過ち無きが上にも

 名門ホテルチェーンによる、食材偽装問題が続発しています。
 裾野の拡がりから、氷山の一角ではないかという疑念も拭えません。
 
 経営の神様と呼ばれた松下幸之助翁の著書「指導者の条件」には、こうあります。

 『信用は一朝一夕で得られるものではない。
 長年に渡る誤りのない、誠実な行いの積み重ねがあってはじめて、次第しだいに養われていくものであろう。
 しかし、それでいて失われる時は早いものである。
 長年に渡って正直だという信用を得たとしても、一度ウソをつけば折角のその信用も、たちまちにして雲散霧消してしまいかねない。』

 まさにその通り、高いお金を払ってでも、一流ホテルのレストランで食事をするのは、安全・安心・信用あるからこそ。
 であるにも関わらず、その期待を裏切った代償は小さくありません。
 また本著には、今日の事態を予言していたかの様な記述も残されています。

 『昔であれば、名門であるとか老舗であるといった場合は、過去に培われた信用の力がモノをいって、少々の失敗や過ちがあっても、直ちにそれが信用の失墜とは成らなかったかも知れない。
 しかし、今日は変化も激しく、情報も一瞬にして世界の隅々にまで届くというほどの時代である。
 ちょっとした失敗、過ちでも致命的に成りかねない。
 だから、指導者は信用を維持し、高めていくために、過ち無きが上にも過ち無きを期していくことが大切なのである。』

 かつて、雪印、不二家、三菱といったブランドは、致命的とも言える信用失墜の洗礼を受けました。
 その後復活できた理由は、やはり過去の信用の後ろ盾あってこそです。

 我々の様な中小零細企業が同じ問題を起こせば、砂の城の如く脆くも崩れ去ってしまうでしょう。
 過ち無きが上にも過ち無きを期していくことは必然なのです。
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片付病と取り敢えず病

 B型人間に特に多いそうですが、私も不定期に襲われます。
 それは「片付病」。

 普段はだらしなく散らかし放題のくせに、突然思い付いた様に模様替えと片付けをやり始め、一旦スイッチが入ると途中では止まらない・・・。
 
 前職時代、店舗やマンションギャラリー巡回の際にも、よく発症しました。
 スタッフにとってみれば、滅多に来ない役員が、何ヶ月振りかに来たかと思えば、激励もそこそこに、腕まくりして荷物をひっくり返し、片付け始めるのですから堪りません。

 基本的に、モデルルームや接客ルームは何処も整然としています。
 一方、待機所であるオフィスやバックヤードは惨憺たる有様です。

 「お客様の目に触れないから」という意識なのでしょうけれど、それが甘い。
 職場の乱れは心の乱れ、お客様にもしっかり伝わります。 
 
 自分の経験上、広い店舗ほどバックヤードが雑然としています。
 広いが故に広いなりに使ってしまうからです。

 「取り敢えずここに置いておこう」・・・これも病気「取り敢えず病」。
 「取り敢えず」とは「後で片付ける」という意味ですが、仮置きのままでも「取り敢えず」仕事に支障が無いため、「取り敢えず」そのままで使い続け、いつの間にか、知らず知らず、気付いた時には、足の踏み場も無くなってしまうのです。

 狭い店舗であれば、モノを置くスペースが無いため、「取り敢えず」は利きません。
 捨てるか否かを瞬時の内に判断せざるを得ないため、狭いけれどコンパクトにまとめられます。

 蛇足ですが、在庫管理について。
 コピー用紙や封筒といった消耗品は、極力一ヶ所で管理すべきです。
 表の収納BOXの中と裏の段ボール・・・という風に、複数個所に置いてしまうと、正確な在庫数把握が難しくなります。
 結果、欠品が生じてしまったり、段ボールに在庫があるのを気付かずに重複発注してしまうからです。

 ◆ 整理 = 要らないモノを捨てる
 ◆ 整頓 = 要るモノを取り出し易く並べる

 目に触れ難い場所だからこそ、何が、何処に、どれだけあるかを、誰が見ても判る様、整理整頓していきましょう。

仕事の楽しみ方

 戦国時代の武将「小早川隆景」が、次の言葉を残しています。

『人の話を聞き、ためらいも無く「ごもっともです」「その通りです」と調子を合わせる人間に限って、本当に判ったためしはない。
 
 真に人の意見を聞く者は、「何故そうなるのですか?」「でも、こういう弊害があるのでは?」と、自分が納得するまでしつこく食い下がってくる。

 納得していないにも関わらず、「相手が気を悪くするのではないか?」等と遠慮して、もの申さない輩は、本気で話を聞いていない証拠だ。」

 この話は極論です。
 中には、その話の価値観や意味を充分に理解・咀嚼した上で同調する、勘の良い人も居るでしょう。
 
 ここで隆景が言うのは、いわゆるyes man。
 会社の理念や方針を充分理解している訳でもなく、自分自身の価値観やポリシーも曖昧なまま、上司や経営者の話に表面上だけ調子を合わせ、波風立てず、長いものに巻かれているだけの太鼓持ちを指します。

 私も経営者である前に人間です。
 批判や反対の意を唱えられるよりも、称賛や賛同の方が心地良く感じます。
 しかし、先述の様な、その場限りの迎合や、気の無い返事は伝わるものです。

 ルールを知らないままで、バレーやソフトの試合を観戦しても面白くありません。
 観戦するよりも、実際に身体を動かす方が百倍楽しめます。
 疑問や不満がくすぶったままよりは、納得して前向きにプレーする方が、より充実した時間に成ります。
 
 一生の中で、少なくとも三分の一は携わらざるを得ないのが仕事です。
 どうせなら、自主性、主体性を持って、当事者意識、参画意識を高め、本気で仕事を楽しみましょう。

物心両面の豊かさの追求

 賃貸仲介、賃貸管理業界の賃金ベースは、総じて低いようです。
 仕事の持つ社会的意義や、責任の重さからすると、もっと貰っても良いでしょう。
 色々とその理由を考えてみたのですが、「市場価値」という言葉に集約されます。

 ・ 無資格者でも就職できる
 ・ 短い期間で戦力化できる

 新卒採用の社員を年明けからバイトで受け入れると、正社員入社の時点では、立派な営業マンに成っているケースも珍しくはありません。
 我が社も例外ではなく、経験一年足らずの多くの方が、レギュラーとして活躍してくれています。
 一方で、そうしたハードルの低さが裾野の広さにつながり、結果として市場価値が下がってしまうのです。 

 これは、人材の流動性の高さの一因とも成っています。
 現に、我が社を卒業していった中で、一部の方の退職理由もそれが原因でした。 
 ベースの低さから、前回触れた個人報奨金に、つい手が伸びてしまうという、悪しき側面もあるようです。

 さて、我が社が掲げる長期目標の一つは、「社員の物心両面での豊かさの追求」。
 具体的には、役員=600万円、店長=500万円、社員=300~400万円・・・いわゆる地方公務員と同程度のレベルを目指しています。

 しかし当然に、放っておいてそうなる訳ではありません。
 いわずもがな人件費の原資は利益。
 換言すれば、利益さえ上がれば、その配分は雑作もないことでしょう。
 
 「同業者の中でも我が社の人件費は突出している」

 そうやって胸を張るためには、全員が有資格のプロ集団であることは勿論、突出した能力を持ち、突出した提案力が有り、突出したストックを持ち、突出した利益を上げることが絶対条件です。 
 今はまだ発展途上の道程ですが、目標を見失わない限り必ず到達できると確信しています。

徳を身につける第一歩

 立て続けに台風に襲われた、伊豆大島の被害や捜索の映像が連日報じられています。
 土石流に呑み込まれて命を落とした方や、今もまだ見つかっていない行方不明の方々を気の毒と思いながらも、やはりそれは他人事です。

 先日の台風27号は、四国にも大雨をもたらしました。
 高速道路が通行止めになったり、管理物件前の道路が冠水したり、自宅前の川が氾濫しかけたり、我が身に災難が及ぼうとすると、やっと当事者に成るのです。
 
 台風の進路は、「できるだけ四国から逸れてくれ」と願います。
 大きな災害をニュースで知っても、「自分じゃなくて良かった」と安堵します。
 禍(わざわい)に直面すると、「何故自分だけ」と憤ります。

 つくづく人間は、身勝手な生きものです。

 それでも、facebookでつながっている北海道から沖縄、更に海外に住む「友達」の絆は、少しだけ良心を取り戻させてくれます。

 事故にあったり、体調を崩したり、天災に見舞われたり、そうした記事には必ず、「大丈夫」「お大事に」「頑張って」といったエールが連なるのです。

 例えそれが何十分の一であったとしても、他人の痛みを自分の痛みとして受け止められる心が、徳を身につける第一歩だと確信しています。

成果を生むための手段

 二日続けて、労務管理にまつわる話題を掘り下げました。
 三日目ともなると、「松岡は休日出勤手当や残業手当を払いたくないんだな」と邪推されるかもしれません。

 しかし、それは誤りで、本音はできる限り払いたいと切望している程です。
 但し、前提条件があります。

 条件の一つは、利益目標を達成していること。
 もう一つは、残業によって更に利益水準が上ぶれすること。
 私に限らず、どんな経営者も、この二つの条件を満たした上での残業は大歓迎でしょう。

 前職における悪しき前例を御紹介します。
 当時、設計職は人手不足で、深夜残業や徹夜も珍しくありません。
 そこで、設計職だけは青天井で残業手当を支給することになりました。
 しかし、半年程運用した後、その歪(いびつ)な結果に愕然とするのです。

 能力の低い未熟な設計士は、線を引くスピードも遅く、駄目だしも多いため、量で取り戻すべくたっぷり残業します。
 一方、能力が高いセンスの良い設計士は、手早くこなしていくため、残業もそこそこで上がります。
 
 肝心の成果はというと、当然に後者がもたらしてくれます。 
 ところが、総支給人件費は、圧倒的に前者がもって帰ります。
 しかも、賞与では格差是正できない程大幅な逆転現象だったのです。

 その後、青天井が見直されたことは言うまでもありません。 
 制度を継続すれば、優秀な人間から、会社を去っていくことになったでしょう。

 休日出勤手当や残業手当は、成果を生むための手段である。
 この原理原則は、労使双方がしっかりと意識すべき事象です。

裁量労働のススメ

 前回、規定上における「労務管理の原則」についてお話をしました。
 本日は、概念的な部分に触れたいと思います。

 私は、社会人に成って35年程経ちますが、残業・休日出勤の手当を頂いたことも、有給休暇を消化したこともありません。
 その善し悪しはともかく、抵抗を感じた時期はあります。

 大工に弟子入りした17歳の頃、勤めていた工務店が作業用の倉庫を建てることになったのです。
 日中は施主の仕事をし、夕食を挟み、夜間作業で仕上げていくのですが、残業手当が出る訳でもなく、正直嫌で嫌で堪りませんでした。

 しかし、今にして思えば、感覚は違ってきます。
 基本的に、お金を頂く仕事は、未熟な弟子に任せることはできません。
 身内の仕事であれば、遠慮なく叩くことができる訳で、そういう機会を得られたと思えばラッキーです。
 また、夜も熱心に指導して頂いたという意味において、棟梁に感謝もできるでしょう。

 個人的に製造業であれば、残業手当や休日出勤手当支給は理に適っていると思います。 
 それは、労働時間が生産性とほぼ合致するからです。
 但し、企画や営業といった職種の場合、かけた時間は必ずしも成果と比例しません。

 誤解を恐れずに言えば、目標をクリアできているなら、定時や定休に縛られる必要もないと思います。
 「今日は午前中で上がります」「月末に4~5日、旅行に行って来ます」
 業務に支障を及ぼさない限り、それも「どうぞ、どうぞ」ということです。

 一方、いかに無遅刻・無欠勤で、サービス出勤・サービス残業も厭(いと)わない勤勉な方であったとしても、成果が上がらない限り評価はできません。
 
 我々の仕事は、アルバイトの様に「時給幾ら」では無いことを認識した上で、勤務時間を自らコントロールする、裁量労働的な意識を高めて頂きたいと思っています。

労務管理の原則

 労務管理の原則は一般社員だけでなく、意外に管理職も理解できてません。
 よく問題視される、残業と休日の考え方もしかりです。
 この何れも、二通りのパターンで構成されます。

1 管理職から投げ掛ける
 「明日、朝一でオーナー様への提案があるので、悪いが少し残ってくれないか?」
 
2 社員から投げ掛ける
 「今度の水曜日、お客様のアポが入ったので、休日出勤させて下さい。」

 後者の場合、必ずその代休日を定めます。
 このプロセスを守れば、代休が貯まるという現象は起きません。
 何れにしても、管理職の承認があって初めて成立するのが原則です。

 真面目な動機であったとしても、管理職の承認を得ていない休日出勤や残業は、勝手に出てきている、ということになってしまいます。

 近年、青天井で残業手当が支給される職場は少なくなりました。
 ともすれば、手取りを増やすため、積極的に残業に勤しんだり、休日出勤することを助長してしまうからです。
 また、そうした場合の、就業時間中の働き振りが濃密かというと、甚だ疑問が残ります。

 こうした事態を招かないための労務管理は、管理職の重要な仕事。
 くれぐれも、管理不行き届きと成らぬよう、心掛けて頂きたいと思います。


 

手段としての内部管理

 高齢者向けサービスを展開されている「ユアーズ・ケア」の弓立社長が、前回の中小企業家同友会報告会で発言された言葉が胸に響きました。

 「内部管理に精を出しても、きりが無い。
 経営者にとって一番大事なのは、お客様に向いて注力すること。
 内部管理すべきことは、そうする内に後からついてくる。」

 まさしくその通り。
 腑に落ちました。
 
 一言に内部管理と言っても様々です。
 ・ 目標管理
 ・ 労務管理
 ・ 営業管理・・・

 それぞれ大事な仕事ではありますが、煎じ詰めればこれらは総て手段に過ぎません。
 その手段を駆使して成し遂げなければならない目的は、お客様にお役立ちして、喜んで頂き、必要とされ続けることでしょう。

 ともすれば、手段が目的化してしまうのが組織の悪弊。
 まさに、王より飛車を可愛がる愚です。

 我々は会社に属し、給与は会社から振り込まれます。
 しかし、間接的ではあってもその本質は、お客様から雇用され、お客様から給料を貰っているのです。
 
 自己都合の内部管理は意味がありません。
 お客様の声を羅針盤として耳を傾け、そこに舵を切るのが王道の経営です。

「礼記」~学記篇~

 尊敬する経営者の方が、facebookに書き込まれた僅か二行の至言は、実に簡潔で心に染みました。

 『学びて然る後に足らざるを知り、
  教えて然る後に困(くる)しむを知る』

 出典を調べてみますと、中国五経の一つ『礼記(らいき)』学記(がっき)篇とあります。

 知識というものは不思議です。
 知らないことを知ろうとして勉強すれば、確かに知識は広く大きく深くなっていきます。
 しかし、地球の周囲に太陽系が拡がり、太陽系の周囲に銀河系が拡がるかの如く、知れば知るほど更に知らないことが増えて行くのです。
 
 しかし私達凡人は、少しばかり勉強しただけで総てを悟ったかの様に慢心してしまいます。
 知っていることだけしか、知らないくせに・・・。

 また、因果にも不遜にも、他人に語り、教えなければならない場面があります。
 好むと好まざるとに関わらず、そうした立場であったり、役割であったりもします。
 
 知らないことを他人に教えるのは、実に心地良いものです。
 しかし、ふと我に還ることがあります。

 「偉そうに説教しているお前はできているのか?」

 天に唾した自分を恥じ、省み、戒める瞬間です。
 
 『最も学びが大きいのは、教えられる側ではなく、教える側である』

 今後も、この言葉を反芻(はんすう)しつつ、自らの役割をまっとうして参ります。

己の敵は己自身

 年に一度の機会(チャンス)、宅地建物取引主任者資格試験が終わりました。
 実力以上の結果を得た方、力を出し切れなかった方、悲喜交々でしょう。

 満点であろうと、ギリギリであろうと、合格した方は、おめでとうございます。
 少なくとも貴方は、不動産のプロとして一歩を踏み出しました。
 
 登録を終え、主任者証を手にした時、改めて実感される筈です。
 その日から、先輩や店長の手を借りることなく、重要事項説明を完結することができます。

 一方、例えあと一点であろうと、不合格に終わった方に、慰めの言葉はかけません。
 同じ国で、同じ日時に、同じ問題を、同じ人間が解いて、上位15%に入れなかった事実は歴然としています。
 あなた方は、その他大勢85%の敗者であり、その理由は、努力不足と怠惰です。

 それ以外に、何の理由があるでしょう。
 誰のせいにできるでしょう。
 敗戦直後の敗者は、それなりに反省します。 

 「来年は、もっと早くから勉強しよう。」
 
 お尋ねします。
 「もっと早く」とは、いつのことですか。
 
 日付の無い目標は、目標ではありません。
 明日の決意は、決意ではありません。
 そんな甘い考え方では、何年かかっても無資格のままでしょう。

 来年に向けた闘いは、既に始まっています。
 そして貴方の敵は、貴方自身です。

命運を決する運命の日

 10月第三日曜日・・・いよいよ運命の日が到来しました。
 そう、宅地建物取引主任者資格試験の日です。
 13:00~15:00の二時間で、命運が決します。

 今から18年前の今日、私も審判を待つ身でした。
 5月の連休明けから、毎日4~6時間の勉強を継続。
 自分の生涯を通じて、後にも先にも、これほど勉強したことはありません。

 ペンケースには五角形の「五角=合格」鉛筆を忍ばせ、試験前は家族で護国神社にお参り。
 神頼みは、人事を尽くした者のみに有効です。
 試験前にくだらないTVを見たり、遊び呆けていた人には、勝利の女神もそっぽを向くでしょう。
 
 「努力した人間の総てが成功する訳ではないが、
 成功した人間は漏れなく努力している。」  革命戦士「長州力」

 会社の社長として、受けた全員に合格して貰いたいと思う一方で、努力とは呼べない中途半端な勉強しかしていない人間には、その人の今後の人生のために、くれぐれもラッキーを与えないで頂きたいと願う心もあります。
 
 「ペンを持つ手が震えてなかなかマークできないんです。」
 
 かつての部下が、試験後にそう言っていました。
 試験開始のベルが鳴っても問題が解けず、刻々と時間だけが過ぎ去っていく・・・自分自身もそんな夢を何度となく見て目が覚めたものです。
 これは、四六時中、寝ても覚めても、明けても暮れても、勉強に勤しんだ者だけに判る感覚でしょう。

 その結果、当日は実に穏やかな気持ちで試験に臨み、試験後も「すべて出し切った。これで駄目なら仕方ない。」という達観の境地でした。

 会場で受験する全員が、同じ条件で試験を待つ、同じ生身の人間です。
 今まで費やしてきた自分の努力を信じ、全身全霊で臨んで下さい。
 吉報を期待しています。

パンドラの箱を開くな!

 前回のブログ「収賄罪の前科者」は、社内外、業界内外から大きな反響がありました。
 昨日挙げた事例は、不動産業界固有の問題ですが、類似のパターンは幾らでも見られます。
 
 例えば、建築の現場監督(施工管理者)。
 一般的に現場監督は、メーカーや協力業者の発注権を握っています。
 
 システムキッチンを「タカラ」にするか? 「クリナップ」にするか?
 サイディングは、「LIXIL」にするか? 「KMEW」にするか?
 それらを「A建材」から仕入れるか? 「B建材」から仕入れるか?

 何とか受注を取りたいメーカーや建材店は、発注権のある現場監督に甘い言葉で擦り寄ります。
 
 人間は弱い生きもの。
 美味しい餌を目の前にして、それを拒絶するには強い意志が必要です。
 本質は真面目で誠実な人間であっても、家計がピンチといった状況下では、つい魔がさすこともあるでしょう。

 最初は罪悪感に後ろ髪をひかれつつ、良心に呵責を覚えつつ、恐る恐る「パンドラの箱」を開きます。
 ところが一旦、悪魔に売り渡した心は、二度と後戻りできません。
 
 やがては受け身ではなく、自らが能動的に、メーカー・業者に見返りを要求する様になるのです。
 気がつくと、収入に見合わない高級腕時計を見に付け、高級車を乗り回し、夜の街を豪遊するもう一人の自分が居ます。  

 昨日と今日の文章は他人事では無く、つまらない出来心で同志を失わないための布石です。
 心を悪魔に売り渡しては成りません。

収賄罪の前科者

 先日の夜、中小企業家同友会の後、店長二名と共に例によって民酒党へ。
 多岐に渡るジャンルで、侃々諤々の激論を交わし、ふと気が付けば24:00。
 久々の午前様です。

 最も白熱した大野店長と石川店長の「婚活トークバトル」の内容は後日触れるとして・・・。
 真面目な話もしました(決して婚活が不真面目ということではありません)。

 「不動産業界って誘惑が多いよね」の件。

◆誘惑① 売買仲介が成約になった際、「会社には2%にして貰えれば、貴方に1%バックするから♪」
◆誘惑② サブリースメーカーの担当者から「決めてくれたら、貴方に一ヶ月分支払いますから♪」
◆誘惑③ 入居を決めたオーナー様から現金入り封筒を渡され、「会社には内緒にしておいたら良いの♪」

 これらのシステム、意外にも業界では一般的。
 メーカー担当者もオーナー様も、何のてらいもなく、当たり前の様に耳元で囁くのです。

 「先輩も貰っている」、「店長もかつて貰っていた」・・・こうした情報によって、「赤信号みんなで渡れば怖くない」と、次第に良心の呵責が薄まります。 
 回数を重ねると罪悪感の欠片も無くなり、自ら個人バックを求めるところまでエスカレートするのです。
 繁忙期に財布が立つ営業マン、年収が倍になる営業マンも珍しくありません。

 ちなみに弊社は、現金はおろか、商品券も、クオカードの一枚に至るまで、すべて会社で召し上げます。
 発覚すれば当然に懲戒処分の対象です。

 Q : 何故ですか?
 A : 犯罪だから。

 賄賂(わいろ) = 自分の利益になる様、取り計らって貰う等、不正な目的で贈る金品。

 先述したケースで賄賂を受け取った当事者は、確実に収賄罪です。
 会社をクビになった挙句、前科者に成りたくなければ、誠実な営業を心がけましょう。

全社員参画型経営

 昨日は水曜定休日ですが、定例の全社会議でした。
 全社員が集う機会は、二ヶ月に一度しかありません。
 貴重な休日を割いてでも行う理由は以下の通りです。

① ベクトル合わせ
② 周知・徹底
③ 優先順位の見極め
④ やる気の注入

 今回は、「繁忙期を繁盛期とするため」という、大きな狙いがあります。
 毎回恒例となった店舗毎のSWOT分析がメインです。

◆SWOT分析とは?
 1920年代からハーバードビジネススクールのビジネスポリシーコースの一部として開発されてきた、ハーバードポリシーモデルの一部である。

Strengths 強み:目標達成に貢献する組織(個人)の特質 どのように強みを活かすか?
Weaknesses 弱み:目標達成の障害となる組織(個人)の特質  どのように弱みを克服するか?
Opportunities 機会:目標達成に貢献する外部の特質 どのように機会を利用するか?
Threats 脅威:目標達成の障害となる外部の特質  どのように脅威を取り除く、または脅威から身を守るか?

 このSWOTそれぞれについて、ブレーンストーミング方式で意見を出し合い、最終的に戦略へと昇華させます。

 皆、真面目に会社に出てきて仕事をしていますが、自分のライバルが誰であるか、当面目指すべきゴールは何処か、そのために何をすべきか、意外に意識できていません。
 そもそも自社・自店・自分は何者なのか、それすら判っていない人もいる筈です。

 昨年のSWOT分析のシートを引っ張り出しますと、稚拙な部分もあり、実行できなかったものもあります。
 それが一年間の成長シロ、反省課題です。 

 年に一度のイベントとして打ち上げ花火で終わらせてはいけません。
 全社員の頭の中に、このSWOTシートがインプットされ、日常の思考習慣として戦略案が生み出されることが理想です。
 
 TOPダウンで押し付けられるよりも、自分達で目標を掲げ、自分達で問題点を掘り下げ、自分達で戦略を構築し、自分達で実行し、自分達で達成する・・・そんな全社員参画型の経営を目指しています。

SNSの狙いと功罪

 最近、スマホやSNSの弊害が声高に叫ばれています。
 ツイッターやブログも同じです。

 確かに自分も、頻繁にスマホやパソコンを開いて投稿したり、「いいね」を押したり、コメントしたりする、依存症的な傾向は否めません。
 こうした行動パターンは、既に生活の一部に成りました。

 ただ個人的には、一心不乱にゲームを楽しむよりは健全だと思っています。
 何故ならそこには、ヴァーチャルといえども、人対人のコミュニケーションがあるからです。

 直接的に仕事の宣伝をしなくても、SNSのコミュニケーションから発展して相談を受けることや、結果的に商売に結び付くケースは枚挙に暇がありません。
 
 従って我が社は、仕事中のSNSも、ある程度容認しています。
 勿論、節度を弁(わきま)えることは当然です。

 冷蔵庫の中で横たわる写真や、真っ裸で餃子を食べる写真は論外として、自分の身近でも、交通違反で検挙された警察に逆切れして憤る内容の投稿や、一般人の写真と実名を晒し繰り返し糾弾する、非常識な内容が散見されます。

 また、空気を読むことも重要です。
 資格試験を直前に控えた人が「警察24時」のTVとかを見て投稿していると「おいおい」と思いますし、今月実績の振るわない管理職の方が月末に遊び呆けている内容を書き込むと、「意識が足らない」と感じることもあります。

 さて、こうした内容を書くと、「こんなことだから社長とつながるのは・・・」と思う人もいらっしゃるでしょう。
 しかし、大袈裟に言えば、それも人間教育の一環です。
 
 堅苦しい、生真面目なことだけを書けということではなく、人として正しい主張や感覚を身につけて頂きたいと考えています。

他喜力に火を点けろ!

 世の中における成功の定義は、地位や名声を得ること、お金を沢山稼ぐこと、豪邸や別荘に住まうこと・・・等々ありますが、これらは自分や家族といった狭い領域での豊かさに過ぎません。
 
 いつも申し上げる通り、人間には「他人様から認められたい」「世の中に貢献したい」という第二本能が備わっています。
 従って、例えばロト7が当たり、数億円を手にし、仕事を辞めて、ハワイのコンドミニアムに移住し、毎日御馳走を食べ、ハーレムの様な生活を満喫したとしても、どこかしら心は満たされないものです。

 西田文郎氏は、この第二本能を『他喜力』と名付けました。
 昨日に引き続き、「ツキを超える成功力」からの御紹介です。

【・消費者を喜ばせようとする他喜力が、ヒット商品を生み出す
 ・お客様を喜ばせようとする他喜力が、店にお客様を集める
 ・自分の部下を喜ばせようとする他喜力が、チームの生産性を上げる】

 更に弊社の実務に直結させますと・・・
 ・ 大家様を喜ばせようとする他喜力が、より良い提案を生み、空室を埋める
 ・ 入居者様を喜ばせようとする他喜力が、更なる良い商品を求めた物調につながる
 ・ お客様や家族や上司を喜ばせようとする他喜力が、資格取得のモチベーション

 人間誰しも、当然に欲があります。
 資格をとれば信頼される、数字を上げれば賞与が増える、評価されれば昇給する・・・このように、成果が自分に利益をもたらすことも十二分に知っているのです。

 しかし一方で、「しんどい」「遊びたい」という怠惰の心が首をもたげます。
 そこで負けてしまうのは、「自分のため」だから。
 自分が「怠けた」「遊んだ」、それで自分の「給料が上がらない」「賞与が少ない」・・・「それは誰にも迷惑かけないことだ」という勝手な理屈で、自分自身を納得させやすいのです。

 「家族が応援してくれている」「大家さんが期待してくれている」、「その期待に応えて喜ばせたい」という他喜力に転換できれば、多少の自己犠牲も厭わないだけの強さが備わります。 
 
 宅建に合格した時、難しい物件の空室を埋めた時、厳しいニーズのお部屋が見つかった時・・・。
 喜んで下さるステークホルダーの笑顔をイメージしてみましょう。

デキル人とデキタ人

 今期24連勝の金字塔を打ち立てた楽天のエース田中将大投手を、甲子園優勝へ導いたことで知られる西田文郎氏の著書「ツキを超える成功力」の中に、「デキル人とデキタ人」の違いが書かれています。

 判り易くするための対比なのでしょうけれど、本編では『デキル人』の悪い面だけを強調する形で描かれており、誤解を招きそうなので、勝手ながら表現を替えさせて頂きました。

『デキル人』
 ・ 仕事の能力に優れた人
 ・ 成果(数字)にこだわり、安定的に実績を残せる人
 ・ 公的資格を持ち、社内外から信頼の厚い人
 ・ あの人の様になりたいと、羨望を集められる人
 ・ 給料以上の利益に貢献し、存在価値のある人 

『デキタ人』
 ・ 人望があり、人間性に優れた徳のある人
 ・ 人々から、信頼と尊敬を集める人
 ・ 謙虚な心を持ち、決して威張らず、人を見下すことの無い人
 ・ あの人の後に、ついていきたいと思わせる魅力のある人
 ・ 損得勘定抜きに、付き合いたいと思われる人

 改めてここで有権者の方々に訴えたいのは、『or』ではなく『and』が理想だということ。
 『デキル人』もしくは『デキタ人』というカテゴリー分けではなく、『デキル&デキタ人』を目指して頂きたいのです。

 勿論、我々は営利を追求する集団ですから、幾ら『デキタ人』を集めても、『デキナイ』烏合の衆では食べていけません。
 企業の人材にとって『デキル』ことは、絶対に欠かせない必要条件と言えます。
 但しそれは、NYホームという会社にとって充分条件ではありません。
 『デキル人』であった上で、『デキタ人』を目指して頂きたい訳です。

 さて、この会社の中で、今現在どれだけの人が『デキタ人』だと言えるでしょう。
 少なくとも、社長の私は『デキタ人』ではありません。

 「立派な人間とは、立派な人間のことを指すのではない。
 立派な人間に成ろうと努力している人間こそが立派なのである。」

 つまり、「自分は至らない人間である」と受け止め、前向きに努力している人こそが『デキタ人』なのです。
 一方、「自分はデキタ人」と自覚しているとすれば、それは謙虚さに欠ける不遜な心根だと思います。
 
 デキル&デキタ人を目指して行きましょう。

改め償う最高の幸福感

 拙文を毎日綴るようになって3年以上に成ります。
 ブログネタは、会社で起こった出来事であったり、良著であったり、日経新聞であったり、様々です。

 毎日毎日続けておりますと、自分自身、書いた内容を忘れてしまうことも少なくありません。
 先日、訳あって過去のバックナンバーを辿っている時に気付きました。
 昨日のブログと、9月3日のブログとは、出典先も、引用した文章がまったく同じであることに・・・。

 みっともないので書き換えることも検討しましたが、書いた本人が気付かない位だから、読んだ人も多分気付かないだろうと、大雑把に高を括った次第です。
 
 ましてや、こんな細かい説明、誰が興味を持つでしょう。
 この拙文を読んだあと、9月3日と昨日10月12日のブログを読み比べる方がいらっしゃるとしたら、かなりコアで有難いマニアです。

 さて、コメント欄やGmailやfacebookを通じて、御意見や御感想を頂戴します。
 誤りの御指摘や御批判もありますが、私以外の方に対する誹謗中傷でない限り、削除はしない方針です。

 「ブログは単に私の自己主張のツールであって、批判には一切耳を傾けない。嫌なら読まなきゃいい。」と明言する人気ブロガーもいらっしゃいます。
 私は、そこまで潔くありません。

 『欠点を改め、過ちを償うことは、最高の幸福である』 ゲーテ

 喜びも悲しみも、切なさも悔しさも、称賛も苦言も、畏敬も侮蔑も、その時々の自分に正直であると同時に、省み戒める素直さと謙虚さだけは失いたくないものです。

4Dの眼力と知力

 戦後日本において、政財界の精神的支柱とまで評された安岡正篤氏が、著書「活眼 活学」の中で、「ものの見方、考え方の三原則」を語っています。

1.目先で見るか、長い目で見るか

2.一面的に見るか、多面的に見るか

3.枝葉末節を見るか、根本的に見るか

 この三つの共通点として、同じものを見ても正反対に映ることがあります。

【 目先では得したように感じていても、長期的に見れば実は損している 】
 仕事を発注した際、業者がミスをしたため、強い口調で責め立て、大幅値引きを認めさせた
 そのトラブル以降、その業者からの紹介は無くなり、喫緊の仕事も請けてくれなくなった

【 一面だけを見て判断したことが、多面的に見ると全く違っている 】
 他人から聞いた噂や風評が芳しくなく、信用できない人の様なのでお付き合いしない
 別の人の声では、必ずしも悪い人ではなさそうなので、改めて会ってみると殆ど誤解だった

【 枝葉末節は目に付き易いが、地中に埋もれた根っこはなかなか見え難い 】 
 ある上司は、とても優しく、細やかなフォローやサポートをしてくれる
 ある上司は、とても厳しく、経験の少ない自分に無理難題を押し付けてくる 
 でも、今となって振り返れば、後者の上司の指導に感謝している 

 これらは一例ですが、人物を見る上でも、事象を見る上でも、本質を掴もうとするならば、様々な角度から観察しなければなりません。

 平面的だけでなく立体的にという意味で、「丸く見る」という言葉も使われます。
 今風に言うならば、2Dから3Dへといった感じでしょうか。
 しかし、安岡氏が昭和の時代に説いたものの見方は、更に先行く4Dです。

 見かけに惑わされず本質を見抜く、知力と眼力を身に付けましょう。

正義は必ず勝つ

 かつて、上司から質問されました。

 「正義が力か? 力が正義か?」

 確かに、前者こそ在るべき姿と願いつつ、力を持つ者だけが正義を唱えることができるのも現実。
 それがいかに、不条理であっても、非合法であっても、歴史は勝てば官軍なのです。

 そうした現実も歴史も踏まえつつ、青い私は「正義を持って勝ちたい。正義で勝たなければ意味がない。」と答えました。
 大山倍達氏の著書「強く生きたい君へ」の中に、「正義は勝つ」のくだりが書かれています。

【私は正義をもって邪悪に挑戦するなら、幾ら挑戦してもいいと考えている。
 このためには死んでもいいという戦いを、人として生まれたなら、なすべきである。
 それだけの正義なくして、なんの人生か。
 
 それだけの正義があれば、この人の世では必ずいつか、正義を知るものに理解され、多くの人々を味方にすることができる。
 だから、「正義は必ず勝つ」と言えるのである。
 
 また、自己の正しさを信ずれば、生死を超えた勇気をもって戦うことができる。
 だから、「正義は勝つ」のである。
 
 従って、人の戦いは、人の道に沿ったものであればある程良い。
 確かに人間は、本能も自我も持っている。
 だが、人と共に生きることを前提とする限り、人のために戦わなくてはならない。】

 あの時、この大山倍達氏の言葉を知っていたならば、澱みなく答えが出せたでしょう。
 今ならば・・・いや、かつての上司もきっと今は、力が正義ではないことに気付いていると信じたいものです。

平等かつ公正な資産

 かつて、新入社員研修の際、必ず伝えたメッセージがあります。
 
『皆さん方は、やる気に満ちて入社されたことと思うが、実務的に見ると知識も経験も足らない。
 朝8:00にヨーイドンでスタートして17:00を迎えた時、先輩社員との差は歴然としている。

 学校の成績であればここがゴールで、優等生と劣等性に区分けされてしまう。
 先輩社員と一緒に、「おつかれさま」と上がればそれまで。

 但し、ビジネスのゴールは翌朝8:00。
 この時点で仕事が追い付いていたならば、会社は同等に評価する。』

 今の時代こんな話をすると、残業の奨励、徹夜の強要と取られてしまうことでしょう。
 しかしそれは、「うさぎとかめ」の寓話に学ぶことと、何ら変わらない筈です。
 であるにも関わらず実態は、勤勉なうさぎと、怠惰なかめとの競争だったりします。

 能力の劣る人間が、能力の高い人間に追い付くためには、時間を味方につける以外ありません。
 それは後発の中小零細企業が、先発の大企業に追い付くのも同じです。

 地場不動産大手は、知名度も資本力も管理戸数もノウハウもシステムも社長の資質も、数段先を行っています。
 ところが幸いにも、時間と言う名の資産だけは平等で公正です。

 A社に一年400日、H社に一日36時間が割り振られている訳では無く、大企業も中小零細企業も、総て一年は365日、一日は24時間と決まっています。

 今朝は、やるべきことが沢山あったため、いつもより早く朝2:00起きで出社しました。
 出勤途中、煌々と灯る鉄工所や板金工場の照明には、大いに勇気付けらるものです。

 皆が寝静まった未明混沌の中で叩くキーが、大手の背中を追う小さな一歩になると信じつつ、「ラジオ深夜便」から流れる藤圭子さんの歌声を聴いています。

精神修養のステージ

 手抜きするつもりはありませんが、松下幸之助著「正道を一歩一歩」から、全文引用します。

『諸君は、わが松下電器に勤務される以上、一面、本所の諸種の仕事に従事すると共に、反面その間に自己の修養を心掛けるをもって本旨としなければならぬ。
 
 諸君は本所の都合上、いつどこへ転勤を命ぜられるかもしれぬが、本所においては本支店、工場、どこでもその指導精神は同一であり、いかなる仕事も本所のためであり、同時に諸君自身の修養であることをよく考えなければならない。

 しかるにこの頃、転勤した人の中に、どうしてもあそこでは仕事がきつすぎる、あの仕事は自分の性分に合わない、またあの上司の下ではどうも働き甲斐がないように思う、と不足を洩らす人があると聞いた。
  
 これはただ自己を中心として物事を考える弊。
 どこで何の仕事をするも松下の仕事であり、かつまた自己の修養であることを考えない、気ままの表れである。

 適材適所はもとより理想であるが、真に自己の適所を見出だすことはなかなか困難なことであり、それまでには色々な経験を積まねばならぬ。

 いかなる指導者の下にあっても、自己の心の持ちようで修養はできるものであり、性格、意見の異なった指導者の下にあってこそ、却ってよりよく修養が得られるものであることを深く考えなければならない。』

 経営の神様は、実に平易な言葉を用いて、社員個々の心に訴えます。
 部下は上司を選べませんし、上司も部下を選べません。
 尊敬に値するなら素直に従い謙虚に学び、そうでないなら反面教師として前向きに捉える。
 社会は、精神修養のステージなのです。

空手バカ一代の志

 大山倍達氏は、言わずと知れた極真空手の創始者です。
 劇画「空手バカ一代」に描かれている様な、ビール瓶の手刀斬りや牛殺しといったパフォーマンスばかり注目されがちですが、実は肉体だけでなく精神修養の達人でもありました。

 氏が私と同じ50代の頃に書き下ろした「強く生きたい君へ」は、空手道だけに留まらず、人生の指南書とも言える内容であり、名著中の名著です。

【「志」と「野心」との違いは、その目指すところにあると思う。
 富や名声のみを求めるのが「野心」であり、「志」とはより人格的な、精神的なものを求めることである。
 金儲けをして楽をしたいとか、みんなにもてはやされたいとか、そういう希望は、人間の動物的な欲求、或いは浅い精神で望むことに過ぎない。】

 誠に判り易い言葉で、実に明快に、「志」と「野心」の違いを説いています。
 更に氏の素晴らしさを際立たせるのは、自らの弱さや過ちを認めている点です。 

【 私は自ら人生を振り返って、皮相(ひそう)の欲求に負けたことが無いとは思わない。
 いや、私はしばしば「志」に反する欲求に負けた。
 しかし、私の「志」も決して負けっ放しではなく、その「志」ある故にいつも、自分の堕落やふしだらや軽率を恥じた。】
  
 日本を代表する・・・いや世界に名を馳せた求道者の見せる人間くさい一面は、我々凡人に救いの手を差し伸べてくれます。
 昨日までの自分を「このままではいけない」と戒め、明日への一歩を踏み出することさえできれば、「志」は負けることがないのです。

【「志」は大きければ大きいほど良く、高ければ高いほど良い。
 その大きさが人間としての大きさと成るのである。 】

 『志立立たざれば、舵なき舟、銜(くつわ)なき馬の如し』 王守仁

【現代には、舵のない舟、銜のない馬がうようよしている。
 これではいつか、日本の社会は滅びてしまうだろう。】

 氏の予言を的中させては成りません。
 「志」ある社員の集う、「志」ある経営を目指しましょう。

Never Give Up!

 我々は日常で、こんな言葉を多用します。
 「意識する」「無意識の内に」・・・前者は顕在意識、後者は潜在意識の作用です。

 顕在意識の部分は全体の僅か3~7%。
 残りの93~97%の潜在意識は、氷山の如く海の中に沈んでいます。
 これがフロイトの提唱した氷山モデルです。
 
 水面下に潜んでいる潜在意識を活用できれば、アインシュタインの様な天才的な閃きが得られるでしょう。
 しかし、潜在意識と顕在意識とは心理障害の壁によって隔てられており、自在にコントロールできません。

 しかし、ポジティヴシンキングやイメージトレーニングの効用は明らかで、成功哲学やスポーツ心理学といった分野で一般的に活用されています。
 古典的な受験生が、「東京大学絶対合格!」といった張り紙をしたり、「必勝!」と書かれた鉢巻きを締めるのも、潜在意識活用の一テクニックです。

 「自分は勝つ」と強く信じる、栄冠に輝く自分を鮮明にイメージする・・・それができるだけで、勝率は飛躍的にアップします。
 ところが、世の中の殆どの人は、真逆の負のスパイラルです。
 例えば、しつこいと思われるかもしれませんが宅建。

 無理だ、きっと合格できないだろう、自分は経験が少な過ぎる、盛り返すには時間が足らない、今年は練習で本番は来年だ、そんな長時間勉強は集中力が続かない、宅建は範囲が広すぎる、設問の意味が判らない・・・。

 言い訳はもう結構です。
 リングに上がる前に、「相手は強い、多分負けるだろう・・・」と弱音を吐くボクサーが何処にいますか?
 貴方達は御丁寧に、自ら潜在意識に呼びかけ、失敗するようマインドコントロールしているのです。
 
 「大多数の人は、最初の失敗のきざしが見えただけで、まだ完全に失敗してもいないうちから希望を捨て、すっかり諦めてしまう。」 
 ナポレオン・ヒル

 宅建試験は簡単。
 平成18年には12歳の少年が、平成17年には90歳の老人が、見事合格されています。 
 
 試験まであと二週間。
 Never Never Never Never Give Up!
 決して、決して、決して、決して、諦めない!

 今年はまだ誰も合格していません。

一大事は今日ただ今の心

 今日は、日頃の雑念を振り払うべく、禅の言葉を学習します。

◆ 生死事大(しょうじじだい)
◆ 無常迅速(むじょうじんそく)
◆ 各宜醒覚(かくぎせいかく)
◆ 慎勿放逸(しんもつほういつ)

 これは禅寺で、朝夕の時を告げるために打ち鳴らす木板という法具に墨書きされる語句だそうです。

大意:『時は人を待たず速やかに流れる。
  無駄に費やすこと無く修行に努め、一大事に向き合え』

 さて日常でも良く使われる「一大事」の意味を辞書で引くと、「放置できない重大な出来事。容易でない事態。」とあり、一般的には予期せぬ事故や、良からぬ事件が勃発する場合等、主に悪い出来事を指します。

 ところがそもそもは、仏が衆生(しゅじょう:命あるもの)を救うために現れて成仏することに由来しており、『最も大切な目的』という意味であったようです。

 「一大事と申すは今日ただ今の心なり。
 それを疎(おろそ)かにして翌日あることなし」 正受
 
 創業から丸4年が経ちました。
 ついこの前、新しい年が明けたと思っていたら、いつの間にか秋風が吹き、年末が近づきつつあります。
 
 まさに時の流れは速く、一大事を成し遂げようとする人を待ってはくれません。
 しかし、最も嘆き、悲しみ、悔むべきは、その一大事に気付かず、今日という二度と訪れない日を、今という二度とない時間を無駄に費やすことです。

350万円の電卓

 50年前と比較して、物価はどの位上がったか?
 総務省統計局の「小売物価統計調査」の結果をニュースで目にしました。
 
 しかし、その倍率を額面のまま受け取ることはできません。
 何故なら、昔は収入自体が少なかったのですから、収入に対する割合が大事なのです。

 例えばトヨタの代表的な大衆車の「カローラ」は、1969年発表時525,000円でした。
 当時の大卒初任給は3万円ですから、給料の17.5倍。
 現在価値に置き換えれば、350万円の高級車だった訳です。

 1964年、電卓を初めて発売したのはシャープ。
 その価格は実に535,000円!
 車よりも高かった電卓も、今や100円ショップで簡単に手に入ります。

 ざっくりの数字で言えば、50年間での初任給の伸びシロは約6倍。
 つまり、この間の値上がりが6倍程度であれば、その価値はほぼイコールなのです。

 そうした観点で見てみると、殆どの商品が6倍までに留まっています。
 トイレットペーパーは何と0.5倍! 
 先程の係数6をかけると、実に12分の1になったということです。
 現行価格1ロール50円が、当時は600円もした訳で、おちおちお尻も拭けません。

 大量生産、大量販売のスケールメリットが、ここまでモノの値段を押し下げた訳です。
 また、世の中にモノが溢れ、売れない時代に成ったとも言えるでしょう。

 根源的にモノの値段を決めるのは、需給バランス。
 買いたい人が多くて、売りたい人が少なければ価格は高騰しますし、その逆もまた真理。
 多くの方々の欲する商品を品揃えするならば、値崩れは起きませんし、企業も必要とされ続けるのです。

コンビニに学ぶ繁栄の鍵

 10月3日(木)日経新聞第二面に、コンビニ各社を比較した記事が出ています。
 以下、上位三社の一日当たりの売上と来店数です。

◆ セブンイレブン  669,000円(1,052人)
◆ ローソン     547,000円(  873人)
◆ ファミリーマート 523,000円(  550人)

 業界第二位のローソンに比較して、TOPのセブンイレブンは20%超上回っています。
 記事中、セブンの強みは「欠品は悪」の文化にあると分析しています。

 今から四半世紀程前、自分が某菓子店の店長をしていた時代の話です。
 ケーキや生菓子の消費期限は1日限り。
 売れ残った商品は、総てロスとして廃棄処分されます。

 貧困な幼少期を過ごした私は、勿体ない意識が強く、「ロスは悪」と認識していました。
 従って、オーダーも消極的になってしまうのです。

 夕方のかきいれ時になりますと、ショーケースの在庫は乏しくなり、品数も限られます。
 車が駐車場に入ったお客様が、自動ドア越しにガラガラのショーケースを見た瞬間、踵(きびす)を返して入店しないお客様を、悔しい思いで何度見送ったことでしょう。
 お客様は、ケーキを買いにくる目的と同時に、「選ぶ」ことが楽しみなのだと教えられました。

 我々の業界も同じです。
 大手であろうと中小であろうと、チェーン店であろうとオリジナルブランドであろうと、お客様は品揃えの豊富なお店で、最良のお部屋を選択したいと思われています。
 何より、弁当や菓子と違って、我々が仕入れた商品は腐るリスクがありません。

 物調(物件調達:仕入れ)が、いかに大切か?
 異業種であるコンビニの記事からも、賃貸仲介業繁栄の鍵を知ることができます。

檄から逃れる方法

 宅建試験まで、あと二週間。
 受験生の皆さんは、昨日の定休日をいかに過ごされたでしょうか?
 
 自分が受験生だった当時の話をします。
 子供もまだ小さくて、父親を慕ってくれる可愛い盛りです。
 しかし、合格が絶対命題であった自分は、子供が寝ている間に出社して勉強、仕事を終えてからも会社に居残りで勉強、子供が寝付いてから帰宅し、風呂と食事をそそくさと済ませて勉強という習慣でした。

 平日でも、一日5~6時間は勉強漬け。
 寝ても覚めても、とは正にこのことでしょう。

 受験は、睡魔との闘いです。
 深夜の勉強は何度も堕ちそうになりますが、ガムを噛んだり、コーヒーを飲んだりして耐えます。
 堪え切れなくなると、気分を変えてそこから50問テスト。
 テストとなると、気持ちが切り替わり、眠気が飛びます。

 テストが終わると答え合わせ。
 間違った問題は当然として、たまたま正解した問題も、確信が無ければ再確認します。
 宅建試験は50問ですが、四肢択一という意味では200問です。
 会社の模試も同様ですが、その200問を洗いざらい確認しなければ、テストの意味はありません。

 休日は、朝から晩まで図書館で延々と、テスト→答え合わせ→確認の反復でした。
 自宅であれば、ついつい横になったり、TVが気になったりするからです。
 中卒の私が合格できたのですから、皆さんもそこまでやれば必ず合格できるでしょう。 
 
 この拙文を読みながら、「またか・・・」「しつこい・・・」と感じている貴方に、敢えて申し上げます。
 執拗な檄から逃れたければ、何が何でも今年合格して下さい。
 来年も、再来年も、合格するまで言い続けます。
 
 今同じ職場で働く、大洲駅前店の滝井店長も、松山南店の石田さんも、十数年前にこのプレッシャーを受け続け、合格の栄冠を勝ち得た方々です。

 「大善は非情にも似たり、小善は大悪にも似たり」

 見せかけの優しさではなく、結果に感謝される、愛情溢れる厳しさで接したいと思います。

丸投げ相談禁止令

 立場上、社内外から判断を迫られる機会が数多く有ります。
 社長の役割は判断業ですから、それも当然です。
 逆に、職権の与えられて無い領域で、何の相談も無く、勝手な判断をされたのではかないません。
 報告・連絡・相談は、仕事を円滑に進める上で、欠かせないキーワードです。

 これは、コーポレートガバナンス(企業統治)上の一般論であります。
 とはいえ、「丸投げ相談」は避けて頂きたいもの。
 以下は、典型的な丸投げ言葉です。

 「・・・という問題が起きています。
 いったい、どうしたら良いですか?」
 
 勿論、経験や知識が及ばなくて、なにも思いつかないということもあるでしょう。
 それでも、その問題の解決策について、せめて考える癖だけはつけるべきです。
 
 「・・・という問題が起きています。
 原因について、自分は次の様に考えます。
 その方向で進めたいのですが、宜しいでしょうか?」

 上司が、yesかnoかで返事できる具体策まで提案できれば及第点です。
 最初は的外ればかりだったとしても、判断の思考トレーニングを繰り返す内、やがて正答率が高まり、立派な管理職の能力が身に付きます。

 店長になってから店長に相応しい判断力を体得するのではなく、
 役員になってから役員に相応しい判断力を体得するのではなく、
 社長になってから社長に相応しい判断力を体得するのではない。

 店長に相応しい判断のできる人が店長に抜擢され、
 役員に相応しい判断のできる人が役員に抜擢され、
 社長に相応しい判断のできる人が社長に抜擢されるのです。

 心掛け一つなら、早速今日からでも取り組めると自分は思います。
 その方向で進めたいのですが、宜しいでしょうか。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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