真の顧客第一主義

 前職の会社は、CS(Customer Satisfaction=お客様満足)を重視する会社でした。
 当時、CSを含めた経営品質を追求していた先進の、「リコー」「武蔵野」「ネッツトヨタ南国」といった企業を研究すると共に、多くのセミナーにも参加させて貰ったものです。
 その中で、面白い話を紹介されました。

 「世の中の企業の多くは、CSの重要性に気付いていない訳ではない。
 経営理念にも『顧客第一主義』をうたい、毎朝社員は大声で唱和する。

 しかし、朝礼や会議の冒頭で、まず最初に論じられるのは受注・売上・利益。
 これでは『顧客第一主義』ではなく、『利益第一主義』なのではないか?」

 この話を聞いた社長は、末端部署での会議から取締役会に至るまで、総ての会議の冒頭議題を「CS・クレーム報告」に改めました。
 我が社の朝礼の式次第において、出欠確認に続く報告事項が「CS・クレーム報告」である理由も同じです。 

 我が社は営業会社ですから、受注金額・契約件数といった数字を重んじます。
 受注が計上される度に、グラフを書き換え、全社員に発信し、オフィス内に張り出す訳です。
 数字を上げた社員は優越感に浸り、振るわない社員は悔しさをバネに雪辱を期すことで、競争意識が煽られます。

 しかし、ふと考えさせられました。
 まさに「売上第一主義」ではないか。

 勿論、「売上」がなければ今日のメシを食えませんし、今日のメシを食わずして未来を語ることはできません。
 しかし、明日のメシの種蒔きであるCSは、それと同じ位大事なものです。
 
 日々更新され、重要性をもって意識付けされるグラフに新たな指標が加わり、「見える化」されたことで、CS重視の企業文化が醸成されることを期待しています。
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下りエスカレーター加速

 私がビジネスマンとしての一歩を踏み出したのは平成2年7月、まさにバブル経済終焉の年。
 勝ち組と負け組の優勝劣敗の色分けが鮮明になってきた時代です。
 思えば、戦後復興から高度成長期にかけ、オイルショックを挟みながらも、基本的に日本は右肩上がりの成長を続けてきました。

 この時代にも破綻や倒産はありましたが、主な理由は放漫経営。
 つまり、普通に経営していれば会社は成長し、雇用は守られ、賞与は支給され、給料は上がり続けた訳です。
 某コンサルタントは、面白い比喩で時代を言い表しています。

 「これまでは上りエスカレーターの時代。
 何も努力しなくても、上階に上がることができた。

 これからは下りエスカレーターの時代。
 必至で両足を動かさなければ、下階に転落する。」

 日本人の生産性の低下、労働コストの国際競争激化等、原因は幾つかありますが、内需低下の主因は人口減少です。
 先日の日経新聞一面TOPに、大きな見出しが躍っています。

 「2020年 全都道府県で人口減」
 「都市部も高齢化加速」
 「2040年 市町村の7割 20%超減」

 乱暴な言い方をすれば、「戦後7000万人だった人口が、1年に100万人ずつ増えて、50年後の現代1億2000万人になった」日本が、今後「1年に100万人ずつ減って、50年先7000万人に戻る」訳です。

 しかも、東京・大阪・名古屋といった都市圏への集中を考慮すれば、地方都市のエスカレーターは一層下りの速度を増します。 
 四半世紀先、「市町村の7割で20%超減」という数字に、高齢化社会の進行を加味すれば、市場が半分になると考えてもおかしくありません。

 過去は、既存のお客様を蔑(ないがし)ろにしてでも、新たなお客様に向けて宣伝・広告・販促すれば、売上を確保できました。
 これからは、今、目の前にいる入居者様やオーナー様にお役立ちし、そこからの御紹介・リピートを得られない限り、絶対に成長できないのです。

 目先の売上・利益に一喜一憂する体質を改め、「Big Smile」に大きく舵を切った大きな理由がここにあります。

  

目標は有限・目的は無限

 我々賃貸仲介業者にとって3月は文字通り天王山。
 社員の皆様の頑張りにより、後三日を残して予算達成と成りました。
 ありがとうございます。
 
 勿論、戦いは終わった訳ではありません。
 今月の更なる積み増しと、来月のための繰り越し確保に向けて、もう一頑張りです。

 さて、どこの会社でも、こうした数字を意識した声掛けがあります。
 受注や売上や利益が無ければ、賞与・昇給が実現しないだけでなく、雇用を維持することもできません。
 今日のメシの種として、重視するのは当然でしょう。
 但し、それだけでは成り立たず、それが総てで無いのも、また経営です。
  
 起業する時、その創業スタッフは、少なからず会社の未来に希望を抱いてスタートします。
 その後、一定期間までは、普通に経営していれば右肩上がりですから、それなりにポジティヴで居られるものです。

 ところが、一巡二巡して売上が頭打ちになってくると、事態は変調を来たします。
 或いは、売上が順調であったとしても、精神が病んでしまうケースも少なくありません。

 特に、繁忙期明けは要注意。
 お客様が次から次に押し寄せてきて、接客や契約に忙殺されていれば、考える暇も無いし、それなりに充実感も得られるものです。
 そうした状況が沈静化し、一息つくと急激にモチベーションがダウンします。
 また好調な時にでも、目標→達成→目標→達成の連続に、どこか虚しさを感じてしまうこともあるものです。
 
 冒頭の言葉の様に、「更なる積み増しを!」「来月の繰り越し確保を!」と鼓舞せども、「これ以上何のために?」という、猛烈な目標喪失感に襲われてしまう・・・。
 いわゆるバーンアウト(燃え尽き症候群)です。

 この感覚には、個人差があります。
 更なる売上によって、「給料を上げよう!」「賞与を勝ち取ろう!」と、自燃性を持って燃え続ける方もいらっしゃいますが、そうした才能の持ち主は少数派です。

 やはり重要なのは、経営の目的である理念の共有でしょう。
 入居されるお客様にご希望通りのお部屋を提供して満足して頂く。
 管理を任せて頂いている物件の経営改善に寄与して満足して頂く。
 
 中立公正な立場で貸借双方の笑顔を集める、理念追求には達成も限界もありません。
 目標は有限ですが、目的は無限です。

率直な意見具申

 先日、「脱イエスマン」という内容でブログを綴りました。

 少し補足をさせて頂くと、脱イエスマンは、やることなすこと反発ばかりする「あまのじゃく」とは違います。
 また、わがままな私的感情を露わにすることでもありません。
 秩序正しき組織人として求める脱イエスマンは、冷静かつ率直に意見できる人材です。

 現場で真剣に仕事をしていれば、時として会社の判断に納得いかないこともあるでしょう。
 そんな時には、遠慮することなく、冷静かつ率直に意見して頂きたいと思います。

 直接話すも良し、電話で問い合わせするも良し、メールで聞くも良しです。
 そこで意見したからといって、評価が下がったり、冷遇されたりすることはありません。

 先日も、ある店長を通じて質問が投げかけられたことで、社員に説明する機会を得ました。
 良い改善の機会を頂いたと、大いに感謝します。
 勿論、「声を上げれば総てが叶う」訳ではありませんが、少なくとも耳は傾けますし、実現できない場合にも説明責任はしっかり果たすつもりです。

 辛抱や妥協で呑み込む方もいらっしゃいますが、それは少なからずストレスとなって貯め込まれます。
 時に、仲間内だけで不平不満を言い合うこともあるでしょう。
 
 「言葉は言霊(ことだま)」

 ネガティヴな言葉は、周囲に伝染し、聞いた人総ての心に悪影響をもたらすものです。
 グループの中に一人でも広い視野を持った人材がいて、諭してくれれば小火(ぼや)の内に消し止められます。
 しかし、そうした存在が無ければ、稚拙な声が、さも正論であるかの様に燃え広がり大火に発展してしまうでしょう。

 繰り返します。
 納得のいかないことがあれば、率直に具申頂ければ幸いです。

人事は会社のメッセージ

 今週の手帳の言葉は、まさしくタイムリーでした。

 「人事とは人を選ぶことではない。
  人材を育成することである。」

 人事は、会社のメッセージです。
 
 「どんな人材を採用するのか?」
 「どういうケースの時に称賛し、叱責するのか?」
 「何をもって評価するのか?」
 「どういった基準で、役職者や役員を登用するのか?」
 
 受注・売上・利益のみを重視する会社もあるでしょう。
 コンプライアンスやお客様満足は二の次、理念も誇りも遣り甲斐もへったくれもない。
 飴と鞭で社員を鼓舞し、数字が上がらなければ使い捨てにする。
 そういう文化の中では、当然社員も手段を選ばなくなります。

 勿論、受注・売上・利益は大事です。
 いかに高邁な理念も、経済が伴わない限り戯言(たわごと)に過ぎません。
 とはいえ、人が仕事に勤しむのも、会社の存在意義も、そこだけでは虚しいものです。

 創業から丸3年が経過した今期、満を持して「お客様満足」を錦の御旗に掲げました。 
 以前からご紹介している「Big Smile」キャンペーンです。

 人は、声掛けだけでは動きません。
 人事評価との連動が、絶対に必要に成ります。
 
1.お客様アンケートの回収
2.アンケートの内容
3.「Big Smileバッジ」の数

 これらの指標によって評価するということを、今期のスタート段階で周知しました。
 僅か数ヶ月の取り組みで、全国のランキングに名を連ねるまでになったことを、実に誇らしく思います。

 もっと大事なのは、この「Big Smile」によって実現するお客様の笑顔は、将来へ向けた種蒔きであるということ。
 満足したお客様は、きっと周囲の皆様に宣伝して下さるでしょうし、その声はやがて紹介やリピートにつながる筈です。

 「お客様満足なんかより利益だ!」・・・この考えは矛盾に満ちています。
 お客様満足を追求すれば、後から利益はついてくる・・・orではなく&の哲学なのです。

秩序を守る脱イエスマン

 私のビジネス上の信念・・・というと大袈裟ですが、常に心掛けていることがあります。

 「脱YESマン」・・・つまり、「上司の言うことだから仕方ない」といった、妥協によって仕事をしないということ。
 16~27歳まで、11年間職人だったこともあり、上司への「ごますり」や「へつらう」ことが大変苦手です。
 
 会社に属してからも、納得して仕事をするために、社長だろうが上司だろうが、言うべきことは遠慮なくズケズケともの申してきました。
 上司にとってみれば、可愛げのない部下と映った筈ですし、さぞかしやりにくかったことでしょう。

 歳と共に多少丸くは成りましたが、その気質は今でも変わりません。
 「俺って組織に馴染まない人間だなあ」と、つくづく思います。
 裏を返せば、そうした自分を理解して下さる上司に恵まれたからこそ、今日があるのです。

 立場を変えて、部下に対してもYESマンは求めません。
 仮にYESマンが居たとしても、それは妥協か辛抱の産物であって、全く信用できません。

 総ての指示命令について、社長の意図を汲み取り、同じ価値観で居てくれる部下なんて、この世の中に居る筈も無いし、仮にそんな社員ばかりの集まりだったとすれば、その組織は早晩澱んで腐ります。
 池の水は、雨が降ったり、山水が流れ込んだりするからこそ、清んだ状態を維持できるのです。
 
 一方で、組織の統制や秩序は重んじます。
 社員の声に耳を傾けることや現場主義の重要性を否定する意味ではなく、社長や店長の威厳を強権的に振りかざすつもりも有りませんが、社長が社長であり、店長が店長である以上、上司も部下も立場は弁(わきま)えなければならないのです。

 社員には社員の立場があり、ものの見方があるのと同様に、店長には店長に相応しい、社長には社長にしか理解できない、そして責任を取るための、ものの見方や考え方があります。
 視野の広さも見え方も違う訳ですから、時にそれは、まったく違った判断になることもあるでしょう。

 それでも、時間の許す限り、説明責任は果たしていくつもりです。
 「脱YESマン」と「組織の秩序を守る」、この二つは決して相反する考えではありません。

最悪を想定する

 常用している手帳の言葉をご紹介します。

 「プラス発想とは、すべてを受け入れる心、素直な心である。
  八方塞がりの時、まず、すべてを受け入れるところから解決策が見えてくる。」

 裏を返せば、すべてが否定から始まる、斜に構えた心はマイナスということなのでしょう。
 世の中には野党の様に、やることなすことケチをつける「批判家」も、少なからず存在します。

 「あの時の判断が間違っていたんだ」
 「あんな考え方は駄目だ」
 「こんな環境では力を発揮できない」

 「駄目な理由」「できない理由」を幾等並べ立てたところで、何の解決策も導くことはできません。
 目の前の現実を受け入れ、相手の言い分に耳を傾けた上で、最終的にwin-winとなる方策を探るのが最善です。

 さて、心で受け入れるために、欠かせない重要なプロセスがあります。 
 「最悪の事態を想定する」
 出典は確か、カーネギーの名著「道は開ける」でした。
 
 「最悪な事態を想定する」という言葉だけを聞くと、少しネガティヴに感じますがそれとは違います。
 「最悪のケースでも、この位で済むな」という覚悟を決める意味です。
   
 例えば、社員の方が契約予定のお客様にクレームをつけられて困っているとしましょう。
 最悪は、その見込み客の方がキャンセルになって数字が上がらない・・・だけ。

 今月の売上が作れなくて、店長の心労が尋常ではないとします。
 最悪は、社長から怒られて、昇給や賞与が減る・・・だけ。

 何れもそんなものです。
 思い悩む人は、人類最後の日の様な深刻な表情だったりしますが、山より大きな猪は出ないし、命まで取られる訳ではありません。

 最悪の事態を想定し、受け入れ、腹を据えれば、気持ちは大分楽になります。
 悩みごとの殆どは、自ら創り上げた現実よりも巨大化した妄想や幻影に惑わされているだけです。

 腹を据えた上で、「よし当たって砕けろ!」と思うか、「今月のショートは仕方ない。必ず来月取り戻す!」と心に誓うか、何れにしても前向きな解決策へと一歩踏み出すことができます。

 こんな文章を書くと、「ははーん、業績が厳しいんだな」と勘繰られてしまいそうですが、ご心配なく。
 各店舗の頑張りで、今月は大幅に上方修正できそうです。

草履を温めた猿

 良く引き合いに出す小話です。

【 親方 「いいか小僧、一寸出かけてくるから、火鉢の上の餅をよーく見とくんだぞ。」
  小僧 「へい、判りやした!」
  暫くして戻ってくると、小僧は火鉢の前で、まっ黒けの墨になった餅をじっと見つめていました。】

 そう、この小僧は間違っている訳ではありません。
 「餅を見ておけ」と言われたから、その言葉を鵜呑みにして、ふくれ様と焦げ様と、じっと凝視していただけです。
 
 いわずもがな、ここで親方が発した「餅を見ておけ」という指示は、
 「焦げない様に適宜ひっくり返しながら、食べ頃になったら火鉢から下ろしておけ」
 という意図が内在していました。
 何故餅が焦げたのか、理由は二つ。 

① 小僧が未熟であった
② 未熟な小僧に対する指示が大雑把過ぎた

 もう一つ、有名な歴史上の逸話です。

【 ある冬の日、信長は外へ出るため、草履を履こうとして、はっと気が付いた。

信長  「猿、猿は何処におる!」
藤吉郎 「ははっ、ここに。」
信長  「この草履は温かい。さてはこの草履の上に腰かけておったな、無礼者!」
藤吉郎 「いえ、お言葉を返すようですが・・・。」

 藤吉郎は、徐に着物の襟を開き、泥のついた胸元を見せた。

藤吉郎 「この通り、親方様の足元が冷たかろうと温めておりました。」
信長  「・・・。」 】

 仕事の御紹介を受けた時に、地理的に近い店舗や、適切な担当者に仕事を振るケースは少なくありません。
 顔つなぎのために、初回は同行する旨の指示を送ります。

 ある担当者は、事前に現地の写真を撮り、周辺相場を調査した上で、資料を準備して同行の日に備える。
 ある担当者は、現地も見ていない、調査もしていない、資料も準備していない、すべて社長任せ。

 こうした気付きの積み重ねが、ビジネスマンとしての差に成ります。
 「餅を焦がした小僧」ではなく、「草履を温めた猿」を目指して下さい。

野に下らず:後篇

 これは、我々の会社とは無関係ですし、加盟する前の事件ながら、指摘を受けた違反が有ったことは否定しません。
 但し、誤解の無い様に少し補足を加えておきますと、エイブルだけに留まらず、当時(今も)ネット広告は全般的に野放し状態でした。
 
 エイブルに対する排除命令は、一法人として日本最大の店舗数を抱える業界のリーディングカンパニーに課すことで、無軌道な業界に警鐘を鳴らす目的だったのです。
 
 ネット反響を得るためには、豊富な品揃えが求められます。
 量的な競争はエスカレートして、各社挙って数千件もの情報が公開されるわけです。
 
 ネット上にアップされた物件情報は日々刻々と、成約によって埋まったり、新たな部屋が空いて募集されたりします。
 本来は、そうした動きがある度に、適宜上げ下げしなければなりません。
 それが追い付かない時、悪意なき「おとり広告」が、消費者の目に晒されます。
 前回記述の通り、「紙は捨てられるが、ネットは残る」・・・そこが大きな問題点です。
 
 エイブルでは、かつての過ちを踏まえ、掲載14日間で総ての情報をダウンさせる再発防止策で運用しています。
 一度ダウンした情報は、空室確認の後、再びアップしなければならないのです。
 多大な手間はかかりますが、お客様に正しい情報を提供するためには、必要不可欠なプロセスと言えます。

 一方で、他社の取り組みはどうでしょう。
 2年前、1K(家賃1万円台)から1LDK(家賃4万円台)へのフルリノベーションを弊社が提案した物件は、ずっと満室稼働です。
 
 満室にも関わらず、前管理会社は今もなお、ポータルサイトや情報誌に物件情報を掲載しています。
 今の外観写真で、古い館名で、古い間取(1K)で、古い家賃(17,000円)のまま・・・。
 つまり、この世に存在しない物件を広告掲載しています。

 予算に限りある方は、この広告を見て問い合わせする筈です。
 その度にこの会社は、「いやぁ申し訳ありません。この物件は埋まってしまいまして、宜しければ類似の物件をご紹介させて頂きます。」と営業しているに違いありません。
 そんな場面が、2年もの間に何度繰り返されたことでしょう。

 ここまでくると過失の域を超えて、完全悪意の確信犯。
 しかもここは、地域でも老舗の大手として、信用のある会社と位置付けられているから厄介です。 

 中小零細の他仲介会社が、どれだけ野放しの構図であるか、推して知るべし・・・だからと言って、我々が野に下るつもりはありません。 
 正義は勝つと信じ、正々堂々と公明正大に、尋常成る手段を持って戦い抜きましょう。   - 了 -

野に下らず:前篇

 私がこの仕事に携わり始めた当時、賃貸仲介の反響媒体と言えば、現地看板や情報誌・チラシ等の紙媒体が主流でした。
 そこから分譲マンション事業に異動し、十数年振りに戻ってみると、ホームページ、ポータルサイト、モバイル、スマートフォンと、その主流はネット広告に様変わりしていたわけです。
 まさに浦島太郎で、旧態依然とした頭を実態に追い付かせるのに、かなり時間を要しました。
 
 紙媒体とネット広告の大きな違いがあります。
 「紙は捨てられるが、ネットは残る」

 紙媒体の広告は、校了という出稿期限が定められています。
 例えば、3月20日校了 → 4月5日発刊という情報誌の場合、校了から発刊まで半月のロスタイムがあり、読者が手に取った段階で「良い物件がある」と思って問い合わせても、既に成約している可能性がある訳です。
 
 これは不可抗力であり、「おとり広告」ではありません。
 校了段階で成約している部屋の情報を掲載すると、当然に「おとり広告」です。
 ここで「おとり広告」について、説明しておきましょう。
 
【 景品表示法第4条第1項第3号の規定に基づく告示 】
 「不動産のおとり広告に関する表示」(昭和55年公正取引委員会告示第14号)は,自己の供給する不動産の取引に顧客を誘引する手段として行う次のような表示を不当表示として規定しています。

(1) 取引の申出に係る不動産が存在しないため,実際には取引することができない不動産についての表示(例…実在しない住所・地番を掲載した物件)

(2) 取引の申出に係る不動産は存在するが,実際には取引の対象となり得ない不動産についての表示(例…売約済みの物件)

(3) 取引の申出に係る不動産は存在するが,実際には取引する意思がない不動産についての表示(例…希望者に他の物件を勧めるなど当該物件の取引に応じない場合)

 これに違反した場合、排除命令・指示処分・業務停止等の処分が下されます。
 今から5年前、我々がネットワーク加盟しているエイブルの直営店は、景品表示法違反(おとり広告、優良誤認)で、公正取引委員会から排除命令を受けました。    つづく

若さ故の特権

 日本には、素晴らしい諺があります。

 『聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥』

 まさに、その通りです。
 
 『もし、経験がないならば、尋ねなさい。
  尋ねることは恥ずかしいことではありません。
  けれど、知らないことを、知っているようなふりをするのはやめなさい。』 マザー・テレサ 

 いや、聖母テレサにお言葉を返すようですが、私位の年齢にも成りますと、人にものを尋ねるのにも躊躇してしまいます。
 「いい年こいて、こんなことも知らないの」
 そうやって個人が笑われるだけならともかく、会社の信用も背負っているからです。

 不動産業に足を踏み入れて20年、社会人になって35年、生を受けて50年が経過しました。
 このブログの影響か、博識なイメージがあるようです。
 その実態はというと知らないことだらけ。

 以前は、デスクで仕事する際、辞書が手放せませんでした。
 今はネットで、国語も和英も英和も歴史も、簡単にキーワード検索できます。
 本当に便利な世の中です。

 しかし、知れば知るほどに、知らないことが増えていきます。
 更に、新しい知識が増える程、ところてん式に押し出し、端から忘却している有り様です。

 若さは財産。
 かつて、松下幸之助も五島慶太も若手社員に対して、「貴方の若さをくれるなら、私の全財産を差上げても良い」と語ったそうです。

 若い方に声を大にして申し上げます。
 知らないことがあっても、胸を張って聞くことができるのは今だけの特権です。

上手くいかないからこそ

 キーマンを上手く説得できなかったり、社員に上手く想いを伝えられなかったり、契約予定のお客様からドタキャンされたり、採用が遅々として進まなかったり、滞納家賃がなかなか回収できなかったり、懸案物件の入居斡旋が低迷したり・・・。

 「なかなか上手くいかないなぁ」と溜息つくことがあります。
 そんな時、いつも思い出すのがこの言葉です。
 
 『上手くいかないのが人生』

 そう、そもそも人生とは上手くいかないものです。
 上手くいかないのが当たり前・・・そう考えますと、精神的にはかなり楽になります。

 くれぐれも「あきらめなさい」「観念しなさい」と言っている訳ではありません。
 難しいことを受け入れた上で、「難しいからこそ、やり甲斐がある」として、チャレンジスピリットを奮い立たせる熱が大事。
 何より、「難しいこと」と「不可能なこと」はイコールでは無いのですから。

 「難しいこと」を「可能にする」ために、心を込めて何通かの手紙を書きました。
 過去こうした手紙を何百通・・・いや何千通送ったでしょう。

 中には起死回生の一打となったケースもありますが、大半は無駄骨です。
 成果につながる可能性は極めて低く、実に効率の悪い仕事と言えます。
 
 但し、「可能性が低い」ということは、「可能性がある」と同義語。
 一方、あきらめた時点で可能性はゼロです。

 上手くいかないからこそ、上手くいった時の充実感や達成感を味わうため、上手くいかなかった時に後悔せぬ様、一縷の望みが断たれるまでは、精一杯抗ってみようと思います。

真の支配者の声

 先日のブログでお客様からの称賛の声をお届けした「Big Smile」アンケートですが、実は今期初のレッドカードも同時に頂戴しています。
 差し障りがあり、具体的な話が書けないため、判り難い点はご容赦下さい。

 長期的な考え方として、個人商店の集合体を成長軸に置く我が社は、同じブランドで同じ看板を掲げながらも、各店舗の自主性・自立性を尊重しています。
 店長を中心として、個性豊かな店づくりが成されることは悪いことではないでしょう。

 今回のクレームは、ある店舗における独自の特色について寄せられたものでした。
 その特色には、メリットも多くあります。
 だからこそ、自分自身も黙認・容認してきたのです。

 但し、少なくとも一人の契約客の方が、その点に違和感を感じられました。
 アンケートにクレームを書くのは勇気が要ります。

 たかが一件の声も、実は氷山の一角です。
 即ち、「言いたくても言えない」で呑み込み、それが原因で「他決した」或いは「再来しなかった」お客様が、水面下に数多く潜んでいると見るべきでしょう。 

【 直接目に見えないお客様こそ、会社の本当の支配者である。
  この支配者であるお客様は、被支配者である会社に対して、何も命令しない。
  何も命令されないものだからそこに、お客様が会社の支配者であるという実感が生まれない。
  命令はしないけれど、自分の意に沿わない時には「無警告首切り」をする。
  つまり、だまってその会社の商品を買わない。
  そのために会社は業績不振に陥り、倒産の道を歩まなければならないのだ。
  たまにクレームをつけるお客様がいるが、この様なお客様こそ本当に有難いお客様である。
  「お前の会社は、そんなことをしていたらつぶれるぞ」という警告を発してくれる人だからである。 】
  『一倉定の社長学』第九巻『新・社長の姿勢』より

 我々の様な後発の中小企業が、強大な先駆者と伍して戦うには、お客様の声に耳を傾け、沢山の笑顔を集めていく以外に無い筈です。
 
 こうした声が上がるまで気付かず、正しい指導ができなかった自分自身の怠慢と力足らずを大いに反省します。
 そして、声を聞いた今、一切の判断に迷うことはありません。 

いつも丁寧な接客

 今期から、会社を挙げて戦略的に取り組んでいる「Big Smileアンケート」。
 2月度のバッジ獲得数(3個)で、松山久米店の伊藤社員が堂々全国一位に輝きました。

 日本と世界主要都市に800店以上展開しているエイブルの約半数が、我が社と同じネットワーク店。
 400店に在籍する営業マン総数はざっくり2,000人。
 単月の瞬間風速とはいえ、その頂点に立つのは容易ではないでしょう。
 
 このアンケートは、①接客 ②情報提供 ③質問への回答、の3項目に分け4段階で評価頂きます。
 4点×3項目=12点満点ですが、必ずしも12点でバッジ獲得とはなりません。
 アンケートのフリーコメント欄に、具体的な内容をしっかりと書き込んで頂くことが必須となります。

 部屋紹介の対価を払った上で、その営業マンに対する称賛や感謝を、わざわざ書いて頂けるのは本当に有難いことです。

 また、今期トータルバッジ数では、松山南店の石田さんがダントツ。
 バッジ獲得の一例を紹介します。

「石田さんのお人柄と、丁度良い物件に惹かれました。
 (来店時は)いつも突然でバタバタでしたが、嫌な顔一つせず、丁寧で安心できました。
 曖昧な返事はなく、いつも確認した上で教えて頂けたので助かりました。
 いつも丁寧な応対ありがとうございました。」

 「いつも」「丁寧」というワードが、何度も登場します。
 別のお客様は、こう書いて頂きました。

 「営業時間外でも対応していただき、ありがとうございました。」

 営業マンも人間です。
 立て込んでいる際の突然の来訪や、閉店間際のお客様に対して、ついつい邪険な対応となってしまうこともあるでしょう。

 しかし石田さんは、目の前の一人ひとりのお客様に対して、裏表なく「いつも」「丁寧」に接したからこそ、お客様の心の琴線を奏でたのです。
  
 「忙しいからそれどころじゃない」「売上優先」・・・といった理由で、多くの店舗が積極的でないこの「Big Smileアンケート」。  
 短期はともかく、長期の時間軸で見れば、バッジの数と売上は必ず比例してくる筈です。

桜の花のように:後篇

【 僕もそれなりに年を重ねたんだろうか。
 ベッドでゆっくりと眠りにつける、朝起きて温かいコーヒーを飲める。
 そんな瞬間に幸せを感じる様になってしまった。 

 開けたカーテンから漏れる陽光のぬくもり。
 朝ごはんを口にできる喜び。
 これ、50代になったら「ああ、今日も花が奇麗だな」って感じるようになるのかね。 】

 「・・・なってしまった」という表現が、いかにも彼らしい。
 そうした人生の機微を理解できるようになった年齢への自覚、現役アスリートとして「歳とってんじゃないよ」という己への発奮が入り混じっています。

 かくいう私も、「嗚呼、花が奇麗だ」と感じたのは、今から四年前の春です。
 それまでも決して、花の美しさに気付いていなかった訳ではないでしょう。

 しかし、現在の様に、立ち止まって写真に納めようなどと、心動かされることはありません。
 この年の1月21日、19年間勤めた会社が民事再生法を申請しました。

 お客様、社員、ビジネスパートナー、株主、社会、そして家族・・・。
 多くのステークホルダーの期待に応えられなかった不甲斐なさ、情けなさ、損なわれる自尊心・・・様々な想いが去来し煩悶する中、車窓越しの桜が、一際鮮やかに映ります。
 
 咲き誇れども、僅か1~2週間で散りゆく儚い命を、精一杯咲かせる桜花に、大袈裟ではなく勇気と希望を授かりました。
 
【 2年前の3月11日から僕らの感覚は変わった筈だ。
 明日何が起こるか分からない。
 終わりが突然訪れるかもしれない。 
 それでも、だからこそ、一瞬一瞬を懸命に生きることを忘れたくない。 】

 そう、散るからこそ美しい、あの桜の花の様に・・・。  - 了 -

桜の花のように:前篇

 キングカズこと三浦知良氏が、日経新聞に不定期連載されているコラム「サッカー人として」。
 猪又社長も絶賛されていた通り、先日の記事も秀逸でした。

【 「人間は忘れる。生きていくには忘れることが必要な場面だってあるだろう。」
  3月11日、作家の伊集院静氏が新聞に書いていた。

  日本人の9割は東日本大震災の被害を直接被っていない。
  僕もそうだ。

  そんな僕らが忘れてしまっては罰当たりな気がしていた。
  被害に遭っていないだけに、よけいに罪に似た意識を感じる。
 
  ただ、「忘れるな」と連呼するだけでは押し付けにならないかと伊集院氏は言う。
  むしろ、忘れるのは認めた上で、忘れない努力を考えていこうと。
  そうだよなと共感を覚える。 】

 昔読んだ瀬戸内寂聴さんの本に、連れ合いを不慮の事故で亡くし、ひどく落ち込んでいる女性を慰め、諭す説法がありました。

 『どんな苦しみも悲しさでも、人間は、生きて耐えていたら、いつの間にか「時」が薬となって少しずつ癒してくれるものなのです。
 忘却という能力が人間に与えられているのは、神仏の劫罰(ごうばつ)なのか、恩寵(おんちょう)なのかと、私は今でもわかりかねます。
 でも、どんな苦しい経験も、どんな辛い思い出も、その時に受けたと同じ強さを保って、人の中に住み続けるということは決して無いのです。』

 深い、実に深い気付きです。
 そこから先に続くカズの言葉は、同年代ならではの共感をもたらすものでした。     つづく

千日の稽古をもって鍛

 本日このブログは1,000回目を迎えました。
 御愛読ありがとうございます。

 前職でも同タイトルで拙文を綴ってきましたし、FC2登録前にも社内文書として発信しておりましたから、実質の数はとっくに1,000を超えています。
 本にしてもよいボリュームです。
 売れませんが・・・。

 但し、2010/6/20から延べ1,000日で1,000回、一日も途切れず連続upしたのは初めての経験です。
 剣豪「宮本武蔵」は、著書『五輪書』で、「鍛錬」について次の様に記しています。

「千里の道もひと足宛(ずつ)はこぶなり。
 千日の稽古をもって鍛とし、万日の稽古をもって錬とす」

 その武蔵の論理をもってすれば、足掛け三年でやっと「鍛えられた」わけです。
 充分に「錬られた」という域に達するまでは、あと25年かかります。
 その時、自分は75歳です。
 
 『昔の私は、心を強くするために「何か大きなことを成し遂げる」ことが必要だと思い込んでいました。
 しかし、心を強くする方法について思考錯誤を繰り返す内、寧ろ例え小さなことであっても「それを例外なく毎日続けること」で、心はだんだんと、確実に強くなっていくということが判りました。』

 荒廃した松虫中学に着任するや、熱血指導によって日本一の陸上王国を築き上げた原田隆史先生の言葉です。

 未熟な人間の綴る、非力な言葉ですが、「錬」へ向けて明日からも続けていこうと思います。

心を込めて言葉を探す

 二年目の3.11。
 日本経済新聞の春秋欄には、インドの父マハトマ・ガンジーの言葉が紹介されていました。

【 「心を込めずに言葉を探すより、言葉を探さず祈りに心を込める方がよい」。
 インドの指導者ガンジーがそう語っている。
 あの時ほど、言葉が無用だと知ったことはない。】

 過去を振り返り、震災直後のブログに言葉を探してみました。
 勿論、心を込めて・・・。
 その時、未熟な自分は何を思い、非力な言葉によって何を伝えようとしていたのでしょう。

◆ 3/12 ◆
 他人の痛みを、自らの痛みとして捉えることのできる人。
 「自分達で何かお手伝いできることはないか?」と、前向きに考えられる人。
 NYホームは、そういう人の集まりであって欲しいと願っています。  
 
◆ 3/13 ◆
 少なくとも命を授かった我々は、生きたくても生きられない、仕事をしたくてもできない、数多くの同胞に成り替わり、今日一日を一所懸命に生き抜く義務があるのです。
 今日も一日頑張りましょう!

◆ 3/14 ◆
 国家の危機に際し、今こそ日本が一つになって立ちあがらなければなりません。
 自分も含めて平和ボケしている国民に、警鐘を鳴らす必要があります。
 今、我々が、我々としてできることを、一人ひとりがしっかりと考えてみて下さい。
   
 平穏な四国で漫然と過ごす今、二年前の自分自身に、叱咤激励された気がします。
 - 合掌 - 

マックの笑顔:後篇

 大洲駅前店出社の日は、近くの高校に通う次男を乗せて行きます。
 父子の稀少なコミュニケーション機会ですから・・・。

 その日もそうでした。
 出勤途中にあるマクドナルドで、プレミアムコーヒーを買うためドライブスルーします。

 息子は可愛げ無く「要らない」と言うので、注文口のマイクに向かい「HOTコーヒーS一つ、ミルクだけ。」と事務的にオーダーしたところ、「かしこまりました。本日この時間、ハッシュドポテト(120円)が無料となっておりますのでお付けしておきます。」とのこと。
 
 内心「ラッキー♪」と思い、受け取り口まで車を進ませました。
 まずはコーヒーを受け取り、代金の100円を払います。
 その時この女性クルーは、(荷物があったため)後部座席に座っている息子を見て、こう言うのです。

 「ハッシュドポテトは二つお作りしますね♪」
 
 何でもない小さなことのようですが、マックで働くクルー16万人すべてができる対応では無いと思います。
 
 それとも、「サービス期間中ドライブスルーでお越しの場合、ドライバー以外に同乗者が居ないか目視確認した上で、人数分のサービス品を提供すること。」とマニュアルに定められていたでしょうか?
 勿論、NOです。

 愚息はすぐさまハッシュドポテトをパクついて、「100円で340円分に成った♪」と無邪気に喜んでおりました。
 しかし、同じサービス業を営み社員教育に携わる自分としては、この女性クルーの機転の利いた行動にとても感銘を受けた次第です。

 「お客様に美味しさを知って頂きたい」
 「お客様に笑顔を提供したい」
 
 そういう思いが根底にあるからこそ、咄嗟にそうした行動ができるのだと思います。
 リッツカールトンホテルに学ぶまでもなく、マニュアルからは感動のサービスは生まれません。
 
 お客様の立場に立ち、「今だけ、ここだけ、貴方だけ」のパーソナルなサービスを提供できる、気付き感度の高い営業を目指しましょう。  -了-

マックの笑顔:前篇

 マクドナルドのマニュアル化の弊害として、昔から言い伝えられているエピソードです。

【 少女は母親と、大好きなマックにやって来た。
 レジ前の女性店員はメニューを差し出し、満面の笑みで少女に語りかける。

 「オーダーは笑顔で承ること」
 マニュアルにそう書いてあるからだ。
 少女も笑顔を返す。

 商品お渡しの時も、店員は素晴らしい笑顔で少女に接した。
 「商品は笑顔でお渡しすること」
 マニュアルにそう書いてあるからだ。
 
 笑顔は伝染する。
 少女は再び店員に笑顔を返した。

 帰り際、車窓から店員の姿が見えて目が合った。
 少女は嬉しくなって、店員に笑顔で大きく手を振る。

 ところが、店員は無視した。
 少女は目を伏せ、ひどく落胆した。
 マニュアルが無かったからだ・・・。 】

 この話がフィクションか、ノンフィクションかは別にして、大いに考えさせられます。

 マニュアルは、ベテランor新人、気の利く人or気の利かない人、正社員orアルバイト・・・様々な従業員が働く職場において、サービスを均一化するために定められます。
 即ち、最低限のサービスラインまで、底上げすることが狙いです。

 一説によるとマクドナルドのマニュアルは、調理方法・品質管理・接客態度・・・本にすれば全25章450頁にも上るとか。
 
 しかし、マニュアルのボリュームを増やし、完成度を高めれば高めるほどに、マニュアル通りに動くコピーロボットを増産してしまう傾向は否めません。
 笑顔は作り笑顔、「いらっしゃいませ」も「ありがとうございます」も、心無い儀礼的な挨拶に成り下がります。

 さしずめ、会社の上司がカラオケを歌っている時、次に歌う歌をデンモクで検索しながらも、ワンフレーズ終わった途端、目線もくれず条件反射的に拍手している部下と同じです。

 さて、そんなマニュアル化の象徴的存在であるマクドナルドで先日、心通う体験をしました。  つづく

メールの効能と限界

 コミュニケーションには、様々な方法があります。
 今日は、メールの効能について。

 まずもって御断りしておきますが、フェイスtoフェイスの対話や声掛け、葉書や手紙による手書きの御礼状等を否定するものではありません。
 時と場合により、そうしたコミュニケーションは絶大な効果を発揮します。
 ここでお伝えしたいのは、あくまでも報連相や業務連絡手段としての重要性です。

◇ 記録(証拠)として残る
 口頭だと言った端から消えてしまい、最悪の場合、言ったor言わないの水掛け論になります。
 相手がお客様なら、「聞いてない」と言われれば負けです。

◇ 迅速・正確に一斉送信できる
 口頭なら、その業務に携わる関係者一人ひとりに、時間をかけて説明しなければなりません。
 若しくは、「これ伝えといて」と伝聞することになりますが、同じ内容が、同じ温度で伝わるか否かは疑わしいものです。
 また、緊急性を伴う場合、伝わり方のタイムラグが致命傷になる可能性もあります。

 幾つかのパターンで実例を上げてみましょう。

① 社長の人脈から浮上した、お部屋探しのお客様をBさんに振った。
 Bさんは、来店予定の日時に待ち受けしていたが、別のお客様が再来し、案内に出てしまった。
 代わってCさんが対応したが、内容を全く知らなかったため、お客様に不快な思いをさせた上、社長の顔をつぶした。

② 家賃滞納のD様の督促をEさんが行った。
 「来週の月曜日に振込む」という確約を貰ったが、その内容が伝わっておらず、家賃管理のFさんは督促状送付の上で強い語調の電話を入れ、D様の機嫌を損ねた。

③ 管理物件に入居されているF様には、原因不明の水漏れによって御迷惑をおかけしている。
 担当のGさんは誠心誠意対応し、信頼関係を保っていた。
 店舗来店時、そのトラブルを知らない店長が対応した際、謝罪がまったくなかったことに立腹された。

④ Hさんは、取引のある業者のI社長から、自主管理されているマンションオーナーの御紹介を受けた。
 たまたまI社長が来店された際、何も知らない店長は「たまにはマンションのオーナー様でも紹介して下さいよ」と肩を叩き、I社長の逆鱗に触れた。

⑤ マンションオーナーのJ様は、日頃から入居斡旋で頑張ってくれている営業マン3名を食事に誘い御馳走して下さった。
 その翌日、とある会合でJ様と同席した社長は、その報告を受けていなかったため、御礼を言うことができなかった。

 だから、メールが重要なのです。
 勿論、メールは万能ではありません。
 送ったらから読んでくれている・・・という過信も禁物です。   

納期遵守の理由付け

 仕事には必ず納期があります。
 私も含めて、営業という人種は、この納期を守るという意識が希薄です。
 書類が遅れる度に、事務方から催促されてやっと出るか、それでも出さない人もいます。

 ◇ 月間目標
 ◇ 週報
 ◇ 滞納状況一覧表・・・

 滞納した入居者から家賃を督促すべき担当者が、その滞納状況を示す書類の督促を受ける、何とも情けない場面も少なくありません。 

 基本的に事務方は、人に厳しく、自分にも厳しい人が支配的です。 
 その最たる理由は、遅延した際のリスクの大きさでしょう。

 ◆ オーナー様への家賃送金の納期
 ◆ 協力業者様への支払いの納期
 
 これら事務方のレギュラーな業務において、一度でも遅延しようものならば、会社の信用失墜です。
 場合によっては、取引停止や管理解約にも発展する可能性があります。

 先月、今月の月初、経理のT本さんは、公休である日曜日に出社して来られました。
 月初の店長会に月次決算を間に合わせるためです。

 仮に総務社員が、「ちょっと立て込んでいるので間に合いそうに無い。来週にしよう。」と給料計算や手配を先送りし、25日振込のところを28日にしたらどうでしょう。
 
 おそらく、全社から大ブーイングが寄せられる筈です。
 会社に不信感を抱き、退職を決意する社員も出るかもしれません。

 あなたが納期を守らないのも、それと何ら変わらない怠慢なのです。

できる、できる、できる

 日本電産創業者「永守重信」社長の自著、「人を動かす人になれ!」は、リーダー必読の名著です。
 1998年に書かれた本著には、会社の将来のあるべき姿が書かれています。

◆短期的には2001年にニューヨークでの株式上場。
 中期的には創業30周年を迎える2003年にグループ全体の売上高5000億円、連結で3000億円。
 長期的には2010年にグループ売上高1兆円、従業員総数10万人の、モータを中心とした、回るもの動くものの世界最大のハイテク総合メーカーを目指す。◆

 15年経った今、検証してみましょう。

 2001年 ニューヨーク証券取引所 上場
 2011年 連結売上高6885億円 グループ従業員数10万人

 今の目標は、2030年売上10兆円に書きかえられています。
 日本電産は1973年、先述の永守氏が4名の同志と共に、自宅横の小さな作業場で立ち上げました。
 
 最初は、「日本電産」という名前すら失笑に付される、ヒトもモノもカネも無い零細工場に過ぎません。
 それが僅か40年で、日本の枠を越え、世界に羽ばたく企業となった訳です。

◆物事を実現するか否かは、まずそれをやろうとした人が ”できる”と信じることからはじまる。
 自ら ”できる”と信じたときに、その仕事の半分は終了している。◆  

 実際に永守社長は、「既存のモーターの厚みを半分にする」といった実現不可能と思えるミッションにも果敢にトライし、社員が可能と思えるまで、何百回も「できる、できる、できる・・・」と、呪文の様に唱えさせたと言います。

 日本全体の2%以下しかない四国という地方の中でも、更に狭小なるマーケットで、先行する地場大手と伍して戦うことなど、永守氏の壮大なヴィジョンに比すれば、夢とも言い難い実に現実的な目標です。
 
 できない理由を排除し、どうすればできるかの可能性を追求する、ポジティヴ集団を目指しましょう!   

ポジティヴシンキング

 ポジティヴ⇔ネガティヴの移ろいは、実に繊細なものです。

 基本的に人は皆、順境時にはポジティヴでしょう。
 但し、人間は面白いもので、順境が長く続くと逆に不安が過ぎりネガティヴになったりします。
 逆境下においては、概ねネガティヴに陥るものです。

 成功哲学の世界では、例外なくポジティヴシンキングの重要性が説かれます。
 先述の理論からすると、順境時には放っておいてもポジティヴなのですから、そもそもポジティヴシンキングなど必要ない訳です。

 ビジネスも人生も、常に順境という訳にはいきません。
 基本的には逆境の連続であり、思う通りにならないからこそ、ポジティヴシンキングが重要なのです。

 まずネガティヴな人の基本は、過去を悔み、現在を嘆き、未来を悲観します。
 ◆ 過去「あの時ああすれば良かった・・・」
 ◆ 現在「だからこんなことに成ってしまったんだ・・・」 
 ◆ 未来「これから先もこの厳しい状況は変わらないだろう・・・」

 一方ポジティヴな人は、過去を踏まえて、現在に最善を尽くし、未来を楽観します。
 ◇ 過去「あの時はああすれば良かったに違いない。」
 ◇ 現在「よし、今できる最善の手段を講じよう!」
 ◇ 未来「そうすればきっと明るい未来が拓ける筈だ!」

 過去に捉われ、未来を悲観しながら、現在を生きるほど寂しいことはないでしょう。
 
 心の声は、言葉に表れるものです。
 ネガティヴな言葉は、自らを洗脳するだけでなく、周囲にも伝播します。
 うっかりネガティヴな言葉を発した時は、すぐにポジティヴな言葉で塗り被せることが肝要です。
 
 「あの時、大盛りにさえしなければ、このジーンズが履けたのに・・・。
 よし、今日からダイエット開始!
 来月の旅行には、このジーンズを履いて行くぞ!」

 どんなに悔もうとも、過去は一mmたりとも動きません。
 何とかできるのは現在だけ。
 自らの力で変えられるのは未来だけです。

不幸を呼ぶ優しい人

 滞納督促の重要性については、過去何度も取り上げてきました。
 滞納督促は、言い換えれば借金の取り立てです。
 あまり聞こえは良くありません。
 
 夜討ち朝駆けで、いかつい男が玄関ドアや窓ガラスを拳でガンガン叩き、居留守を使う住人に罵声を浴びせる・・・。
 そんな「やさしさ」のかけらも無い、悪いイメージが常につきまといます。 

 「主人が病気で働けなくなって・・・」「勤めていた会社が倒産して・・・」
 家賃が払えない理由に成らない苦境を語り、情に訴えようとする人もいます。

 「来週には入金の目処があるので火曜日までには払います。」
 その場しのぎの虚言で、期待感を抱かせる人もいます。

 「無いものは無いんです。じゃあ、どうすれば良いんですか? このビルから飛び降りろとでも?」
 逆切れした上で、物騒な台詞を口にされる方もいます。

 正直、そんな場面は、できることなら避けたいものです。
 しかし、賃貸管理を業とする以上、避けては通れない滞納督促の重要性を掘り下げてみます。

① 大家様のため
 家賃収入が入らなければ賃貸マンション経営は成り立ちません。
 オーナー様の収入源である、家賃収入が滞るのは致命傷です。

② 入居者様のため
 一ヶ月分の家賃を払えない人が、数ヶ月分数十万円を溜めて払える道理がありません。
 払えなければ、生活の基盤である退去を余儀なくされてしまいます。
 溜まらない内に早め早めの督促をすることは、入居者様のためにも必要なことなのです。

③ 保証人様のため
 身内であろうと他人であろうと、連帯保証人は入居者と同等の責任を負います。
 早めに督促のアクションを起こして、出来る限り債務を膨らまさないことは管理会社の責務でもあるのです。

④ 会社のため
 これは当然ですが、家賃収入が入らない限り管理収入はゼロです。
 立替条項が契約に織り込まれていれば、資金繰りにも影響を及ぼします。
 最終的に焦げ付いて回収不能になれば、管理業者の負担割合に応じて損失補填というケースもあるでしょう。

⑤ 自分のため
 先送りするほどに、損失が膨らみ、回収難易度があがります。
 こじれてしまうと、手間がかかり、時間がかかり、精神的にもプレッシャーが圧し掛かります。
 
 相手から逃げられたり、居留守を使われたりする督促業務は、一見すると嫌われ役に見えるかもしれません。
 しかしながら、大家様も入居者様も保証人様も会社も自分自身も、関与する全員が速やかな督促によって救われるのです。
 裏を返すなら、督促できない「やさしい」人は、自分も含め総ての人を不幸にしてしまうでしょう。

自責から育まれるもの

 愛用している手帳の今週の言葉です。

 「世の中で一番簡単なことは、人の悪口や欠点を言うことだ。
  一番難しいことは、自分の欠点を直すことだ。」

 前者は「他責」他人が悪いとする考え方。
 後者は「自責」自分が悪いとする考え方。

 国際間の紛争は、原則「他責」です。
 双方共に「自分は正しい、相手が悪い」からスタートしますから、話し合いによる解決は無理でしょう。

 日韓の竹島問題、日中の尖閣諸島問題、日露の北方領土問題、何れも平行線・・・いや寧ろ悪化しています。
 突き詰めれば、戦争にまで発展しかねません。

 2002年小泉純一郎首相(当時)が北朝鮮の平壌を訪問した際、北朝鮮側は日本人を拉致した過去の愚行を認め、「遺憾なことであり率直にお詫びしたい。」と金正日総書記自らが謝罪しました。

 自らの非を一切認めようとせず、国際間での孤立を深める近年の姿勢からすれば、夢幻のごとく思える歴史的な意味を持つ場面です。
 プライドを捨てざるを得ない程の逆境にさらされていたか、それを引き換えにしてでも余りある見返りがあったか、その両方かでしょう。

 外交は、力関係であり利害関係です。
 従軍慰安婦問題で強制連行を認めた、かつての河野談話を引き摺って、今もなお不利な立ち回りを余儀なくされている日本の様に、下手に非を認めたり謙(へりくだ)ったりすると、相手に付け込む隙を与えてしまいます。  
 
 国対国では非を認めると損するかもしれませんが、個人は別でしょう。
 非を認めることで、相手も寛容になり、その後の交渉が進め易くなります。
 
 また、非を認めない限り、自省も自戒もありません。
 自省も自戒も無ければ、人間としての成長もありません。

鬼か仏か理想の上司

 社長とは言っても、中小零細ですから当然に社長室はありません。
 有ったとしても、そこに閉じこもっているのは性分に合いません。

 前職時代、一坪半くらいの倉庫の様な常務室に納まった時は、随分寂しい思いをしました。
 社員の近くで、現場の空気を肌で感じられる方が、ずっとずっと楽しいものです。

 それでも、あまり現場に絡み過ぎますと店長の立場がありません。
 「任せたぞ」って言いながら、一々口を出されたのでは、やる気も削がれます。
 権限と責任を委譲して、自立を促さなければ、人は育ちません。

 とはいえ、任せっ放しでもいけません。
 声掛けやコミュニケーションは、欠かせないファクターです。

 上司の仕事は足らざるを補うこと。
 部下が一所懸命に取り組んだ結果として、どうしても目標に届かなければ、自ら数字を作って穴を埋めます。
 
 上司が率先垂範して数字を作る、或いは同行営業で背中を見せることは、最高の教育効果を生みます。
 しかし、昔取った杵柄とばかり部下と競い合い、コテンパンに打ちのめし、胸を張り、鼻にかけると逆効果。 
 「この人には叶わないな」と感じさせることで築かれるのは、尊敬では無く限界のグラスシーリング、見えない天井です。

 自分の失敗を部下のせいに、部下の成果を自分の手柄にするのは愚の骨頂。
 但し、本人が失敗に気付いてなければ、厳しく諭す必要があります。

 かなりの部分を上司がフォローして得た成果を、恩着せがましく部下の数字とした時、手放しで喜んでくれる人種は少数派です。
 部下は、そう単純ではありません。
 部下はきっと、自からの力で羽ばたきたいと願っています。

 でも、未熟な羽ばたきは時として風に煽られ大地に叩きつけられます。
 致命傷になることもあるでしょう。
 だから、遠巻きに見守りながら、有事にはすかさず手を差し伸べます。
 
 褒めて育てろとか言うけれど、見え透いたお世辞では意味を成しません。
 パワハラの誹りを受けようと、本人のためと思えば厳しく叱責します。 

 人材教育に関するセミナーも沢山受けました。
 本も片っぱしから読み漁りました。
 
 鬼じゃないと駄目だとか、仏の上司に成れだとか、真逆の話も有ったりします。
 煎じ詰めればアプローチに正解は無い。
 
 情熱 × コミュニケーション頻度
 
 上司の熱を、部下にどれだけ伝えられるかが鍵でしょう。
 徹頭徹尾、大いに反省します。

理念と経営:下

Ⅲ 有限会社オルソ本田 取締役「本田美紀」さん
 身体障害者向け義手・義足の、製造・販売を手掛ける会社です。
 
 「義手・義足は身体の一部」
 「自らの家族と思ってお客様と接する」
 
 こうした素晴らしい方針で経営に取り組まれています。
 ある時、義足を提供している女性のお客様が来店されました。

 『今度、娘の婚礼があるのだが、できることなら留袖で出席したい。
 しかし、和装に靴は合わないので、草履に対応できないか。』

 現場で対応した社員は、条件反射的に反対の意を唱えます。

 「義足は靴しか対応できない」
 「草履への変更はやったことがない」

 その声を聞いて、初めて本田さんは激昂されたそうです。

 「我が社の理念は何か? 自分の家族の願いであっても断るのか?」

 理念の確認に立ち戻ることによって社員も腑に落ちました。
 婚礼の後、お客様は籠一杯の果物を手に会社を訪問します。

 「念願叶い、おかげさまで晴れの舞台に留袖で参加することができました。
 本当にありがとうございます。」

 その言葉が、社員にとって最高の報酬と成り得たことは言うまでもありません。
 企業は、成長・拡大するにつれて業務が細分化され、専業化することで専門性が高まり、習熟度が増し、生産性が向上し、利益は生み易くなるでしょう。

 一方で、プロセスの一部だけに携わることで、お客様の声が聞こえない、笑顔の見えない社員も増えてきます。
 すると、いつの間にか企業の存在価値を見失ってしまうのです。
 また、経済的理由を越えたところにある、何のために働くのか?という遣り甲斐が見出し難くなります。

 三社の取り組みは何れも、中小企業の存在意義に根差した、理念経営のお手本です。
 我が社も、創業四年目を迎えた今だからこそ、ベンチマークの必要性を痛感しています。   - 了 -

理念と経営:中


Ⅱ 「株式会社ナカフードサービス」代表取締役社長 中周作さん
 御存じの通り、一日10,000食を提供するオフィス宅配弁当の雄です。
 シェア40数%を誇るTOP企業でありながら、一つの転換点があったと言います。

・ 内心ほくそ笑んでいた同業他社の倒産が、実は喜べない事と気付いた
・ 取引先の逃客分析結果によれば、同業他社に食われている訳ではない
・ 寧ろ、コンビニやファストフード店といった、異業種に流れている
・ 中小企業が担ってきた、大手の下請けという領域も狭められつつある
・ 即ち、宅配弁当業界全体の市場は急速に縮小しつつある
・ 従って、新たな市場を創造しなければ生き残れない

 そこから、自分達の会社の社会的存在意義に問いかけ、「コープえひめ」と共同による「夕食宅配事業」を立ち上げるのです。

 昨今、高齢化社会の進行に伴う、「買物難民」の増加がクローズアップされています。
 また、独居老人の孤独死も、大きな社会問題です。

 夕食宅配は、買物難民の救済によるお役立ちと共に、安否確認という安心も享受できます。
 利用客2,700名と好調に推移し、今年中には県下全域をフォローできる体制となるそうです。

 まさに、ピンチをチャンスに変える、逆転の発想と言えるでしょう。

 『経営者に必要なのは、逆境の中でアイディアを出し続ける知的体力』
 
 中さんに紹介頂いた、長榮周作パナソニック副社長(愛媛県出身)の言葉が印象的でした。   つづく

理念と経営:上

 繁忙期でもあり、松山第三支部二月例会は一人ぼっちでの参加です。

 「梅本の里」杉本さん、「オルソ」本田さん、「ナカフードサービス」中さんの三名をパネラーとしたパネルディスカッション「支部三役が語る同友会活用術」は、大いに勉強になりました。 

Ⅰ 「特別養護老人ホーム梅本の里」施設長 杉本太一さん
 入所されている老人の「紙おむつ」外し(日中のみ)に、三年計画で取り組まれています。
 但し導入時には、職員の猛烈な抵抗に遭いました。

 当然に粗相のリスクが高まりますし、後始末や、掃除・洗濯は大変でしょう。
 そうしないためには、毎朝全員をトイレに座らせる訳ですが、その労力も尋常ではありません。
 それに合わせて、シフトも朝に集中させる必要があります。
 
 現場から反対の声が上がるのは当然です。
 そこで杉本さんは、次の様にして説得したと言います。 

杉本さん 「この施設の理念は何ですか?」
職員 「お年寄りが笑顔で幸せに過ごして頂くことです。」
杉本さん 「その通り。では紙おむつを無くすことで、お年寄りは幸せになりますか?不幸になりますか?」
職員 「それは・・・、幸せになります。」
杉本さん 「では、やるか、やらないかの議論を止めて、どうやればできるかの議論に代えてみませんか?」
職員 「はい。」

 杉本さんの施設だけに限らず、我々の業界でも会社でも同じです。
 お客様のために、他社との差別化を図るために、新たなことを始めようとした時、必ずと言ってよいほど現場からの反対に晒されます。
 そもそも人間は、現状維持に心地良さを感じる保守的な生きものです。
 
 そんな時、原点に立ち返り、会社や社員の使命に気付かせるのは、理念経営の強みと言えるでしょう。 つづく
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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