人生最後の日にやること

 今日は大みそか、今年最後の日。
 以下は、アップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏の残した至言です。

 「今日が人生最後の日だったとしたら、今日やろうとしていたことは、本当にやりたいことだろうか?」
 SFの話ではありません。

 普通に日常を生きている中で、今日やろうとしていることは大概、取るに足らないことです。
 ・ 昼は美味しいラーメンを食べよう
 ・ 夜はパチンコに行こう
 ・ 今日はドラマの最終回を見よう
 ・ 友人から貰った大吟醸酒を飲もう
 ・ たまには銭湯でゆったりと湯船につかりたい・・・

 しかし、仮に今日が人生最後の日だったとしたらどうでしょう。
 先述の過ごし方も悪くありませんが、きっと後悔を残します。
 ・ 意中の人に想いを伝えたい
 ・ 愛する家族と共に過ごしたい
 ・ 自分の奏でる演奏で聴衆の心を癒したい・・・

 先日他界した母を、穏やかな気持ちで送ることができたのには、一つの理由があります。
 12月6日、子供達を連れて母に会いに行った・・・この選択と行動です。

 息子に宛てたラインには、次のメッセージが残されています。
 「生きている間に、あと何回会えるか判らんし・・・」
 仮に、この選択が無かったとしたら、自分は今も・・・いや一生後悔に苛(さいな)まれたことでしょう。
 
 人は、今がどれだけ健康でも、いつ死ぬか分りません。
 阪神淡路大震災で圧死した人も、東北東日本大震災の津波に呑み込まれた人も、よもや明日が来ない等とは思わなかった筈です。
 
 夜眠る時に死に、朝目覚めた時に新しい命が吹き込まれる。
 「一日一生」の思いで、今日を一所懸命生き切ることが、命あるものの責務であり、文字通り使命(命の使い道)なのです。
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大納会に比例する成長

 今日は、大三島に渡り、亡母の遺品整理という大仕事が控えています。
 昨日は、菩提寺「高昌寺」にて亡母の葬儀を済ませ、戒名を頂きました。

 仕事納めから大納会の流れでしたので、チェックイン後、会場の東京第一ホテルへ。
 例年は、偶数月第3水曜日の全社会議からの流れでやっていた忘年会ですが、社員の希望により営業最終日に変更した次第です。

 前職の会社でも、自分の管掌する分譲マンション事業部は、仕事納めの大納会を実施していました。
 最初は近所の居酒屋で僅か数名。
 事業の成長に従い、数年後には道後の旅館に場所を変えます。
 全盛期は中・四国・九州各処から松山に集い、100名超の規模にまで膨らみました。

 企業の成長に従って、夢を追いかける同志の輪が拡がるのは素晴らしいことです。
 我が社も6年目。
 社員も20名になります。

 一部インフルエンザで参加できない社員もいましたが、ほぼ全員が揃い、今年の労をねぎらうと共に、繁忙期へ向けての決起集会として盛り上がりました。
 そして1月には、また新たなスタッフが入社します。
 
 世の中から我々の力が必要とされることで、今年よりも来年、来年よりも再来年と、同志が増えることを祈念・期待してやみません。

最後の授業 ~おくり人編~

 年末の慌ただしさの中、他界した母と交友関係にあった方々とお話させて頂きました。

 ある男性から、こんな持ちかけがあります。

 「私は、お母さんとは40年来のお付き合いをしてきた。
 息子である貴方の了解を頂けるなら、箪笥(たんす)とTVを形見として頂きたい。」

 突然の申し出に躊躇していると、大家さんが目配せします。
 後で話を聞くと、母も生前疎(うと)んじていた、たかりの達人だと判りました。
 他人の不幸に付け込もうとする輩(やから)なら残念です。
 
 一方、良い出会いもあります。
 葬儀社の若い従業員の方です。
 決して状態の良くない遺体を、嫌な顔一つせず、丁寧に手際良く死装束へ着替えさせてくれました。

 骨を拾い、総ての仕事を終えた後、「ちょっと良いですか」と呼ばれます。

 「自分は、若い頃やんちゃをしていました。
 故人の経営されていた店(カラオケスナック)には、高校時代から仲間と足繁く通ったものです。
 煙草を吸ったり、酒を飲んだりする自分達に、
 『ここは学校の先生も来ないから好きにして良い。
 でも、ここを一歩出たら酒・煙草はやめなさい。』
 と、いつも我々をたしなめ、守ってくれたのが故人です。
 今回の仕事は大変辛かったのですが、最後の恩返しと思い精一杯務めさせて頂きました。」

 目頭が熱くなり、御礼も言葉になりません。
 我がままで、奔放で、自堕落な母でしたが、こうした言葉を聞くと感無量です。
 最後の最後に、二人から仕事観・人生観を教わった気がします。
 
 いかなる職業であっても、その仕事自体に意味があります。

遺族代表謝辞

 『 遺族代表謝辞 』
 本日は、年末の押し迫った大変お忙しい中、故後藤ミサ子の告別式に参列賜り誠にありがとうございます。

 今から遡(さかのぼ)ること半世紀、松岡家は両親と、私より6歳年上の姉との4人家族でした。
 私が7歳の時、両親は離別し、母は家を出ています。
 故人が別姓を名乗ることになった所以(ゆえん)です。

 27年前に父が、8年前に姉が他界し、残されたのは二人だけでしたが、実に縁薄い母子だったと思います。
 母は、大洲に生まれ、内子、松山、今治と奔放に生きてきましたが、約40年前に訪れたこの大三島の地をいたく気に入り、終の棲家と決めたようです。

 恐らく周囲の方からは理解し難い、一言では語れない複雑な母子関係ですが、12月3日母から突然電話がありました。
 「生きている間に、あと何回会えるだろう」
 そう思い、二人の孫(故人にとって)を連れ、12月6日に島を訪れました。
 
 その時母は、「二人(孫)の顔を見られただけでも嬉しい。私が死んだら市役所が面倒を見てくれる。お前たちに迷惑はかけない。」と遺言めいた言葉を口にするのです。
 「まあ、そんなことは今考えなくても良い。また正月に来るから。」
 言い残して島を後にしましたが、結果それが最後に成りました。

 今にして思えば母は、自らの死期を悟っていたのかもしれません。
 12月24日クリスマスイヴの日、母は自宅で、たった一人で、誰にも看取られず、天に召されました。
 そして三日の昼、やっと発見されます。
 あまりに寂しく、あまりに呆気ない旅立ちですが、心臓発作ということで、苦しみは長くは続かなかったであろうことがせめてもの救いです。

 死後既に四日目となるため、できるだけ奇麗な状態でという配慮から、急な準備となり、広く周知もできず、遺影も、和尚の姿も、御経もない簡素な告別式となりました。
 本日火葬の後、縁(ゆかり)ある内子の地に連れ帰り、松岡家之墓に納める際、和尚のお導きを頂きます。

 奇しくも両親は、45年ぶりに一つ所で過ごす訳ですが、天国ではきっと仲良くやってくれるでしょう。
 最後に、薄情な愚息に代わり、故人とお付き合い頂きました大三島の皆様方の、生前の御厚情に心より感謝申し上げます。
 本当に、本当に、ありがとうございました。

極めつけの親不孝者

 実母が亡くなりました。
 正確には、亡くなっていました。

 12月24日のクリスマスイヴ。
 よりによって世間が団欒に包まれるこの日、大三島の自宅で、誰にも看取られず、たった一人で天に召されたのです。
 それから三日間、母は凍える部屋で一人ぼっちでした。

 7歳の時、母が家を出てからというもの、一般的な概念からすると、実に縁薄い母子関係だったかもしれません。

 その空白を埋めるかの如く、昨夜は二人きりで過ごし、最後の最後に、やっと寄り添うことができました。

 人の親に成った今、頼らない、甘えない、迷惑をかけない、そんな可愛げのない愚息は、極めつけ親不孝者だったかもしれないと自省します。

 今日は告別式。
 慌ただしさの中、未だ涙する余裕はありません。
  
 合掌…。

モノに惚れるな!

 不動産の鉄則です。

・ 場所が良い
・ 地形が良い
・ 交通の便が良い
・ 入居率が高い
・ 建物のデザインが良い
・ 前面道路が良い・・・

 惚れる要素は多岐に渡ります。
 恋愛と一緒で、冷静さを奪い、欠点を目立たなくさせるのが惚れた弱みです。
 
 バブル崩壊前まで、不動産は限りある資源であり、価値は上がり続けると信じられていました。
 今日1億円で買った不動産は明日1億2000万円で売れ、接道の無い山林を担保にでも銀行は融資する、狂った経済の都市伝説です。

 熱狂の覚めた今、不動産の価値は二つしかありません。

1. 収益のリターン
 ・ 駐車場
 ・ アパート
 ・ マンション
 ・ 事業用貸地・・・
 銀行に預けて僅かな利息を貰うよりも、或いは銀行から借り入れをして利息を払ってでも、より多いリターンが見込めるのであれば買いです。

2. 将来的な転売益
 ・ 今はアパートが建っているけれど、解体後、区画割りして宅地分譲する
 ・ 今は駐車場だけれど、隣地も含めて地上げし、分譲マンション業者に転売する・・・
 勿論、取得と売却にかかる費用も含めて、儲かるのであれば買いです。
 
 色味が悪く、不揃いで傷だらけの柿だが、皮を剥いて皿に盛って食べると、意外に遜色なかった。
 その柿を加工して、ゼリーにしたら、やたらと美味いし、高値で売れる。

 見た目は赤々としていて美味しそうな柿が、実は渋柿で食べられなかった。
 その柿を焼酎につけて渋抜きするか、皮を剥いて軒先に吊るし干し柿にするか。
 手間暇かけて作ったものの、スーパーで買った方が安くて美味しかった。

 真の価値を見抜くのがプロです。 

自らが切り拓く人生

 三週間程前の拙文で、採用面接の件(くだり)をしたためました。

 http://nyhomepre.blog133.fc2.com/blog-entry-1674.html

 履歴書から読み取れる彼の人物像は、必ずしも好印象ではありません。
 正直、通常なら面接に進むこともなく、書類選考で落とすところです。

 ところが、丁度その時期に、グループ会社からオファーが入ります。
 「人手不足で困っているのだが、紹介できる人材はいないか?」
 同じグループとは言いながら、会社だけでなく仕事の内容も異なるため、グループ会社の社長と二人で再面接を行いました。

 このパターンは何度か経験していますが、「何とか就職したい」と思う面接者は、十中八九その提案を受け入れます。
 ところが彼は、不動産・・・中でも賃貸仲介の仕事がしたいという気持ちが強く、他社よりも我社に入りたいという意思が顕著です。
 その一貫したポリシーに心動かされたものの、会社の状況と事情から、後ろ髪惹かれる思いで履歴書を返送。
 それから一週間後、彼から電話が入りました。

 「アルバイトでも良いので雇って貰えませんか?」
 最後の最後まで諦めない、彼の情熱に賭けてみる気に成りました。
 
 さて、我々が営業を進める中では、他決してしまうこともあります。
 敗因分析する際、「相手が悪かった」「運が無かった」と、様々な理由を並べ、他社やお客様に責任を転嫁すれば気は楽に成ります。
 仕事、恋愛、対人関係が上手くいかない時も同様です。

 そんな時、先述の彼を思い出して下さい。
 面接時に妥協して、グループ会社へ就職する道もありました。
 履歴書が返送されてきた際、諦めて他社を志す道もありました。
 
 彼が、想う結果を射止められた理由はどこにあったでしょう。
 人生とは、運命とは、決して抗えないものではなく、強い意志と行動力で自らが切り拓くものです。

今年はまだ終わらない

 今日はクリスマスイヴ。
 今年も余すところ一週間。
 年賀状、お歳暮、忘年会、大掃除・・・。

 まことに慌ただしい年の瀬ですが、浮ついてはいられません。
 目標達成へ向けた営みという意味においては、12月も普通の月末。

 寧ろ、29日仕事納めですから、営業日数は限られます。
 明けた一月も、三が日を休むとすれば、その穴を埋めるのは大変でしょう。
 今年のテーマ「数字にこだわる」意識が明確なら、焦燥感が先立つのが当然です。

 決して、「正月に酒を飲むな!」とか、「友達と遊び呆けるな!」と言っている訳ではありません。
 仕事はメリハリですから、休む時はしっかりと休み、遊ぶ時はしっかり遊んで下さい。
 しっかり充電した上で、しっかり成果を残すべく、しっかり仕事をします。

 前職で、まったく振るわない営業マンに声掛けしていました。
 「1月から12月まで成果ゼロであったとしても、12月31日の除夜の鐘を聞く直前に、1億円の物件を両直で取引したとしたら、600万円超の粗利を手にし、帳尻は合う。」
 仮に0.1%でも可能性があるのなら、最後の最後まで諦めるな!という訓(おし)えです。

 29日の閉店後、大納会で乾杯の発声まで、今月の目標達成の意識を忘れないこと。
 4日の仕事始めには、1月の目標が明確で、スタートダッシュが切れること。

 くれぐれも、今年はまだ終わっていません。

あの鐘を鳴らすのは

 前職で苦楽を共にした、かつての同僚の会社が遂に、念願の東証マザーズ上場を成し遂げられました。

・ 高校中退後、フロアー職人となり、若くして独立起業
・ 増改築から住宅建築へと業務を拡大
・ 福証上場の夢を掲げ、分譲マンション事業へと進出
・ 近隣問題勃発により、融資が凍結され万事休す
 
 この時、ステークホルダーに迷惑をかけたくない一心で、M&A受け入れを決意されます。

・ グループ会社の社長となった後も辣腕を振るい、九州全域を束ねるエリア会社社長に就任
・ 安住よりもチャレンジを求めグループを飛び出し、もう一度一から起業
・ リーマンショックで深い傷を負い、再びの経営危機
・ 逆境を逞しく耐え抜き、福証市場最短の73か月でQ-board市場に上場

 そして今回の東証マザーズ上場。
 「七転び八起き」「波瀾万丈」という言葉は、この方のためにあると言っても過言ではありません。
 
 また、プライベートでは大検資格を取得し、慶応大学(通信制)に入学。
 マラソンやトライアスロンをもこなす、文字通り鉄人です。
 
 前職の会社には沢山のことを教わりました。
 それでも、一度躓(つまづ)くと、世間の評価は厳しいものです。

 先述の社長を筆頭に、全国に散らばった同じDNAを持つ同志が、各方面で活躍し、「流石」という評価を得てこそ、本当の意味での恩返しと言えるでしょう。
 
 K井社長、おめでとうございます。
 背中を追いかけていきますので、今後とも宜しくお願い致します。

評価面談の意義と意味

 賞与支給を前に、全社員との面談を進めています。
 その意義と意味は何でしょう?

1. 自己評価とのズレを確認する
2. 良かった点や改善点を伝え今後に活かす
3. コミュニケーションを深め期待感を伝える

 今回の面談では・・・というよりもこれまで、会社の評価と自己評価は、概ね乖離の無い結果でした。
 寧ろ、「こんなに頂けるんですか」と、良い意味で期待を裏切る形に成っています。
 大変有り難いことです。
 
 とはいえ、その結果に決して満足している訳ではありません。
 「もっと沢山の賞与を支給したい」・・・。
 だからこそ、賞与原資を確保するため「もっと沢山の利益を上げなければならない」と決意する次第です。
 
 さて、社長として社員と個別で話す機会は、決して多くありません。
 極めてシステマチックですが、賞与時実施を決めることで、年三回は強制的に確保できます。
 しかし社長は、社員の日常のすべてを見ている訳ではないでしょう。

 営業マンの評価は、直属の上司である店長に委ねています。
 従って、面談時には評価書をそのまま読み上げ、「店長はそう言っています。いかがですか?」と聞く格好です。
 時にそこでの食い違いも散見されます。

 この問題を踏まえ、プロセスを変えることにしました。
 各店長は、速やかに社員との面談を実施して下さい。
 より良い未来を切り拓くために・・・。

ジャンボミニは当たり易い?

 7人の知人と相乗りで年末ジャンボ宝くじを買いました。
 たった10枚・・・。

 しかも、「当たり易い」という理由で「ミニ」。
 「一等7000万円が190本」という触れ込みです。

 そこで、どの位、当たり易いのかを分析してみました。
 宝くじは1ユニットが1000万枚です。
 年末ジャンボミニの1等7000万円は、1ユニットで10本当たります。
 
 逆算すると7000万円を当てるには、1/10ユニット100万枚買わないといけません。
 100万枚は3億円です。
 3億円買ったらどれだけリターンするかを計算してみましょう。

【 年末ジャンボミニ 300円を100万枚 3億円分買ったら 】
1等 7000万円      1本     70,000,000円
2等  700万円      2本     14,000,000円
3等   70万円     20本     14,000,000円
4等    7万円    100本      7,000,000円 
5等  7000円  2,000本     14,000,000円  
6等   300円100,000本     30,000,000円

 トータル149,000,000円・・・還元率は49.6%です。
 つまり、3億円購入したら、半分以上損します。

 還元率50%以下は、日本の法律で決まっています。
 日本の宝くじが、世界で最も割の悪いギャンブル・・・と揶揄される所以(ゆえん)です。

 ちなみに、年末ジャンボ一等5億円はワンユニットに1枚なので、30億円分買えば1枚当たる計算。
 それに比較すれば、年末ジャンボミニは10倍も当たり易い訳です。

 どうやら額に汗して働く方が、しっかり効率は良さそう。
 努力のリターンは100%以上ですから・・・。

営業は売り込みに非ず

 評価面談時、或る社員から質問がありました。

 「管理営業の際、オーナー様にどうアプローチすれば良いのでしょう?」

 営業には、夜討ち朝駈けでお百度参り・・・というイメージが付きまといますが、今はそんな時代ではありません。
 アプローチトークは唯(ただ)一つ。

 「何かお困りのことはございませんか?」

・ 空室が多くて困っている
・ 現状回復費用負担で困っている
・ 家賃滞納が多くて困っている
・ 入居者間トラブルで困っている
・ ごみ屋敷の入居者が居て困っている
・ 違法駐車が頻繁で困っている
・ 補修費が嵩(かさ)んで困っている・・・

 どんな物件であっても、一つや二つお困りの事象がある筈です。
 その問題はオーナー様だけでなく、入居者の生活にも少なからず影響を及ぼしています。

 困りごとをお伺いした上で、改善へ向けた提案を行うのが営業。
 困りごとを除去し、win-win-winを実現するのが仕事です。

 トラブルや問題をお伺いし「これは面倒だな」と腰が引ける人は営業マン失格・・・というよりも、この仕事に適性を欠いています。

 建物が新しくて、入居者の質が良くて、空室もトラブルも一切無い物件が仮にあったとして、仲介管理会社の存在意義はどこにあるでしょう。
 建物が老朽化しているからこそ、空室が多いからこそ、入居付けが難しいからこそ、入居者モラルが地に落ちているからこそ、我々プロの力の見せどころ。
 
 営業は「売り込み」ではなく、問題点を引き出し、お役立ちの提案を行うことです。

悪い時は身から出たサビ

 業績には良い時、悪い時あって当然です。
 以前、業績不振の役員と、評価前に相談する機会がありました。
 
松岡 「賞与が利益の中からしか捻出できないことは理解して貰っていると思う。
    厳しい業績を踏まえ、それでも出すとなると、やってもやらなくても一緒に成ってしまう。
    今回ばかりは、ゼロ回答も視野に入れ、検討せざるを得ない。」

 するとその役員は、こう言うのです。

店長 「自分はゼロでも良いので、社員には出してやって下さい。」

 これを「良い格好しい」と受け止めるか、計算高いパフォーマンスと受け止めるかは自由です。
 仮に計算であったとしても、「上司(役員)とは、かくあるべき」という本質に気付いているだけ立派なものでしょう。

 自分が前職の会社で常務だった頃、業績悪化の責任を取るために、報酬の15%を二年間自主返納しました。
 当然に賞与などありません。
 
 この会社を創業して6年が経過しますが、給料カットの実例は社長だけです。
 上司は部下の前に立ち、率先して血を流す必要があります。
 その分、好業績時のリターンも大きいのですから・・・。
  
 良い時は部下のお陰さま。
 悪い時は自分の身から出たサビ。

 人の上に立つならば、何事も自己責任で受け止める謙虚さが肝要です。

算盤の許す限り

 我が社の賞与は年3回。
 従って4ヶ月に一度、全社員の評価を行います。
 今回の評価は7~10月・・・いわゆる閑散期なので成果の上がり難いシーズンです。

 賞与額決定のプロセスは、以下の通り。
1. 賞与を出すか否かを決める
2. 賞与総額を決める
3. 個々への賞与配分を決める
4. 個人面談で評価と期待を伝える

 創業以来、業績的には厳しいことも多々ありました。
 それでもこれまでは、曲がりなりにも、幾許かの額を支給し続けています。
 勿論、決して充分な額とは思っていません。 
 
 さて、我社の賞与の考え方は以下の通りです。
① 信賞必罰
 成果を上げた店(個人)には厚く、成果の上がらない店(個人)には薄く、メリハリの効いた評価を心掛けています。

② 付加価値
 給料の高い社員は、その中に仕事の期待値が含まれています。
 従って、成果が同じなら、給料の低い社員を厚くするのが道理です。

③ 役職責任
 成果が上がらなかった時、一般社員よりも店長、店長よりも役員の責任が重くなるのは当然です。

④ 非営業評価
 営業の場合、良い時には多額を手にするものの、悪い時にはゼロ評価もあり得ます。
 一方、非営業はそこまで乱高下することはありません。
 営業がSABCDと5段階評価だとすれば、非営業はABCの三段階評価というイメージです。 

⑤ 猶予期間
 出店直後、異動直後、採用直後・・・こうした事情がある際は、温情評価をします。
 しかし、一定期間経過後は、シビアな目で見ざるを得ません。

⑥ 成果指標
 契約件数・契約金額・管理取得・利益・・・これらは何れも重要な指標です。
 とはいえ、売上だけで評価する訳ではありません。
 big smileに代表されるお客様満足度やクレーム応対等、数字に表れない部分にも着目します。 
 
 最後に申し上げたいのは、「数字だけでは評価しない」とは言うものの、「数字が無ければ賞与の原資が無い」ということです。
 本来賞与は、予定を上回る利益が上がった場合、報償的に還元されるべきものでしょう。
 会社としては、算盤の許す限り還元したいと思っています。

可能性に蓋する自己暗示

 今年の宅地建物取引主任者資格試験に見事合格を果たされた、
 松山南店 森さん
 松山南店 石村店長
 松山久米店 伊藤さん
 上記三名の合格祝いで、回らない寿司(笑)を食べにいきました。

 自分の場合、資格試験は必ず一発で合格しています。
 それは決して自慢ではありません。
 怠惰で勉強嫌いな自分は、翌年も勉強するのが嫌だからです。

 前職では、13回目で合格した部下が居ました。
 換言すれば13年間勉強し続け、貴重な日曜日を13年連続でつぶし、13回分の受験料を払ったということです。
 それでも最後は合格し、今現在、不動産を生業として立派に生きています。
 成功はあと一尺掘れ、あきらめない限り失敗はありません。

 何度受けても合格できないと、自分の努力不足を棚に上げ、運命を恨んだり、どうせ受からないからと開き直ったりする人もいらっしゃいます。
 一方で、何度かの失敗の後、合格を手にした人は、その真理に初めて気付くのです。

 「過去は努力が足らなかっただけ。」
 「合格に値する努力をすれば必ず合格できる。」

 あるセミナーで、資格試験の難易度ランキングの話を聞かされました。
 講師によれば、普通運転免許と宅建を比較すると前者の方が難しいそうです。
 言うまでもなく、不動産会社社員の中で、運転免許の取得率はほぼ100%。
 方や宅建は、事務所に求められている5人に一人の専任取引主任者にすら困窮する会社が山ほどあります。

 その差は何かというと、「当り前の基準」と不便さです。
 運転免許は、取って当たり前だから、当たり前に取る。
 免許が無いと運転できず、不便だから取る。

 宅建は、無くても誰かが重説をしてくれる。
 「難しい資格」「なかなか合格できないもの」という思い込みが洗脳し、その通り合格できない。

 自らの可能性に蓋をするのは自己暗示です。

武器を使わない戦争

 予想通り、自民党が大勝しました。
 政策ではなく政局を睨(にら)み、勝機を逃さなかった安倍総理の作戦勝ちです。
 
 前回も今回も、結果は自民党の歴史的な大勝ですが、世論として自民党支持が大勢を占めていた訳ではありません。
 野党の結党や解党が相次ぎ、力が分散し過ぎたことで、対抗馬と成り得なかったのが最大の原因です。
 そして、安倍総理は、時機を見極める才覚に長けた大将と言えるでしょう。

 かつて首相待望論もあったカリスマ党首が率いる新党も、常に政局の渦の中心でキャスティングボードを握り続けた代表の党も僅か二議席に終わり、一つの時代の終わりを感じさせます。

 前回選挙で台風の目と成り得た党首は、内輪揉めとスキャンダルから解党に追い込まれ、止むを得ず無所属として出馬。
 しかし、野党第一党の党首と同様に、自らの議席を失いました。

 中小企業家同友会で御一緒させて頂く、元代議士の方が言われていた言葉を思い出します。
 「議員にとって落選は倒産。
 その瞬間から無収入が確定し、社員(秘書・事務員)には解雇通知が成される。」
 本日、落選議員の事務所では、別の意味での「解散」が告げられるのでしょう。
 
 政局もスポーツもビジネスも同じ。
 店舗は戦いに負ければ撤退を余儀なくされますし、会社は戦いに敗れれば倒産します。

 大義も倫理も誠実さも重要ですが、勝負するからには、勝たねば話に成りません。
 賛否両論分れようとも、勝てば官軍。
 『ビジネスは武器を使わない戦争』です。

善なる公私混同:後編

 今回、大洲駅前店の移転に際し、看板サインも新調しますが、デザインの統一性という意味合いから、すべて本部手配に成ります。
 大阪の広告会社からの見積もりは、思いの外高額。
 そこで、地元でできる工程は可能な限り分離発注することにしました。

 まず、看板を照射する照明工事を、地元の施工会社に分離。
 次に、看板・サインの取り付け施工を、地元の看板業者に分離。
 更に、デザイン製作のコストを、最終的にネゴ。
 これによるコスト削減は、実に20万円以上です。
 
 20万円稼ぐのが、どれだけ大変かは説明するまでもないでしょう。
 売上の有る無しに関わらず、家賃も、電気代も、社員の給料も、待ったなし。
 最初の売上5万円を手にしたのは、OPENから数週間後でした。 

 5店舗にもなりますと、社長がいちいち口を挟むこともできませんし、一件一件相談を受ける訳にもいきません。
 店長を信頼し、裁量に任せ、小口の財布を預けています。
 その際、求めるのは、良い意味で公私混同できる人材です。

 ■ 悪い公私混同 = 会社の経費を自分の金の様に使う
 ■ 善い公私混同 = 自分の財布から出す様に会社の金を使う

 机でも椅子でも、2,000円のものよりは、5,000円のものが良いのは当然です。
 座り心地が悪過ぎて、長居できないのでは本末転倒。
 要は、自分の財布からお金を出すとすれば、どれを選ぶのかというバランス感覚です。

 必要なところには惜しみなく使う一方で、節約できるところは節約し、値切れるところは限界まで値切る。
 それができてこそ、真の経営者と言えるでしょう。      以上

善なる公私混同:前編

 年末も押し迫りましたが、正月気分に浸る余裕はありません。
 年明け早々の1月に、大洲駅前店の新築移転OPEN、松山エリア4店目のOPENを控えているからです。

 まずもって、新規OPENできることに感謝します。
 一方で、決して浮ついてはいけないとも思います。

 我々の業界は原則、オープニングセールという概念がありませんから、新規出店に売上はついてきません。
 ついてくるのはコストだけ。 
 
 出店前には、コピー機、電話機を始めとして、大量の什器、備品の購入が必要です。
 だからこそ、1円でも安く抑える、創意工夫が求められます。

 今から6年前、NYホームは大洲で産声を上げました。
 その際、当然に売上はゼロです。
 
 今は取締役となった滝井店長と二人で、松山の「なんでも売ります買います」店舗をハシゴして、デスクやロッカーや接客用の椅子を購入。
 殆どの備品類は、近くの100円ショップで揃えます。

 安い賃料で古いテナントを確保したため、手直しは入居者持ちです。
 色褪せていた木製の廻り縁や巾木は、100円ショップで刷毛とペンキと養生テープを購入し、自分達の手で塗りました。
 専門業者に発注したとすれば、最低でも2~3万円はかかります。

 また、店の奥に腰高のガラス窓がありました。
 ブラインドの見積もりを取ると、かなりの高額です。
 そこで、やはり100円ショップのチープなロールスクリーンで済ませます。
 ニトリ製1,280円のブラインドを購入設置したのは、1年以上経過し、有る程度経営が安定した後です。  つづく

仕方なくない

 12月12日付日経新聞。
 三浦知良選手のコラム「サッカー人として」は、またまた秀逸でした。

 『今年はプロ生活29年間で一番試合に出られなかった一年だった。
 年齢からして「仕方ないよ」という人はいるかもしれない。
 でも「仕方ない」というふうに考えるのは、それは仕事を辞めるときだ。
 僕は仕方ないなんて思わない。
 何かが足りず、失敗したからこの結果がある。
 オフのいま、それを見つめなおしている。』

 ビジネスでも同じです。
 結果が出せる時も、結果が出せない時もあります。
 好調だからといって、必ずしも最大限の努力をしているとは限りませんし、
 不調だからといって、必ずしも怠けている訳ではないでしょう。

 でもプロは、結果で評価されます。
 
 「これだけやっているのに・・・」
 「業界全体が落ち込んでいるから・・・」
 「アベノミクスの効果は地方都市には及んでいない・・・」
 「俺は一所懸命やっているのに他の仲間が・・・」

 社内的に社外的に、更には景気が政治がと、不調の原因を他責に求め、数え上げればきりがありません。
 そして結果が出せなくても「仕方ない」という理由で片付け、溜飲を下げる。
 それで一時的に気持ちは収まるかもしれません。

 「仕方ない」は諦めです。
 失敗の原因分析も、未来の改善も放棄し、現状に踏みとどまる愚行です。
 
 仕方ない? いや仕方なくない。
 まずはそう思うところから、自己成長は促されます。

水泡と化す49の努力

 敬愛するK地社長のブログに触発されて書いております。

 営業の進捗状況を営業マンから聴き取る際、次の言葉を良く聞かされました。

 「多分、いけると思います。」

 これを真に受け「よし頑張ってくれたまえ」と激励するのは、典型的な駄目マネージャーか、マネージャーを必要としない優秀な営業マンかの何れかでしょう。
 暫くして気がつくと、その敷地で地鎮祭がされていたりするものです。
 さて、いかに信頼関係が厚いお客様であっても、100%の揺るぎ無い気持ちで御用命頂くことは、滅多にありません。

 今から10年ほど前、家内の従兄弟が家を建ててくれました。
 建てる前、某メーカーの展示会に足を運んだそうです。
 担当した若い営業マンは、一所懸命案内してくれます。

 見学から何日か経ったある日、その営業マンが訪問してきました。
 「お子様にどうぞ」と、その手には風船が握られています。
 勿論、従兄弟は、そこで建てる気は毛頭ありません。

 「親戚が住宅会社の役員をしているので・・・」
 ぐうの音も出ない断り文句に、営業マンは諦めました。
 ところが帰り際、その寂しそうな後ろ姿を見て、情にほだされ「呼び止めたくなった」とか。
 
 幸い、最後の一線で留まって貰いましたが、ガチガチに固い親戚ですら、薄氷を踏む様な瞬間が訪れます。
 現に、グループの会社でも、同級生でも、他決してしまうことは珍しくありません。
 こうしたギリギリの攻防こそが、営業の危うさであり、醍醐味です。

 「競合他社との戦いは100対0で勝敗が決する訳ではない。
 時に51対49で競り負けることもある。
 その場合いくら頑張ったとしても49の努力は結果0で水泡と化す。」

 一枚の手紙、一本の電話、一回の訪問・・・。
 ちょっとしたことですが、それが相手の1を自らに付け替え、逆転を可能にする。
 或いは、逆のパターンでひっくり返される。
 
 泣きたくなければ、最善の詰めを怠らない様にしましょう。

泣き声も舞台の一部

 劇団公演の反省会を行いました。
 
・ 個人差はあるが、全般的に声が出ていなかった 
・ メッセージを台詞で説明し過ぎた
・ テンポが悪く、ややクドイ展開であった
・ 主役である優一に、もう少し問題解決の役割を担わせるべきだった
・ 御取り置き及びチケット販売が手薄で、清算に混乱が生じた
・ カーテンコール時に、御花を頂くための間を取るべきだった・・・

 等々、様々な改善点が列挙されます。
 その殆どは、脚本家であり演出家である己の稚拙さです。
 また、次の様な声もありました。

 「幼児の泣き声が煩くて、舞台に集中できなかった。」

 ストーリーを咀嚼し、真剣に観て頂いたからこその御意見でしょう。
 そしてこれは、我が劇団固有の問題でもあります。

 松山の劇団であれば、演者と同年代がメインです。
 対してオーガンスの客層は、老若男女と幅広い。
 小さなお子様から高齢者、そして乳飲み子を抱えたお母さんまでが対象です。

 〇歳以下をNGとして入場制限する方法もありますが、それは誰も望んでいません。
 ある意味、子供の泣き声すらも、内子座のBGMとして舞台の一部です。

 公演時だけでなく稽古でも、母親の劇団員が子供を連れてきます。
 時には走り回ったり、泣きじゃくったりして、進行に支障が出ることもあります。

 そこで、手の空いた団員が相手をしたり、あやしたりする。
 そうした優しさや思いやり溢れる、互助のコミュニティがオーガンスそのものです。
 あるべき論を厳格に求め過ぎると、参加し辛い団員も出てきます。
 仮にそれを是としたならば、20年も永続できなかったでしょう。

 問題提起を受け団員からは、排除の論理ではなく前向きな意見が出ました。
・ ファミリー向けとアダルト向けで、昼夜二回公演にしてはどうか?
・ 託児所スペースを設けて、ゆっくり観劇できる様にできないか?
 
 実現可能性はともかく、これからもキャストとスタッフとお客様とが、三位一体と成る温かい舞台を作り続けたいと思います。

採用における大人の事情

 求人面接を行いました。
 
 大学を9月に卒業という履歴書内容からすると、
 「遊び呆けていて単位を落とした」と推察されます。
 ところが、話を聞くと、そうではありません。 

 「言い訳に聞こえるかもしれませんが・・・」
 と前置きをして、訥々と語り始めました。
 
 大学3回生の時、父親が倒れ、家業を継ぐために実家に戻り、事実上休学を余儀なくされたのだそうです。
 その後、やはり自分が進むべき道は違うと悟り、親と膝詰めで話をし、家業は従兄に委ね、大学に復学します。
 単位不足から4月の卒業は叶わなかった・・・という事情です。

 「そこまでして決断したのだから、何が何でも不動産業に進みたい!」

 並々ならぬ強い意志が感じられました。
 不動産業は、賃貸・売買・開発と業態が分類されますが、そこも理解した上で、賃貸を志望しています。
 
 数ある同業者の中で、何故弊社を希望したのか?という問いにも理路整然と。
 「ホームページを見て社員の皆様の雰囲気がとても良く、社長のメッセージにも共感できたから。」
 更に、「どういう部分に共感したのか?」と突っ込んでみますが、具体的な内容をしっかりと話します。
 
 中小企業の門を叩く求職者の殆どは、以下の通りです。
・ 不動産でなくても、内定が貰えるのならそこで良い
・ 賃貸なのか、売買なのか、どうでも良いし、違いも判ってない
・ たまたまエントリーしただけで、競合他社でも構わない
・ どういう会社か調べていないし、ホームページなど見ていない

 そういう意味において、彼はすこぶる優秀でした。
 ただ、採用通知を出すか否かは別問題。
 採用は縁とタイミングですから・・・。

 このブログを見ていてくれているとしたらご免なさい。
 現在、大人の事情で思案中です。

会社は社長次第

 深夜のTV番組で、中国・韓国・日本、三ヶ国の代表(?)が討論する番組がありました。

・ 中国人は、モラルやマナーが悪過ぎる(無秩序に寛容過ぎる)
・ 中国は、著作権、肖像権、登録商標の取り締まりが甘過ぎる
・ 韓国人は、和紙や漢字といった他国の伝統文化を、韓国が起源だと主張する
・ 韓国人は、何かにつけて反日的な言動に打って出る・・・

 中国には中国の、韓国には韓国の言い分がありますし、全員がそうだと決めつけるのも乱暴です。
 ただ、そういう傾向があるのは事実でしょう。

 バラエティー番組ですから、中国や韓国の非常識な部分(あくまでも日本人にとって)をクローズアップして、面白おかしく描いていました。
 各々の立場を三つ巴で主張し合うのですから、何らか結論が得られる訳でもなく、生産的な議論ではありません。
 国家間、民族間での意見の違いは有って当然です。

 政治的な背景や文化や伝統や風習が各々違っていて、生まれ落ちた瞬間から、その色に染められて育ちます。
 人格や価値観は、持って生まれたものというよりも、環境や教育によって、後天的に決定付けられるものです。

 会社も同じ。
 生まれも育ちも年齢も性別も家族構成も趣味も嗜好も・・・。
 まったく異なるバラバラな人間が、同じ会社で共に仕事をするのも何かの縁でしょう。
 だからこそ教育が大切です。

・ 自分さえよければいいという身勝手な組織か、思いやりを持って助け合える組織か
・ 数字を上げるためには手段を選ばない組織か、誠実かつ正攻法で臨む組織か
・ 会社(社員)の都合を優先する組織か、お客様の都合を優先する組織か
・ 不平不満や誹謗中傷が渦巻く組織か、感謝と笑顔が溢れる組織か

 会社は社長次第。
 店舗は店長次第。
 組織の風土や文化を決定付ける長として、改めて責任の重さを痛感します。

自ら描く人生の設計図

 我が家の長男は、広島の大学に学ぶ四回生です。
 地元松山の会社に就職を決め、先月早々に内子の実家に帰ってきました。
 残すところは卒論だけとか・・・。

 まあ、これまでに単位をしっかり取っていたからこそですから、そこは良しとしましょう。
 このまま実家住まいをして、松山へJR通勤をするそうです。
 経済的な理由や情実から、親が頼み込んだのでも、子が気を使ったのでもありません。

 「家を出て独立したい」「親の干渉から解放されたい」という思いが抑えきれず何が何でも一人住まい・・・という、ワイルドな男子的感覚からすると、少し違和感があります。
 
 彼だけに限らず、最近の若者の地元指向は顕著だとか。
 かつて、一日何十人もの学生を、面接で捌いた経験から言わせて頂くと、地元指向の強い転勤否定派は、端(はな)から没でした。 
 
① 友達や家族や恋人と離れたくない軟弱な奴
② 今の生活パターンを変えられない保守的な奴
③ 新規開拓するフロンティアスピリットの無い奴

 これが、当時の私の、独断と偏見に基づく、甚(はなは)だ乱暴な決め付けです。

 『そもそも人間は、現状を心地良く思い、変化を嫌う、保守的な生き物』

 実は、それが人間の本質。
 だからこそ、「東京でも、北海道でも、海外でも、チャンスがあれば何所へでも行きます!」という、活きの良い若者を欲するのです。

 一方で次男は高校を卒業し、兄と入れ替わりに、東京のど真ん中の専門学校に行くそうです。
 専門学校で学びたいのか、東京へ行きたいのか、真意は判り兼ねます。
 
 何れにしても、自分の行きたい道に進み、やりたい仕事に就いて貰えれば、言うことはありません。
 誰のものでもない、自からの人生であり、主役は自分自身なのですから。

インフラ整備は誰のため

 息子たちと共に、1年振りで今治沖の大三島へ行って参りました。
 
 今から36年前、新田高校に入学したばかりの自分は、迎えに来た姉と共に松山観光港から水中翼船に乗り、大三島の宮浦港に降り立ちます。
 当時、自分は、父親と二人で暮らしていたのですが、これをきっかけに高校を中退し、父親の元を離れ、母親が営むスナックの裏で、パラサイトな生活を送ることになったのです。
 
 半年程遊び呆けた後、姉の嫁ぎ先である小さな工務店で、大工の見習いに成ります。
 日給、一日2,000円。
 CDではなくレコードの時代ですが、シングルが600円、LPが2,500円だったと記憶しています。
 渡辺真知子「かもめが飛んだ日」、杏里「オリビアを聴きながら」がヒットしていました。

 島に住み始めて2年が経過した頃、大三島・伯方島間にしまなみ海道初のアーチ橋、大三島大橋が開通。
 全線開通は、それから20年後のことです。

 当時は、橋梁工事のために、夥(おびただ)しい数の工事関係者が島に流入し、町も活気がありました。
 港から大山祇神社を結ぶ参道には、土産物店や飲食店が軒を連ねます。 
 母が営むスナックも、連日フルセットの大盛況でした。

 島の住人は、19:00の最終便が終わると原則、島から出ることはできません。
 出産や急病の際も、不安に晒されます。
 四国本島と地続きになる・・・しまなみ海道は、島民にとってまさに希望の光だった訳です。
 
 さて、悲願であった全線開通から15年。
 今の島の状況はどうかというと・・・。
 
 6,500人居た人口は半減。
 10軒以上あった飲み屋はゼロ。
 商店街は、シャッター街。
 唯一、神社界隈だけが、辛うじてピンスポットで賑わいを残しています。

 前職の会社で、「松山から最も遠い場所」を論議したことが思い出されます。
 結果、高知県の中村市(現:四万十市)が認定されました(笑)。 
 東京も札幌も、二時間あれば着きますが、中村は4~5時間かかります。
 そして、その不便の極みの中村市は意外にも、飲み屋が多く、地元の店がそれなりに活況を呈しているのです。
 
 橋や道路ができれば、地域の人々は今治や尾道へ、買い物やレジャーに挙って出かけます。
 地域の消費が外へ流出してしまう訳です。
 陸の孤島のような地理的状況であれば、否が応でも地域内で消費がされ、強制的な地産池消が促進されます。
 
 インフラ整備が地域のため・・・という考え方が、いかに間違いかという生きた事例と言えるでしょう。
 町は死んでいますが・・・。

一人になるのが嫌なら

 名称変更前、最後となる宅地建物取引主任者資格試験の合格発表がありました。
 当日の自己採点で、ほぼ当落は承知しておりましたが、やはり正式発表されると安心します。

 当社からは7名が試験に臨み、3名合格ですから合格率は43%。
 全員に合格して貰いたいのは山々ですが、一般的な合格率の3倍近くなら良しとしましょう。

 合格した方は、まず登録を行います。
 しかし、実務経験二年を経過していない方は、登録実務講習というスクーリングを受けた後です。
 我社に限って言うと、実務経験のある二名は、早ければ年内にも取引主任者証を手にすることができます。
 
 合格→登録というプロセスもさることながら、やはり主任者証を手にした時の感動が一番です。
 「これで、重要事項説明の際に、他人の手を借りなくて済む」
 「これから、不動産業のプロとして人生を歩んで行く」
 そうした感慨や、自覚が、一気に高まってきます。
 
 失礼かとは思いますが、これは乗り越えたことの無い人には判らない感情でしょう。
 そして今、どういう思いでこの文章を読んでいるかが大事です。

 10月の試験で挫折を味わい、悔しさに眠れない夜を過ごしたとして、人は喉元過ぎれば熱さも苦さも忘れます。
 臥薪嘗胆の思いで雪辱を期し、黙々と勉強を続けているとすれば、栄冠は間近です。

 一方、「とりあえず来年から」と、先送りしているとすれば知れたもの。
 年が明ければ繁忙期明けから、繁忙期過ぎれば連休明けから・・・。
 明日の決意は決意じゃないのです。

 営業マン15名の内、無資格者は5名のみ。
 一年後には、ひょっとして自分一人だけになるかもしれません。
 
 それが嫌なら、今できる最善の努力を尽くす。
 来年の戦いは既に始まっています。

隠れたる瑕疵

 民法改正のもう一つのポイントは、「瑕疵担保責任」です。
 この文言も、契約書に頻繁に登場します。

 「瑕疵」とは傷のこと。
 傷は広義の意味での、いわゆる「キズもの」という考え方です。
 
 取引時には笑顔で契約を交わしながら、暫く経ってから欠陥や不具合に気づき、「こんなキズもの売りやがって、どうしてくれるんだ!」というトラブルも、決して少なくはありません。

 業者側が善意か悪意かも重要です。
 この場合の善意は「知らなかった」、悪意は「知っていた」。
 その欠陥を知りながら、告げずに売りつけたのであれば、それは大問題です。

 一方、一見しては判り得ない、知り得なかった瑕疵を「隠れたる瑕疵」と表現してきました。
 今回、これが改められ「契約の内容に適合しない場合」と成ります。

 仮に、自社ビル建築用地を取引したとしましょう。
 売主も、買主も業者ではありません。

 所有権移転後にボーリング調査をしたところ、大量のコンクリート埋設物が発見されます。
 売主も仲介業者も、当然にその事実を知りません。
 契約書には、「瑕疵担保責任を負わない」と明記されていました。

 こうした事態において、今後は売主責任が強まるだろうと予測されます。
 買主に一方的に不利と思われる特約も、認められない可能性が大です。

 だからこそ、取引対象物件の地歴を詳細に辿る等、できる限りの努力・調査をし、書面上に足跡を残しておく必要があります。
 業者としての責任は一層重くなりますが、いいかげんな業者や無免許のブローカーが排除され、業界の地位向上が図られるという意味において、必要な淘汰のプロセスなのかもしれません。

猫を乾かす電子レンジ

 宅建協会(公益社団法人愛媛県宅地建物取引業協会)の理事として大阪に飛び、苦情解決・弁済・求償研修会に参加して参りました。

 そもそも、不動産業にはトラブルがつきものです。
 その信用を担保すべく、我々は保証協会に入会し、トラブルに備えます。
 勿論、トラブルに成らないに越したことは無い訳で、プロである我々は日々勉強が必要です。
 来春国会で成立が確実視されている民法改正の、実務的な項目にフォーカスしてみましょう。

 「責めに帰すべき事由」
 契約書でこの言い回しは、随所に表現されています。
 要は、「業者に非があると思われる点」については、責任を負う・・・という考え方です。
 
 法案が可決されれば、下記の表現に変わります。
 「契約及び取引上の社会通念に照らして責めに帰すべき事由」

 これにより、今後は重要事項説明書や契約書の文言を重視する傾向が高まると思われます。
 つまり、リスクと思われる点は、確実に文書記載していない限り、責任を免れません。
 
 かつてアメリカで、シャンプー後の猫を電子レンジで乾かそうとして、死なせてしまった飼い主が、メーカーを訴えた事件がありました。
 日本なら、「非常識な飼い主」「可哀そうな猫」で終わる話です。

 ところが、この訴訟でメーカー側は敗訴します。
 以降、アメリカの電子レンジには、「猫を乾かしてはいけません」という注意書きが明記されるようになったとか。

 共通言語を持つ単一民族である日本人にとって、こうした裁きは納得し難いものです。
 しかし、次々と移民が流入し、様々な言語が飛び交うアメリカという国では、総てのリスクを明示していないと、責任を免れません。
 結果、保証書も契約書も、分厚いものになってしまいます。

 契約書重視の改正は、「言わずとも判るでしょう」の日本的な考え方が排され、欧米型へ傾注しつつある一つの表れです。 
 プロフェッショナルとして、しっかりと勉強していきましょう。 

脱プロダクトアウト

 劇団公演から10日経過し、熱狂や興奮も覚めた今こそ、冷静に客観的に振り返ることができます。
 
 150超寄せられたアンケートは、殆どが称賛・賛辞で埋め尽くされました。
 苦言を呈されたものは、僅か数枚。
 その少数派の声の受け止め方が鍵です。

 「斜に構えた意見だ」、「感性が合わないだけ」・・・。
 様々な理由をつけて正当化してしまっては、単なるマスターベーションです。
 それこそプロダクトアウト(作り手側の都合優先)でしょう。

 団員に向けたアンケート結果集計に、以下の前書きを残しました。

「人それぞれ感性も受け止め方も違いますので、全員に認められる、受け入れられるというのはとても難しいものです。
 まずもって、知人、友人そして内子座の観客は、基本的に温かい目で見てくれています。
 従って、ある意味良いことしか書いてくれません。
 今後の劇団の、更なるレベルアップのためには、耳障りな苦言を呈してくれる方々の意見にも、真摯に耳を傾ける必要があります。
 脚本家の稚拙さによる、台詞そのものの説明過多や、ストーリー展開のかったるさ、リアリティーの欠如等、何れもごもっともな御指摘です。」

 今回は、メッセージ性の強い作品ということもあってか、余りにも言葉を紡(つむ)ぎ過ぎました。
 結果、展開がくどくなり、スピード感やリズム感が損なわれています。
 言葉や文章で説明するのは本来、演劇ではありません。
 
 基本的に、反省課題の殆どは、脚本・演出を担当した私自身に内在しています。
 来週行われる反省会では、謙虚にシビアに見つめ直すつもりです。
 明日からの21年目に向けて。

増税副作用抑制策

 人間の消費行動は、至って単純明快です。

 今日よりも明日、値上がりするとなれば、もっと上がると思い、それほど必要性が無くても、そのモノを買おうとする。
 逆に、今日よりも明日、値下がりするとなれば、更に下がると思い、必要性が有っても、緊急性が無ければ買い控える。

 モノが売れるからインフレになるのでも、モノが売れないからデフレになるのでもありません。
 インフレだからモノが売れ、デフレだからモノが売れないのです。

 消費税増税前に、駆け込み消費があるのも、その結果として増税後の冷え込みがあるのも同じ。
 そうした理屈からすれば、3%を5%に、5%を8%に、8%を10%にというやり方に、副作用が出るのは自明の理であります。
 財布の紐を弛(ゆる)めさせ、消費を長期的に継続的に活性化させる方法があることを、自分は以前から申し上げてきました。

 毎年1%ずつ、段階的に消費税を引き上げる。
 今年8%でも、来年には9%に上がる、更に再来年には10%に・・・。

 長期ヴィジョンに則って、予め決めておけば、増税や先送りの際、多額の経費をかけて国民に審判を問うこともありません。
 人為的かつ強制的な、インフレ誘導です。

 12月1日付日経新聞四面のコラムで、米シカゴ大教授「アニル・カシャップ」氏が語っています。
 
 「安倍晋三政権は、消費税率の再引き上げの先送りを決めた。
 私は引き上げの方式がそもそも適切ではなかったと考える。
 5年に渡り毎年1%ずつ上げるなどの手があった筈だ。
 今回のこれだけの騒ぎも、二つの増税の大きなこぶをつくった結果だ。」

 正に、我が意を得たり。

 経済は生き物です。
 海の魚を、いきなり淡水に移せば死んでしまいます。
 環境変化には、徐々に慣らすのが賢明です。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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