同色メダルの想い違い

 昨日の日経新聞社会面に、ロンドン五輪で銀メダルを取った二人が紹介されています。

 一人は、重量挙げ48㎏級の三宅宏実選手。
 もう一人は、柔道60㎏級の平岡拓晃選手。

 二人が取ったメダルの色は、全く同じシルバー。 
 しかし、その表情とコメントは対象的です。

 三宅選手「父の銅メダルより一つ上に行けたので嬉しい。」
 平岡選手「悔しさでいっぱい。金メダルで御礼を言いたかった。」

 この差は何か、プラス思考やマイナス思考という、単純な問題では無い筈です。

 一つに、女子重量挙げは、三宅選手が日本初の表彰台と成りました。
 一方柔道は、日本発祥のお家芸であり、勝って当たり前という周囲の期待があります。
 また、前回大会や前哨戦となる試合と比較して、実力を如何なく発揮できたかどうかも、大きなポイントです。
 
 象徴的なのは、伝説の棒高跳び選手、鳥人「セルゲイ・ブブカ」でしょう。
 第1回ヘルシンキ大会から第6回アテネ大会まで世界陸上6連覇を成し遂げ、生涯35回に渡って世界記録を更新し、TOPに君臨し続けたにも関わらず、金メダルを取ったソウル五輪以外は何れも記録無しの惨敗。
 やはり五輪には、魔物が棲んでいます。

 4年に一度、一発勝負の檜舞台で、実力以上の成果を出すには、秀でた才能、不断の努力、強靭な精神力、高潔な人間性、そして運否天賦・・・その何れもが欠かせません。
 メダル取りに比べれば、ビジネス界での成功などいとも簡単です。

 思い描いた目標の範囲内は、成就する可能性が生まれます。
 たった一度の人生、どうせなら目標は、より高く掲げましょう。
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招かれざる事故を機会に

 前回のブログにて、人生初の119番通報の顛末を綴っています。
 Facebookで速報した通り、昨日は管理物件の漏水で、警察官に立ち会い頂くトラブルがありました。

 早朝5:30、現地にかけつけますと、部屋の廊下や脱衣所には、夥しい汚水が漏水しています。
 すぐさま上階の部屋に向かい、チャイムを鳴らしますが、応答はありません。
 玄関ドアの下部からは、外まで水が漏れ出しています。

 入居者様が連絡して駆けつけて下さった地元交番の巡査立会の元で、予備キーを用い解錠。
 中は、見渡す限り一面水浸しです。
 脱ぎ捨てられた服があちこちに散乱し、蛇口から水の流れる音が聞こえます。
 その音を辿っていくと、洗面化粧台でした。

 どうやら、泥酔して帰宅し、服を脱ぎ散らかし、洗面で嘔吐し、その吐瀉物が排水口に詰まり、水を出しっ放しにしたため、オーバーフローしてしまったようです。
 さてその家人は?

 どこかで倒れているのではと思い、浴室→トイレ→洋室→リビングと声をかけながら開けていきますが、姿が見えず応答もありません。
 ひょっとしたら病院にでも救急搬送したのか・・・何はともあれ、事態を終息させるのが先決です。

 吐瀉物にまみれた汚水を、バスタオルで吸水し、排水口で絞る作業を何度も何度も繰り返し、何とか処理完了。
 次に移動した下階では、床下スラブに溜まった汚水が天井から降り注ぐ中、その汚水の雨に濡れながら、やはりバスタオルでの汚水吸水を繰り返します。
 やっとのことで一次対応を終え、再び上階に戻ってみると、何と不在と思われた家人がいらっしゃるではありませんか。
 
 ① 今回の事故は人為的な原因なので、水漏れを起こした側に損害賠償責任がある旨
 ② 入居時に火災保険に加入されていれば、対応できる可能性があるので証書を探して頂く旨
 ③ 下階の住人には迷惑をおかけしているので、一言謝罪をして頂きたい旨

 三点を確認して、現場を離れました。
 
 管理物件が多くなるに従って、こうした事故の起こる可能性も高くなって当然です。
 入居者様の安全・安心な暮らしに貢献し、オーナー様の大切な資産を守る責務は、こうした招かれざる事故を重ねる程に浮き彫りとなります。
 社員各位は、これを良き機会と捉え、自覚と認識を新たにして頂ければ幸いです。

人生初の119番通報

 先日、ちょっとした事件がありました。
 皆さん、このまくらを読んで、またかとお思いでしょう。
 確かに、結果としては「ちょっとした」でしたが、あわや大惨事につながりかねない出来事だったのです。

 我が家に通じる河川沿いの道路はウォーキング銀座で、早朝・深夜には多くの方が散歩されています。
 いつもの通り仕事を終え、国道から曲がった瞬間、目を疑いました。
 道路の真ん中で、初老の男性がうつ伏せに横たわっているではありませんか。
 散歩中に倒れられたのか、飼い犬と思(おぼ)しき犬が、主人の周囲を心配そうに走り回っています。

 「大丈夫ですか!」
 車から降りて、何度も呼びかけますが、微動だにしません。
 くも膜下出血や脳梗塞等、動かすべきではない場合もあると思い、すかさず人生初の119番通報。

消防 : はい大洲消防署です。火災ですか? 救急ですか?
松岡 : 救急です。 人が倒れています!
消防 : 倒れているのは男性ですか? 女性ですか?
松岡 : 男性です。
消防 : 若い方ですか? 年輩の方ですか?
松岡 : 初老の方です。
消防 : 意識はありますか? ありませんか?
松岡 : 確認できませんが、声掛けしても反応がありません。
消防 : 場所はどちらになりますか?
松岡 : R56号沿いの役場支所の前を知清川へ向け折れてすぐのところです。
消防 : あなたのお名前は?
松岡 : 松岡です。
消防 : お電話番号頂いて宜しいですか?
松岡 : 050-××××-××××
消防 : はい、では改めて場所を確認させて頂きます・・・
松岡 : 人が倒れてるんだから、早く来て下さいよ!

 これはネタではなく、リアルなやり取りです。
 ちなみに、救急車の鎮座する消防署は、ここから150mしか離れていません。
 ボルトなら14.5秒で駆けつけます。

 サイレンを鳴らしたかと思うと、すぐに救急車は到着し、救急隊員が下りてきて、肩を抱きかかえ仰向けにするとその男性は、いつもここを散歩する、近くの商店主でした。
 揺り動かすと、すぐに気がつきます。

隊員 : 大丈夫ですか?
男性 : 大丈夫よ。 どしたん?(そりゃ、こっちの台詞だって)
隊員 : 倒れられたことを覚えてないんですか?
男性 : えっ? 倒れてないよ。(おいおい) 

 ということで、この方は立ち上がることもできず、隊員の腕に身を任せながら尚、「倒れてない」と言い張ります。
 結論としては、泥酔・酩酊状態であったというオチです。

 それにしても、この光景を遠巻きに見ていた人達は、私が車で撥ねたとしか思ってないでしょう。
 かなり心臓がバクバクしましたが、事なきを得て心から安堵の、ちょっとした事件の顛末でした。

需給バランスで決まる価格

 先日、社員と打ち合わせしている際、こんな意見が出ました。

 「敷金ゼロ・礼金ゼロ・引越料サービス・入居月フリーレント・家賃値下げ等々。
 入居者からの過剰とも言える要求に応え続けているが、業界としてどこかで歯止めをかけないと・・・。」

 私も、現状が正しいとは思いませんが、さりとて歯止めをかけるのは難しいと考えます。
 初期費用を抑える、エアコン等の設備を付加する、初月賃料をサービスする、何れも形を変えた「値下げ」でしょう。
 世の中の価格決定要素は、「需給バランス」がすべてです。 
 即ち、モノを欲しい人が沢山いらっしゃって、そのモノが少なければ、値段は上がります。

 カードゲームの「レアカード」に、一枚1万円のプレミアがつくのは、文字通りレアだからです。
 カードの原価は、せいぜい数円でしょうから、粗利は99%以上になります。
 理論上、印刷機でドンドン増刷すれば、メーカーは儲かる筈。
 ところが、そのカードが数多く出回り、誰もが持てる状況になると、希少価値は損なわれ、値崩れします。
 所謂(いわゆる)、インフレです。

 今年は「うなぎ」の高騰が騒がれています。
 稚魚が不漁で供給が少ないため、去年の1.5倍とか。
 しかし、余りの高値に消費者が買い控え、「あなご」等にシフトしました。
 今度は一転、需要が減退したことで、供給がダブつき、土用の丑の日を前に値下がり傾向にあります。

 マンションやアパートの賃料下落の最大要因は、供給過剰・・・建て過ぎです。
 適正な供給数は、年間20万戸と言われる中、失われた十数年の間に毎年50~60万戸も新築してきました。
 加えて今の日本は、人口減少の煽りを受け、需要が急激に細っています。
 
 しかも、野菜や魚の様に、短期間での供給調整が効きません。
 堅牢な建物は、需要がなくて空室だらけであっても、取り敢えず残ります。
 従って、総論としては、値下げしてでも埋めるしかありません。

 だからこそ、我々管理会社・仲介会社の力量・手腕が試されます。
 物件の持つポテンシャルを最大限引き出し、消費者の需要を喚起する提案が不可欠な時代です。

スピードで激戦を勝ち抜く

 日経新聞に連載されていた記事「マクドナルド 針路を探る」の中で、原田泳幸社長が好んで使う言葉が紹介されています。

 「ブランド価値は、顧客が店舗を通り過ぎる0.5秒で決まり、
 1秒早く商品を提供すれば、全店で8億円の増収につながる。」

 以下、本文の解説です。

【 マクドナルドでは、注文を受けてから提供するまでの時間が1分以内と、3分程度かかる他の外食よりも、遥かに短い。
 そこで、業務効率化により提供時間を1秒でも短くすることが、国内の激戦市場を勝ち抜く早道とみる。
 例えば新型のドライブスルー店導入もその一つだ。
 二つの注文窓口のほか、支払いと受け取りの窓口を別々に設けたのが特長。
 導入店では、休日の昼に捌いていた車の台数が、従来の2倍。
 売上も5割増えたという。 】

 我が身に振り替えても、消費行動を決定付ける大きな要素は、スピード(速度)です。
 セルフうどんや回転寿司に足を運ぶのは、待たずに食べられるから。
 散髪を10分カットの店に変えたのは、待ち時間もカット時間も短いから。
 携帯電話の利便性も、煎じ詰めれば時間の節約です。

 現代の消費者は、CP(コストパフォーマンス)に加えて、スピードに大きなヴァリュー(価値)を感じています。
 では、我々の不動産業界ではどうでしょう。

 まずは、商品の情報鮮度。
 新築はもとより、リノベーションや条件変更や退去といった情報をキャッチし広告し、お客様の元にいち早く届けることが肝です。

 加えて、その情報を見た上で寄せられた、反響に対する返信速度も見逃せません。 
 同じエリアのA不動産様は、営業時間内「30分以内の返信」を約束されています。
 
 先日、現地看板を見た上で「中を見てみたい」と、南店にお問い合わせ頂いたお客様がいらっしゃいました。
 物件場所は店舗から3分程の距離です。
 「すぐにお伺いします」鍵や資料を準備して向かったものの、間一髪間に合わず、「もう来ないのならいい!」と立腹して帰られました。

 また、北店でオープンハウスをした際、担当者が用を足しているタイミングで、お客様が来場されています。
 「居ないのなら帰る!」と激怒されていましたが、お客様が店に電話をして頂いたことで、何とか機会を失わずに済みました。

 プロダクト・アウト = 生産者・企業の立場
 マーケット・イン = お客様・市場の立場

 お客様のことを、「自分勝手だ」とか「わがままだ」と決めつけて、自らを正当化するのは簡単です。
 しかし、お客様の立場を理解したり、お気持ちに共感できない企業や担当者は、いずれ確実に淘汰されます。
 来期に向けて取り組む、「Big Smile運動」の原点がここにあります。

正義を騙る偽善者

 先般拙文でも取り上げた、大津市の中二生自殺事件。
 事件の背景や事実関係を下調べすべくネットを覗くと、行き過ぎた情報開示の暴走に驚かされます。
 
1.疑うことなく、マスコミの情報を鵜呑みにする
2.悪者を特定して、サディスティックに責め立てる
3.非難は匿名を前提とし、発言に責任を持たない
4.自らの言動は棚に上げ、戒めたり省みたりしない 

 具体的には、加害者とされる生徒の実名・顔写真、両親の実名・職業・顔写真、転校先の住所・学校名、改名後の名前等々、事細かに開示されています。
 以前の酒鬼薔薇事件でも、写真週刊誌が犯人の顔写真を公開して物議を醸(かも)しました。

 現代は、良くも悪くもネット社会。
 正邪善悪はともかくとして、簡単に情報を入手することも、拡散することもできます。 

 大前提として、虐めは許しまじき行為です。
 見て見ぬふりをした友達も、
 相談を受け流した教師も、
 被害届を受理しなかった警察も、
 アンケートを開示しなかった学校も、
 ことなかれ主義の教育委員会も、
 他人の痛みを教えられなかった親も、 
 周囲の誰もが責めを負うべきでしょう。

 また、少年法によって刑事罰を免れる「加害者」に対し、警察に成り代わり天誅を下す・・・という心理は、多少なり理解できる点もあります。
 ただ、書き込みの文面から読み取れる人物像は、興味本位な好奇心を動機とし、薄っぺらな正義感を錦の御旗に掲げる偽善者そのものです。
 
 彼らはネットという武器を用い、無抵抗な相手を、一方的に攻撃し続けています。
 目には目を歯には歯をとばかり、同害復習で正当化しているのかもしれませんが、これはまさしく、新手の虐めです。
 寧ろ、自らの正体を明かさないヴァーチャルなやり口だけに、リアルなそれより、もっとたちが悪い。
 
 昨今、顕著に堕落しつつある国民性と、そこに託すべきこの国の未来を憂います。

アメリカンドリームの裏側

 世界中に衝撃が走りました。
 「シアトル・マリナーズ」のイチロー選手、「ニューヨーク・ヤンキース」に電撃トレード。

 10年連続3割&200本安打&ゴールドグラブ賞、MVP、首位打者、盗塁王、年間最多安打等々、数々の記録や記憶に残るプレーを積み重ねてきた球界の至宝ですら、一つの駒として扱われるMLBのビジネスライクな対応が浮き彫りになります。

 昨日までマリナーズの一員としてプレーしていたイチローが、ホームであったシアトル「セーフコ・フィールド」にアウェーで乗り込む訳です。
 打席に立つ功労者を、スタジアム全員がスタンディングオベーションで迎えます。
 ヘルメットを取って応えたイチローは、昨日の友ミルウッドから、センター前にクリーンヒット。
 その後、二盗も決め、イチローらしさを古巣のファンに見せつけました。

 チームもユニフォームも背番号も、一夜で変わる環境変化に順応し、自分らしいプレーのできるイチローは流石でしょう。
 但し、イチローの場合、必要とされる力が備わり、必要とする球団が存在するからこそ成立したドラマであることを忘れてはなりません。

 そのヤンキースの元4番ゴジラ松井は、年初どこからもオファーがかからず、就職浪人していました。
 5月になってやっとレイズから声がかかり、マイナーからのリ・スタート。
 メジャー昇格後の初戦、いきなりのホームランで鮮烈な復帰を印象付けたものの、現在は18打席ノーヒット。
 ファンからはブーイングを浴びせられ、引退の危機に直面しているのです。
 
 契約に基づき、形式的にはチームに属していたとしても、実態は一人ひとりが「イチロー商店」「松井商店」という、自営業者であることがよく判ります。
 最終的に信じられるのは自分だけ。
 アメリカンドリームの可能性の裏には、こうしたシビアさも潜んでいるのです。

祝福と感謝の栄冠

 Facebookでもお知らせした通り、我が社の豊田選手と伊藤選手が所属する、ソフトボールクラブチーム「ウエストSBC」が、京都府舞鶴で行われていた第33回全日本クラブ男子ソフトボール選手権大会で、全国の強豪を打ち破り見事日本一に輝きました。

 ウエストは’09年に島根県で行われた第49回全日本実業団ソフトボール選手権大会でも優勝しており、日本一は二回目です。

 実業団の大会が、純然たる会社員のみで構成されるのに対して、クラブチームはそれに限りません。
 日本のみならず、「ドニー・ヘイル」だの、「トーマス・キャメロン」だの、「ネイサン・ヌクヌク」だのといった助っ人外国人を引っ張って来てチームを強化している訳です。
 従って、クラブ選手権の方が、遥かにレベルの高い戦いになります。

 今回、地区予選を勝ち上がってきた精鋭32チームが舞鶴に集結しました。
 
 ベスト4に名乗りを上げたのは、昨年準優勝の強豪「大阪桃次郎」を打ち破り金星を上げた「岐阜エコデン」。
 リーグ戦防御率1.50を誇る剛腕アンドリュー・カークパトリック擁する「ダイワアクト」。

 ウエストSBCの参戦するゾーンでは、昨年優勝の古豪「平林金属」が順当に勝ち上がります。
 打率30傑に6人が名を連ねる平林金属の強力打線を、左腕客野が1点に抑え、3対1で決勝進出。

 決勝戦は、岐阜エコデン坂本と客野とのエース対決となり、1~7回まで0が並びます。
 タイブレーク延長8回、豊田選手が見事にセンター前にはじき返し均衡を破り、決勝点と成りました。

 先述した通り、助っ人が認められるクラブ選手権ですが、ウエストSBCは純国産の田舎チーム。
 当然にメンバーは、日中普通に仕事をし、火木の夜、水土の半日を練習に充てているだけです。
 最初から強かった訳ではありません。

 夢を見、目標を立て、弱音を吐かず、自分を信じて、人並み以上の努力を継続してきたからこそ、今日の栄冠があります。
 仕事でも同じでしょう。
 
 彼らの活躍から、大いなる勇気を貰いました。
 おめでとう、そして、ありがとう。

多過ぎる家賃滞納者

 奉仕という言葉から、皆さんは何を連想しますか?
 一般的には、献血や近隣清掃や寄付といったところでしょうか。
 ウィキペディアによると・・・。

 『 報酬を求めず、また他の見返りを要求するでもなく、無私の労働を行うこと 』

 繰り返しお話していますが、こうした概念の必要性を、前職の会社で学びました。
 
・ 煙草の吸殻を投げ捨てるのではなく、自ら進んで拾う人
・ トイレを汚して平気な人より、来た時よりも綺麗にする人
・ 少しの辛抱で救える命があると思い、率先して献血できる人
・ 被災を見過ごすのではなく、自分の痛みとして手を差し伸べられる人
・ 電車の中でお年寄りや妊婦が居れば、さりげなく席を譲れる人・・・

 同じ夢を追いかけて仕事をするのであれば、そういう誠実な人と共に歩みたいと思います。
 お客様の立場でも、きっとそういう人間性の人から買いたい筈です。
 例え今、心が邪(よこしま)でも、善行を重ねる程に、徳が積まれていきます。

 急成長する過程においては、「流石に伸びる会社は違う」と評価されてきました。
 ところが、衰退へと潮目が変わると、「トイレ掃除もゴミ拾いも良いが、そんなことばかりしているから・・・」と後出しジャンケンで批判に晒されます。
 
 胸に秘めた忸怩(じくじ)たる思いは、置いておきましょう。
 会社の成長との相関関係より、もっと明確に、奉仕の必要性を示す言葉を見つけました。

 『 奉仕とは、私たちがこの世に住むために支払う家賃である。 』  ネイサン・エルドン・タナー

 この国には、家賃の滞納者が多過ぎます。

リーダーに足る人

 スティーブン・R・コヴィーの名著「第8の習慣」の中に、リーダーシップの後天性についてQ&Aがあります。

Q:リーダーになる人は、リーダーに生まれつくのだろうか?
  それとも、環境条件や訓練によって作られるのだろうか?

A:リーダーは、生まれや環境や訓練などの産物ではない。
  自ら選びとった反応によって、自らリーダーになっていくのだ。

 つまり、リーダーシップは先天的に備わっているものではなく、自分自身で作り上げるものだということ。
 言い方を変えれば、自らがリーダーとしての道を「選択」できる人が、リーダーに足る人なのです。
 先般耳にした、ある会社で実際にあった事件が思い出されます。

 一人の課長が、現場で大きな損失を出しました。
 大幅減益の責任を逃れるため、その損失を新たなる現場の予算に付替えようと考えます。
 
 上司である役員は親会社からの出向者で、業務の詳細や進め方に明るくありません。
 課長は「現場では珍しくない手法」であることを説明し、役員の了解を取りました。
 
 後日、ふとした綻(ほころ)びから、この粉飾疑惑が露呈し、社長の逆鱗に触れることとなります。
 社長から追及された役員は、こう答えました。
 「現場の課長が独断で進めたこと。 私は現場のことは承知しておりません。」
 四面楚歌となり、責任を問われることとなった課長は、上司の言動に失望し、退職を決意したと言います。

 リーダーであるならば、課長から相談を受けた際、不正を糺し、指導・教育すべきです。
 職務的な知識や能力の欠如から、それが適(かな)わなかったとしても、一旦受け止めた以上は、「自分が承認致しました」と非を認め、防波堤となって部下を庇うのがリーダーでしょう。

 つまりこの人は、自ら選び取った反応によって、自らリーダーの称号を返上されたのです。
 店長であろうが、役員であろうが、社長であろうが、例え総理大臣であろうが、役職とは関係ありません。
 いざという場面で、私心なく、自己犠牲を厭わず、身を呈して部下を守れる人こそがリーダーです。

経営は闇夜の登山

 経営は、闇夜の登山のようなものです。
 山の頂きに向け、先頭を切るリーダー(店長)の後を、社員はついていきます。

 リーダーには常に、正しい判断が求められます。
 言わずもがな判断とは、岐路に立った時に、どういう行動をとるかです。
 真直ぐ進むか、右折するか、左折するか、立ち止まるか、引き返すか・・・。

 その判断が正しければ目指すべきゴールに近付き、判断を誤ればゴールは遠のく訳です。 

 山には、確実に頂きへとつながる登山道があります。
 ところが、リーダーに焦りがあると、判断力が鈍り、近道に見える獣道へと迷い込むのです。
 結果、その道は行き止まりで、引き返さざるを得なくなり、時間と労力を大きくロスします。
 或いは、凶暴な熊に遭遇し、襲われるリスクもあります。

 途中でお腹が空いた時、山菜やきのこで飢えを凌ぐこともあるでしょう。
 その食材は食べられるか否か、瞬時に判断しなければなりません。
 その判断を誤れば、命を落とす可能性もあります。

 登山でも経営でも、最大のリスクは、危機下にありながら危機感の薄いこと。
 失敗をしても失敗の自覚なく、また同じ失敗を繰り返すこと。

 数字ができる or できない
 クレームが起こる or 起こらない
 損失を出す or 出さない
 ファンが増える or 増えない
 
 あなたの現状は、すべからく過去の、ひとつひとつの判断の集積と結果です。
 これまでの失敗を改めて振り返り、何が間違っていたのかをしっかりと自覚し、判断力を磨いて行きましょう。

コーポレートガバナンス

 愛媛が誇る大企業、大王製紙の元会長がカジノにのめり込み、複数の子会社から55億円も無担保で借り入れ、損害を与えたとして会社法違反(特別背任)罪に問われた事件は、記憶に新しいところです。

 この事件でクローズアップされたのは、絶対的な権力を持つ創業家からの要求に、子会社の役員が逆らえず、違法と知りつつ従ってしまった点でしょう。
 上場企業でありながら、コーポレートガバナンス(企業統治)が機能しなかった、典型的な事件と言えます。
 前職の会社は、今から十年前に執行役員制度を導入し、その後、正式に委員会設置会社に移行しました。
 
① 指名委員会、監査委員会、報酬委員会の3つの委員会を設置
② 各委員会の決定は拘束力を持つ
③ 委員会を構成する取締役の過半数は社外取締役でなければならない
④ 業務執行を担うのは執行役で、その執行を監督し経営の意思決定を行うのが取締役
⑤ 取締役は原則として業務の執行をすることはできないが、取締役と執行役の兼任は可

 これらは、経営陣の暴走に歯止めをかけ、経営をガラス張りにするための仕組みです。
 よく間違えられますが、私は子会社の取締役と代表取締役は歴任したものの、本体の取締役は未経験。
 数年務めた常務職も、商法上の役員ではありましたが、取締役ではなく執行役でした。
 平たく言えば、現場を率いて数字を作るのが執行役です。

 当時は、公認会計士・大学教授・上場企業OB・税理士といった、錚々たる顔触れの人材を社外取締役に招いていました。
 見識と経験を踏まえ、それなりに厳しい意見を頂き、ブレーキがかかった事案もあります。
 しかし、いくら社外とは言え、TOPから雇われている身分です。
 また、月一度の役員会出席だけで、現場の細部まで見渡せるものではないでしょう。
 最終的な経営判断は、TOPに委ねざるを得ないのが実態です。

 昨日の日経新聞に、会社法改正に関する記事が掲載されていました。

【 社外取締役の起用や増員がコーポレートガバナンスの強化に直接つながるわけではない。
 必要な時に取締役会で『NO』と言える人材を招けるかが重要。 】

 大切なのは形式ではありません。

社名に恥じぬ対応

 ちょっと(ちょっとじゃないかもしれません)したトラブルが勃発しました。
 昨年取引した土地の地中から、コンクリートの構築物が出てきたのです。

 業界では、こうした欠陥を「瑕疵」と言い、見た目では判らない欠陥を「隠れた瑕疵」と表現します。
 全国的に、取引事例や判例も少なくありませんが、その判断は状況によりケースバイケースです。

 ・ 瑕疵担保責任が契約書に折り込まれているか否か
 ・ 売主・買主が個人(素人)か業者(プロ)か
 ・ 特約事項がうたわれているか否か
 ・ 売主・買主が善意か悪意か・・・

 ここで言う「善意」か「悪意」かは、善人か悪人かを問うている訳ではありません。
 その瑕疵を知っていたとすれば「悪意」、知らなかったとすれば「善意」です。

 「へっへっへっ、この地中にはコンクリートの構築物があった筈。後で困るぞ。」
 てな具合に、知っていながら告げずに売った場合は、「悪意」と成ります。

 また、買う側が注意深く観察していれば充分判った筈なのに、それを見落としていたとすれば過失です。
 「善意無過失」とは、その件について、落ち度も無ければ知ってもいなかったという状況を指します。
 
 今回の場合、売主様も買主様も、当事者双方「善意無過失」でした。
 しかも、両直で仲介に入った弊社にとって、売り側も買い側も、何れもお客様です。
 即ち、どちらか一方の味方につく訳には参りません。

 明らかな損失発生という現実を踏まえた上で尚、win-winの着地点を模索する必要があるでしょう。 
 Neutral(ニュートラル:中立・不偏) Yeoman(ヨーマン:忠勤・従者)の略称に思いを託した、社名に恥じぬ対応を心掛けたいと思います。

心の狭い妄想劇

 猛暑の中、献血に行って参りました。
 今年から、成分献血に切り替えたことで、ほぼ月一回のペースを維持しています。

 大街道献血ルームのOPEN時間は10:00で、9:30から受け付け開始です。
 開店直後に訪れますと、先客が三名ほどいらっしゃいました。

 私の直前で受付を済ませたのは、小中学の子供4人を連れた、ブルーカラーな風体の男性です。
 このお父さん、私とほぼ同年代とお見受けします。
 
 自分にできる、ささやかな社会貢献の現場に子供を連れて行き、範を示す親。
 とても微笑ましい光景です。
 ところが、注意深く観察していますと、少し見方が変わりました。

 恐らくこれまでも、何度か来ているからでしょう。
 子供達は、迷わず無料自販機の前に並び、各々好みのドリンクのボタンをセレクトします。
 次に、かごの中のお菓子を持ち切れない程抱えて、一目散に二階へと上がって行きました。
 まま、それは子供ですから。

 ところが目を転じますと、順番を待っているお父さんもキャンディーとお菓子を鷲掴みにして、手慣れた様子でウエストポーチの中に詰め込んでいるではありませんか。
 
 やがて、二人の名前が続けざまに呼ばれ、血液検査に向かいます。
 隣のお父さんの様子をチラ見していると、いつもは親切・丁寧な職員も、心なしか邪険なあしらいです。
 「折角なのですが、今回血液の比重が足らないのでご協力をお願いできません。」
 事務的な声に背中押され、お父さんは「ああ、そうですか・・・」と呟いてロビーへ舞い戻り、夏柑ドリンクを飲みつつ、再びお菓子を鷲掴みしてウエストポーチへ。

 なるほど、これで判りました。
 煎餅やクッキーやチョコの類は、職員の目の届く、カウンター横の棚にしかありません。
 1Fのテーブル上にはキャンディーのみ。
 2Fには、ドリンクの無料自動販売機こそありますが、お菓子も飴も皆無です。

 ひょっとして、2Fに上がった子供達がタスキがけしていた水筒の中身は?
 善意の空間で、邪心を見透かさんと睨みを利かす、実に心の狭い私の妄想劇でした。

探し物は何ですか

 タイトルは井上陽水「夢の中へ」・・・ただ予(あらかじ)め申し上げておきますと、かなり下らない話です。
 
 先日のこと、3年程前にお会いしたある方にお会いする、ちょっとした用事ができました。
 役職名も社名も記憶していますが、失礼ながらお名前を思い出せません。
 「そうだ名刺があるはず」と思いましたが、自分は出先です。

 そこで会社に電話して、名刺の保管場所を示し、探して貰うことにしました。
 とはいえ、夥(おびただ)しい名刺の量だけに、森の中で一枚の枯れ葉を探すようなものです。
 二人がかりで小一時間探して貰ったものの見つかりません。

 次に、文明の利器を活用しようと思い立ちます。
 ネット検索で、会社名と役職名を打ちこんだらヒットするのではないか?と考えた訳です。
 これも、出先から遠隔で指示をしますが、残念な結果に・・・。

 翌日、6:00前の早朝から一枚の名刺を探すのですが、どうしても見つからないのです。
 「誰かに渡したまま返して貰ってないんじゃないか?」
 いつもの悪い癖で、責任を転嫁し、他人を疑い始める始末。

 取り敢えず探索作業は打ち切り。
 別の業務に当たることにしました。 

 その日の午前中、別件でアポ取りしていた会社を訪ねてみると、ナント偶然にも、先程の行方不明の名刺の方と同じビルです。
 アポの方は6F、行方不明の方は4F。
 「折角、ここまで来たのに、名前が判らないと訪ねることもできないし・・・。」
 とほぞを噛んでEVに乗った瞬間、潜在意識と顕在意識を隔てる心理障害の板が開き、記憶の神が下りてきました。
 すぐにメモをして帰りに訪問し、「□□様いらっしゃいますか?」とフロントで声掛けし、無事目的を果たした次第です。

 イギリスの某保険会社が、成人男女3千人を対象に行った調査によると、人が探し物をする回数は一日平均9回、年間3,285回にも成ると言います。
 探す時間は、一日平均約10分。 生涯は3、680時間。
 約8時間の睡眠時間を控除しますと、延べ230日間、モノを探し続けている計算になります。

 「小理屈こねてるけれど、要は整理整頓できてなかっただけでしょ!」
 はい、その通りです。 ご迷惑おかけしました。
 そして我が社には、ずっと「愛」を探し続けている店長がいます。

人は人でしか磨かれない

 自分は、18~27歳まで石材店に務めていました。
 地元産の大島石や庵治石を、鏡面の様に磨き上げるのも仕事の一つです。
 
 まずは、歪(いびつ)な原石を、工業用ダイヤモンドの刃の付いた丸鋸で、水を流しながら切断・成形します。
 次に、ダイヤモンド粒子の練り込まれた砥石を、目の粗いアタッチメントから徐々に細かく変えて研磨します。
 
 硬い石を磨くには、更に硬いダイヤモンドが不可欠です。
 では、そのダイヤモンドを磨くには・・・そう、やはりダイヤモンドを用います。
 
 『ダイヤはダイヤでしか磨かれない』

 これに似た言葉があります。
 
 『人は人でしか磨かれない』

 未熟で荒削りな若手社員を、時に褒め、時に叱り、時に助け、時に諭し、立派な人間へと導くのも、先輩社員や上司の役割です。
 
 先のダイヤモンドに例えれば、軟弱な上司では部下を磨けません。
 責任は重大です。
 職務的な能力だけでなく、読書を通じて道理を、奉仕を通じて感謝を、互助を通じて人情を、世相を通じて正義を学び、人間性を高める義務があります。

 先日、一人の社員と、その上司を叱責しました。
 法律や規定を犯した訳では無く、自己責任でさらりと流しても大問題には発展しなかったでしょう。
 しかし、それでは、輝ける人材の未来の可能性を閉ざしてしまいます。

 砥石は、我が身を擦り減らしながらでも、相手を輝かせるのが務めです。

真に罪深き者

 大津市でおきた、中学二年生の自殺が大きく報道されています。
 しかし、これはあくまでも氷山の一角です。
 それほどまでに、この国の人々の精神は病んでいます。

 いじめる人が居る
 いじめられる人が居る
 見て見ぬふりでやり過ごす人が居る
 助けを求める人がいる
 痛みを受け止めて告発する人が居る
 それを、聞き流す人が居る
 痛みを受け止めつつ一歩を踏み出せない人が居る
 ニュースを見て、憤りをぶつける人が居る・・・
 
 死後、二度に渡って実施されたアンケートには、良心に呵責を覚えた生徒達による生々しい告白が綴られています。
 教育委員会は保身から、その悲痛な声を揉み消そうとしました。

 勇気ある生徒から相談を受けた教師は、臆面も無く「いじめは無かった」と言い切ります。

 生徒の父親は再三、警察に対して捜査を依頼しました。
 国民の安全を守り、悪を糾弾する筈の機関は、事件自体の存在を認めません。

 子供も大人も、一般人も教育者も警察も含め、沢山の共犯者が居ます。
 いや、そこにたまたま居合わせた人だけではありません。
 自分がそこに居たとして、降りかかる火の粉を恐れることなく止められたでしょうか? 告発できたでしょうか?
 
 私も含め、即答できない多くの国民が、この犯人をほう助し、彼を死に追いやったのです。
 警察も、教育者も、いじめた側の数名の生徒も、当然に裁かれるべきでしょう。
 被疑者や権力に、総ての罪を擦(なす)り付けられれば、気は楽です。
 
 しかし、真に罪深きは、彼らだけではありません。
 - 合掌 -

自営業的思考の人財

 前職の会社はピーク時に、680名もの社員が居ました。
 現在は100名程ですから、過去に退社された方も含めれば、同じ遺伝子を引き継ぐ一千名程の人材が、世に放たれている訳です。

 建築建設不動産だけでなく、異業種に転じられた方もいます。
 別の会社に着地した方も、ご自分で起業された方もいらっしゃいます。
 今週、退職後に起業した、二名の社長に来店頂きました。

 お一人は、新卒入社で賃貸マンション営業をされていた女性です。
 今は東京で、介護施設と保育所との融合という、新しいビジネスモデルを確立しようとされています。

 もう一人は、キャリア入社でリフォーム営業をされていた男性です。
 長年大工だったお父様の地盤を引き継ぎ、リフォーム会社を立ち上げられました。

 お二人が、口を揃えておっしゃった言葉に、私自身も大いに共感します。 
 
 「前職で学んだ数年間は、本当に有意義だった。
 その経験があるからこそ今がある。」

 また、末端社員であった在職時と、経営者に成った今とでは、教えの受け止め方がまったく違います。

・ 月末になれば給料を貰う立場から、支払う立場に成り、一か月が驚くほど早い
・ 御礼状を奨励されていたが、今は感謝に心動かされ、一文字一文字心を込める
・ セミナーに嫌々出席することもあったが、今は自分でお金を出してでも参加する
・ 会社として目に見えない出費も多く、利益確保の重要性を痛感した
・ 今の現場が終わったら、来月の仕事が無い時など、夜も眠れなくなる
・ かつては朝が弱く遅刻もあったが、効率を考え、今は朝活が習慣になった

 立場が変われば、意識も行動も変わります。
 昔も今も、社員に対して「自営業的な感覚を持て」と指導していますが、所詮無理な相談かもしれません。
 裏を返せば、勤めながらにして自営業的な思考のできる人材は、まさに人財といえるでしょう。

お客様満足のバロメーター

 名著「現代の経営」の中で、ドラッガーは言いました。

 「利益が生まれるのは企業経営の結果であって、決して目的ではない」 

 一方で、次の様にも語っています。

 「経営の目的とは、企業を社会的存在価値のあるものにすることだ」

 この「企業」という言葉を、「店舗」や「個人」に置き換えれば、一層判り易くなります。

 面倒な管理をソツなくこなし、時代のニーズに合った提案を行い、入居改善によってマンション経営が安定し、大家様から感謝される。
 入居者様本位の姿勢で親身に相談に乗り、期待を超えるお部屋探しと、入居後のアフターフォローによってご満足を提供する。

 すると、大家様や入居者様は、「次の機会もあの会社(店・個人)に頼もう」と思い、リピートにつながる。
 更には、口コミで良い評判を広めて頂き、無償の営業マンとしてご紹介下さる。

 一方、その裏返しの行為をしていれば、その方から仕事を頂けないばかりか、誹謗中傷が拡散し、負のレッテルを貼られてしまします。

 現在、我が社に管理を任せて頂いているオーナー様の殆どは、リピートもしくは紹介によるものです。
 また、一見(いちげん)様が多いと思われがちの仲介においても、紹介・リピートはかなりのシェアを占めています。
 その絶対数が少ない会社(店舗)は売上が伸び悩み、多い会社(店舗)は着実に繁栄していく筈です。

 今月迄の管理取得キャンペーンは、店舗毎のバラつきこそあれ、一定の成果が上がっています。
 売上や利益や管理といった数字は、お客様満足のバロメーター。
 これはある意味、開業から今日までの通知表です。
 過去にお役立ちできてない大家様から、ご用命頂ける道理がありません。
 
 赤字の会社(店舗・個人)は、社会から必要とされていない証左。
 このシビアな現実から、目を背けてはならないのです。

しんどい道と楽な道

 言葉は、「何を言ったかよりも、誰が言ったか」が重要です。
 彼女いない歴30年の30歳男に、「追えば逃げる、逃げれば追うのが恋愛の定石ですから、煮詰まった時には引いてみるのが良いでしょう。」とか何とかレクチャーされたとしても、耳を貸す人はいません。
 ただそれが、石田純一の言葉であったとしたら、こっそりメモしておこうという気に成ります。

 そういう意味では、幾ら正しくとも、会社を倒産させた社長の言葉は説得力を持たない訳です。
 とはいえ、その主張がすべて間違っている訳でもないでしょう。
 数値化できる程単純ではないものの、49間違いでも51正しければ生き残り、その逆であれば淘汰されます。

 ’92年、3万人が定住するリゾート都市創造という触れ込みで、長崎ハウステンボスが開業しました。
 ところが、程なくバブル経済が崩壊し、2003年会社更生法適用。
 今は、H.I.S傘下で経営されています。 
 今日ご紹介するのは、そのハウステンボスの創業者、神近義邦氏の言葉です。

 「楽な道としんどい道があるとすれば、しんどい道を採りなさい。」

 入居が芳しくなければお叱りを受け、クレーム応対は24時間365日休みなく、滞納者には心を鬼にして督促しなければならない・・・考えてみれば賃貸管理業は、比類なくしんどい仕事でして、社員の皆様には多大なご苦労をおかけしています。
 ただ、その選択の正しさは、神近氏の言葉の続きにあるのです。
 
 「なぜかというと、楽して儲けようとすれば、競争相手が多い。
 しんどい道だと競争相手は、そんなにはいない。」

 楽して儲かる仕事があるとすれば、我も我もとその業界に進出し、競争が激化し、値崩れが起こり、薄利を余儀なくされ、あっという間に、労多くして儲からない仕事になり下がります。

 ちなみに、3万人が居住する筈だったハウステンボスの夜間人口は、一説によると僅か数十人。
 今でも、築20年の未入居マンションが2000万円以下で、戸建は3000万円台から好評分譲中です。

政治家を目指さない訳

 私自身は、支持政党を明確にしている訳ではありません。
 体裁良く言えば政策重視で、政治家個々人の人間性にフォーカスするだけです。
 但し、昨今の政権与党の動きは奇異に映ります。

 党の重要案件である、消費税増税法案に棄権または反対票を投じ、袂を分かつ一派。
 この方々の行動の是非はともかく、判断としては頷けます。

 ところが、同様に反対のスタンスを貫きつつ、党に留まらんとする一派の意味が判りません。
 この動きを、会社に例えればどうなるでしょう。

 「円高・デフレの続く現状では生き残りは難しい。そこで、競業J社とK社との業務提携による新規事業を立ち上げる」というドラスティックな方針が、N社長から幹部に投げかけられます。
 すると、当然に賛成派と反対派の意見が真っ向から対立し、侃々諤々の議論が繰り広げられました。
 
 相当な時間が経過し、議論も出尽くした段階で、遂に社長が英断を下します。
 「座して死を待つよりも、前のめりに攻めて行こう!」
 以前申し上げた通り、最終的にはTOPが、責任ある判断を下す必要があります。

 「社長の方針には従えない。 辞めさせて頂きます。」
 反対派の役員Oが数名の社員と共に、辞表を提出しました。
 もうひとりの反対派役員Hは、社内に留まったにも関わらず、依然として反対の意を唱え、多くの部下と共に命令不服従を公言するのです。

 普通に考えて、この役員の処分は解雇でしょう。
 重要な方針に対して反旗を翻す、言わばテロ行為ですから看過できません。
 
 であるにも関わらず、N社長の下した処分は謹慎三ヶ月。
 当の本人も、「処分に興味はない」と開き直っています。
 J社やK社から、「いったいお宅の会社はどうなっているんですか?」と訝しがられるのも当然です。
 
 最終段階までは率直に意見を交わし、一旦決定したらそれを素直に受け入れ、成就するように全力を尽くすのがビジネスマンの義務でしょう。
 いかにも政局は判り難い。
 私が政治家を目指さない一つの理由です。

過去の責任よりも未来の挽回

 仕事をしていく上で、好不調の波は有って当然です。
 怪我や疾病によって、穴を空けてしまうこともあります。
 数字が作れる時も、作れない時もあるでしょう。
 大きな失敗で、会社に損失を与えてしまうこともあるかもしれません。
 
 まず、迷惑をかけたとすれば、その事実を厳粛に受け止め、言葉と態度に示す必要があります。
 「やるだけやったけど及ばなかったんだから仕方ないじゃないか」とか、「不測の怪我だったんだから休むのはやむを得ない」という言葉は周囲の気遣いであって、当事者がそれを口にしてしまうと単なる開き直りです。
 その前提の上で、責任の取り方を掘り下げたいと思います。

 責任の取り方は、会社から言い渡されるか、本人から申し出るか、大きく分けて二つです。
 横領や背任等の法的責任が伴う場合や、重要な会社の理念や方針を違えた場合には、懲戒解雇や諭旨解雇といった処分が下されることもあるでしょう。

 所謂レッドカードですが、法律・規律を遵守して、普通に仕事をしていれば突きつけられることはありません。
 しかし、始末書等イエローカードを、短期間の内に何枚も積み重ねてしまいますと危険です。
 遅刻などは、頭をかいて済むと軽く捉えられがちですが、常習的な遅刻は正当な懲戒事由に成ります。
 
 次に、降格・減給があります。
 例えば、課長を任せたものの実績が上がらず、能力的にも時期尚早であったと判断し、一般社員に降格するケース。
 
 層の厚い大きな組織であれば、Aさんを降格させても、次にBさんを昇格させれば問題ないでしょう。 
 しかし、層の薄い中小零細企業では、代替が効かないケースが殆どです。
 その場合、「責任をとりたいので役職を外して下さい」という、一見潔く聞こえる台詞が、実は経営者を最も困惑させます。
  
 そもそも中小零細企業は、小さな船に少人数で乗り込み、荒波を乗り越えて目標の港を目指していく訳です。
 個々の責任と役割が明確で、誰一人欠いても成立しない、ギリギリの陣容で臨んでいます。
 大企業なら、「寄らば大樹の陰」的な人も幾分養えるのでしょうけれど、中小零細では誰一人許されないのです。
 そうした環境下での「責任を取る」発言は、却って無責任という側面も否めません。 

 数名の水夫で櫓を漕いでいる時に、一人が力尽きて一時的に戦線離脱する。
 その後、体力が回復して復帰できる状態になった。
 そこで「責任を・・・」と言われても、「そんなことより早く櫓を手にして漕いでくれ!」と言うのが本音でしょう。

 「迷惑をかけました。 これから頑張って取り返します!」
 過去の責任を口にするよりも、未来の挽回を誓う方が数十倍、組織を活気付ける筈です。

さらばイエスマン

 自分は社長をしていますが、それはあくまでも、組織図における一つの役割です。
 べたな言い方をすれば、「社長だから偉い」訳ではありません。
 
 当然に、叱責することも、指導することも、意見することもあります。
 とはいえ、社員の一挙手一投足について指示するほど時間は無いし、現場のことを判ってもいないのです。
 
 「走れ!」「気をつけろ!」「止まれ!」「スピードを上げろ!」「右に曲がれ!」
 よちよち歩きの三歳児向けのような指示は愚の骨頂。
 店舗を委ねる店長等、管理職相手であれば尚更です。

 但し、トレンドや進捗状況を大局的にみて、目標達成が危ぶまれそうな時には、率直に聞きます。
 「このままで大丈夫か?」「本当にゴールできるか?」
 そこでも決して、イエスマンを求めていません。
 
 「何言ってるんですか! やると言ったらやります! 
  失礼ながら社長、ちゃんと見てから言って下さいよ!
  ここ数カ月間、対前年の1.5倍がうちの店のトレンドですよ!」
  去年と同じやり方なら難しいでしょうけれど、ちゃんと手は打っています。
  結果を楽しみにしていて下さい!」

 全力を尽くして取り組んでいる、そのプライドが言わせる台詞でしょう。
 例えはったりでも、こうした自信と覚悟に満ちた言葉が返ってくれば、頼もしく思います。

 現場のことも、自分達の実力も、競合他社の状況も、何もかも知り尽くしたスタッフが、魂を込めて計画を練り、目標を立案し、懸命に行動に移そうとしている訳です。
 語気を強めて率直に反駁されたからといって、一閃斬り捨てたりはしません。

 敢えて釘をさすならば、「率直」と「非礼」は違います。
 上司や目上に対する、言葉づかいや態度といった礼節だけは弁えるべきでしょう。
 
 一番厄介なのは、「このままではゴールできないんじゃないか?」と問うた時に、「言われる通りですね・・・」と他人事の様に同意されてしまうこと。
 言葉を発しないまでも、無言はYESです。

タイよりマスの有言実行

 目標達成に最も有効な手段は、有言実行です。
 読んで字の如く、実行よりも前に言葉があります。
 やれる自信も保証も無いけれど、やる前に「やります」と宣言することです。

 誰も皆、やれるかどうか判らない不確かなことを約束するのは、できれば避けたいものですし、できなかった時のために備えて、逃げ道も見つけておきたいものでしょう。
 しかし、その逃げ道を探し始めた段階で、目標達成は危ぶまれます。

 7年前にマンション管理業務主任者の資格を取りました。
 当時の役職は、分譲マンション事業担当役員です。
 誰からか資格を取れとは言われた訳でも無く、落ちたとしても怒られることはないでしょう。
 
 自分は、こうしたプレッシャーのかからない状況下で合格できる程、強くありません。
 そこで、敢えて受験することを公言し、一般社員に混ざり社内模試にも参加します。

 その年、「年間読書100冊」という、もう一つの目標がありました。
 読書を捨てて資格試験に専念する・・・という体の良い言い訳が過ったものの、社内で目標管理を推進する人間が逃げたら恥と思い、二兎追う目標に立て替えます。

① 1~6月の半年で読書100冊
② 7~12月の受験勉強によって資格取得

 受験勉強期間中、上司から飲み会への誘いのメールが入りました。
 返信したのが次の文章です。

「自分は、今年12月の管理業務主任者資格試験に合格します。
 宴には参加致しますが、受験勉強のため21:45で中座するご無礼をお許し下さい。」

 22時としていれば、ずるずると22:20になったり、22:40になったりします。
 21:45と細かく刻んだのは、強い意思の表れです。
 ここまで広く宣言していれば、とても恥ずかしくて失敗できません。
 ハードルの高い予算を、上司や部下の前でにぎるのも同じです。

 「タイ」より「マス」
 大言壮語に思えても、「やりたい」という願望ではなく、「やります」という宣言に転換すること。
 それが言霊(ことだま)となって自身を奮い立たせ、「やれるかもしれない」自己暗示へと導き、周囲に対し」「きっとやれる」パワーを伝播します。

終着駅のない旅

 今まで幾度取り上げたでしょう。
 日経新聞スポーツ欄のコラム、三浦知良「サッカー人として」。
 久米店の大野店長に倣って、倒置法で切り出さざるを得ない程、ここには至言が詰まっています。

 1998年 日本のワールドカップ初出場が決まりました。
 歴史へとつながる伝説の序章です。 
 と同時に、岡田武史監督の放つ言葉が、一つの時代の終焉を告げます。

 「外れるのはカズ。 三浦カズ。」

 日本サッカー界に最も貢献した男に対し、タブーも温情も切り捨て、断を下しました。

【 見返すという言葉は僕は好きじゃない。
 どこか未練がましい。 
 だから見返すのでも反省するのでもなく、何が足りなかったのかを、自分が前向きになるためにみつめる。】

 偉大なキングは、いかなる場面でも、謙虚さと冷静さを失いません。

【 あの1998年。
 僕は帰国した空港から直行して練習に出た。
 そこで落ち込んでいるヒマはないと思った。
 外れたからといってサッカーを取り上げられたわけじゃない。】  

 調子の良い時や順境であれば、人は誰しもポジティヴなものです。
 そうした志向が本物か否か試されるのは、逆境に苛まれた時でしょう。
 逆境下でも、状況を受け入れ、気持ちを切り替え、一歩を踏み出すことができれば免許皆伝です。

【 僕は今45歳でプレーしているけれど、どんなことがあっても、どんな場所であれ、すべてが僕には通過点。
 今のこの瞬間も通過点と思える。
 それは終着駅のない旅。
 「ここでいい」という地点はないんだ。】
 
 下手な解説は要りません。
 外さないのがカズ、三浦カズです。

ワンマン決定は責任の現れ

 再び、「一倉定の経営心得」からのご紹介です。

【 ワンマン決定は権力の現れではない。責任の現れなのである。

 経営者は、すべての決定について全責任を負わなければならない。
 何がどうなっていようと、その責任を逃れることはできないのだ。
 全責任を負う者が決定するのが当然である。 】

 4年前に起業を企てる段階から今日に至るまで、様々な決定をしてきました。

・ 建築・不動産の括りの中で、賃貸仲介・管理業を選択
・ 自社ブランドではなく、ネットワークチェーン加盟を選択
・ 幾多のFCを比較検討して、エイブルを選択
・ 県都松山市ではなく、地方の大洲市から展開することを選択
・ 二店目出店に当たり、旗艦店として南環状線沿いを選択
・ 三店目出店は、大手の進出していない久米エリアを選択
・ 四店目出店は、敢えて競合ひしめく激戦区、本町を選択・・・

 その他、人材の確保も、社員教育の方針も、経営戦略の優先順位も、大きい決断から微細な判断まで、決定の連続です。 

 勿論、現場の知恵を引き出すべく、社員に相談を持ちかけることも、改善提案を受け入れることもあります。
 ただ、最後の決定は社長の責任です。
 言い方を変えれば、社員のアイデアを取り入れたとして、それが成功すれば社員の手柄ですが、失敗すれば社長の責任と成ります。 

 組織において店長は中間管理職。
 そして、ある意味その店の経営を委ねる経営者です。
 お父さんが社長(店長)で、奥さんと長男とで切り盛りしている店をイメージすれば判り易いでしょう。

 サラリーマンであれば、売上が上がろうと下がろうと、月末には給料が貰えます。
 自営の場合、売上が上がらなければ、今日のメシも食えません。
 逆に、大きく稼げば、ボーナスも出るし、給料も上がります。

 予算策定に取り組む今、責任と覚悟を備えて頂くことを期待する次第です。

幸福な時間の価値

 国税局から、2012年の路線価が発表されました。

 27年連続日本一に輝いたのは、東京銀座5丁目鳩居堂前で、一坪当たりの単価は7114万円です。
 50坪の土地に家を建てるとしたら、土地代だけで35億円超に成ります。

 驚くなかれ、バブル全盛だった21年前の坪単価は、1億2066万円です。
 従って、50坪の土地に家を建てるとしたら、土地代だけで60億円超。
 ここに50坪所有していたとすれば、20年間で▲25億円も損したことに成ります。

 一方、四国で一番高い路線価は、松山市駅前通りです。
 この土地、バブル全盛の21年前の路線価は、一坪1160万円。
 50坪の土地に家を構えようとしますと、土地代だけで5億8000万円。

 それが今や、一坪単価208万円と、かつての2割弱。
 同じく50坪の土地に家を建てるとしたら約1億円と、実にリーズナブルでお求め易い価格になっています。
 
・ 四国の路線価は「20年連続下落」
・ 四県の標準宅地は、前年比▲5.7%
・ 徳島県は、原発事故のあった福島県を凌いで▲7.6%
・ 高知県に至っては、全国ワースト1の▲9.0%

 高知県は昨年も▲8%でしたから、二年間の下落率は▲17%にも成ります。
 二年前1000万円で購入した宅地が、今や830万円です。 
 ギャンブルした訳でもないのに、豪華な食事や贅沢な旅行に言った訳でもないのに、一所懸命真面目にこつこつ働いたのにも関わらず、▲170万円も損しています。
 
 だったら買わない方が得なのか?
 確かに、不動産購入を投資として捉えるのであれば、今は買うべきではないでしょう。
 下げ止まりの底が見えない地方都市だけに、その不動産がどれだけの収益を生むかという、収益還元軸で判断すべきです。
 
 しかし、マイホームで家族と過ごす幸福の時間は、お金に換算できません。
 値下がりするからという理由で何年も先送りし、子供が巣立った後建てるマイホームに、果たして意味があるでしょうか?
 幸せの時間に価値を見出すのであれば、欲しい時こそが買い時です。

魂を吹き込む予算

 四店長が一堂に会し、来期予算策定要領説明会を開催しました。
 予算を立てる上で見極めるべきポイントは、色々とあります。

 管理収入の見込み、反響・集客のトレンド、人員の能力、競合他社の動き、市況感、投資のタイミング・・・

 正直、エクセルの初歩的な知識さえあれば、予算書を作成すること自体は然程難しくありません。
 数字合わせは簡単です。

 しかし、最も大切なのは、この数字に「魂」を吹き込むことです。
 そのためには、店舗のスタッフ全員が、膝詰めでとことん話し合う必要があります。
 
 組織内のコミュニケーションが良いとか悪いとか言いますが、このスタートライン次第です。
 一年間追い求めるべき目標が共有され、各人の腹に落ちたとすれば、少々の摩擦や軋轢は枝葉と成ります。

 日露戦争を目前に備え、厳寒の八甲田山で行われた雪中行軍の様子を描く、新田次郎著「八甲田山死の彷徨」は、リーダー必読の教科書です。

 神田大尉率いる青森5聯隊は、場当たり的に発信される指揮系統の混乱から統制を失い、実に199名もの犠牲者を出しました。
 方や少数精鋭で臨む、徳島大尉率いる弘前31聯隊は、210㎞11日間に渡る全行程を、誰一人欠くことなく完全踏破するのです。

 この真逆の結果をもたらした原因は、一体何だったのでしょうか。
 事前の準備や装備に抜かりが有ったとか無かったとか、天候の急変に対応した指示命令が速やかに成されたとか成されなかったとか、様々なファクターがありますが、突き詰めればこの二点に尽きます。

・ 行軍の目的が、組織内で共有されていたか否か (何のために)
・ 各人の役割分担と、目標が明確であったか否か (どうやって)

 この二点を抜きに見切り発車すれば、戦う前から負けたも同然です。

誤った時間の活用法

 我が社の決算期は8~7月です。
 従って今月は、予算達成へ向けたラストスパートが求められると同時に、来期予算策定も控えた重要な月と成ります。

 目標達成のための実務をこなしながら、来期の予算を組みたてるのは大変でしょう。
 「ビジョナリー・カンパニー」的言い回しをするならば、「OR」(どちらか一方)ではなく、「AND」(その何れも)が重要だけに尚更です。

 この時期に、必ず読み返す本があります。
 中小企業社長の教祖と言われた、故「一倉定」氏の名著、「経営心得」です。
 230頁程で3,465円と高価ですが、まさに金言至言がぎっしり詰まっています。

【「経営計画」の作成時間を節約するというほど、誤った時間の活用法は無い。
 というのは、計画に費やした時間の数千倍、数万倍の時間が、それ以降に節約できるからである。】

 ある社員が、海外旅行から帰ってきました。
 充実した旅行とすべく、事前に入念な計画を練ったに違いありません。
  
 予算は幾らか、日程はいつにするか、移動手段は飛行機にするか船にするか、宿泊するホテルは何処にするか、現地でレンタカーを借りるか否か、お土産は事前に注文しておくか現地で買うか、オプショナルツアーを組み入れるか否か、食事はホテルでとるか外に出るか、着替えはどの程度持っていくか・・・。

 仮に、予算も、行き先も、宿泊先も決めず、着の身着のままで出発していたとしたらどうでしょう。
 無駄な時間が増え、余分な出費を余儀なくされ、宿泊できない等のトラブルが相次ぎ、折角の旅行を楽しむことができません。 
 リタイヤ後、時間もお金もたっぷり有る方の、あてもない自由気ままな旅が目的であれば話は別ですが・・・。

 精緻であればあるほど、8月1日以降の一年間は、その計画を忠実にトレースするだけで良くなります。
 今年一年間を振り返りますと、予算通りに数字を積み重ねた店舗、予算以上に成果を上げた店舗、前半戦は芳しくなかったものの後半盛り返した店舗、全般的に低調に終わった店舗と、各店各様です。

 一年の長丁場が、その場しのぎの場当たり的な旅に成らない様に、スタッフ全員でしっかり話し合い、納得のいく計画を立てましょう。

結果が出ない理由

 自分自身、まだまだ青いと実感します。
 久々に爆発しました。
 まだまだ、腹の中のマグマは煮えたぎっているものの、自責の念と理性とで蓋をしているだけです。 

 数字には二種類あります。

① 結果指標 (売上、営業利益、賃貸仲介契約、管理取得 等々・・・)
② 先行指標 (オーナー訪問、物確、看板付け、物件入力 等々・・・)
 
 結果指標は相手のあることですから、「頑張ったけれど一歩及ばなかった」ということもあるでしょう。
 しかし、先行指標はやればできることです。

 裏を返せば、やれるにも関わらず、やらなかったということ。
 自らの意思で、怠けたということ。

 これだけは認められない! 絶対に許せない! 猛烈に腹が立つ!

 前職時代、一ヵ月受注ゼロの社員を集めた「ゼロ績研修」を主宰していたことは何度かご紹介しています。
 そこでも、受注が上がらなかったこと自体は一切責めません。
 
 先行指標である、飛込訪問の数値目標と、それをどの程度実行したかを訊ねます。
 総じて、その研修に出てくるのは、意思の弱い人間ばかりです。
 例えば目標2,000件に対して、500件、800件という、かけ離れた数字が並びます。

 「やることをやらずして結果を求めるな!」
 「棚から牡丹餅・・・ならば、せめて棚の下まで行け!」

 厳しい言葉を浴びせ続ける中で、一人したり顔の営業マンが居ます。
 「君は?」と訊ねると、よくぞ聞いてくれたと言わんばかりの表情で「1,980件」と答える訳です。
 
 戦地で敵軍の急襲を受けた際、「お前は100歩も逃げたが俺は50歩しか逃げなかった」と胸を張る愚か者と同じ心境でしょう。
 「目標まで残り20件。それをやりきっていたら、20人の中に必ず申込を頂くお客様が居た筈。」 

 その営業マンは、自分の言葉を怪訝そうに受け止めていました。
 いやいや、屁理屈だろうと何だろうと、その説を論破できるのは、2,000件を貫徹した人間だけです。
 行動目標をやり切らない限り、結果が伴わない理由は、行動数字の未達以外にありません。

 従って、管理取得目標が達成できない理由は、看板付けが4枚足らなかったから。
 反論は、達成した後に聞きます。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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