで手を伸ばし、届くか届かないかという高い目標を掲げているだけに、最後の最後まで予断を許しません。
 達成すれば歓喜に沸き、未達に終われば臥薪嘗胆、次月に雪辱を誓います。

 月初の第一水曜日(定休日)は「ゼロ績研修」です。
 商品毎に基準を定め、到達しなかった営業マンとその上司が、挙って松山に集まります。
 最初は、営業不振者のヒアリング。
 次の質問から始まります。

 「先週の水曜日は、どう過ごされていましたか?」

 これは地雷です。
 「休んでました」とでも言おうものなら、言葉が終わらない内に雷が落ちます。

 勿論、水曜日が就業規則上の定休日であることは百も承知です。
 ただ、営業マンや営業マネージャーは、数字を作るために給料を貰っています。
 数字の義務を果たさないまま、権利だけ行使しようというのは虫が良すぎます。
 前以てお断りしておきますが、労働基準法とは別次元の話です。

 こうした営業マンや営業リーダーばかりだったら、会社は早晩つぶれます。
 中には、小ずるく空気を読んで、「宅建の勉強をしていました」とうそぶく輩もいたりしますが、当然に藪蛇。
 宅建の勉強が仕事だと思っているとしたら大間違いです。

 当時に比べれば、随分自分も「優しく」なりました。
 それは「社長」という立場が少なからず影響しています。
 数字が上がらないにも関わらず、最終水曜日に遊び呆けている営業や、営業リーダーを責めることもなく、営業不振者を休日に集めることもありません。
 
 しかし、社員にとっては、どちらが「優しい」上司でしょう。
 大善は非情にも似たり、小善は大悪にも似たり、です。

裁かれない罪人

 性懲りもなく、シナリオを一本書き下ろしました。
 
『 裁かれない罪人 』 
 - あらすじ - 
【 主人公の「なぎ」は、純朴で真面目な、田舎町のOL。
 勤務先の漁協では、共済の積立金を勝手に引き出す横領が恒常化していた。
 持ち前の正義感から、ささやかな抵抗を示す「なぎ」だったが、上司達はエスカレートするばかり。 

 ある時「なぎ」は弟から、かつての恋人が組織から追われていると聞かされる。
 足抜けのためには、まとまった金が必要と知り、なけなしの預金をすべて引き出す。
 更なる金策を求められた「なぎ」は、葛藤しながらも遂に、禁断の公金に手をつけてしまう。

 その直後、弟は一連の金策依頼が全て、巧妙に仕組まれたトラップであることを知る。
 姉を巻き込んでしまった自責の念と、行き場の無い怒りが込み上げ、衝動的に男の背中をナイフで貫く弟。

 漁協では上司達が、弟のスキャンダルを材料に、「なぎ」への引導を渡そうとしていた。
 身を呈して守ろうとする幼馴染「公平」の気持ちとは裏腹に、会計監査で「なぎ」自身の横領が発覚する。
  
 時は流れ、刑務所の面会室。
 透明の壁を隔てて対峙する「なぎ」と老齢の母。
 しかし、母の口からも、想いの託された公平の手紙からも、「なぎ」を責める言葉は見つけられない。
 
 面会終了のラストシーンで、観る者すべての気持ちを代弁する 看守の最後の独り言。 
 「私も、貴女を裁きません。」 】  
 
 今も昔も、横領や傷害といった事件はひきも切りません。
 TV画面の向こうではキャスターが、犯行の悪質性や残忍性にフォーカスし、「信じられない」「常軌を逸している」・・・切々と理解不能なスタンスを訴え、様々な言葉を駆使して犯人を糾弾します。
 
 果たして、「罪」の居場所は、そんな遠くでしょうか?
 何より世の中に、一切「罪」の無い人など存在するでしょうか?
 「罰」さえ受けなければ、「罪人」の呼称から逃れられますか?

 この物語は 、身近に潜む「罪」と「罰」にもう1つの心を覗かれてしまった少女の壮大なロマンである。
 もし、あなたに、 もう1つ顔があったら・・・(笑)
 
 ディープな引き出しから取り出した、フェアウェイ外しの一作です。

まさかやよもや

 不動産取引にリスクは付き物です。
 勿論、リスクは不動産だけに限りません。
 ノーリスクの投資など皆無です。

 株式は、その企業が破綻したら紙切れになりますし、金も相場の暴落リスクがあります。
 現金も盗難のリスクがあり、ハイパーインフレやデノミで大きく目減りする恐れもあります。
 
 不動産投資は、少なくとも紙切れになってしまうことはありませんし、通貨や物価の変動にも左右され難いものです。
 但し、物件の見極めを間違うと、購入した時点で損が確定する場合もあります。

 現場に足を運び、書類を取り寄せ、リスクを発見するのが仲介業者の務めです。
 内容によっては、そのリスクを排除するために奔走します。
 致命的なリスクであれば、商売を度外視して、取引中止を申し出ることもあるでしょう。
 
 何れにしてもリスク情報について、業者には説明責任があります。
 「聞いてなかった」「知らなかった」となると、後々トラブルに発展しますし、悪意なら詐欺です。
  
 幾つかの契約・決済を控えた今月、そのリスクに翻弄されました。
 四半世紀の経験を持ってしても、初めて遭遇する様な、「まさか」や「よもや」があるものです。
 過信や思い込みや慢心は、時に存亡をも揺るがす、企業にとってのリスクにもつながります。

オーロラに駆けるサムライ

 愛媛出身の探検家「和田重次郎」を主人公にした、「みかん一座」のミュージカル「オーロラに駆けるサムライ」を観劇しました。
 母親との親子愛をバックボーンとして、重次郎の破天荒な生き方を描いた二時間超の大作です。
 我が劇団AUGHANSE」の徳田代表も客演されています。

 2011年の初演以来、内子座や市民会館で何度も再演して来た名作ですが、今年5月、重次郎の活躍したアラスカにおいて現地の方々に御披露目したことを受け、今回の凱旋公演となりました。
 観劇したのは、そのファイナルステージです。
  
 市民会館中ホールのキャパ700席×三回公演が満員札止と、やはり戒田さんは剛腕。
 入口には開演一時間前から列ができていましたが、その中に親友の姿が・・・。
 彼は、重次郎実兄の曾孫に当たります。

 みかん一座の作品を数多く見ている訳ではありませんが、中でも本作は秀逸。
 過去の作品は、大物ゲストが出演する等バラエティー色豊かで、それなりに楽しめるものの、ストーリー展開としては少し散漫な感が否めません(あくまでも私見です)。
 本作は、史実に基づき、ぶれること無く重次郎の心情と生き様を描ききった点において、そのグローバルな世界観に没入できました。

 子役から成人まで、30名超のキャストの、演技やダンスのレベルは一級品。
 一人前説等、節目節目で脇をしっかり固めた、徳ちゃんの演技も最高でした。
 
 そして何よりも素晴らしかったのは、主役重次郎を演じた「小糸秀」さんの存在感です。
 台詞回し、表情、身のこなし、全てが一級品。
 アマチュアの域を超えた、お金を取れるアクターだと思いました(・・・ってひょっとしてプロの方だとしたら失礼)。

 トータル二時間半(本編のみ二時間)だけど、決して長さは感じさせません。
 だからこそ、幕間の休憩は不要かなとも思います(子供が多いから仕方ないか・・・)。
 
 徳ちゃん、おつかれさまでした。
 この感動を、今秋公演に活かしていきましょう。 

人を動かす要諦

 昨今、業界団体の役職を担ってみて、改めて「人を動かす」のは難しいものだと実感します。

① 役職
 まずもって、役職だけで人は動きません。
 勿論、上位者からの指示命令には、組織人として従わなければならない場面もあります。
 しかし、現場の同意を引き出すには、納得性が欠かせません。
 役職者は、そのための丁寧な説明責任が求められます。

② 正論
 正しいことが全て通るとは限りません。
 寧ろ、対立する相手にとってみれば、正しいからこそ従いたくない、という反発を生むこともあります。

③ 多数決
 多数決は、民主主義の根幹です。 
 但し、多数決によって、反対派の存在が鮮明となりますし、多数派の横暴も助長します。
 時間をかけてでも目指すべきは、全会一致であることを肝に銘じなければなりません。

④ 根回し
 議論が紛糾すると、お互いに冷静さが損なわれます。
 一旦、水入りとした上で、キーマンと目される人物とは、改めてじっくりと腰を据えて話し合うべきでしょう。
 紛糾が予想される場合には、事前の根回しが欠かせません。
 
⑤ 譲歩
 肉を斬らして骨を断つ・・・大事を通すためには、時に小事を呑み込む度量が必要です。
 それにより、相手方の上げた拳を下ろし易くしなければ成りません。

 これらのことを総合的に進めるには、それなりの眼力、判断力、実行力、そして徳が必要と成ります。
 
・ 個人的な意地の張り合い
・ 大声を上げた方が勝ち
・ 正しいことを正しく主張するだけ
・ 役職を振りかざし力で抑え込もうとする
・ 相手の言い分は聞かず批判するのみ・・・

 これでは、子供の喧嘩です。

管理業者の大罪

 賃貸管理会社にとって、滞納督促は基幹業務です。
 督促というと、ともすれば「取り立て屋」的なイメージがつきまといますが、本質は違います。

 賃貸住宅の貸借は、契約に基づくものです。
 大家さんは居住空間を提供し、入居者はその対価として家賃を支払う。
 至極、当たり前のことです。

 家賃を支払わないのは、取りも直さず契約違反。
 その契約違反を指摘し、督促するのは管理業務委託契約に基づく、管理業者の義務。
 滞納督促を怠れば、これもまた契約違反です。

 「誰でも失念することはあるのだから」
 その通り、誰しも失念はあるもの。
 だからこそ、その失念を早期に指摘し、一刻も早く振り込んで貰う必要があります。
 
 たまたま通帳に残が無くて引き落とせなかった。
 たまたま督促の郵便物を見ていなかった。
 そんな善意の人であったとしても、数ヶ月分数十万円溜まってしまったら、容易には払えません。

 悪意の常習犯であれば尚更です。
 一ヶ月数万円の家賃に困窮する人が、数十万円を払える筈がありません。
 内容証明、支払い督促・・・最終的には退去を余儀なくされます。

 また、連帯保証人は、債務者と同じ義務を負います。
 義務とはいえ、何ヶ月も溜めてからなら「何でもっと早めに言ってくれなかったのか!」と憤慨されて当然でしょう。

 『小善は大悪に似たり。 大善は非情にも似たり。』

 一見「非情」に見えようとも、早めに厳しく督促してこそ、大家さん・入居者・保証人・会社・社員の生活を守れます。
 入居者や保証人の状況や心情を慮る見せかけの「小善」で、督促の手を弛めるのは「大罪」なのです。

匿名エントリーの提案

 劇団では目下、今秋公演の脚本選考を行っています。
 発足当時は、自分が作品を出せばほぼ決まりという流れでしたが、最近では実に熾烈な争いが繰り広げられます。
 
 先日、新規に入団を希望する方にも、エントリー作品を読んで貰ったのだそうです。
 代表が「忌憚の無い意見を」と振ったところ、歯に衣着せず、作者の面前で「これは面白くない」と切り捨てました。
 
 この方に悪気はありません。
 その作品を誰が書いたのか判らないし、作者との接点も無い状況だから、本音を吐露することができたのです。
 
 確かに、作者の心情からすると、指摘が正しくても、いや正しいからこそ傷付きます。
 大袈裟に言えば、時間をかけ、命を擦り減らして生み出した我が子の様なものですから・・・。
 そうした背景を斟酌し、メンバーは、作者に気を使い、言葉を選びます。

 私見として、作者が目の前にいると言い辛いとか、本音にオブラートを被せ当たり障りなくお茶を濁す、といった慣れ合いは卒業すべきだと思っています。
 確かに酷評されると傷つきますが、それをバネにしないとレベルアップは望めません。
 クオリティの高い舞台を作り上げるために、率直な意見を、建設的に積み上げるべきです。

 そこで提案ですが、次回以降、作者の名前を伏せて審議してはどうでしょう?
 ポイントも、フォントも、行数も、縦書き横書きも・・・すべて共通にした上で、先入観を排除して土俵に上げます。
 まあ、そうしたとしても、文体や流れから、作者が判ってしまう点は否めませんが・・・。

 アマチュアとは言え、例え1,000円とは言え、お金を取る劇団として、その責任から逃げてはいけません。

身内だからこその厳しさ

 我が社には、グループ会社が数社あります。
 グループ会社間は親子関係の様なものです。

 母親が飲食店を経営しているとすれば、少し遠くても、そこに食べに行きます。
 父親がコンビニを経営しているとすれば、少し高くても、そこで買います。

 この「少し」が肝です。
 幾ら身内でも、50㎞離れた所まで、往復二時間以上かけて食べに行くことは無いでしょう。
 同様に、他店で100円のポテトチップスが、180円であれば買えません。

 というより、仮に身内が無理して購入してくれたとしても、そんな高い店はやがて淘汰されます。
 仕入れのルートを変えるなり、メーカーに直当たりするなりして、価格競争力を高める必要があります。
 
 また、サービス・対応面も同様です。
 他人なら、「対応が悪いから」という理由で他社に乗り換えれば済みます。

 しかし、何があっても使い続けなければならない身内だからこそ、しっかりとクレームを訴え、改善を申し入れる厳しさが必要です。
 甘えや馴れ合いを容認していると、早晩共倒れに成ります。

ブルーボトルに学ぶ

 昨今、庶民の消費行動が大きく変化しています。

・ レストランではステーキ等、1,000円超の高額帯メニューが人気
・ 低価格を売りにしていた、牛丼店やハンバーガーチェーンが苦戦

 この現象だけを見ると、日本は長かったデフレ経済から、遂に脱却したようです。
 消費税も、物価も、確実に上がりつつあります。
 一方で、地方都市・中小企業の所得が、物価以上に上がった訳ではないでしょう。

 先日の「ガイアの夜明け」で、今年日本上陸を果たした「ブルーボトル(BB)コーヒー」が特集されていました。 
 BBのCEOは、日本の喫茶店に触れ、人肌のおもてなしに感銘を受けて起業したそうです。

 ドトールやスタバ同様に、紙コップで頂く普通のコーヒーが550円。
 しかも、何時間も長蛇の列に並ばないと飲めません。

 最大の差別化は、ドリップの方法です。
 一般的には、作り置きを注ぐだけ、もしくはマシンでドリップするだけですが、BBの場合は顧客の目の前で、スタッフが一杯一杯丁寧にドリップしていきます。
 その時間、約4分。
 行列がなかなか解消しない理由もここにあるのです。

 それでも、顧客の表情は満足感に満ちています。
 行列を成す間は焙煎機の芳しき香りに、ドリップ中は「自分のために作ってくれている」というオーダーメイドの温かみに、そして満を持して飲むコーヒーの卓越したクオリティに、各々価値を感じて・・・。
 そう、消費行動の変化は、必ずしも経済的なゆとりではなく、価値観の変容なのです。

 デフレ下で、牛丼チェーンやハンバーガーチェーンと同じ土俵で戦おうとした地元店は、静かに市場を去りました。
 我々中小企業が生き残るには、商品やサービスをお客様の価値観に合わせる以外にありません。

男子、坂をのぼるべし

 210万人の有権者中、67%に及ぶ140万人が一票を投じた、大阪都構想住民投票。
 結果は、賛成69.5万票に対し反対71.5万票。
 維新の会の敗北に終わりました。

 負けは負けですが、僅差の惜敗です。
 橋下さんのこれまでの言動やポリシーからして、力強い言葉が聞けるものと期待していました。

 ところが、まさかの政界引退宣言。
 維新のメンバーも、支持者も、梯子を外された感が否めません。
 議論を呼んだ昨年末の総選挙の際の敗北宣言は、意地と希望を語っていました。

 「2014年12月14日、午後8時。
 開票が始まった瞬間、自民と公明が320を超える議席を獲って歴史的な勝利を収めます。
 いやもう、参りましたよ。
 勝ち目ありません!
  -中略-
 負けを認めた上で、このまま無くなっていくなんて、そんなヤワな根性してません。
 今まで何度も踏みつぶされても、ここまでやってきた。
 もう一度(党内を)引き締めます。
 立て直させてください。
 もう一回、チャンスをください。
 維新を立ち上げた時の気持ちでやります。」
 
 自虐的なさわりは、有権者の判官贔屓に訴えるパフォーマンスであったことを、後日明かしていました。
 今回の引退宣言も、世論を味方につけるためのパフォーマンスであると信じています。

 最後に「坂本龍馬」の言葉です。

 「男子は生あるかぎり、理想をもち、
 理想に一歩でも近づくべく、坂をのぼるべきである。」

コ・シラカワユウサク

 NEOの公演「コ・シラカワユウサク」を観劇してきました。
 AUGHANCEからも、二名のキャストが出演しています。
 
 昨年に続く二度目の公演の様ですが、正直NEOについては良く判っていません。
 パンフレットには知事や市長から祝辞が寄せられており、「松山市民演劇」という肩書きからしても、完全な独立系では無さそうです。

① まず以て、ホテル経営者の突然の死を受け葬儀のために集まる親戚縁者の人間模様、という設定が面白い。
② 故人の愛人とその子供の出現が波紋を呼ぶ展開の中、相続争いが淡泊であったことが残念です。 遺族各人各様の立場で、遺産に対する執着が浮き彫りになれば、更に深みを増した筈ですし、もっとコミカルに描けたと思います。
③ 舞台奥の両サイドがシェード幕で囲われており、別室でのやり取りを表現する、その発想が素晴らしい。
④ 全体を通じ場面展開が多いので、先述した奥の両サイドを適宜活用すれば、もっと小気味よい移行ができた気がします。
⑤ 但し暗転時には、バスとピアノのJAZZYな音楽で幕間をつなぐ工夫がされていたことで、洒落たムードが醸し出され、充分に楽しむことができました。
⑥ アマチュア演劇は、配役数がチケット販売に直結するため、キャストを多用しがちですが、一方で演技力のバラツキが問題となってしまいますね。
⑦ キャストの皆さんの台詞は、「脳腫瘍の手術の医療ミス」等、早口言葉の様に難易度の高いものが散見されましたが、噛むことなく見事にこなしており、練習量の豊富さが伺えました。
⑧ 流行もののギャグを使う際には、客層や賞味期限を意識する必要があります。 今「ラッスンゴレライ」も旬を過ぎてますし、使うなら「ダンソン・・・ニーブラ」がギリギリでしょう。
⑨ 山本さんが演じた葬儀屋は元車掌の設定で、通夜の司会の際、車掌特有の言い回しなのですが、誰かに「車掌か!」ってつっ込ませたかったですね。或いは「・・・次は新橋、新橋~」迄走らせるか。
⑩ DNA鑑定のくだりが、ストーリーをミステリアスなものにして、中盤大いに盛り上げてくれています。
⑪ 一方、偶然性が幾重にも重なり過ぎているため、リアリティを薄めてしまった気もします。
⑫ お手伝いさんや、不動産屋さん等、キャラの濃い役どころの方々の存在感が光っていました。

 ごめんなさい。
 どうしても作り手側の目線で見るものだから、一方的に、独善的に、好き勝手申し上げました。
 
 総論としては、人の死とか遺族の心情という難しいテーマを扱いつつ、コミカルでハートフルな温かい公演でした。
 範くん、やっひー、おつかれさま。
 今秋には、重要文化財指定の舞台で、21年目に臨みましょう。

内子座重文指定に想う

 我が劇団「AUGHANCE」のホーム「内子座」が、遂に重要文化財の指定を受けました。
 香川県の「金丸座」、熊本県の「八千代座」等に続く指定は、実に誇らしいことです。
 
 今から21年前の劇団創設時、劇団代表として、内子座について次の様に語っています。

 「日本には、重要文化財指定された、立派な芝居小屋が幾つか存在する。
 歴史的背景をバックボーンとした、ハードとしての建物の価値は、それなりに素晴らしい。
 しかし、内子座の真の魅力は、それとは別。
 著名な俳優の方々が内子座に魅せられ、手弁当で訪れ、町民が優れた舞台に触れられる。
 和太鼓演奏、カラオケ、ダンス、コーラス、そして我々の様な地元劇団が、広範に自由度高く利用することができる。
 そうした、内子座を舞台にして繰り広げる様々な表現が、町民の生き甲斐と成っている。
 仮に、指定に伴う規制によって、これらの自由度や広範性に水を差される位なら、重要文化財で無い方が良いのではないか。」

 個人的に、重文指定そのものを否定するつもりはありません。
 今回の指定も、そうした利用実態を斟酌したものであると確信しています。
 
 但し、今後の運用で厳しい制限が課せられ、それが故に町民が使い辛くなるのであれば、その時は、指定解除をも厭わない勇気と覚悟を持つべきだと思います。

 内子座の信条は、「芸に遊ぶ」。
 遊びに枠を設けられたら楽しくありません。

SNS5つのタブー

 SNSを始めて3年ほど経ちました。
 その運用の中で、個人的に留意しているポイントが幾つかあります。

1. 業績的なネガティヴ情報
 ※ ポジティヴ情報だけを掲載しても、触れない時には「悪いんだな」と予想されてしまう恐れはありますが・・・。

2. 政治的・宗教的な主張
 ※ 単純に、支持政党も、信心されている宗教・宗派も、様々な方とつながっているからです。
  但し、政治家の方はそれが仕事なので仕方ありません。
  また、「思想の合わない人とはつながらない」、と強い信念を持った方はそれでも良いでしょう。 

3. 実名を挙げての批判・誹謗中傷
 ※ これは論外ですが、稀にいらっしゃいます。
  中には、思い込みや誤解も多いのが常です。
  いきなり全世界に向けて発信するのではなく、メッセージ等を使って、1対1でやり取りすべきでしょう。

4. コンプライアンス抵触事項
 ※ 制限速度を超える猛スピードで疾走する動画や、全裸で飲食店に入る画像をupして逮捕された方がいました。
  そこまでではなくても、明らかに問題と思う記事は散見されます。
  
5. 直接的な広告・宣伝を避ける
 ※ 考え方は分かれます。
  とりあえず個人的には、広告・宣伝ツールと認識していないだけです。 

 色々と挙げましたが、見た方や読んだ方が、気持良いと受け止められて、前向きになれる内容がベストでしょう。
 おっと、これも押し付けられるものではありあません。
 あくまでも私見です。

予兆を嗅ぎ取る

 株価上昇や大震災からの復興事業本格化の影響を受け、首都圏・東日本では建築ラッシュが続き、資材が高騰し、技術者が不足し、さながらバブルの様相を呈している・・・筈でした。

 ところが、先日の日経新聞には、その先行きに暗雲が垂れ込めていると報じています。
 記事中の言葉は、ネガティヴワードのオンパレードです。

・ 消費増税以降、住宅着工件数が戻らない
・ 公共事業請負額は’14年8月以降、前年同月比でマイナスが目立つ
・ 市場では一足早く需要の鈍化傾向
・ 「一年前はフル稼働だったのに今は作業員が余り気味」鉄筋工事会社社長
・ 「仕事は一割は減っている。少なくなった仕事を作業員で分け合っている。」同上
・ 棒鋼価格は、年初比△6%、前年比△13%で二年ぶりの安値圏
・ ’15年の公共事業(官需)は、前年比△6%の見通し

 風が吹いたら桶屋が儲かる・・・。
 そこまで歪曲せずとも、もっと直接的な話しとして、新築請負価格が安くなれば、中古物件の価格も下落します。
 需給バランスの悪さを反映し、今の相場がかなり盛られているだけに、急落の恐れもあるでしょう。
 
 新聞記事の中から、予兆を嗅ぎ取り、事前に対策を講じ、有事に備える心構えが肝要です。

未来のメシの種

 4月分の「Bigsmileお客様アンケート結果」が返ってきました。
 今回は、松山久米店の河野さんが回収8、スマイルバッジ4個で、堂々の社内TOP。
 2年目ながら、多くのお客様にお役立ちできる、立派な営業マンに育ってくれました。

 さて、今回フォーカスするのは、同じく松山久米店の伊藤社員に寄せられた声です。
 「なかなか厳しい条件でしたが、親身になって色々な物件を探して下さりありがとうございました。
 丁寧な対応で、とても親しみやすかったです。
 楽しく物件探しが出来ました。
 今の家、とても気に入っています。
 また機会があれば、ぜひ伊藤さんにお願いしたいと思います。」

 我々の扱う物件で、そこにしか無いものは稀少です。
 殆どの物件は、A社でもB社でもC社でも扱えます。
 どこも同じ商品な訳ですから、決め手となるのは営業のマンパワーです。
 
 次も〇〇さんで・・・これは最大級の賛辞。
 そうした潜在的なファンを数多く集めることができれば、繁栄間違いなしです。
 
 裏を返せば、お客様の評価が気に成らない営業(店舗・会社)は、やがて淘汰されてしまいます。
 まずはアンケートを書いて頂くよう、お客様にお願いする。
 回収すれば、内容を読み込んで一喜一憂し、反省、改善する。

 売上・利益は今日のメシの種。
 お客様満足は未来のメシの種です。

最終ストレート

 一年は早いものです。
 7月決算の我が社も、着地が見えてきました。
 今期業績を四半期(3ヶ月)単位で振り返ります。

 第1Q(クォーター)、第2Qは、大きく出遅れましたが、
 第3Qで、徐々に追い上げ、捲くり、
 第4Q、一気に差し切る・・・予定です。

 ここ三年、殆どこのドラマティックパターン。
 結果オーライではありますが、必ずしも望む展開ではありません。

 本来は、毎月安定した数字を積み上げ、余裕で逃げ切りたいもの。
 そのためには、各店舗の、そして個々人の、能力・地力の向上が急務です。

 創業、僅か1年2ヶ月で四店舗を開店させたものの、急展開の歪みからやや足踏みした感は否めません。
 そして迎えた7年目の今期、1月「エイブルネットワーク大洲駅前店」新築OPEN、同じく1月「エイブルネットワーク松山余戸店」新規OPEN、5月「NYホーム・コールセンター」設立と、満を持して攻勢に転じた次第です。
 これで顧客サービスに必要なインフラは整いました。

 第三コーナーを回った最終ストレート。
 鞭を弛めることなく駆け抜けましょう! 

印紙は正本の数だけ

 少し踏み込んだ実務的なお話です。

 売買契約書には、その取引額によって収入印紙を貼付します。
 それも、「正本の数だけ」印紙を貼るという決まりです。

 つまり、甲乙丙の三者契約を交し、それぞれが正本を所持する場合は、3通すべてに貼付が求められます。
 一億円の取引なら収入印紙は6万円、正本2通なら12万円、3通なら18万円です。

 さて、逆に正本が一通であれば6万円印紙1枚のみ。
 売主、買主双方が、一通の契約書に署名・押印し、印紙を貼付した正本を買主が所持し、その写しを売主が所持すれば、印紙代は双方3万円ずつで済みます。
 署名するのも一通なので、手も楽です。

 ところが、この問題については賛否両論あります。
 ネットで検索してみると・・・。
 
 『確かに法律上は問題ない。
 但し、後々揉め事に成った際、写しは証拠能力として劣る。
 従って、売買両者公平とするため、正副双方に貼るのが望ましい。』

 ・・・といったことのようです。
 しかし、実務的な観点からすると、紛争と成った際に、写しだからといって不利になるとは思えません。
 現に、前職の会社の分譲マンションは、供給した数千戸分に及ぶ契約書は漏れなく正本一通で、売主の会社は写しだけを保管していました。
 そして、それが原因で問題になったことは一度もありません。

 この点について、同業者の社長とお話ししました。
 二人の間では「OK」の結論なのですが、果たして皆さんはどう思われますか。

時薬の効能

 先日の「母の日」、初任給を貰った長男がオードブルを発注し、義母および義弟家族と共に御相伴に与りました。

 社会人としての初任給は、生涯一度きりです。
 生まれてこの方お世話になった方々に、せめてもの恩返しをと演出した我が子の成長振りに、感慨一入(ひとしお)でした。

 我が身を振り返れば、「母の日」「父の日」を迎えても既に、実母、実父は居ません。
 「孝行をしたい時分に親はなし」
 その言葉が身に染みます。

 親に限らず、生前はその人の嫌な部分が鼻につくものでしょう。
 この世を去った後は、嫌な部分が次第に薄まり、良い想い出ばかりが膨らみます。
 これが時薬(ときぐすり)と云うものです。 

 昨年の暮れに母を亡くした直後、会社の忘年会に出席した際、開宴の挨拶でお話ししました。
 
「この度は、社員の皆様方に多大なご心配をおかけしました。
 そして過分なる御気遣い、ありがとうございます。
 本日菩提寺の高昌寺に遺骨を持ち帰り、無事葬儀を済ませることができました。
 自由奔放に生きてきた母親でしたが、亡くなってみると改めて寂しいものです。
 親孝行は、親が生きている間しかできません。
 明日からの正月休み、後悔を残さないように、しっかりと親孝行をして下さい。」

 実にありきたりな言葉ですが、それは飾ることのない実感です。
 遠隔地に住む親に、年に数回逢ったとして、後何回逢えるでしょう。
 感謝の言葉を幾度伝えられるでしょう。
 人生は有限です。

市場調査を兼ねた移動

 昨日、売買の契約で高知市大津に行った際の話です。

 地図検索のサービスで移動時間を測ると、高速道路なら2時間20分。
 一般道なら5時間。

 高速道路は、四国中央経由の大回りである上に燃費も悪く、往復8,400円とコストもかかります。
 内子の自宅から小田を越え、久万高原、仁淀川、越知、佐川、伊野と、R33号を選択しました。
 
 契約は11:00だったので、念のため5:50に出発。
 現地に着いたのは、何と8:30でした。

 恐らく、制限速度遵守で、有る程度の渋滞も考慮しているからでしょうけれど、それにしても違い過ぎます。
 まあ、近くのファミレスで朝食を兼ねて時間が潰せたので問題ありませんでしたが。

 帰路も同様の経路を通り、名高い「自由軒」越知町本店で、「みそカツラーメン」を食しました。
 この店、R33の本線から少し山に入ったところで営業しています。
 立ち寄ったのは昼時を外した14:00過ぎ・・・それでも満席で、次々お客様が押し寄せます。
 格別の産業を持たない、衰退する田舎町の不適立地でも、味のクオリティさえ高ければ繁盛できる訳です。
 
 さて、R33号沿いのガソリンスタンドは、もれなく全てレギュラー149円。
 愛媛より10円以上、自分が給油する店と比べれば20円高い設定です。
 20円と言えば、40リッターで800円・・・「みそカツラーメン」を食べて5円お釣りがきます。

 恐らくカルテル(価格談合)なのでしょう。
 一説によると、GSの月平均売上は10万リッター。
 20円違えば200万円もの差が出ます。
 気持は判らないではありませんが、消費者に選択肢の無いカルテルは頂けません。

 一般道は多少時間がかかるものの、高速道路では得られない、地域の市場や雰囲気を知ることができました。
 ONとOFFは、気持次第で表裏一体。
 楽しみを連れて共存できます。

毎日がゴールデンウィーク

 GWが終わり、最初の公休は高知へ契約に向かいます。
 売買の大型案件も、前向きに進みそうです。
 連休前に蒔いた種が、確実に芽を出し、花が咲き、実を結び、収穫の時を迎えます。 

 かつて、SONYのトップが書き下ろした本「ONとOFF」を読みました。
 OFFは流石にセレブで、フランス料理に舌鼓を打ち、高級ワインを飲みます。
 それでも、業績さえ伴えば、世間から何を言われることも無かったでしょう。
 単にそうならなかったから、この方の経営者としての評価は厳しいものです。

 昨今の風潮として、ONとOFFの切り替えが市民権を得ています。
 個人的な思いとしては、仕事が順調で無ければ、プライベートを楽しめません。
 勿論、そうした考えを社員に押し付けることはエゴでしょう。

 しかし、やるべきことをやらずして、定時で帰る、公休に休む・・・そうした社員には苦言を呈します。
 労働基準法に先んずる、人としての責任を問うからです。
 業績責任を果たせない管理職も同様。
 権利や義務を主張する以前に、結果で評価されるのがビジネスマンですから・・・。 

 5月は連休の分だけ営業日が少なくなりますが、目標は待ったなしです。
 繰越の少ない店舗には、連休前指示しました。
 「見込みのお客様に総当たりして、連休後のアポを取れ。」
 
 それが実行できたか?
 連休明けからフルスロットル営業して、結果につなげられたか?
 月末を迎えた時に、目標を達成できるか?

 業績結果は、御客様からどれだけ求められているかのバロメーター。
 結果が出せなければ、個人も店も会社も生き残れません。
 会社でも社長でもなく、お客様から、世間から、引導を渡されます。
 
 「もっと遊びたい」「もっと休みたい」
 その願いが成就し、毎日がゴールデンウィークに成ります。

五月病克服法

 4月に入社して一ヶ月が過ぎ、GWで数日間の楽しい休日を過ごし、明日からいよいよ仕事という夕方・・・。
 我が家の長男は溜息ばかり吐(つ)いていました。
 
 日曜日の夕方、TVアニメのエンディングテーマと共にナーバスな気持ちに成る、「サザエさん症候群」も同様です。
 これが昂じると、五月病に成ります。
 彼に限らず、世の中の大勢は、そんな感じでしょう。
 
 「仕事を好きに成れ!」
 と百万言説教をしても、改善できるものではありません。

 休日明け3時40分に起床して出社する自分も、20代の頃はそうでした。
 一体、いつ、どうして、仕事を楽しめる様になったのか?
 最も重要なポイントは主体性。
 主体性の鍵は「任せる」ことです。

 先輩や上司の補助業務に、やり甲斐を見出すことは簡単ではありません。
 簡単な仕事であっても、任せて貰えれば、手早く終わらせるため、或いは仕上がりを良くするため、自分成りに創意工夫を重ねます。
 出来栄えに納得できなければ、定時を過ぎてでも、休日を返上してでも、やり遂げようとするでしょう。
 自分なりに完遂すれば達成感を味わうことができますし、その成果を上司やお客様から褒められれば喜びは倍化します。
 
 一つの仕事をクリアできれば、次は更に難易度の高い仕事にチャレンジする。
 その繰り返しによって、知識やスキルが身に付き、できる喜びを知ります。

 任せることが主体性の鍵と説きましたが、それは責任と背中合わせです。
 「責任は取りたくない」「楽なポジションで良い」
 そう考える人に、やり甲斐の目覚めは訪れません。

忘れ得ぬ伯父への報恩

 連休最後の5/6、伯父の23回忌法要がありました。
 経営する石材店には18~27歳まで9年半に渡って御世話に成っています。

 幼少の頃から良くしてもらったこともあり、骨を埋める覚悟でしたが、運命的な切っ掛けから転職を決意。
 丁度その頃、心ここにあらずで集中力を切らしたからか、右足の甲に石が落ち骨折。
 一ヶ月の自宅療養を余儀なくされます。
 
 当時、従業員は親方と自分の二人であったことから、大変迷惑をかけました。 
 それでも、叔母からは「二人しか居ないから危険な目に遭わせて御免よ。誰か石工をやろうという知り合いは居ないだろうか?」と問われます。
 
 知人を紹介するどころか、自分自身が転職しようとしていたにも関わらずです。
 背信に心が痛み、辞めることを辞めようと思いました。
 
 自分を誘ってくれた前職の上司が見舞いにきた際、その意志を伝えます。
 「気持は判る。 でも松岡、それで後悔しないか?」
 この言葉で目が覚めました。
 この時、自分の意思に背き、情にほだされて人生を選択していれば、きっと後悔したでしょう。

 平成元年の大晦日、伯父の元に出向き、退職の意向を伝えます。
 強く慰留されましたが、最後は不慣れな転職を心配して「勤まらなかったら、いつでも帰って来い。」という身に余る言葉まで頂いたのです。
 
 2年後、晩年まで矍鑠(かくしゃく)としていた叔父は突然喀血し、それきり帰らぬ人と成りました。
 充分な恩返しもできないままに・・・。

 転職から四半世紀の時が流れ、様々紆余曲折はありましたが、それでも人生には満足しています。
 そして、伯父から受けた恩は忘れません。
 これまでも、これからも・・・。

知らない内子

 自分の生誕地は群馬県ですが、物心ついた頃には内子町の住人でした。
 一時的に松山や今治に居を構えましたが、人生の殆どを内子で過ごしています。

 しかし、改めて知らない内子があることを知りました。
 先日やってきた、高知の友人と町内を探索した際、初めて足を踏み入れたスポットのご紹介です。

① ヴィラ高橋邸
 高橋龍太郎翁の長男故高橋吉隆氏(元アサヒビール株式会社会長)が、郷土である内子町への思いを寄せられていたことから、その御遺族によって寄贈された邸宅です。
 実は幼少の頃、自分は高橋邸の向いに住んでいました。
 白黒TVで、アニメ「ワンダー3」がオンエアされていた頃です。
 当時、高橋家の御身内である高校生のお兄さんと共に、写ったセピア色の写真が残されています。
 今は、一日一組限定の宿として営業する傍ら、無料で入場できて、往時の生活を偲ぶことができます。

② 旭館
 元々は内子座に対抗する芝居小屋として建てられたものですが、高橋邸の前に住んでいた頃には映画館でした。
 亡母が切符もぎりをしていた縁(ゆかり)の場所です。
 映画は自由に見られましたが、真っ暗な場内が怖くて入れなかったことを記憶しています。
 昭和42年を最後に営業を終え、取り壊し寸前の廃墟と化していましたが、現在所有する森文さんが保存に乗り出し、年数回、懐かしの名画を上映されています。
 今回はゴールデンウィークということで特別に、森文の森社長に内部をご案内頂きました。
 
 何れも、中に入ったのは初めてです。
 内子座、上芳我邸、本芳我邸、八日市の町並みといった代表的な建物以外にも、少し横道を辿れば昭和レトロな遺産が点在しています。
 是非、内子町にお越し下さい。

GWのシナリオづくり

 ゴールデンウィーク恒例行事の一つは、シナリオづくり。
 所属劇団は毎年、定期公演を終えると数ヶ月のオフがあり、5月の連休明けが公募の締め切りです。
 オフと言っても、その間は本業の繁忙期なので、時間的な余裕はありません。

 おそらく、筆は早い方です。
 平均執筆期間は2~3日。
 最短は1日で一気に書き上げることもあります。
 
 但し、ストーリーが想起できれば・・・の話ですが。
 こうしてブログを毎日書き綴っていることも、一つのトレーニングになっているのでしょう。

 旗揚げ間もない頃は、殆どの作品を自分が書いていました。
 最近では、多くの脚本家達が台頭し、その争いは激化しています。
 勿論それは、一定のクオリティを確保する上で必須ですし、切磋琢磨という意味において望ましい傾向です。

 とにもかくにも、一人の発想力には限界があります。
 毎回、これが最後と思って振り絞っていますが・・・。
 過去の作品を振り返れば、随分稚拙だったなと思ったり、独りよがりな展開を省みたり、計算の無い純粋さを懐かしんだり・・・。
 
 今年は、ストライクゾーンの広い「ヒューマンコメディー」路線を捨て、「シリアスミステリー」で臨みます。
 平成9年に舞台化した「社会復帰療養所(サナトリウム)」以来の、テーマ性の重い作品です。

 次代につなぐべく「老兵去るべし」とも思いますが、更なる前進を志し、悪足掻きの一石を投じます。
 アラスカの舞台に立つ代表が、日本に戻ってくれば御披露目です。

あら探しから宝探しへ

 我々賃貸管理・仲介業に携わる営業マンにとって、重要な仕事の一つは入居改善のための提案です。

 物件が古い、西向き、三点ユニット、間取りが悪い、進入路が悪い、駐車場が停め難い、洗濯機が屋外、和室が中心、家賃が高い、掃除が行き届いていない、エレベーターが無い・・・。

 実績の上がらない営業マン(店舗・会社)は、「入居者が入らない理由」ばかりを並べ立てます。
 そもそも営業マン自身が「決まらない」と思っているのですから、お客様が気に入る筈無いのです。
 オーナー様が求めているのは、「何故入らないか」ではなく、「どうすれば入るか」の提案でしょう。
 
 という問いかけに、「家賃を下げれば・・・」と回答するのは愚の骨頂。
 そんなことは百も承知の上です。
 ペット可・・・これも最後の手段。

 はたまた、家賃の3年分、5年分もかかる高額なリフォーム提案は、オーナー様の経済観念とは大きく乖離しています。
 「お金を出してくれないから」と、オーナー様に責任転嫁してはいませんか。

 ・ 初期費用が高い・・・フリーレントを活用した5万円ポッキリプラン
 ・ 収納が少ない・・・下部クローゼット「ロフトベッド」のモデルルーム
 ・ 和室がネック・・・モダンな空間に見せる縁なしカラー畳
 ・ 部屋が暗い・・・洋室をスタイリッシュに見せる一面POPカラークロス
 ・ 西向き・・・西陽を遮ることのできるブラインド設置
 
 これらは、ポピュラーな一例ですが、最小の費用で最大の効果をもたらす方法を考えてこそ真のプロ。
 知恵を絞って絞って、カラカラに成ったタオルを更に絞り出した末に、どうにもならないとしたら、そこで初めてペット可であったり、家賃の引き下げという順番です。

 我が社で管理している某大型物件は、築年数も古く、空室が目立っています。
 しかし、入居されているテナントが、物件の価値を上げてくれるのは大きなメリットです。

 カフェ、学習塾、託児所、トランクルーム・・・。

 更に保育園も幼稚園も近接しており、働くお母さんにとっては、安心して子育てできる環境が整っています。
 家賃も低廉で、お部屋も広々。
 こうした物件を望む声は、決して少なくないと思います。 

 物件のあら探しではなく、宝探しの思考習慣を持ちましょう。      

青春同窓会

 ゴールデンウィーク真っ只中の5月2日、一人の客人が内子町にやってきました。
 いや帰ってきたという方が正しい表現かもしれません。

 彼は高知の生まれです。
 高校卒業と同時に内子の工務店に弟子入り。
 自分が石工をしていた頃、人付き合いも限られた中、唯一無二の遊び相手でした。
 
 毎晩の様に双方の家を行き来し、多感な青春期を過ごした日々が懐かしく思い返されます。
 彼が修行を終え、実家に帰る際は、別れを惜しむ友人達が馴染みの店に多数押しかけました。

 過去、結婚式の友人スピーチを四度引き受けていますが、自分の結婚式では彼に依頼しています。
 かつての思い出が走馬灯の様に思い返され、男泣きしたものです。
 月日が流れ、彼が結婚した際は、自分がスピーチを務めています。

 決して気の利いたことなど口にしないけれど、純朴さが、心優しさが、誰からも愛される彼の魅力です。
 今回、数年振りの帰省の一報を入れたところ、十名以上のメンバーが呼応しました。
 
 随分と垢抜けない言い方になりますが、まさしく青春同窓会です。
 長いブランクを経ても、気の置けない仲間達と、タイムスリップしたかの様に歓談できる。
 それもゴールデンウィークの楽しみ方の一つでしょう。
 
 そうした感慨深さから、歳を取ったなと実感する今日この頃です。

当り前じゃない健康

 俳優の今井雅之さんが、病魔と闘っています。
 十年程前、前職のグループ会社社長が今井さんと懇意であったことから、『THE WINDS OF GOD』松山公演の際に楽屋に御邪魔し、打ち上げにも参加させて頂きました。
 そのエネルギッシュな演技と、深いメッセージ性に感銘を受けたものです。

 大腸癌「ステージ4」。
 その壮絶さは、げっそりと痩せた身体からも、張りの無いかすれ声からも伺えます。

 「担当医にも言いました。
 もう生きているだけなら、きついモルヒネをどんどん打って『殺してくれ』って。
 安楽死っていうんですか? 
 その方が楽ですから…。
 こんな夜中に痛みと闘うのは、飯が食えないのは。それくらいつらいです。」

 自衛隊上がりで、心身ともに屈強に映る今井さんの言葉だけに、一層胸が痛みます。
 改めて思うのは、健康の大切さと有難味です。
 
 今日、食べること、話すこと、見えること、歩けること、安らかに眠れること・・・。
 みんな、みんな、当り前じゃありません。

 今井さんの復活を、心から祈念申し上げます。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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