クレームは絶好のチャンス

 管理物件に入居されたお客様から、店舗に苦情が寄せられています。
 まだ解決できていない、現在進行形のクレームです。
 
 詳細はともかく、オーナー様、リフォーム会社、入居斡旋業者に我が社を加えた四社の連携の拙さから、入居者様にご迷惑をおかけしたことだけは間違いありません。

 店長も半月程、この馴れないクレームに追われています。
 普段はタフに折衝する店長ですが、余程対応に苦慮したと見えて、相談の連絡が入りました。
 そこで敢えて「相談の前にクレームの顛末を文書で出してくれ」と冷淡に告げるのです。
 
 言葉は、言った端から消えていきますが、文書は残ります。
 言葉は、憤りや怒りややるせなさといった感情を伴いますが、文書は冷静です。

 そもそもクレームは、複雑に絡み合った糸玉の様なもの。
 長い糸も短い糸も、赤い糸も白い糸も有ります。
 そのままの状態を見ただけでは、実態を把握することはできません。

 もつれた糸を、一本一本解きほぐす様に、感情を交えず、事実だけを、ありのままに、時系列で書き並べることで、何処に問題があるのかが見えてきます。

 店長は夜中までかけ、文書を書き上げて送ってくれました。
 その文書を元に、店長の対応の何処に問題があったかをレクチャーします。
 責めるためではありません。
 
 複雑に絡み合った糸玉のままでは、「リフォームの担当者が勝手に進めなければ」とか、「仲介会社から聞いていれば」といった他責の感情の渦の中に、己の反省が埋没してしまう恐れがあります。
 自らの責任をしっかりと受け止め、お客様と真摯に向き合うために、情報整理の明文化は欠かせない手順です。
 
 重ねて、店長の考えるシナリオに対して、幾つかの質問を投げかけました。
 魚を与えることは難しくないでしょう。
 しかし、大事なのは魚の取り方を教えること。

 苦しくとも、知恵と努力によってクレームを解決する程に成長できます。 
 幾等大変でも、山より大きな猪は出ません。
 お客様と長期良好な関係を築く上でも、自らのスキルアップのためにも、クレームは絶好のチャンスです。
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オーガンスヒストリー:下

3.「アイデンティティ」
 発足当時申し合わされた劇団の内規が幾つかあります。
 その一つが、「内子座にこだわる」

 旗揚げ公演の「石畳水車小屋未来伝」は、リゾート開発に揺れる農業後継者の悲哀をSFタッチで描いた作品したが、テーマ性が評価され、松山の果樹研究同志会という団体から再演依頼を受けました。
 その時の我々の回答は次の通りです。

 「我々は内子座にこだわる劇団であり、本作も内子座でなければ表現できない作品。
 従って、貴団体が内子座に来て頂けるというのであれば、再演を受け入れても良い。」

 アマチュア劇団の分際で、どれだけ高飛車なんだという話ですが、何故かこの条件が上層部を通過。
 年に一度の大会自体を、松山では無く内子で開催し、冷房設備のまだ無い当時、開口部を締め切った灼熱の内子座で観劇頂いたのです。
 
 その後、環境劇では五十崎共生館、人権劇では内子中学校等の舞台も経験していますが、内子座をホームとすることに、誇りとこだわりを持った劇団であることは間違いありません。

4.「芸於遊」
 これは、内子座の舞台正面に掲げてある言葉です。
 
 観客に楽しんで頂くには、役者やスタッフが楽しむ必要があります。 
 勿論、役者が楽しんでいなければ、観客も楽しくありません。
 やらされ感や義務感であったならば、団員個々も苦役となり、とても続けることはできないでしょう。
 
 また、他の重要文化財的芝居小屋の様に、町民の使用に際して様々な制約があったのでは宝の持ち腐れです。
 ピアノでも、ダンスでも、カラオケでも、劇団の公演でも、町民が好きな時に空間を利用できる自由度こそが、内子座の最大の魅力と言えます。
 言うならばここは、我々の遊び場です。

 昨年、新たな脚本家の作品と、新たなキャスト陣によって、オーガンスは新しいカードを切りました。
 そして今回の「オーガンスフォーラム」も、30年目、40年目の未来を創造する、進化のための一ステップなのです。   - 了 -

オーガンスヒストリー:中

 
1.『 経済的自立 』
 会場費、衣装、大道具、小道具、チラシ・・・演劇にはお金がかかります。
 「町から補助を貰おうか?」 「スポンサーを募ってはどうか?」

 様々な案が出ましたが、それらを受け入れた場合、上意に沿った運営を余儀なくされる懸念があります。
 自分達のやりたいテーマに沿った自由な自己表現を目指すため、自主自立の船出を決断したのです。

 当初は、劇団員一人から一律2万円を集め、運営準備金としました。
 そこからの運営は、極めてシンプルです。

 売上 > 経費 or 経費 < 売上

 即ち、売れるチケットの範囲内で経費を納めるか、かかった経費以上にチケットを売るか。
 この原理原則を逸脱しない限り、絶対に赤字には成りません。

 そして、多少のイレギュラーはあっても、この原則を貫いてきたからこそ、20年間続けてこられたのです。
 当初の出資金も、二年目には全額メンバーに返すことができました。
 公演の度に赤字を打ち、メンバーが自腹を切ったり、高額な団費を求めるのでは、継続は難しくなります。

 今にして思えば、最初の判断を誤って補助を求めていたとしたら、その補助に依存する体質がこびりつき、自主自立の運営は叶わなかったでしょう。
 会社経営でも政治でも町興しでも劇団でも、経済の伴わない活動は戯言です。

2.『 新陳代謝 』
 劇団解体の主な理由は、①経済的破綻 ②仲間割れ分裂 ③中核メンバーの離脱。
 脚本も演出もマルチにこなす人材が組織のレールを敷く・・・多くの劇団の実態です。
 ワンマン劇団は、その人材への依存が高いため、代表が去れば空中分解します。

 創業時のオーガンスも、当時の代表が脚本・演出を手掛け、運営面も殆どを取り仕切っていました。
 案の定数年後、子会社から本社勤務となり、それまでのような活動ができなくなります。 
 しかしこの危機に、代表ポストは二代目に引き継がれ、脚本も他のメンバーが書き下ろし、スムーズな継承を果たしました。

 それだけではありません。
 看板俳優が町を離れたり、子育てで休養することになった時にも奇跡的に、彗星の如く新たな星が現れ、ネタが尽きたと思われる時にも、必ず新たな脚本が持ち込まれるのです。

 「強いモノが生き残るのではない、賢いモノが生き延びるのでもない
  唯一、変化に対応できるものだけが生き残る」

 ダーウィンの進化論同様、時代の変化に対応し適宜、新陳代謝できたからこその20年なのです。  つづく

オーガンスヒストリー:上

 3/19に内子座で行われる「オーガンスフォーラム」で、初代代表としてオーガンスを語れと命じられましたので、三回に分けてヒストリーを綴らせて頂きます。

 平成5年に結成、翌年に旗揚げしたこの劇団は、今年20周年を迎えます。
 きっかけとなったのは、青年団の演劇大会です。
 当初は、やらされ感で取り組んでいたものの、何年間か繰り返す内、町の大会から郡大会、県大会と年々レベルアップし、次第に手応えを感じ始めました。

 そして平成4年、念願であった全国大会の切符を手にするのです。
 全国大会へと旅立つ直前、お世話になった多くの内子町民を招待し、初めて内子座の舞台に立ちます。
 客席と舞台とが一体となる、内子座ならではの雰囲気に魅せられたのは私だけでは無いでしょう。 

 しかも公演終了後、満員のお客様から御厚意の「おひねり」が続々と寄せられ、交通費や宿泊費の一部を賄うこともできたのです。
 
 暫く経ったある日、「内子座という素晴らしい劇場を持ちながら地元に劇団が無いのは寂しい」という趣旨に賛同し、全国大会メンバーの有志十名が集いました。
 記念すべき、結団の日です。

 劇団名の「ガンス」は法螺(ほら・大言・おしゃべり)、「オー」はBIGを示す最上級。
 つまり、大法螺吹き(おおぼらふき)、大言壮語といった意味合いで使われる内子の方言です。
 大きな夢を持ち、舞台を通じてメッセージを伝える劇団にピッタリと、満場一致で決まりました。
 
 時は前後しますが、旗揚げ公演を観劇した某劇団の座長から、次のメッセージを頂いています。
 「旗を上げるのはある意味簡単だけれど、継続するのはとても難しい」

 当時、その真意は判りかねましたし、実際に20年も続けられるとは思ってもいませんでした。
 曲がりなりにも続けてこられた理由が四つあります。           つづく

アメーバ以前の問題

 今日も、日経新聞掲載中の記事「迫真」より、稲盛和夫氏の日航再建秘話からです。

 大会社には、営業、総務、人事、経理、財務、情報システム、経営企画、等々、専門性を持ったセクションが多数存在します。
 我々の様な中小零細会社は、店舗と本部といった単純な切り分けです。

 ★ 店舗・営業等、売上を担い利益を生む部門 = プロフィットセンター
 ★ 売上や利益には直接関わらない、間接部門 = コストセンター

 その名の通り、コストセンターは利益を生みません。
 存在するのはコストのみです。

 京セラを始めとした稲盛DNAの会社群は、その間接業務を外注したと仮定し、コストセンターにも売上を発生させます。
 例えば、経理という仕事を外注したとすれば、幾等の付加価値に成るかという計算です。

 間接部門も、売上から経費を差し引いた貢献利益が計上され、目標が見える化します。
 これが「アメーバ経営」です。

【 会長の大西賢は、アメーバを「収支管理を徹底するための仕組み」と見ていたが、導入してみてその威力に驚いた。

 「キミたち実は勝っていたよ、と2ヶ月後に試合結果を教えられても、ちっとも燃えない。
 三万人の団体戦では自分が貢献できたかどうかも分からない。

 しかし、10人のチームで毎月、勝敗が分かると『やったあ』『残念だった』と社員が一喜一憂する。
 かつてJALは泣きも笑いもしない会社だったが、アメーバで生きている会社になった。」 】

 JALは昨年、更生計画の営業利益を1240億円上回りましたが、その内の400億円は、「アメーバによる細かな経費削減の集積」だと言います

 数百人、数千人、数万人の水夫の乗り込んだ大きな船では、自分の仕事の貢献度合いが分かり難いものです。
 すると、遣り甲斐が削がれ、「寄らば大樹の物の陰」と、怠ける輩も出てくるでしょう。
 
 JALの様に大きな安定した船も、多くの社員のぶら下がり意識が癌となって沈没しました。
 中小零細企業において、一人二人のぶら下がりも赦されないことは言うまでもありません。
 
 アメーバ以前の問題として、月次で負けた際、無念さや悔しさが無いとすれば、その組織は既に重度の腫瘍に侵されています。

空腹の思いを忘れない

 賃貸仲介不動産業は、水曜日を定休日とする店が支配的です。
 従って水曜日は、同業者間の空室確認や鍵の手配もままならず、我が社も右へ倣っています。

 但し、この2月3月は、繁忙期ということで無休です。
 勿論、社員はシフトを組んで、交替で休みます。
 私の公休は、社員の出社率が最も高い木曜日にしました。

 朝4:00起床→5:10出社という朝型人間の私も、公休は睡眠時間帳尻合わせのためにゆっくり休みます。
 先の理由から、水曜日はお休みの業者が多いので、電話も殆どかかってきません。
 ところが、木曜日となると休み明けの電話が集中します。
 以下は、先日の木曜日午前中の電話です。

07:19 某社長より パワーモーニングのお誘い(最近めっきり減っていたのに、よりによって・・・)
09:17 某業者様より 受託物件御案内の連絡
09:20 某業者様より 大洲へ転居されるお客様ご紹介の連絡
09:40 某業者様より お客様への直接電話可の連絡
09:57 お客様より 内見受入承諾の連絡
10:12 某業者様より 受託物件ご案内の確認

 このブログを読んで頂いている方の中にもお電話頂いた方がいらっしゃいますので、誤解の無いように申し添えておきましょう。
 皮肉でも嫌味でもなく、ありがとうございます。

 ・・・いえいえ、言葉を重ねれば重ねるほど、嫌味に聞こえてしまうのはご容赦下さい。
 以前にも同じ様なブログを書いています。
 
 正直申し上げますと、若い頃には休日の電話に辟易としていました。
 前職で役員を務めていた時にでも似たようなもの。
 典型的なサラリーマン根性です。

 人は皆、満たされている時には感謝を忘れます。
 お腹一杯の時には、目の前のコッペパンにも塩むすびにも、目もくれません。
 お客様が沢山来られている時には、折角の紹介も後回しにしてぞんざいに扱います。

 その裏返しに、お客様が少ない時には紹介を、空腹の時には一片のコッペパンをも欲するものです。
 総ては、都合の良いところ取りの、我儘・傲慢かつ不遜な心根によって生まれます。

・ 分譲マンションが飛ぶように売れていた時期と、幾等値引きしても売れない時期
・ 飛ぶ鳥落とす勢いで急成長した時期と、抗えども抗えども破綻へと導かれる時期

 そうした過去の経験を踏まえ、自分は生かされていると実感する今だからこそ、早朝でも、深夜でも、休日でも、頂ける情報に心から有難味を感じられるのです。
 
 例え満腹でも、空腹の頃を思い出し、感謝を忘れない人を目指しましょう。

官僚的予算消化

 日経新聞のコラム「迫真HAKUSHIN」は、京セラやKDDIの創業者であり、JAL立て直しの請負人でもある稲盛和夫氏の連載が続いています。

【 JAL本社25階の役員会議室で、10億円の予算執行について説明する役員の話を、稲盛会長が突然、遮った。
 
 稲盛「あんたには10億円どころか、一銭も預けられませんな。」
 
 部屋の空気が凍りつく。
 総勢30名の役員、管財人は息をのんだ。

 役員「しかし会長、この件はすでに予算として承認頂いております。」
 
 稲盛「予算だから必ずもらえると思ったら大間違いだ。
   あなたはこの事業に自分の金で10億円つぎ込めるか。
   誰の金だと思っている。
   会社の金か。
   違う、この苦境の中で社員が地べたをはって出た利益だ。
   あんたにそれを使う資格はない。
   帰りなさい。」

 この日を境に「消化する」という官僚的な思考が潜む「予算」という言葉がJALから消え、すべて「計画」に置き換わった。 】

 確かに、予算という言葉は、時に経費確保の既得権と勘違いされがちです。

 例えば、売上目標が200万円、広告宣伝費の予算が10万円だったとします。
 国家予算的な見方で言うと、この10万円は「使えるお金」ですし、「余すと次期減らされてしまうので使い切るべきお金」です。
 また、収入が減っても、10万円は減らされません。
 但し、何かしら不測の事態が起これば、補正予算で増額されることはあります。
 
 一方、民間企業においては、売上を最大化し、経費を最小化することで、利益の最大化を図るのが使命です。
 売上がいかないのならば、経費を削減してでも、利益を死守する必要があります。
 経費予算を超過しても、それ以上の売上と利益が見込めるのならば、増額も是でしょう。

 国家や大企業はともかく、中小零細企業の予算が官僚的思考で消化されたなら、その存亡は風前の灯です。

成分献血のススメ

 今年初、通算34回目の献血です。
 昨年、「月一回」と目標を掲げ、成分献血に切り替えたものの、随分とスパンが空いてしまいました。

 血液を一定量抜き取る200ml・400mlは、3ヶ月に一度しか献血できません。
 成分献血は、一旦抜いた血から必要な成分だけを取り出し、大部分を再び体内へと戻すことで、身体への負担が抑えられ、二週間に一度可能と成ります。

 最短サイクルでいけば、理論上は年間24回も可能な訳です。
 但し、血液を何度も出し入れする分だけ余分に時間を要します。
 
 暫く振りの献血ルームは、少し変わっていました。
・ 同意書の説明と署名が必要になった
・ 40歳以上の成分献血には、年一回の心電図検査が必要になった
・ 両肘を上げたまま30秒間固定する、新しい検査が追加された 

 流れは以下の通りです。

① 献血カードを提出して受付(前日までなら予約も可)
② パソコン上の問診票に入力(ここで落とされる方もいらっしゃいます)
③ 採血し比重等の検査(ここで落とされる方もいらっしゃいます)
④ 医師のブースで血圧測定(ここで落とされる方もいらっしゃいます)
⑤ カーテンブースで心電図検査(ここで落とされる方もいらっしゃいます)
⑥ ベッドに呼ばれて献血開始
 ※ この間はTVを見ても、雑誌を読んでも、仮眠をしてもOK! 飲み物も運んでくれます♪
⑦ 献血が終了すると、再び血圧を測定して終了
⑧ 景品(カップラーメン・缶コーヒー・歯ブラシ・食パン等)を貰います
⑨ 平日午前中の成分献血は、サンドウィッチ・ホットドッグ等を貰えます
⑩ 2Fに上がって、無料のコーンスープと共に総菜パンで軽食を頂きます 
 
 慣れたら何のことはありません。
 自分にできる、小さな社会貢献。
 貴方も仲間入りしませんか?

コストゼロの来店ルート

 経営は、「新たなお客様の創造」とも読み変えられます。
 まずもって、お客様に来て頂けなければ経営は成り立ちません。
 来店されたお客様の、そもそものきっかけは何だったのか?・・・これが来店ルートです。

① 飛び込み(直接店舗にお越し頂いた)
② ネット反響(ネットの物件情報を見てお問い合わせ)
③ 雑誌反響(情報誌掲載の物件を見てお問い合わせ)
④ 看板反響(物件の募集看板を見てお問い合わせ)

 TVやラジオもありますが、直接のリターンというよりは、潜在意識に訴えるボディブロー的効果が主です。
 ②ネット、③雑誌は、主力の宣伝広告媒体で、費用もそれなりにかかります。

 昨年度の広告宣伝費を、新規来店数で割った値は約7,000円です。
 換言すれば、「一人のお客様に来店頂くためのコストは7,000円かかる」ということに成ります。
 恐らくこの金額は、同業他社に比較してすこぶる安価な筈です。

 ④の物件看板は、大きなコストではないものの、原価や取り付け費用はかかります。
 飛び込みはコストゼロにみえますが、必ずしもそうではありません。

 幹線道路沿いや駅前の一等地に駐車場を完備して店構えするには、多大な家賃を要します。
 オフィスだけなら、二階や三階でも、山奥の一軒家でも良いでしょう。
 つまり、家賃の大部分は、広告宣伝費的な意味合いを持って支払われています。

 エイブルネットワーク加盟ロイヤリティの勘定科目は「会費」ですが、元々ブランドイメージや信用の補完を目的としている訳で、これも広告宣伝費と言えなくはないでしょう。
 直接的か間接的か、狭義か広義かはともかくとして、一人のお客様を呼ぶためのコストは実に多大なのです。
 
 そんな中で唯一、広告宣伝費ゼロの来店ルートがあります。
 そう、「紹介」です。
 紹介は、社員から、お客様から、同業他社から、知人から、取引業者から、グループ各社からと多岐に渡りますが、広告宣伝費がかからないだけでなく、もう一つの大きな特徴があります。
 
 それは、「成約率が極めて高い」ということです。
 紹介者との信頼関係が前提にあるため、他社と天秤にかけられる可能性が大幅に少なくなります。
 
「7,000円かけて来店に導いても契約に至るか否か不確か」or「コストゼロで成約の可能性が極めて高い」

 だからこそ、紹介のお客様は有難味を噛み締め、スピーディーに、全力投球で臨んで頂きたいと思うのです。

チーム力の大切さ

 繁忙期も中盤に差し掛かり、おかげさまで来店のお客様が立て込んでいます。
 勿論、そうならないと困りますけれど・・・。

 先日、松山南店では営業マンが総て接客につき、接客するテーブルも人員も不足する事態に。
 北店からの応援人員が到着するまでの間、岡Mさんのフォローを受けながら、満を持して久々に接客しました。

 県外からお越し頂いた、転勤族の国家公務員の御夫婦と、3~4歳の男の子二人の四人家族。
 3DKで職場の近くを希望されているものの、赴任先は中心市街地なので、少し郊外に出ないと予算オーバー。
 よって、御主人が自転車で通える範囲でのお部屋探しと成ります。

 加えて、もう一つ重要なテーマがありました。
 お子様が腕白ざかりであるため、下階に気を使わないことです。
 即ち、戸建物件、1F物件、下界に住戸の無い物件に限定されます。
 100点満点は無理としても、幾多の条件をクリアし、希望に近付ける現場の苦労が改めて身に染みました。 

 さて、近場の案内から戻ると一段落していたので、I村さんに案内を引き継ぎます。
 案内から戻られたお客様の表情は、もう一つ納得されていない様子。
 じっくり物件を見て決めて頂くため、今度はお子様達を残して再案内へ。 
 
 最初は人見知りからか、おとなしくキッズコーナーで留まっていたものの、慣れてくると次第にエスカレートして、オフィス内を縦横無尽に駆け回る二人。
 やがて、景品のTVは倒れる、自転車は倒れる・・・。
 てんやわんやの大騒ぎでしたが、この二人の男の子の愛くるしさで、店内は終始笑顔に包まれます。

 案内から帰られたのは、すっかり日が落ちてから。
 そして閉店間際、最後にご提案した戸建で、無事お申し込みを頂きました。

 担当が接客する、その横で物件出しのフォローを入れる、お茶やコーヒーを御出しする、手が回らなければ他店にヘルプを依頼する、集中して頂くために周囲のスタッフが子供さんの相手をする・・・。

 文字通りの総力戦に、コミュニケーションや気付きや思いやりの重要性を、再認識させられます。
 こうしたチームの一体感こそが、賃貸仲介営業最大の魅力とも言えるでしょう。

 我が家も夫婦と男子二人の四人家族です。
 十数年前にタイムトリップした感覚で、楽しい時間を過ごさせて頂きありがとうございます。
 お別れの挨拶で彼らに手を振る時、少しだけ切ない想いが込み上げてきました。

自分のために仕事する

 四話に渡るイチロー特集が、やっと終わったかと思いきや、今日もまた野球関連ネタで突っ走ります。 
 
 イチローは、「チームのために・・・といった考え方は思い上がりだ。」として、「思い」の大切さを訴えました。
 同じ様なテーマを、世界の王は違う切り口でこう語っています。  

 『自分のためにやるからこそ、それがチームのためになる。
 「チームのために」なんて言うやつは言い訳するからね。

 オレは監督としても、自分のためにやってる人が結果的にチームのためになると思う。
 自分のためにやる人がね、一番、自分に厳しいですよ。
 何々のためとか言う人は、うまくいかないときの言い訳が生まれてきちゃうものだから。』

 長く会社に勤めた人がリストラに遭った時、周囲も本人も、経営者の非情さに対してこう嘆きます。
 「会社のために、ここまで頑張ってきたのに・・・。」

 王、イチローに言わせれば、この言葉を発してしまう状況こそが最大の悲劇でしょう。
 会社に依存する前提で、過去の頑張りに対する見返りやお情けを期待しているのですから。

 本来、労使の関係は50:50。
 社員は、成果や期待の代償として、会社から給与や賞与を得ます。

 加えて、会社に在籍して仕事していく程、知識や能力が身に付きます。
 会社を退職する際に、「そのスキルは、給料を貰いながら会社で身に付けたものだから置いていけ。」とは言えません。 

 今、必要な人材であるならば、決して会社も手放さない筈です。
 職業人としてのプライドをかなぐり捨てた、無様な自分を認めてしまうのが「会社のために・・・」だと自覚しましょう。

 自分のためにやることが、結果としてチーム(店舗・会社)のためになる・・・この本質が肝要です。

イチロー惑わず:結

 日経新聞記事からのイチロー特集も、今日が最終です。
 締め括りに相応しい、珠玉の言葉をノーカットでお届けます。

 「今はまだ『色紙に一言』と言われても書けない。
 大切にする姿勢や哲学はあるが、胸を張って一言残せるほどの自分ではない。
 
 偉人の言葉を引用する年輩の方がいるが、あれはダサいと思う。
 拙(つたな)い表現でも将来、自分の言葉で伝えられたらなと思う。
 
 しかし結局、言葉とは『何を言うか』ではなく『誰が言うか』に尽きる。
 その『誰が』に値する生き方をしたい。」

 言葉を重ねて解説するのが、おこがましいと感じてしまう程の迫力です。
 
 例えばイチローが色紙に、「努力」「精進」「鍛錬」といった、ありふれた言葉を書いたとします。
 それは、我々が思う語彙(ごい)とは全く違った価値観で、キラキラ輝いて見える筈です。

 「あれだけボキャブラリー豊富なイチローが、よりによって『努力』かよ!」ではなく、
 「あのイチローが改めて語る『努力』って深いよなぁ・・・」という感覚です。

 逆に、怠け癖のある、ちゃらんぽらんな人間から「やはり努力が大切だよなぁ」と言われれば、間髪入れずに「お前が言うな!」と突っ込みます。
 
 正にそれが、『何を言うか』ではなく、『誰が言うか』ということです。

 私見ですが、彼にとって、色紙に残す言葉は不要でしょう。
 何故なら、ポジティブシンキング、克己心、弛まぬ努力、フロンティアスピリット、論理的なプレゼン能力、熱いハート・・・それらの総てを包含する存在が『イチロー』だからです。
 
 沢村、金田、王、長島、野村、張本、山田、江夏・・・伝説となったプロ野球選手は数多く存在します。
 しかしながらイチローは、その名前自体が形容詞となる、最初で最後のアスリートなのかもしれません。 - 了 -

イチロー惑わず:転

 2009年ワールドベースボール・クラッシック(WBC)の決勝、韓国戦。
 延長十回2死二、三塁という絶好の場面で、これまで不振の続いていたイチローが打席に立ちました。

 「敬遠ならどんなに楽だろうと思った。
 そんなふうに思ったことは初めてだ。
 この打席で結果を出せなければ、今までの僕は全て消される、と思った。」

 日本とアメリカをまたにかけ、8年連続首位打者、年間262安打の世界記録、10年連続200安打・・・、数々の偉業を成し遂げ、安打製造機の称号を欲しいままにしてきた最強打者が吐く、魂の叫び。

 「恐怖に震え上がっていた。」
 というギリギリの精神状態で、弾き返した打球はセンター前に抜け、二連覇を決める決勝タイムリーと成ります。

 普段は、チームの状況や自分のプレーをクールに評するイチローが、試合後「やっぱり僕は持ってますね」と、無邪気な笑顔で語った姿は、背負っていた極度の緊張から解放された安堵感と、勝利の喜びから生まれたものだと、今やっと判りました。

 「野球をやりながら『命を削る』という意味を初めて知った瞬間だった。」

 当然のことながら、イチローもやはり人間。 
 そして、だからこそファンを魅了するのです。

イチロー惑わず:承

 かつて、プロレスラー長州力が、この言葉を残しました。

 「努力した者が全て報われるものではない。
  しかし、成功した者は全て努力している。」

 努力と報われの相関関係を、端的に言い表した名言です。
 さて、イチローの捉え方は、やはりイチロー流でした。

 「努力をすれば報われると、本人が思っているとしたら残念だ。
 それは、自分以外の第三者が思うこと。

 もっと言うなら本人が努力だと認識しているような努力ではなく、第三者が見ていると努力に見えるが、本人にとっては全くそうでない、という状態になくてはならない。」

 深い、実に深いコメントです。

 まずもって、努力は手段であって目的ではないというのが前提です。
 高峰を目指すのであれば、努力は当然の必要条件。
 努力しないと欲しいモノは絶対に手に入らない。
 しかしそれは、努力さえすれば良いという充分条件でもない。 

 珠玉は二行目です。
 「自分は努力した」とか「努力したから報われる」という言葉は、自ら口にするものではないということ。
 確かに、その納得も満足も確信も思いこみも、傍から見れば滑稽かもしれません。
 
 更に続く三行目と四行目は、例え第三者から「努力されていますね」と称賛されたとしても、謙虚や謙遜とは違った意味で、「まだまだです」と言い切れるストイックさを求めているのです。
 
 正真正銘の求道者(球道者)の台詞でしょう。

イチロー惑わず:起

 多くの方々が、このインタビュー記事の素晴らしさを訴えていらっしゃいました。
 2月13日付日経新聞39面に掲載された、一面特集記事です。
 
 リスペクトするイチロー関連の著書は十冊以上持っていますが、200本安打が途切れ、慣れ親しんだマリナーズから名門ヤンキースに移籍し、40歳という節目を目前に控えたこの時期の肉声は、一際イチローらしさが滲み出ています。

 「『何かのために』(戦うというの)は聞こえが良い。
 でも時に(それは)、思い上がっているようにも思える。
 
 人間関係においても言えることだが、誰かの『ために』やろうとすると厄介な問題になることがある。
 しかし、誰かを『思い』何かをすることには、見返りを求めることもなく、そこに愛情が存在しているから不幸な結果になることが少ないように思う。」

 さながら宣教師のようなコメントです。
 一般的なアスリートの場合、筋肉状態の脳味噌から繰り出される意味不明なコメントを、聞いた側が咀嚼し、推し量り、翻訳して伝えることも少なくありません。
 深い分析の元、ロジカルに整理し、熱く思いを伝えられるのがイチローたる由縁です。
 
 誰かのために・・・、何かのために・・・。
 正義感・使命感の象徴たるフレーズですが、ある意味それは恩着せがましく、自己犠牲をアピールしている様にも聞こえます。
 それが、イチローの語る「思い上がり」なのでしょう。

 キリストの教えには、エロース(性愛)、フィリア(隣人愛)、アガペー(真の愛) 、ストルゲー(家族愛)という四つの愛が存在します。

 中でも、真の愛アガペーは、不変・不朽・無償の愛として、見返りを求めません。
 まさにイチローの説く「思い」です。

 イチローが、ヤンキースの「ために」戦うのではないと言い切る様に、我々ビジネスマンも会社の「ため」或いは業界の「ため」ではなく、個々人の「思い」を大切にしたいものです。    

エキストラか主人公か

 平成二年、某菓子店の店長に就任する際の、オープニングスタッフ採用時が、面接デビューでした。
 それから二十年余りで、何人面接したことでしょう。
 数えている訳ではありませんが、確実に言えるのは、裕に千人を超えています。

 当初は、相手のことを知ることが大事だと思い、質問攻めの形式を取っていました。
 最近になって力を入れ始めたのが、夢・ヴィジョンを語ることです。

 「我々は後発の中小零細会社。
 もっと売上が大きかったり、管理戸数が多かったり、もっと安定していたり・・・立派な会社は沢山ある。

 成熟した大きな会社の中で、代替の効くエキストラの一人として働くか。
 未成熟な会社に入社し、自ら主要キャストとして舞台を成功させるか。

 たった一度の人生、命の使途(つかいみち)は自由。」
 
 今の市場からすると、会社側が入社希望者を選ぶという図式があります。
 ただ本来は、面接に臨む方も、自分にとって相応しい会社か否かを見極めるべきでしょう。

 我々会社側の人間が、相手の経歴や能力や考え方を知りたいと思うのと同じく、会社のポリシーやフィロソフィーを理解して貰う必要があります。

 就職は結婚、面接はお見合い。
 その原則論からすれば、15分や20分の面接の時間は短過ぎます。
 安易な考えや妥協によって入社することで、早期に退職してしまうケースも少なくありません。 

 一方で、「人は入れてみないと判らない」というのも真理です。
 入社後の教育・訓練によって、価値観が変わることもありますし、突然変異的に能力を発揮し始める人もいます。
 
 そうした中で導かれるのは、「企業は人なり」という結論です。
 看板も、店構えも、仕組みも、マニュアルも、資本金も・・・・それをして会社では無いでしょう。
 人が大事と思うなら、入口の面接はTOPにとってファーストプライオリティです。

 5年後10年後、会社の将来のポジションは、我々のこれからの努力によります。
 ただ確実に言えるのは、今在籍する社員のすべてが、そのサクセスストーリーに関わる創業メンバーであるということです。

東京物語そして東京家族

 山田洋次監督作品「東京家族」を、次男と共に観て参りました。
 60年前の小津安二郎監督作品「東京物語」をオマージュして創られただけあって、根底に流れるテーマは忠実にリメイクされた印象です。

 人は誰しも、父母の存在があって、この世に生を受けます。
 やがて成長し、独り立ちし、親元を離れ、運命の人と出会い、夫婦と成ります。
 夫婦の間にもまた、新しい命が誕生し家族を形成します。
 そして、人は老い、いつか死を迎えます。

 そんな家族の日常の、当たり前の営みにおける泣き笑い、悲喜交々の人生模様を、沫々(あわあわ)と描いた作品です。
 
 私は、四人家族の末っ子長男として生まれました。
 7歳、母親が家を出て三人に成ります。
 12歳、姉が就職して父と二人きりです。
 社会人と成った後、父は肺結核で入院し、4人はそれぞれ別々に・・・。

 その後、4人家族が一同に会したのは、たった二回だけです。
 一度目は、姉が胃癌の手術を受けた今治済生会病院。
 二度めは、危篤に陥った父の入院先であった東温市愛媛病院。
 いずれも病院でした。

 今は二人とも他界して、大三島に住む母と二人です。
 映画の中で実家に設定されたロケ地の大崎上島町は、大三島と同じ瀬戸内海に浮かぶ隣島であることから親近感が募ります。
 母も既に77歳。
 あと何回逢うことができるでしょう。

 今暮らす、もう一つの四人家族も二年前、長男が大学に進学し三人に、二年後には次男も続いて県外に出るものと思われます。
 
 家族の繋がりと喪失をテーマとする本作は、半世紀を生きた私自身の感性をリアルに揺さぶり、涙が止め処なく溢れました。

出逢いのキセキとキセキ

 使っている手帳は、頁毎に格言が掲載されています。
 二月第二週は、教育哲学者「森信三」氏の言葉でした。

 『人は逢うべき人に逢わされる。
 それも寸分の違いもなく、
 早過ぎもせず、
 遅過ぎもせず。』

 確かに、自らの半生を改めて振り返れば、必然を思わせる偶然の縁(えにし)に驚かされます。

 この業界へと足を踏み入れるきっかけをつくってくれた同級生、生涯の友、生涯の伴侶、起業の後押しをして下さった経営者、声掛けに呼応し共に夢を追いかける同志、業務への協力を仰げるかつての同僚、信頼して声掛け頂けるオーナー様・・・。

 勿論、笑顔の出逢いだけではありません。

 喧嘩、クレーム、裏切り、不信、誤解、怒り、失望・・・。
 様々な負の感情が去来することもあります。
 ネガティヴでもポジティヴでも関わりなく、その出会いは必要とされる縁であったと思う心が大切です。

 「袖振り合うも他生の縁」
 道の行きすがりに袖が振れ合う様な、偶然でほんのささやかな出会いに思えても、実はそれは、前世からの深い緑から招かれるもの。

 「対面同席五百生(たいめんどうせきごひゃくしょう)」 
 今日対面し同席した人とは、過去世において五百回生まれ変わってやっと実現できた、かけがえのない出会いである。

 「一期一会(いちごいちえ)」 
 あなたとこうして出会っているこの時間は、二度と巡っては来ないたった一度きりのもの。
 だから、この一瞬を大切に思い、今出来る最高のおもてなしをすべきである。
 
 こうした諺の数々は、何れも縁のキセキ(奇跡&軌跡)を訴えています。
 今日も、ひとつひとつの出逢いを大切に育んで参りましょう。

見える化のススメ

 何度も申し上げている通り、賃貸管理の業務は雑多で煩雑です。
 来店接客や追客で数字を上げつつ、滞納の取り立て、クレーム応対、退去立会、退去清算、オーナー訪問、オーナー提案、物件確認、物件調達、物件入力等々を、要領よくこなしていく必要があります。

 「来店接客が忙しいから滞納督促が出来なかった」とか、「契約業務が立て込んでいたから退去清算が遅れた」という言い訳は通用しません。

 どの店舗も、余剰人員がいる訳ではなく、必要最小限のレギュラーメンバーで運営しています。
 そんな中で業務を遂行するには、報連相による情報共有と、能力に応じた役割分担が不可欠であるということを、先般説きました。

 人間は、面倒臭いことや苦手なことから、ついつい逃げようとするものです。
 見事逃げ果(おお)せるならそれでも良いのですが、仕事は必ず追いかけてきます。
 しかも、追い付かれた時には、以前にも増して大きな問題を孕(はら)んでいます。

 例えば滞納督促。
 口座の残不足でたまたま落ちなかっただけであれば、電話一本で簡単に解決です。
 しかし、先送りしたが故に何ヶ月分も溜まってしまい回収困難、という事態も散見されます。

 こうした先送り癖を是正するための特効薬が「見える化」です。
 「月間目標に記載されている」「会議で話し合って議事録に残した」「データはパソコンの中に有る」
 これらは記録ではありますが、「見える化」されてはいません。

 今回、松山南店では、
 ①来店・追客 ②滞納督促・クレーム ③退去・清算 ④オーナー提案 ⑤物件調達
 以上、五項目の懸案事項を担当毎に色分けした付箋に書き、コルクボードに貼り付け、毎朝の朝礼時に確認することとしました。

 問題を一つやっつければ、その付箋を外します。
 やっつけなければ、ずっと残り続けます。
 失念も先送りも赦されません。

 極めてアナログな手法ですが、どんな声掛けよりも効果的です。

お金で買えるアドバンテージ

 不動産営業には、「宅地建物取引主任者資格試験」という国家資格があります。
 俗に「宅建」と言われるものです。 

 四肢択一50問で、上位15%を合格ラインとする足切りが行われます。
 例年の合格ラインは35点前後です。

 宅建には、合格率を確実に高められる秘策があります。
 その名も「宅建登録講習」。
 受講すれば、46~50問の最後の5問が免除され、全問正解と見なされるのです。
  
 この登録講習を、会社経由で申込ますと、16,000円が12,000円に割引されます。
 ということで、取りまとめして申込むことになっていたのですが、松岡まさかの失念。

 申し込んだ方が、あと一点とか二点で落ちた日にゃ、顔向けできません。
 真っ青になって専門学校の担当者に問い合わせると、「6月にも7月にも講習があります」ということで、取り敢えず安堵しました。

 さて、自らのミスは棚に上げ、今回講習に申し込まれた方は僅か1名だけ。
 他の方は、自力合格に自信満々なのでしょうか?

 実際に登録講習を受けて試験に臨むのは、全体の1割程度。
 本試験は、毎年24万人前後が受験して、4万人弱の方が合格証を手にします。
 
 後1点に泣く人が6,000人。
 後2点に泣く人が6,000人。
 後3点に泣く人が6,000人・・・。

 「あの時、登録講習さえ受けてればなぁ・・・」 

 後悔の涙にくれる人が、毎年一万人以上はいらっしゃるのです。
 
 僅かのお金と時間で買える大きなアドバンテージ。
 あと一点に泣きたくなければ、受けない手はありません。

キリンの首が長い理由

 今更ながら我が社は、賃貸仲介・管理業において、新興・後発の会社です。
 業界には、我が社よりも歴史のある会社や、規模の大きい会社が沢山あります。

 並み居る強豪に揉まれながら創業4年、多少の凸凹はあったとしても、右肩上がりの成長を続けてきました。
 勿論、決して順風満帆でもありません。
 人材、リスク、コスト・・・誤解を恐れずにいうならば、問題だらけです。

 問題とは、あるべき姿と現状とのギャップ。
 即ち、あるべき姿が明確でなければ問題は発生しません。

 企業が成長しようとした場合、当然に問題は起こります。
 問題が無いのが、寧ろ一番の問題点。
 仮に「当社には問題が無い」と胸を張る経営者の方がいらっしゃったとしたら、それはきっと問題に気付いていないか、見て見ぬフリをしているかの何れかです。

 各店を巡回したり、店長会でヒアリングしますと、次々波状的に問題が露呈します。
 そうした問題や逆境は、まさに成長のチャンスです。

 干上がったサバンナで、草や木の葉が奪い合いとなり、低い場所は緑が枯渇します。
 故にキリンは、他の動物では届かない高所にある木の葉を食べんがため、あそこまで首が伸びたのです。

 ラクダは、食べ物や水の少ない砂漠で長期間旅するため、背中のコブに脂肪を蓄えられる様に成りました。

 こうして動物は皆、劣悪な環境に順応する様に成長・進化していきます。
 人間もビジネスも同じです。

 平成2年7月、自分は某菓子店の店長に着任しました。
 目立つ立地、停め易い駐車場、少ない競合店、バブル絶頂期・・・様々な要素が重なって売れまくり、一年目年商は一億円を突破。

 そうやって、順調に売れている時には、販促も接客も品揃えも環境整備も、創意工夫や努力の芽が摘まれます。
 換言すれば、今の状況に満足し、「もっと良い店にしよう」という意識が薄いため、問題に気付かないのです。

 やがて、競合店が反撃に転じる、新しい道路ができて通行量が減る、同じブランドの店が近くにできる・・・そういった様々な問題が発生し、必然的に売上は下降線を辿ります。
 そこで初めて、「このままではいけない」という危機感が芽生え、今までにない努力や発想や行動が生まれるのです。

 これは一例に過ぎませんが、その時もがき苦しんだ問題も逆境も、乗り越えた後、数年経って振り返ってみると、「あの問題があったから成長できた」と感謝することも少なくありません。

 問題や逆境に遭遇した際に、ネガティヴに捉えるのではなく、自分を成長させるために訪れた機会であると、ポジティヴに受け止めたいものです。            以上

石を持て彼女を撃てⅡ後篇

 勿論、罪は罪、償う必要もあるでしょう。
 しかし、人間は誰しも不完全な生きものであり、完全無欠・高潔無比ではありません。
 批判する側が、明日には批判される側に取って替わる可能性もあります。  

 2002年 鈴木宗男氏がムネオハウス建設の疑惑を巡って証人喚問に召喚され、当時社民党の辻元清美議員からこう指摘を受けました。
 「あなたはねぇ、疑惑のデパート言われてますけど疑惑の総合商社なんですよ!」

 同年、辻元氏は秘書給与流用詐欺事件が発覚して逮捕され、国政の表舞台から失脚することに成りました。
 鈴木氏も辻元氏も、何れも国策捜査ではないかという疑惑も残した事件です。  
 
 最後に、以前ここで紹介した、ヨハネ福音書 第八章にある「姦淫の女」を再掲載します。

【 律法学者やパリサイ人達は、一人の女を引っ張り出し、中央に立たせる。

 「この女は姦淫の場で捕えられました。
 モーゼは律法の中で、姦淫の罪人は石で打ち殺せと命じています。
 先生(イエス)あなたはどう思いますか?」

 彼らは、イエスの判断を仰ぐことで、訴追する口実を得ようとしたのである。
 イエスは、その問いかけが聞こえないかの様な素振りで、身を屈め指で地面に何かを書いていた。
 彼らが何度も問い続けると、やっとのことでイエスは身を起こし、言葉を発する。

 「あなた方の過去を振り返り、一切罪のない者から、この女に石を投げつけるが良い」

 そう言うと再び身を屈め、地面に何かを書き始めた。
 一人の老婆が、背を向けて立ち去る。
 老いも若きも、男も女も、一人ひとりとその場を離れ、遂に女とイエスの二人だけが残された。
 イエスは身を起こし、その女に問う。

イエス 「皆はどこに行った? あなたを罰する者は居なかったのか?」
女   「誰も・・・」
イエス 「そうですか。私もあなたを裁きません。どうぞお帰りなさい。」 】

 自分の過去を省みず、他人の失敗や未熟さを責める、攻撃的な心に問います。
 汝(なんじ)の罪なき者、石をもて彼女を撃て!                  以上

石を持て彼女を撃てⅡ前篇

 オークションサイトを運営する会社から依頼を受け、架空の落札情報をブログにアップすることで、多くの芸能人が詐欺に加担してしまう事件がありました。
 その中の一人が、タレントの小森純さんです。

 積極的に騙す意志は無かったとはいえ、結果的に罪の片棒を担いでしまったのは事実であり、法的な責任はともかくとして、道義的な責任は免れません。
 ブログもツイッターも閉鎖し、活動を自粛した上で、暫く振りにTV出演しました。

 「認識が甘かったんだなと深く感じています。
 もっと早く謝罪すべきでした。
 たくさんの方にご迷惑をおかけして本当に申し訳ございませんでした。」
 
 涙声で謝罪する小森さんに対して、共演者から厳しいコメントが相次ぎます。

◇ 女医タレント 西川史子氏(41歳) ◇
 「番組に出て謝って、みそぎを済ませられると思っていたら大間違い。
 テレビに出てくる神経も理解できない。
 詐欺の片棒を担ぐようなことをするのは性根の問題。
 話もしたくないし、顔も見たくない。」

◇ 演出家 テリー伊藤氏(63歳)◇
 「事件が起きたのは昨年。
 年が明けたら、ほとぼりが冷めると思っていたのではないか。」

◇ タレント弁護士 八代英輝氏(48歳)◇
 「生放送で泣いて謝罪すれば同情する人が出てくる。
 (これを狙った)ガス抜きにしか見えない。
 泣いている姿を見て違和感を感じる人も多いと思う。」

 私は、このTVを見ていた訳ではありませんが、出演者の論調がこの通りであったとするならば、寧ろそのこと自体に違和感を感じます。
 過ちを認めた上で平身低頭謝罪する人間を、TVという公共のメディアを通し、よってたかって吊るし上げる感性に対してです。
 番組内で事前に打ち合わせができていて、晒し者にするシナリオだったとしか思えません。

 4年ほど前、SMAPの草薙剛氏が、六本木の公園で酒に酔って裸で大声を出して騒いでいたのを近隣住人が110番通報し、警官に逮捕される事件がありました。

 この時期、地デジ化推進大使として、キャンペーンの顔と成っていたにも関わらず、休養を余儀なくされ、穴を空けてしまうことに対して、時の総務大臣「鳩山邦夫」先生は、こう断罪しています。
 「メチャクチャな怒りを感じる。恥ずかしいし最低の人間だ。絶対許さない。」       つづく

奈良の鹿とニモのデモ

 人を使う上で、天使の言葉と言われるのが「ならのしか」。
 勿論、「奈良の鹿」は無関係です。

 「難しい仕事だが、きっと君(なら)できるだろう。」
 「この仕事は、君(しか)できないんだ。」

 自分が言われる立場であれば、自己重要感が喚起され、アドレナリンが湧き上がってきます。
 対する言葉は「にものでも」
 決して、カクレクマノミの「ニモ」が、街頭で「デモ」する訳ではありません。

 「この仕事くらいなら、君(にも)できるだろう。」
 「これは簡単だから、君(でも)できるな。」

 その他大勢の十把一絡げにされて、やる気を根こそぎ奪い去る悪魔の言葉です。

 一方、実務的な業務分担においては、「ならのしか」ではなく、「にものでも」へとシフトする必要があります。
 
 「この情報はAさん(しか)知らない」 → 「この情報は、誰(でも)知っている」
 「この業務はAさん(なら)できる」 → 「この業務はBさん(にも)Cさん(にも)できる」

 「ならのしか」は、特定の能力を持つ一部の人にしか仕事を任せられない訳で、その人が体調を崩したり、退職してしまった際には、とても大きなリスクになります。

 報連相、情報共有、業務移管、教育訓練、マニュアル化等が重要であることの大きな理由がそこです。

緊急ではないが重要

 賃貸仲介管理業は、本当に煩雑な仕事ばかりです。
 接客 → 案内 → 申込 → 契約 → 引渡という基本の営業プロセスだけでなく、水道検針や滞納督促まで。
 計画的かつ効率よくこなしていく必要があります。

 スティーヴンRコヴィーの名著「七つの習慣」からいつも引用する「時間管理のマトリクス」で、業務を分類してみましょう。

①第一領域「緊急かつ重要な仕事」
 入居希望者の来店接客、クレーム対応、資金繰り、期限超過で落ちた物件情報の再up、反響情報への第一報・・・

②第二領域「緊急では無いが重要な仕事」
 資格試験の勉強、物調、看板付け、物確、物件入力、滞納督促、オーナー訪問、空室対策提案、人脈づくり・・・

③第三領域「重要ではないが緊急な仕事」
 業者からの電話、セールス目的の来店、社内の同僚からの電話、上司の突然の訪問・・・

④第四領域「緊急でも重要でもない仕事」
 噂話、仕事に関係の無い無駄話、喫煙、不平不満、愚痴、仕事に関係の無いネット閲覧・・・

 当然に①は、ファーストプライオリティに違いありません。
 一般的には、緊急性と重要性が明確なので、わざわざ尻を叩かなくても動いてくれるものです。
 但し、ここを疎かにしたならば、リスクは倍加します。

 ④は徹底的に排除すべきです。
 但し、息が詰まる様な張り詰めた雰囲気を和ませたり、コミュニケーションを図る目的であれば、少しの軽口や冗談が潤滑剤となる場合もあります。

 ③は行く手を阻む難敵です。
 サクサクとこなした上で、できるだけ速やかに、本来の仕事へと戻るべきでしょう。

 問題は②です。
 重要でありながら、緊急性が薄いために先送りされることが少なくありません。
 
 例えば滞納督促、遅れれば遅れるほど、回収の難易度も連れて上がります。
 例えば物調、新鮮な商品仕入れができていなければ、反響・来店にダイレクトに影響します。
 例えばオーナー様提案、提案すらできなければ、突然クビ宣告(リプレイス)を言い渡されてしまいます。

 何れも拗れた後に巻き返すには、相当な時間とエネルギーが必要です。
 そうさせないためにも、特別なイベントではなく、日常のルーティンワークとして組み込めれば理想でしょう。

二律背反の人物像

 柔道女子の暴力事件を受け、園田代表監督が辞意を表明されました。
 ここまでクローズアップされ、社会問題化している訳ですから、継続は難しいでしょう。

 さて、過去にコーチとして指導を受けたこともある谷亮子さんが、園田氏の人物像について語っています。

「園田監督は、小学校の頃から知っている。
 礼儀正しく、裏表のないまじめな人。
 現役時代から、暴力を振るう場面は一度も見たことがない。

 技のバリエーションや女子に対する教え方も素晴らしい。
 女子の練習法を熟知している。
 個人的な考えだが、3年は遅れている外国勢に対抗するためにも、園田さんの能力は絶対に必要。

 少し指導に入り込み過ぎたのかもしれないが、今の女子代表に最もふさわしい監督。
 人間的にも再生できるはず。」 

 賛辞を尽くす一方で、こうも言われています。
 
 「死ねなどの言葉は言ってはいけないこと。
 私は今まで、暴力を受けない指導をしてもらえたから強くなれた。
 暴力では競技能力は上がることはない。
 歴代の代表監督は、暴力的な指導は一切なかった。」

 女子柔道界第一人者の言葉だけに重みがあります。
 これを聞く限り、園田氏という人物が、一方的に非難されるべき存在ではないようです。
 勿論、だからといって暴力が正当化されるものでもありません。 
 
 偏った報道や解釈は、物事の本質を見失ってしまいます。
 極悪非道のならず者が必ず罪を犯す訳でも、品行方正な堅物が絶対に罪を犯さない訳でもない。
 人間は皆、ふとしたきっかけで加害者と成り得る心の弱さと、人の役に立ちたいという善良な欲求を、混在して内に秘めているものなのでしょう。

ぶれない罪と罰

 AKB48のメンバーである峯岸みなみさんは、知人男性宅への一泊デートが発覚したことで、研究生に降格され、自発的に丸刈りにしたようです。

 御承知の通り、AKBは恋愛御法度。
 過去にも、スキャンダルが発覚して、卒業や引退の憂き目を見た方が何名もいらっしゃいます。

 昨年は、総選挙で№4だった指原莉乃さんも、数年前の交際相手からリークされ、福岡HKTへの左遷を余儀なくされました。

 さて、正直どうでもよい話ですが、ファンの皆さんは納得しているのでしょうか?
 下っ端メンバーには厳罰で臨む一方、メディア選抜の有力メンバーとなると降格や左遷でお茶を濁す秋元裁きをです。
 
 そもそも、誘惑の多い芸能界において、年頃の娘が数十名も集まって、恋愛禁止など徹底できる筈がありません。
 ファンも彼女らに、ひと昔前のアイドルの様な処女性を求めてはいないでしょう。
 ある意味落とし穴の様な仕組みが、商業ベースに利用されているきらいもあります。

 計算か否かはともかくとして、組織的な見方からすると、それがルールであるならば徹底すべきです。
 人を見て罪と罰がぶれた時点で、ルールは形骸化します。

 前職の会社は、飲酒運転ワンストライクアウトでした。
 そしてそれは、会社にとって必要な役職者であっても厳格に適用するからこそ意味を成します。

トンチンカンな答弁

 二週間ほど前、麻生太郎副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣の、臨時閣議後の記者会見の様子を、移動車中のラジオで聞きました。
 運転していたものですから、書き留めることはできなかったものの、大意は以下の通りです。

 「公共工事総額は小渕内閣(平成10年)の時で14兆5,000億、今は4兆6,000億、約10兆円減らしてきました。
 公共工事を悪の如く書きたて、減らしに減らした結果、メンテナンスというところが一番抜けます。
 (天井崩落事故のおきた)笹子トンネルは1つの例です。
 国民の安心・安全を脅かされるところまで、放っておいた人達は問題だと思っています。」

 麻生さんは、笹子トンネル事故について「公共投資を絞り過ぎたからメンテナンスができなかった」と言っている訳です。
 冗談じゃありません。
 メンテナンスは、できなかったのではなく、やらなかったのです。

 中日本高速道路の連結売上高は約6000億円。
 当期利益は前年比5%増の約69億円。
 社員の平均年収は約800万円と一流企業並み。

 笹子トンネルの保全点検を請け負っていた「中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京」や、高速道のSAで飲食や物販を手掛ける「中日本エクシス」など子会社、関係会社は35社もあります。
 それでいて、「維持修繕費」の内「土木構造物修繕」(トンネル)は、売り上げの0.1%以下のたった5億円。
 
 放っておいても儲かる高速道路という利権に、沢山の会社や天下り社員が群がり、ハイエナの様にたかって甘い汁を吸った結果、メンテナンスが疎かになっていたのです。

 こうした腐敗の構図を知ってか知らずか、国民の前で堂々とトンチンカンな答弁をする人が、我が国のナンバー2かと思うと、夢も希望もありません。
 やはり、カップラーメンの価格を「400円?」と聞き返す人の経済観念は一味違います。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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