違って見える景色

 かつての部下の勤務している会社が、弊社松山南店の同じビルに入居しています。
 彼の趣味らしく、余った「ばいしぃこぉ」を南店の石田さんが貰ってきました。
 余り物とはいっても、充分に立派なモノです。

 公用か私用かはともかく、久米店にも北店にも「ばいしぃこぉ」はありました。
 大洲駅前店に至っては、訳あって一時的に無く成ってしまいましたが、その直後、滝井店長がGS主催の福引抽選会に臨み、神掛かり的な引きによってゲットしています。

 先日の消防点検の物件立ち会いも、一戸建ての物確も、この「ばいしぃこぉ」で出動しました。
 暑くも寒くも無い、麗(うら)らかな陽光降り注ぐ今日この頃は、恰好のサイクリング日和でしょう。
 
 走ってみて改めて思ったのは、目線と気付きの違いです。
 車で走ると目的地まであっと言う間で、その道中の景色や建物など気にも留めません。
 
 「ああ、こんなところに貸家があったんだ」
 「この店、いつの間にか閉店してる」
 「道路は狭いけど、歩道はしっかり整備されてるな」
 
 物件下見も、売らんかなの姿勢ではなく、「そこに住んだなら」という仮説に基づき、生活者と同じ目線で確認できます。
 また、時に居住中で駐車場に車が停められない物件もありますが、「ばいしぃこぉ」なら極めてフレキシブル。
 加えて、当然に健康的です。

 繁忙期を終え、5月からの三ヶ月間は、物確(物件確認)、物調(物件調達)、オーナー訪問といった、地域に根差した「カンカン・キャンペーン」(看板設置&管理取得)に全社で取り組みます。
 
 『物件を知る・道を知る・環境を知る・大家さんを知る』

 エイブルの推奨する、物確の定義です。
 松山南店にとって、この「ばいしぃこぉ」は大きな武器となることでしょう。
 タイヤが擦り減る位、活用して下さい。
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カメが見ていたモノ

 先日、Facebookつながりの豊田社長にご来店頂いた際、三時間にも及ぶ熱い経営談義の中で、寓話「ウサギとカメ」の勝因分析・敗因分析の話が出ました。
 既にポピュラーかもしれません。
 
 能力の劣るカメが勝ち、能力に優るウサギが負けた原因は何だったのでしょうか?
 一般的には「ウサギは自分の能力に溺れ満身したから」とか、「努力を継続するカメの勤勉さが勝利をもたらした」ということに成ります。

 しかし、見方を変えますと・・・そう、まさに見方の問題です。
 ヨーイドンでスタートした二者は、一体何を見ていたのか?

 ウサギは、カメ(競争相手)を見ていました。
 カメは、ゴール(目標)を見ていたのです。

 ウサギはカメを見ていたからこそ、スタートダッシュでつけた差に安心し、油断が生じました。
 カメは、ウサギなど眼中になく、ただひたすらにゴールを目指して歩み続けた訳です。
 こうした事象は、我々の業務の中でも散見されます。

 自分(自店)の業績が悪いことを棚に上げ、「他者(他店)も悪かった」とか「業界全体が落ち込んでいた」とか、言い訳を並べて正当化しようとするのは、まさにウサギ的視点です。
 
 身の丈にあった目標をゴールとして、制限時間内にゴールすることがミッションであり、競合相手が早かろうと遅かろうと、強かろうと弱かろうと、一切関係ありません。

 社内的なイベントながら、閑散期の5~7月で、看板・管理のカンカンキャンペーンを開催します。
 各人カメ的視点で、ぶれることなくゴールを目指して下さい。

灯台下暗に温故知新

 道後の会場で開催された、松山不動産業協会の定時総会に参加してきました。
 加盟業者数は530社ありながら、参加は僅かに79名しかありません。
 内容は・・・行った方は判るでしょう。 敢えてコメントは差し控えたいと思います。

 昼食を済ませて会場入りした時間が早かったので、開会まで道後の街並みを散策することにしました。
 会場のすぐ横にある、伊佐爾波神社からスタート。
 長い石段を登り切り、境内に辿りつくと、写生大会と思しき中学生が無心に筆を走らせています。
 参拝を済ませ振り返ると眼下には、道後の町が一望の元に見渡せる絶景です。

 石段を下りて右に曲がると、かつての赤線の佇まいを残す上人坂(旧:ネオン坂)。
 束の間タイムスリップして、格子戸の向こうから、遊女が手招きするかのような錯覚に陥ります。
 坂の先にあるのが宝厳寺。
 その門前の通りは、旅館街の裏手にあたり、古くからの民家が立ち並び、生活の匂いが感じられます。

 途中、旅館の間の急勾配の路地をすり抜ける様に下りていきますと、由緒ある大和屋旅館に突き当たりました。
 左手には、「千と千尋の神隠し」で「油屋」のモデルに成ったと言われる、道後温泉本館が神々しく建っています。
 建築関連の仕事に携わりながら、その意匠をまじまじと眺めるのも、今日が初めてかもしれません。
 
 本館から道後温泉駅へ向けてL字型に伸びるアーケード街は、通称「ハイカラ通り」。
 タルト、坊っちゃん団子、伊予かすりを売る土産物店、お洒落な飲食店やカフェが軒を連ねています。

 駅前広場では、一時間刻みに「坊っちゃん」のキャストが登場する「からくり時計」や、無料開放の足湯「放生園」の周辺に、観光客の人だかりです。
 
 帰路は、「伊佐爾波神社」の境内から見下ろした一本坂を登ります。
 その途中、「湯神社」を発見しました。
 いにしえより、地震で源泉が枯れた際、人々はここで神に祈りを捧げたそうです。

 灯台もと暗し・・・知っているつもりの地元、道後散策は、新たなる発見が幾つもありました。
 ちょっとした小旅行気分も味わえる、至福の時。
 皆さんも、気軽に故きを温ねて新しきを知ってみませんか?

熱湯までのカウントダウン

 近年、ナショナルチェーンの店舗開発担当の方の来店が目立っています。
【 ナショナルチェーン 】 店舗をドミナント化展開した地域を複数持ったチェーン。

 代表格は、「すき家」とか「マクドナルド」とか「ローソン」といった店舗です。
 ドミナントは、クッキー生地を型抜きする様に、商圏を押さえていく出店を指します。
 つまり我がエイブルも、ナショナルチェーンの一つです。

 先日も、お世話になっている方から紹介を受け、南予・大洲エリアにおける出店を模索されている開発担当者がお越しに成られました。
 
 御存じの通り大洲は、基幹産業であったパナソニック大洲工場や、衛生用品製造のミュウが撤退し、地盤沈下の進んだエリアです。
 衰退する市場に触手を伸ばすことは無いと思いきや、出店は途切れません。

・ 外食の「マクドナルド」「ジョイフル」「ガスト」「すき家」・・・
・ 衣料の「青山」「はるやま」「しまむら」「ユニクロ」「西松屋」・・・
・ 家電の「ヤマダ電器」「ベスト電器」「デオデオ」・・・
・ スーパーの「フジ」「マルナカ」「ママイ」「ラ・ムー」・・・
・ コンビニの「ローソン」「サークルK」「サンクス」・・・
・ 本・DVDの「宮脇書店」「明屋書店」「TSUTAYA」「ゲオ」・・・
・ インテリア・ホームセンターの「ニトリ」「DAIKI」「コメリ」・・・

 今の大洲市内で、抜群の集客力を誇るのは、30年前には殆ど無かったナショナルチェーン群です。
 これまで大洲の経済を支えてきた地場資本の中小零細店舗は、台頭するナショナルチェーンに、先細りの市場を更に奪われつつあります。
 その煽りを受け、歴史ある飲食店が、家具屋が、衣料品店が、雑貨屋が、次々と閉店の憂き目をみるのです。 
 
 海外からの調達も含め、桁違いの大量仕入れによって実現するコストパフォーマンス力には、太刀打ちできない部分もあるでしょう。
 しかし、だからといって無策では、微温(ぬるま)湯の中のカエル同様に、座して死を待つことになります。
 
 地場だからこそできる、画一化されない、パーソナルなサービスを打ち出すべきです。
 熱湯になるまで後僅か、既にカウントダウンは始まっています。

賢者は歴史に学ぶ

 自慢じゃありませんが、私の車はベコベコ傷だらけです。
 車に拘(こだわ)りは無く、動けば良い位に思っていますので直す気もありません。

 知人にも、同級生にも、Facebookつながりの中にも、車屋さんは沢山いらっしゃるにも関わらず、不謹慎極まりない心掛けです。
 そして不思議なことに、免許証は14年間無キズのゴールドを堅持しています。

 何故、こんなことに成るかと言うと、注意力散漫&幸運だからでしょう。
 シートベルト、携帯電話、飲酒運転・・・簡単に守れるこの三つだけは絶対に犯しませんが、ついついスピードを出し過ぎていたり、一時停止を怠ったりする場面は散見されます。

 これだけ運転が下手で、松山⇔内子間を14年間行き来しながら、警察の厄介になったことが無いというのは奇跡的です。
 結果オーライでは済まされないことを、【ハインリッヒの法則】が教えてくれます。
 
 『1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する』

 昨今、悲惨な交通事故が後を絶ちません。
 こうした事故や事件が起きた際、我々は「ひどいことするなぁ」と他人事に捉えてしまいがちです。
 先日も、無免許かつ居眠りで、通学中の児童と付き添いの母親をはね、生まれ来る命も含め、一瞬にして奪い去る凄惨な事件が起こりました。

 肝に銘じなければならないことは、好むと好まざるとに関わらず、いつ何時私達自身が加害者に成ってしまうかもしれないという畏(おそ)れです。
 
 『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』
 
 経験によって、当事者となってからでは取り返しがつかないこともあるでしょう。
 ビスマルクの言葉は、漫然と日常を生きる私達に、有意注意の必要性を喚起してくれます。 

国難を乗り越える機会

 私は、後数ヶ月で50歳を迎えますが、自宅にエアコンを設置したのは28歳の時です。
 それまでは扇風機と団扇(うちわ)でした。

 子供の頃、エアコンは贅沢品の位置付けです。
 同級生でも、エアコンのある家は少数派だったと記憶しています。

 16歳で大工に弟子入りしてから27歳で石工を卒業するまで、職人道を歩んできた自分にとって、冬は寒風吹き荒ぶ中で、夏は灼熱の太陽が照りつける元で、仕事するのが当然でした。
 転職して某菓子店の店長と成ってから、生活が一変します。

 開店日は平成2年7月27日 世はバブル、季節は夏真っ盛り。
 外はどれだけ猛暑でも、涼しい店内で仕事できることに、大いに浮かれたものです。

 ところが、仕事を終えて自宅に帰ると、異変に気付きます。
 これまでは、夏暑く・冬寒い自然の摂理を当たり前に受け入れてきた訳ですが、日中エアコンの冷気に晒されることで夜間、身体の火照りが納まらないのです。
 加えて、職人の間は肉体労働なので、適度な疲労感からすぐに眠れたものが、一向に寝付けません。
 堪らず、エアコンを購入し、それ以降当たり前の様に使っています。

 昨日の日経新聞に、「電力不足 西日本で3.6%」という大見出しが躍っていました。
 まあ、この情報には、かなり政治的な意図もあり、「だから原発を動かさないといけない」とする、推進派の意図が見え隠れします。
 「気温が40℃近くになれば、家庭でエアコンのスイッチを入れる動きは止まらない。」というコメントも・・・。

 昨年3.11「東日本大震災」の惨禍で、日本中が震撼したのは記憶に新しいところです。
 「がんばろう東北」「がんばろうニッポン」を合言葉に、支援の輪は全国へと拡がり、復興へ向け力強い一歩を踏み出しています。
 未曾有の大災害にあっても、秩序正しく行動する立派な民族に対し、世界中から感嘆の声が上がりました。
 
 戦後焼け野原から、異例のスピードで復興を成し遂げた、世界第三位の経済大国は今、大きな岐路に立たされています。
 暑いのは嫌 → エアコン無しは無理 → 原発再稼働も止む無し
 世界で唯一の被爆国として、そんな拙速で軟弱な判断が許されるでしょうか。
 今こそ真に、一枚岩の団結の元、痛みを分かち合い、国難を乗り越えるべき機会(チャンス)です。

目標に近付こうとする動物

 いつ来るかと覚悟はしていましたが、警備保障会社セコムから再び電話がかかってきました。
 
 「あのぉ最近、松岡様の出社時間が早い様なので、セット時間を繰り上げても宜しいでしょうか?」

 レギュラーで出勤する松山南店を、三年前に開店した頃のセット時間は6:30でした。
 片道一時間かかる内子町からの通勤なので、それで充分と考えた訳です。

 ところが、民主党政権が誕生した際の公約に織り込まれていた、高速道路無料化へ向けた社会実験の取り組みによって、私の通勤経路が無料化に成ります。
 片道一時間が30分に短縮され、起きる時間は一緒なので、6:30前に会社に到着する様になりました。
 
 セット時間前に解錠すると、セコムに電話を入れないといけません。
 その内それが恒常化するに至り、一年前、セコムからの提案で5:30に変更して貰った訳です。
 
 この時点で、自分の脳内時計の中に、5:30という新たな目標時間が設定されました。
 すると、5:30前出社=達成、5:30以降出社=未達成という、妙なこだわりが生まれます。
 
 やがて、大震災の影響により高速無料化が終了し、通勤時間が一時間に戻っても、起床時間を更に早めることで帳尻を合わせてしまうのです。
 
 結果、毎日の様にセコムに連絡をすることになりました。
 「おはようございます。少し早いのですが、このまま仕事します。」
 毎朝毎朝、さぞかしご迷惑だった筈です。 申し訳ありません。

 今度の変更で5:00に成りますから、もう大丈夫です。
 二度あることは三度ある・・・いやいや、これ以上早めるのは自殺行為でしょう。
 3時台に起きないと間に合いませんから・・・。
 人間とは、目標を持つとその目標に近付こうとする動物です。

鉄は熱い内に打て

 先日、松山南店の和田さんと松山北店の岡本さんが、エイブル主催の基本研修に参加されました。
 エイブル・ネットワーク加盟店の従業者は、必ず受講しなければならない研修に成ります。
 初心者向けの基本研修だけに、他社から参加された方々はフレッシュな顔ぶれであった様です。
 いえ、決してお二人の年齢や見た目で、あれこれ言うつもりはございません。

 閑話休題。
 研修に参加するにあたり、レポート提出と次回会議での発表をお願いしました。
 一般的に、期限の取り決めの無い指示は形骸化するものです。
 しかし、和田さんは帰着した翌日に、岡本さんも翌々日に提出して貰っています。
 
 当たり前の様で、これはなかなかできないことです。
 ブログの感想でも貸与した本でも、期限を切っているにも関わらず、遅れる人は遅れます。
 開き直っているのか、嘗(な)めているのか、督促しても出さない輩(やから)すら存在します。

 自分はこれまで、研修に参加する際には、レポート一番乗りを狙っていました。
 仮に二泊三日の研修ならば、一日の研修を終えた後、ホテルの部屋でパソコンを叩きます。
 帰着した翌日の朝には、上司の元に届ける様にしていた訳です。
 理由が三つあります。

① 忘却曲線
 エビングハウスの忘却曲線
 ・20分後 = 42%を忘却
 ・60分後 = 56%を忘却
 ・1日後  = 74%を忘却
 感動と記憶の冷めない内に取り組むことで、クオリティの高いレポートがスピーディにまとめられます。
 
② 先憂後楽
 「明日やろう」とするか「今日片づけておこう」とするか、この判断が肝です。
 出張から帰ったら、机の上は書類の山で、レポートどころでは無く成る可能性もあるでしょう。
 「明日」になれば「明日」は「今日」です。
 結局のところ「明日」は永遠に訪れません。
 不確かな明日を当てにするか、確かな今日を活かし切るか、その差は歴然としています。

③ 上司評価
 研修レポートや読書感想文を、速やかに出してくる人を、当然に上司は評価します。
 ・積極的 ・前向き ・素直 ・勉強熱心 ・律義 等々・・・
 どうせなら、評価された方が得です。
 裏を返せば、記憶が薄れた後では、時間と労力がかかった上に評価されないのですから、損しかありません。

 お二人の、次回会議での発表を楽しみにしています。

ガキの使いじゃない

 実に恥ずかしい話しですが、正直に書きます。

火曜日 某管理物件の102号から第一報「TVが映らなくなった」
    Aさんは「その部屋だけかもしれない」と考え、他の部屋の受信状況を確認しようと思いました

水曜日 定休日で午前中会議の日です
    Aさんは翌日から出張のため、Bさんに各戸の受信状況確認を引き継ぎました

木曜日 Bさんが各戸に連絡を入れ、201号も受信できてないことが判明
    建物管理を再委託している修繕会社に連絡、明日の現地確認を約束

金曜日 修繕会社が現地に行ったものの、部屋に入れないため原因は特定できず
    更に103号から、受信できない旨のクレーム

 この時点で初めて、松岡は事の顛末を知ります。
 「部屋に入れないので確認できなかった」と言う修繕会社に対し、「現地に何をしに行ったのか?」と問い詰めました。
 「対応は、いつできるのか?」という問いには、「見積は来週月曜日に成ります」
 原因が特定できていないのに何を見積もるかはともかく、月曜日に成る理由は、「今日から三日間、業者が大きな病院の工事にかかり切りだから」
 判断ミスが山ほどあります。

① 第一報のその日の内に、全戸の受信状況を確認しなかった
② 引き継ぎを翌日行った
③ 全戸確認の実行は更に翌日になった
④ 現地確認は更に翌日になった
⑤ 現地確認時に原因の特定に至らなかった
⑥ 業者都合を優先して、更に来週まで先送りした

 今やTVは生活の一部であり、ガス・水道・電気のライフラインと並ぶ重要なインフラです。
 自分の家のTVが映らなくなったと仮定すれば判る筈で、入居者の方の御不便は計りしれません。
 出張も会議も業務の立て込みも、すべては業者都合であり、入居者様には無関係です。

 別の業者を立て、現地確認を行ったところ、あっさり原因が判明しました。
 この物件は、数年前に建築された分譲マンションの影響を受け、電波障害対策としてケーブルTVを引き込んでいたそうです。
 昨年の地デジ化に伴い障害が無くなったため、前管理会社の時代に切り替えの段取りを進めており、共聴アンテナでの受信が可能な状態に成っていました。
 今回視聴不能となった理由は、そのアンテナの大元をつないで無かったから。
 前管理会社から、一切申し送りの無かった事実です。

 我が社、前管理会社、修繕会社・・・沢山の登場人物の内、誰か一人が入居者の御不便を鑑み、使命感と責任感を持って完結しようとしたならば、もっと早く解決できたでしょう。
 人に振ったり手配するだけが仕事ではなく、問題解決を見届けるのが仕事です。
 一円でもお金を貰う限り私達はプロであるべきで、ガキの使いじゃありません。

逃げ得は許さない

 4月から管理を任せて頂いている駐車場に、少なくとも一ヵ月前から、無断駐車車両が在ります。
 取り敢えず、フロントガラスに警告の貼り紙をしていましたが、一向に動く気配がありません。
 私有地内のトラブルは警察に言っても無駄・・・と誤解している方も多いのですが、初期対応はやはり警察が頼りに成ります。

1.ナンバープレートの番号を控えて警察に通報
2.警察が所有者を割り出して対応
  ① 事件性の有無の確認
  ② 所有者に直接連絡して撤去を促す

 ここまでは、やってくれます。
 但し、ここまでです。
 民事不介入の原則から、撤去はおろか、個人情報である所有者や連絡先も教えてくれません。
 ここからは、自力になります。

3.陸運局で「登録事項等証明書」を申請し、所有者の住所・氏名を調べる
4.所有者に連絡して撤去を促す、または撤去の許可を取る

 警察からの連絡で動かない所有者が、我々からの要求に応じる筈がありません。

5.連絡が取れなければ、内容証明郵便を送る

 受け取り拒否や転居等の理由で、戻ってくる可能性の方が高いでしょう。

6.簡易裁判所へ「妨害排除請求訴訟」及び「損害賠償請求訴訟」を申し立てる

 この訴訟によって、車を自分の名義に変え、処分が可能に成ります。
 弁護士に依頼すれば数十万円、個人が行っても数万円の費用と、数ヶ月の期間と、多大な労力が必要です。
 住宅の夜逃げに比較すれば気は楽ですが、管理会社にとってエネルギーを要する仕事の一つでしょう。
 使命感と正義感を持って、「逃げ得は許さない」勧善懲悪のスタンスで臨みます。

集中・積極・率直

 先日は、偶数月の第三水曜日に開催される、恒例の全社会議でした。
 とはいえ、12月が都合で中止となり、2月は定休日返上だったため、実に半年振りです。

 「繁忙期総括」「各店長からの発表」「第4四半期重点目標」「中長期ヴィジョン」「優秀店舗表彰」「個人賞表彰」「昇進者発表」等々、盛り沢山な内容で、やや押し気味で進んでいきます。
 O野店長(イニシャル表記の意味無し)の発表時にはどうなるかと冷や汗ものでしたが、何とか無事着地し、ランチ会食でおひらきとなりました。

 一年目よりも二年目、二年目よりも三年目と、時間の経過と共に社員の方々の経験や知識のレベルが上がってきたため、総じて意識も高く、自由闊達な良い議論の場になったと思います。
 以下三点、会議の参加心得です。

1.集中
 「忙しい時期に・・・」とか「休みなのに・・・」とか、ネガティヴに捉えた段階で集中力が無く成ります。
 発表の時に資料を先読みしたり、他人事の様なスタンスで違う事を考えてみたり・・・。
 本当は他人事ではありません。
 自分の店以外の話題でも、他店の取り組みが勉強になることもありますし、会社全体の数字は社員個々の未来を占います。
 何より、どんなに嫌がっても抗っても、決められた2時間半は拘束される訳です。
 どうせなら前向きに受け止めて、一つでも二つでも自己成長の種を拾った方が、精神的にも健全ですし、実のある時間に成ります。 
 
2.積極
 自分はこれまで、会議に参加するに当たって「必ず一つは発言する」と決めていました。
 積極的に発言するためには、積極的に聞く必要があります。
 人の発言時にも、一字一句聞き洩らすまいと真剣に耳を傾けることで、「そこはおかしいんじゃないか?」「このやり方はどうしているんだろう?」「具体的な数字は?」という、質問や意見が自然と沸いてくるでしょう。
 また発言することによって、「問題意識が高い」「積極性がある」という、上司の評価も得られます。
 
3.率直
 同じ会社、同じ店舗、同じチームとして、「摩擦は起こしたくない」という心理は当然ですが、和気藹々(わきあいあい)は良しとしても、それが慣れ合いとなってはいけません。
 多少耳障りであっても、軋轢(あつれき)を恐れることなく指摘し合える、風通しの良さと率直さが求められます。
 プライベートな仲間内間では饒舌(じょうぜつ)かつ赤裸々に捲し立てるにも関わらず、オフィシャルな場では貝の如く口を閉ざしてしまうのでは、率直とは言えません。

 社員各々、集中・積極・率直を忠実に実践できるならば、更に会議の質が向上することでしょう。
 

経営者のコスト意識

 営業のコストを分析すると、驚愕させられることがしばしばあります。
 例えば、分譲マンションを販売する際に配布する、間取やパースや写真の入った立派な装丁のパンフレットは一部当たり幾らでしょう?

 50戸の物件を完売させるために必要な集客数は、成約率10%で低めに見積もって500人。
 パンフレット500部を広告代理店に依頼すると、製作費は250万円。
 250万円 ÷ 500部 = 5,000円/一部と成ります。
  
 ロットを増やせば、簡単に単価は下がります。
 仮に5万部作れば、一部当たり千円を切るでしょう。
 しかし、そんなことをする馬鹿はいません。

 前職の分譲マンションは、統一した物件コンセプトがありましたので、殆どの版下を共通化し、物件名やプランといった部分のみ差し替える手法や、プラン集を冊子に綴じ込まずペラで対応するやり方で、数十万円コストダウンしました。
 プロジェクトが増えれば、それだけでも年間1000万円は節約できます。

 また、来場名簿一枚当たりの単価も驚きです。
 2000万円 × 50戸 = 10億円
 その4%が宣伝広告費ですから、4000万円。
 総来場が400人であれば、お客様一人呼ぶために10万円かかる計算です。
 更に、棟外モデルルームの建築費用も算入すれば、眩暈(めまい)がしてきます。

 これも以前、ある賃貸仲介店での実話です。
 昨年大赤字だった店舗の店長と交代した信任店長が、鬼の首でも取ったかの様に勢い込んで捲し立てます。
 「社長、赤字の原因が判明しました。 何と売上の9割を広告宣伝費に充てています。」
 要は、「ここを削減すれば黒字化できる」と言いたい訳です。
 しかし、それは違います。
 前任の店長は、「それだけ宣伝広告費を投じれば、もっと売上が上がる」と信じて経費を投下しました。
 ところが思う様な反響に結び付かない・・・その結果、9割の宣伝広告費という異常値を生んだ訳です。
 新任店長は、宣伝広告費を惜しみに惜しみ、更に売上を落としてしまいます。

 自慢することではありませんが、我が社の店舗の損益分岐点は、同業他社に比較して極めて低レベルです。
 広告宣伝も、ギリギリの緊縮予算です。
 しかし、各店長には常々、「予算は無視して良い」と言っています。
 かけた経費以上に売上が上げられるのであれば、惜しみなく投下して下さい。
 各店長には、費用対効果の正しい先読みのできる経営者感覚を期待しています。

資本主義に学べ

 ミサイル発射が国際的に波紋を呼んでいる金正恩第一書記は昨今、今までの北朝鮮TOPには見られない、異例の発言をしています。
 以下、発言録からの抜粋です。

『工場や企業が十分に稼働せず、消耗品に生産保障がなされていないため、人民にあれこれ生活上の不便を与えている。
 人民に対して繰り返し苦労を掛けるようなことはせず、社会主義の富貴栄華を存分に楽しませることを固く決心した。
 経済管理上の最大の問題は、理論や科学的計算に基づいていない点にある。
 資本主義の批判ばかりしていては、経済管理方法を現実発展の要求に合わせ改善していくことができない。
 タブーのない議論を通して、自国に合った経済再建策を見つけ出すよう指示した。』

 自国の過去の政策の非を認め、「資本主義に学べ」という内容です。
 これまでは、党幹部の中でこうした意見を持っていたとしても、資本主義に染まったと見られ処罰されることを恐れ禁句となっていました。

 資本主義を敵対視する共産主義や社会主義に限界があることは、ソ連解体以降の現代ロシアの隆盛や、世界第二位の経済大国中国の現状を見ても明らかです。

 中国では、行き過ぎた貧富格差等の歪(ひず)みもありますが、少なくともやったらやっただけ認めて貰えて、報われるからこそ、人は一生懸命頑張れます。
 仮に頑張っても怠けても、待遇が一緒なら、やる気は起こりません。

 一番問題なのは、一生懸命頑張ったとしても報われない土壌です。
 雨の降らない干上がった土地を、汗水垂らして耕したとしても、収穫を見届けることはできません。
 また鍬(くわ)など、畑を耕すための道具が無いと、折角の頑張りも徒労に終わります。
 
 会社も国家も同じでしょう。
 肥えた大地や、高性能な道具や、良い種といったインフラを整備するのは会社の責任です。
 頑張れば頑張っただけ評価され、報われが有るからこそ、社員の遣り甲斐は持続します。

 頑張っても頑張っても、今日食べる米も芋もなく、子供は次々と餓死してしまう・・・。
 そんな夢も希望も無い会社(国家)は、破滅の道を辿る以外にありません。

スヌーズ機能への甘え

 繁忙期が終わりますと、もう一つの熱い闘いが始まります。
 そう、10月に行われる、宅地建物取引主任者試験です。
 我が社の資格者比率は6割超ですから、同業者の中では比較的高い方だと思います。
 さてそこで、マイノリティ(少数派)の無資格者に向けたメッセージです。
 
 稲盛流の成功の秘訣は、楽観的に想起し、悲観的に計画し、楽観的に実行すること。
 
□ 楽観的想起 「今年こそは合格するぞ! きっと合格できる! 絶対に合格しなければならない!」
■ 悲観的計画 「あと180日余りしかない! すぐに最新の参考書と問題集を買って勉強を始めよう!」
□ 楽観的実行 「寝ても醒めても誰にも負けないだけ勉強しているのだから、合格できるに違いない!」

 これが逆になるとどうでしょう。

■ 悲観的想起 「去年あれだけやって駄目だったから今年も無理っぽい。やっぱり駄目かもね・・・。」
□ 楽観的計画 「半年以上先だから今から始めても息切れしちゃう。参考書は三年前のがあるし・・・。」
■ 悲観的実行 「学校行きたいけどお金も無いし、そもそも全体像が理解できないから仕方ない・・・。」 
 
 こうして見ますと落ちる人は、思いつく限りの言い訳を考え、締め切りを先送りし、合格するつもりが無いばかりか、必要な努力を怠っている訳で、落ちるべくして落ちていると言っても過言ではありません。
 
 試合開始の時間が刻々と迫っているにも関わらず、グローブも着けず、リングへ上がろうともせず、臆病風に吹かれている根性無しのボクサーと同様に、闘わずして負けているのです。
 今年は、会社としての模試も実施しません。

 我が家では、次男の起床を促す家内の声が、毎朝の風物誌です。
 その声は、スヌーズ機能の如く最初は小さく次第に大きく、やがて落雷級の怒声となって響き渡ります。
 最初の声が聞こえていない訳では無く、断末魔の落雷でも間に合うことを、彼は本能的に悟っているのです。
 
 皆さんは大人ですから、我が家の愚息と同じ様な過保護は不要でしょう。
 プライドがあるならば、必要性に気付いて起き上がって下さい。

行く手を阻む見えない力

 過去の話です。
 入社を前提として、何度かやり取りをした若者が居ました。
 過去の実績は申し分なく、営業センスがあり、立ち振る舞いは自信に満ちています。
 
 当時の会社は業績が低迷し、事態を打開するための起爆剤たる人材を求めていました。
 かくも相思相愛であれば、入社に何の障害も無い筈です。
 しかし、何かしらひっかかるものが、心の奥で拭えません。
 漲(みなぎ)る自信が、過信を通り越し、不遜に感じられたからです。

 自信 : 自分の考え方や行動が、正しいと信じて疑わないこと。
 過信 : 価値や力量などを実際よりも高くみて、信頼しすぎること。
 不遜 : へりくだる気持ちがなく、思いあがっていること。
 
 やがて、その疑念を裏付ける不実な行為が露見したため、面前で説教する事態に成りました。

「まだ社員に成っていない人間に対して大きなお世話ながら、今日は苦言を呈する。
 判らないだろうと考えたのかもしれないが、貴方が思うほど世の中は広くない。
 これからも狭い町の狭い業界で食べていこうとするならば、誠実な言動を心掛けないと世間を狭くしてしまう。
 信用を積み上げるには時間がかかるが、失うのは一瞬だ。
 今は判らないかもしれないが、いつか気付く時が来る。」

 元より採用しないつもりなら、こんな憎まれ口は叩きません。
 言わば、踏み絵です。
 この苦言によって反省が促され、改めて門を叩くなら開くつもりでいました。
 結果的に彼は、この踏み絵を踏むことなく、県外企業への就職を果たすのです。

 月日は流れ、苦労しているという風の便りを耳にします。
 もう一度戻ろうとする時に、行く手を阻む目に見えない力が働くとしたら、その正体は何か。
 静かに目を閉じ、胸に手を当てて、考えてみて下さい。

需要と供給のバランス

 日本の不動産価格は、リーマンショック以降下がり続けて底が見えません。
 一方香港では、三年前と比較して74%も値上がりしていると言います。
 確実にバブルの膨らみです。 
 こうした局地的なバブルは、時代の変遷の中で繰り返されてきました。
 バブルとは何故起こるのでしょうか。

 供給を上回る旺盛な需要によって品薄感が拡がり、価格高騰を見越した投資家が、実需不在の取引を活発化させることによってマネーゲームが演出されます。

 少し話しは脱線しますが、富士山の頂上に近いところに在る自動販売機では、350mlの普通の缶ジュースが400円です。
 下界であれば、見向きもされないでしょうけれど、そこでは売れます。 

 また昨日は、タイタニック号が沈没した日です。
 周知の通りこの豪華客船は当時、浮沈船と呼ばれ、乗員・乗客2,200名に対し、1,178名分の救命ボートしか搭載していませんでした。
 映画の中で大金持ちの男が、白紙の小切手を差し出し、救命ボートに乗る権利を譲ってくれと懇願するシーンがあります。

 このように、供給を上回る旺盛な需要は、価格を必要以上に吊り上げます。
 今、国会論戦の主要議題となっている消費税率upも、決定すれば一時的に駆け込み特需が促進されるでしょう。
 1000万円の買い物をした時に、税込1050万円が1100万円に成ってしまうのですから、「消費税upの前に買おう」とする気持ちも判らないではありません。

 但し、皆考えることは同じです。
 需要が殺到する際には、供給が追い付かず、品薄に成りますから、当然に定価販売か、たちが悪ければ便乗値上げも考えられます。
 消費税が上がりきった後、駆け込み受注の反動でモノが売れなくなった時に、売り手の足元を見て、しっかりちゃっかり交渉すれば、1000万円は950万円になる筈です。
 
 不動産に話を戻します。
 1000万円で買った不動産が、翌年には1100万円で売れてしまう時代がありました。
 銀行預金よりも、株式投資よりも、利回りの良い運用として誘惑に駆られる訳ですが、永遠に上がり続けることは無いのです。
 投資と割り切るならば、所有による浮利ではなく、その不動産が幾らの収益を生み出してくれるのか、という収益還元で考えるべきでしょう。
 
 一方マイホームの場合、価格(プライス)が下落したとしても、家族と過ごした時間が幸せであるとしたら、その価値(ヴァリュー)は掛け替えがありません。
 購買時の損得は、目的によって様々変わるものなのです。

常在戦場の有意注意

 45才の現役Jリーガー三浦知良選手が、日経新聞に連載しているコラム「サッカー人として」は、スポーツ選手ならずとも共感する気付きが多く、人生の強壮剤として愛読しています。

 プロサッカー選手の平均引退年齢は、何と25.5歳。
 一見華やかに見えますが、裾野広い競技人口の中で、ほんの一握りの頂点を極めたとしても、僅か数年で選手寿命を散らすとすれば、桜花の如く実に儚いものです。
 だからこそ、四半世紀以上の長きに渡ってトップレベルで現役を張るカズの、プロ意識や自己管理能力や鍛錬の程は、想像に難くありません。

【 若い人は練習でいい結果を出せても、本番で出せないときがあるかもしれない。
 一流の選手になると本番で切羽詰まったときの方が結果が出ちゃう。
 僕も練習でできて試合でできないころがあったけど、面白いものでいつしか「逆」になった。
 どこで力を出す、抜くかを、経験を重ねるとともに覚えていく。
 大きな舞台になるほど力が出ている。
 あのペレですら「点を取れるだろうか」と毎試合不安だったという。 】

 場数を踏むことで養われる、経験と自信と勘が、「持っている」力を引き出すのでしょう。
 我々が取り組む、賃貸仲介でも同じことが言えます。
 例えば毎朝の始業前物確は、ただ見学するだけでなく、最適な道順やウィークポイントやアピールポイントをしっかりと掴み、お客様案内の疑似訓練としておけば、本番において戸惑うこともありません。
 
 毎日の朝礼における、ヨイオアシスの唱和も同様。
 100%の力で腹から声を出していたとしても、不意の来店時には70%しか出せないものです。
 即ち朝礼で、120%声を張ってこそ、100%の実践につながります。
 京セラ創業者の稲盛和夫氏は、「有意注意」と説きました。

 『 忙しいときにこそ、ささいなことでも気を込めて行うという習慣をつけるべきです。
 興味がないものでも、努めて意識を向けるということをすべきです。 』

 ソフトボールの守備でも、漫然としていたら飛んできた球に反応できません。
 「常在戦場」の心掛けで、「有意注意」を払いましょう。

三年振りの恩返し:後篇

 まずは趣旨説明で口火を切り、これから侃々諤々の議論、と思っているところで大家さんが一言。
 
大家『いや、歩み寄りというよりも、結論は簡単です。
 立派な借主さんも業者さんもお揃いの中で、すべて張り変えろ等と言える筈もありません。
 清掃業者を入れて頂いて、美装して頂ければ、それで結構です。』

一同「・・・・?」

 掌を返した急変振りに、一同呆気に取られました。
 続けて大家さんは、昔を懐かしむかの様に、訥々と心情をお話し頂いたのです。
 
大家『このテナントの新築当時、担当の彼が熱心だったので貸すことにした。
 入居してからも社員の方々は、周辺も含めて几帳面に清掃してくれた。
 社員の方と目が合った時にも、いつも笑顔で丁寧に挨拶をしてくれた。
 「申込貰いました」と報告する姿を見て、てっきり順調なものと思っていた。
 ところが、ああいうことになって・・・。
 何かの御縁でお付き合いさせて頂き、再びこうして良い方を御紹介頂いたことを感謝しています。
 原状回復については、何も申し上げません。
 テナントの話はこの辺で、別の話しにしましょう。 』

 重苦しい雰囲気を切り替える、機転の効いた大家さんの言葉で、場が和みました。
 感謝と安堵で、目頭に熱いものが込み上げてきます。

借主「母子家庭は、一般的に仕事と育児との両立が難しいものです。
 しかし、今回の事業で職業訓練を受けた対象者の中には、無事就職を果たされた方が何名もいらっしゃいます。
 パソコン等のスキルアップにより、在宅での就業も可能となったからです。
 そういう意味では、多少なり社会貢献もできたのではないかと自負しています。
 本当にありがとうございました。」 

大家『御礼を申し上げるのはこちらの方です。
 本当にありがとうございます。』

 我が社の経営方針の二番目の真意は、正にここにあります。

 【 売買・貸借、何れも双方のお客様から感謝される、中立・公正なサービスを提供します 】
 
 素晴らしい入居者様、素晴らしいオーナー様、素晴らしいビジネスパートナーに恵まれ、クレームから一転、感謝・感激の一日でした。
 帰路の満開の桜が、一層華やかに美しく感じられたのは言うまでもありません。     完

三年振りの恩返し:前篇

 大きな問題が勃発しました。
 賃貸仲介のクレーム要因第一位である原状回復です。

 一昨年、県の事業である「一人親世帯就業支援講座」の指名を受けた、地場大手人材派遣会社からの依頼を受け、大洲・宇和島・新居浜・今治、四市でテナントを斡旋しました。

 今春、期間満了を受けて退去と成った訳です。
 ところが、一つの物件において僅かの汚破損しかない床材の、全張り代えを要求されます。
 年輩の大家さんにありがちですが、一般常識や社会通念上の良識を何回説明しても、「出るところに出ても良い!」と一切譲りません。
 両者の主張が食い違った場合、調停や訴訟も止むを得ませんが、費用も時間もかかった上に、わだかまりは一層深くなります。
 例え裁判で勝ったとしても、実質双方負けとなるのが落ちです。
 
 最悪の事態を回避すべく、貸主・借主・双方の仲介業者が集うことに成りました。
 仲介業者間で、事前に入念に打ち合わせを行った結果、話の進行は自分に委ねられます。
 張り詰めた空気の中、頑固一徹な大家さんが遂に来店です。
 
松岡「本日は、お忙しい中、御参集頂き申し訳ありません。
 まず、本論に移る前に、御説明しておきたい経緯がございます。
 仲介を担当した彼は、前職時代、自分の部下でした。
 この物件が新築された際、彼の提案に従い、出店を決めたのは社長の自分です。
 これから社業を発展させようとする最中(さなか)、親会社の民事再生を受け経営譲渡を余儀なくされました。
 今回の借主様から紹介依頼を受けた際、当時支店長であった元部下を経由して契約に至り、かつてご迷惑をおかけしたオーナー様にも、多少なりとも恩返しできたかな、と再縁を喜んでいた次第です。 
 
 前置きが長くなりましたが、今回の退去に当たって、互いの主張に若干齟齬があります。
 先述の通り、オーナー様との御縁は三年前の出店に遡(さかのぼ)りますし、借主様の運営された教室は、母子家庭等の就業支援という、社会的な意義も大きな事業でした。
 折角、お役立ちできた良縁が、つまらない係争になることは本意ではございません。
 何とか、歩み寄れる余地は無いかと思いまして、今日の場を取り持った次第です。」    つづく

儚い桜花

 先日、東予へ向けて車を走らせる機会がありました。
 私自身、運転は苦手で、日頃から長距離は極力避けたいと思っています。
 しかし、昨日だけは別格でしょう。
 春爛漫・花満開を味わうことのできる、最後のチャンスです。

 私は、時間的に制約の有る場合を除いて、高速道路を使わない様にしています。
 経費削減もありますが、仕事柄、出退店の状況を探ることも大事です。
 また、高速道路からは、四季の移ろいや人肌の温もりを感じることも叶いません。

 松山市の中心から国道11号線を東に進みますと、桜三里の峠に差し掛かります。
 ここは文字通り、10㎞以上に渡って桜並木が続く名所です。
 
 かつて、土地仕入れ、近隣対策、販売準備、クレーム応待等で通い馴れた道も、随分と様相が変わりました。
 休憩で利用したコンビニや、昼食をとった飲食店も、撤退して寂れた様子が散見されます。

 帰りは国道11号線の川内から、県道23号線を経由して、国道56号線へ。
 朝と夜の暗い内にしか通らない毎日の通勤経路も、今日は一際華やいで見えました。

 特に、中山川土手沿いに連なって立つ、中山高校の桜は威風堂々咲き誇っています。
 この愛媛県立中山高校は、生徒数の減少を受け、今年度限りで廃校です。
 60年の長きに渡り、満開の時期に新入生を招き入れ、見守ってきた桜の木も、来年巣立つ最後の卒業生を見送れば、その役割を終えることに成ります。

 長距離移動から帰り着いた内子町の知清河原では既に、ひとひらふたひらと花びらを散らしつつありました。
 今日の雨は、最後の見せ場である桜吹雪に舞うことすらも許さず、鎮めてしまうかもしれません。
 なんと儚(はかな)い桜花か・・・。
 同じくこの世に生を受けた者として、精一杯の花を咲かせたいと思います。

裁量労働制:後篇

 本来は、社員の皆さんが頑張って数字を上げれば会社の業績は良くなり、賞与や昇給に反映します。
 社員の皆さんの頑張りが効かなければ、会社の業績は落ち込み、賞与も昇給も叶わず、雇用も維持できません。

 この様に、少しだけ視点を拡げて観ると、相互の利害は完全に合致しています。
 ところが、世の中の多くの働き手は、「労働と時間を切り売りした対価に給料を貰う」と短絡的に理解しているものですから、「極力少ない時間で、極力楽をして、極力沢山の給料を貰おう」と、実現不可能な矛盾したパラダイムに陥ってしまう訳です。

 レベルの低い労働組合は、会社を敵対視して条件闘争やストライキを敢行したりします。
 一方、社員が頑張って集めた蜜を、自分達だけで吸い上げようとする経営陣もいます。
 この何れもが、長期的に見れば、自分で自分の首を絞める行為です。
 
 いにしえの公務員の様に、生産性が上がろうと上がるまいと、給与にも出世にも関係ないし、「親方日の丸」で将来が保証されているのなら、それも良いでしょう。
 しかし、例え公務員であっても、今からはそんなに甘くありません。

 先の勤勉手当は、こうした歪みを無くすために制定された、裁量労働制的給与体系なのです。
 数年前、ホワイトカラー・エグゼンプションという呼称で、厚生労働省も推進する構えを見せましたが、「サービス残業を正当化する」といった誤った運用を前提とした異議が唱えられ、いつの間にか言葉自体も風化してしまいました。

 2007年 時の厚生労働大臣であった枡添要一氏は、ホワイトカラー・エグゼンプションを「家族だんらん法」と言い換える様、指示したと言います。
 会社(上司)が認めることが前提ではありますが、文字通り自分の裁量によって、フレックスに時間をコントロールできるのです。

 「今日は家族の体調が思わしく無いので、少し早めに上がらせて下さい。
 仕事は残っているのですが、明日の朝6:00から出てきて仕上げます。」

 「今月は前半頑張って目標を達成したので、ちょっと旅行に行ってきます。」

 毎日毎日、繫閑の波も関係無く、定時から定時まで会社で仕事すること自体に意味は無いでしょう。
 会社に居れば給料が貰えるのではなく、上げた成果によって還元を受けるのですから。

 やや話を引っ張り過ぎ、膨らまし過ぎました。
 冒頭の社員の処遇はどうなったかというと、当然にベースダウンはしていません。
 「時間は気にしなくて良いので、仕事のクオリティを上げて貢献して下さい。」
 これでこそ言行一致の会社です。                        以上

裁量労働制:前篇

 先日、ある社員から、「給料を下げて欲しい」という申し出がありました。
 過去、ベースアップを望む声は多々聞いてきたものの、ベースダウンを希望する方は希少です。
 ここに至る理由は、我が社の給与制度を少し説明しないと判らないでしょう。

 給与は、基本給と勤勉手当の二つに分かれます。
 勤勉手当とは、月50時間までの残業手当を包含したものです。 
 「忙しい時には残業もありますが、勤務時間内の密度を高め、何とかそこまでに収めましょう」という生産性の目標数値であり、仮に残業ゼロであっても見込み支給されます。 
 先の社員の申し出は、「50時間も残業していないので・・・」という、実に奥ゆかしい受け止めだったのです。

 製造ラインの様な単純作業であれば、原則かけた時間が生産性に比例するため、時給でも問題ありませんが、我々の仕事は時間を掛けたからといって数字が上がる訳ではありません。
 前職時代、設計職を対象として一時的に、残業手当と休日出勤手当を導入しました。
 どうなったかというと・・・。

 熟練したベテランは仕事も早く、勤務時間内にしっかりと成果を残します。
 仕事の遅い未熟な設計士は、当然定時では間に合わず、追い付かせようとして残業や休日出勤するものですから、手当が膨大に膨らみ、年収の逆転現象が起きてしまいました。

 このケースの場合は、決して悪意ではなく、制度上の不備から起きた歪みです。
 ところが、会社が大きくなればなるほど、意識の低い社員が蔓延(はびこ)ります。

 「今月は家計が厳しいから、少し残業して手当てを稼ごう!」
 「休日といっても遊ぶ金も無いし、一丁仕事でも行くか!」

 給料を貰っている勤務時間をだらだら過ごした上で、し残した仕事を残業や休日出勤して小遣い稼ぎされたのでは、会社はひとたまりも無くつぶれてしまいます。 
 また、「残業も休日出勤も一切まかりならん」などと言おうものなら、どんなに会社が忙しくても、定時ピタリで「おつかれさま」となってしまうでしょう。                   つづく

二律背反の自己主張

 先般、ある社員の方と、自己主張の是非について論じました。
 自分自身は、果たしてどちらに属するか、想定した上で読み進めてみて下さい。

 自己主張の強い人は、独善的で、批判的で、人の話に耳を傾けない頑固者。
 けれども、改善意識や問題意識に溢れ、現状改革への使命感に燃える開拓者。

 自己主張の弱い人は、意志薄弱で、優柔不断で、摩擦を恐れ、妥協するイエスマン。
 けれども、会社や上司の指示命令に従順で、何事も柔軟に受け止められる忠孝の人。

 即ち、「強いから良い」訳でもないし、「弱いから駄目」でも無いのです。
 この問題に限らず、世の中の事象はすべて、長所と短所が二律背反で成立します。

 例えば、どこかの球団オーナーの如きワンマン経営者の言動は、一般的には短所と取られがちです。
 しかし、経営の危機に直面して、「さあみんな、どうやって乗り越えようか?」等と、悠長に社員の意見を聞いていたのでは始まりません。
 ここ一番ではTOPが、大局を見据えた上で、独善的にことを進めるべきです。
 幾ら社員の意見を聞いたとしても、最終的にTOPは経営責任から逃れられないのですから・・・。

 元GE(ゼネラルエレクトリック)会長ジャック・ウェルチ氏は、自著「WINNING」の中で、14頁に渡って「率直さ」の重要性を説いています。

 「私の上司になった人は皆、私があけすけ過ぎると注意した。
 GEでのキャリアを終えた今、このあけすけな態度のおかげで私はやってこられたのだと自信を持って言おう。」

 社員の皆さん、20世紀最高の経営者が、こう云っているのですから遠慮は無用です。
 店長であろうが社長であろうが会長であろうが、率直にあけすけに、意見をぶつけるが良いでしょう。
 但し、その際に気をつけるポイントが二点だけあります。

① 礼を失しない(仮にも上司である以上、礼儀を欠いた言動は慎むべきです)
② 面と向かって話す(本人不在の場でこそこそ話すのは、不平不満愚痴です)

 風通しの良い組織づくりと、自由闊達な企業風土の醸成のために、率直に主張をぶつけ合いましょう。

変わらない人

 ワタミの渡邉美樹社長が、自著「強く、生きる。」の中で述べています。

【 強い生き方をする。そういう時の強さとは、どういうことを指すのでしょう。
 負けないこと、自分に厳しいこと、思い切りがいいこと、くじけないこと、ひるまないこと、ためらわないこと、動かないこと、いさぎよいこと・・・さまざまありますが、私にとって、「強い」の第一イメージは「変わらないこと」です。
 - 中略 -
 自分が人を選ぶときの最大の基準も、この「変わらなさ」です。
 社員でも、調子の良いときには目の覚めるような質の高い仕事をするが、気の乗らないときには、まったく評価の対象にもならない。
 そんな起伏の大きな人材よりも、どんなときにも70点、80点を取ってくれる安定感のある人材を私は買います。
 - 中略 -
 だから、「あの人はいつ会っても変わらないね」というのは、私にとって最大のほめ言葉です。
 そこに、「誰と会っても変わらない」が加われば、それはもう理想に近付きます。
 また、「変わらなさ」とは静かさのことでもあります。
 ほんとうに強い人は例外なく静かです。
 落ち着いていて、穏やかで、軽々しい安請け合いもしなければ、仰々しい自己主張もしません。 】

 俗に、「弱い犬ほど、よく吠える」と言います。
 星の数程出会ってきた、過去の上司や同僚や部下や協力業者や同業者を、一人ひとりこの言葉に照らしてみますと明白です。
 自分より強い人には迎合し、弱い人には横柄な態度で接し、逆境下であたふたする様な輩は、信用も置けないし、尊敬もされません。
 部下から敬われ上司から信頼される人間は、相手が社長でも新入社員でも態度は変わらず、順境時には驕らず謙虚で、逆境時には慌てず騒がず静かに落ち着いていました。

 本当にその人の資質が試されるのは、会社の業績が厳しい、数字が上がらない、大きなクレームを抱えた、そんな逆境の時です。
 逆境時にも平常心を失わず、確かな方向性を示唆できる上司に、部下は頼り甲斐を感じます。
 「変わらない」人を目指しましょう。

気軽ではない手軽な利器

 繁忙期も終わり、週に一度は全休が取れる様になりました。
 来週からは、水曜定休も復活します。
 昨日は、家を一歩も出ない完全休養日でしたが、その一日の携帯電話の着信履歴です。

 8:46 12:44 14:37 14:49 14:53 15:35 16:46 19:01 

 休んでいることを相手は知りませんし、責任あるポジションなのですから、かかってくることは当然です。
 以前も書いた様に、若い頃は仕事とプライベートを、極力切り分けたいと考えていました。
 固定電話なら居留守も使えますが、それがポケットベルになり、やがて携帯電話と形を変えても、休日の呼び出しは鬱陶しく感じたものです。

 一般社員から部長、部長から役員と、役職が上がる程に責任も重くなり、認識が変わってきました。
 早めに対応すれば電話一本で済んだ筈が、休日明けには取り返しのつかない程悪化しているトラブルや、大きなビジネスチャンスを逃してしまうことも珍しくないでしょう。

 相手は決して、貴方の休日を邪魔しようとしてかけてくる訳ではありません。
 「良かれと思って」もしくは「必要にかられて」かけて来られます。
 本来は、腹を立てるどころか、「有難い」と思うべきです。
 人間は身勝手な生き物が故、未熟な内には、この当たり前の理屈に気付きません。

 ここまでは電話を受ける側の心掛けですが、電話をかける側も配慮が必要です。
 緊急性の無い、メールで済むことを、わざわざ携帯でかける。
 或いは、相手が運転中であることを判りながらかける、そんな場面も散見されます。

 携帯電話を手にすることで、人類は飛躍的なスピードと利便さと生産性を手にしました。
 しかし、365日24時間つながって当たり前というエゴは見直されるべきです。
 便利さの弊害として、相手を思いやる配慮が欠けてきています。
 これは、私自身も大いに反省させられる事象です。
  
 先に会社にかけて休みか否かを確認し、緊急性の有無を見極め、必要性に応じて携帯にかける。
 「今、宜しいでしょうか?」「お休みのところ(お昼時に)申し訳ありません」と一言添える。
 くれぐれも、こうした配慮は欠いては成りません。

 手軽な文明の利器も、決して気軽に扱っては成らないのです。
 日頃、口酸っぱく訴えている「縁」や「感謝」や「思いやり」の原点がここにあります。

朝礼が早くなった理由

 松山南店を二年半前に立ち上げた頃、掃除・環境整備は自分が率先して行っていました。
 退職した当時の男性店長は、社長が動いていても机に座ったままです。
 このままではいけないと思い、一つの基準を作りました。

 8:30 出社
 8:30~8:45 全社員で清掃
 8:45~9:00 朝礼
 9:00 始業

 就業規則上は9:00始業ですので、厳密に言えば始業前30分間はサービス残業になります。
 一部には、やらされ感の不満も内在していたかもしれません。
 それでも、職場の環境整備やラジオ体操や朝礼は始業前というのが、中小企業の一般的な姿と認識しています。
 本音と建前は別として、しばらくはこの時間割がレギュラーでした。
 
 ところが、ここ数ヶ月前から、始業前スケジュールは大きく変化しています。
 経理・総務の高市さんが8:00前に出社して、給湯準備・トイレ掃除を粛々と進めてくれるからです。 
 8:00過ぎに出社してくる和田さんも高市さんの姿勢に触発されて、フロアーに掃除機をかけ始めます。
 他の社員が出社してくる8:30前には、粗方終わった状態です。
 結果として、8:30過ぎには朝礼が開始されます。
 誤解無きようお断りしておきますけれど、くれぐれも「もっと早く来い」という意味ではありません。 
 
 型決めや指示命令の枠を越え、始業前の環境整備が、自主的・主体的に成されるのは素晴らしいことです。
 しかもそれが、毎日毎日、休みなく徹底される凡事であるだけに偉大です。

 組織や社会の中の一員として生きていますと、気付かないところで、恩恵を受ける場面があります。
 例えば、休日に公園を散歩するとして、遊歩道の雑草が引かれていること、疲れて腰かけるベンチが拭かれていること、用を足すトイレの便器が磨かれていること・・・。
 当たり前の様に使ったとしても、それはきっと、誰かの奉仕や好意の上に成立しています。
 心の目をしっかりと見開き、気付きの能力を高めましょう。

心を鬼にして臨む督促

 管理業の重要な仕事の一つに、滞納督促があります。
 過日、A不動産のY社長も、督促業務の悲哀をFacebookで吐露されていました。

 若かりし頃は無知の成せる技で、ドア張り紙やロック&ロック等、手荒なことにも手を染めたものです。
 百戦錬磨とは言いませんが、それなりに経験を積んできたものの、今回の滞納者は少々歯応えがあります。
 危うさを肌で感じたことで、迅速なアクションにシフトしました。

 まず、御本人と奥様の携帯電話がつながりません。
 御自宅を訪問しても留守ばかり。
 御身内の保証人に連絡すると、「私達も高齢で、年金生活だし、既に入居者とは付き合いも無い状態なので、あちらに言って下さい。」とたらい回し。
 この方は、連帯保証人が何かを判らずに、押印してしまっているのでしょう。
 連帯保証人には、三つの権利がありません。
 
①「催告の抗弁権」 保証人である私よりも先に、主たる債務者に請求するように要求する権利
②「検索の抗弁権」 主たる債務者には弁済するだけの資力があるから、先に請求するように要求する権利
③「分別の利益」 保証人が複数名いる時に、その頭数で按分した金額しか保証しない

 平たく言うと、「あの入居者はお金をもっているのだから、私より先に本人に言ってくれ。よしんば払うとしても、保証人は二人なんだから、私は半分で良いでしょう。」ということです。
 一般的な保証人ならそうなりますが、連帯保証人は違います。
 入居者本人に資力があろうがなかろうが、債務の全額について、入居者同等の責任を負う必要があるのです。

 何はともあれ、滞納家賃回収の決め手はスピードでしょう。
 一ヵ月分の家賃支払いに窮する人が、数十万円も貯めて払える道理がありません。
 待ってあげる仏心が、結果的に入居者を破滅に追い込むのです。
 午後、自主管理から移行した別の物件のオーナー様と打ち合わせしていると、やはり高額滞納者がいらっしゃいました。
 溜めに溜めた賃料の総額は130万円・・・。

 「大善は非情にも似たり。 小善は大悪にも似たり。」

 オーナー様のためにも、保証人のためにも、自社のためにも、何よりも入居者本人のためにも、心を鬼にして臨む覚悟です。

似て非なるもの

 先日、南店で、社員の皆様に仕事を手伝って貰った御礼に、グリコのビスコを配った際の疑問。
松岡「ビスコって言うけどさ、このクリームをサンドした焼き菓子は、ビスケットじゃなくクラッカーではないか?」
岡本「いやいや、クラッカーは甘くないですよ。」
石田「社長、これはクッキーでしょう。」
岡本「クッキーは、もっとバターを多く含んでいる気がします。」
和田「成分ではなくて製法ですよ、手作りクッキーは有っても、手作りビスケットはありません。」
松岡「何はともあれネットで調べてみよう?」
 
【 イギリスでは「ビスケット」
  アメリカでは「クッキー」
  フランスでは「ビスキュイ」
 
  「サブレ」とはフランスの街の名前。 そこで作られる「クッキー」が「サブレ」
  「クラッカー」は、「ビスケット」の一種でオードブルやカナッペに使うパンとお菓子の中間的な食べ物。
 
  全国ビスケット協会(そんなのあるんだ)の公正競争規約によると・・・。
  手づくり風の外観で糖分+脂肪分の合計が40%以上のものが「クッキー」
  それ以下のものが「ビスケット」
 
  ヨーロッパでは明確な区別はない。 
  呼び方がいろいろあるのは日本だけ。 】

一同「・・・」

 ということで、ビスコのクリームをサンドした焼き菓子を、南店においては「ビスキュイ」と認定することにしました。
 すると、話をまとめようとして、あの方からこんな一言が・・・。

和田「なるほど。バルコニーとベランダみたいなものですね。」
松岡「いやいや、そりゃ違うっしょ。屋根があるのがベランダで、屋根無しがバルコニーですよ。」
一同「ええーっ!? 本当ですかーっ!?」

 全く役に立たない無駄話の展開でしたが、最終的には必要な豆知識にブリッジできました。
 ちなみに、ビスコの語源は「ビスケットの子供」ではありません。
 ビスケット+酵母=ビスコ が正解です。
 またまた、話をまとめようとして、あの方からこんな一言が・・・。
 
和田「なるほど、ジャイ子みたいなものですね。」
一同「???」

 こんな、ほのぼのとしたやり取りの中でも、「三月は終わったな」という哀愁が漂ってきます。

猛烈企業の凡事徹底

 日経新聞に連載されていた、大和ハウス工業:樋口武男会長の「私の履歴書」が終了しました。
 弊社松山北店の石川店長は、樋口会長が大和団地社長の時に新卒入社されたそうですから、思い入れも一入(ひとしお)でしょう。
 企業規模としては比べるべくもありませんが、創業オーナーに指名されたサラリーマン社長という立場に、今の自分自身を投影しながら、興味深く読ませて頂きました。
 全31話の中で、一貫して感じられたテーマが三つあります。

1.高い目標設定
 2055年 創業100周年で売上高10兆円
 TOYOTAが20兆円弱であることを考えますと、この数字がいかに高いものか判ります。
 画一的な製品を作り、販売網に乗せて売り捌く販売型メーカーと違い、個別一品受注生産の請負は量販が難しく、鹿島や清水や竹中といったゼネコン大手でも一兆円台がやっとです。
 会社は経営者の想い以上には大きくならない・・・裏を返せば、目標を口にした段階で可能性が芽生えます。

2.停滞は交代
 創業者である、故:石橋信夫オーナーの持論だと言います。
 海外への進出も、組織の再編も、新規事業への取り組みも、震災復興支援も、総てスピードが肝。
 昨年3.11の東日本大震災を受け、陸前高田で仮設住宅第一号を着工したのは3.19でした。
 それも、先述の大きな目標と、期限が決められているからこその企業風土でしょう。

3.現場主義
 債務超過の子会社「大和団地」の再建を命じられた時、グループを束ねる会長兼CEOに就任する時、オーナーからの指示は、何れも「現場を回れ」でした。
 「事件は会議室で起きてるんじゃない!」
 「踊る大捜査線」の有名過ぎるフレーズは、会社にも共通です。

 これは余談ですが、一般的には突飛であったり、無理難題と思えるミッションを、さらりと命じる創業者とのせめぎ合いを通じ、四苦八苦しながらも期待に応えていく筆者の姿は、とても他人事とは思えません。

 さて、こうして列挙しますといかにも、才能溢れる傑出したビジネスマンが、いけいけどんどんの流れの中で突っ走ったかの様に聞こえます。
 しかし、樋口会長が信条としている言葉は、意外にも「凡事徹底」でした。

 「平凡な人間が非凡なことを成す、唯一絶対の方法」

 見上げた先に雲がかかり、頂が確認できない程の崇高な目標を掲げ、全速力で駆け抜ける猛烈企業ながら、現場主義と凡事徹底を貫くことで、実は地に足のついた営みであることが判るのです。
 来るべき4.18全社会議では、繁忙期総括と共に、希望に満ちた中長期ヴィジョンも発表したいと思います。

準備万端の富士登山

 二月は逃げる、三月は去る、あっと言う間に四月に成りました。
 繁忙期も残り火の如く、余すところ少し。
 来週からは平常営業で、水曜定休も復活します。

 月次数字確定までには若干時間を要しますが、この繁忙期の成果が、史上最高であることは確実です。
 まずは、社員の皆さんの頑張りに、敬意を表します。
 本当にありがとう。

 但し、ここはゴールではありません。
 7月期末に向け、全社一丸となって成し遂げるべき目標も明確です。
 各人、各店舗の繁忙期総括を行い、今のスタンスと、次のマークを確認して下さい。
 
 全社的には、それなりの着地ができるとしても、個々に目を向ければ凸凹が顕著です。
 既に九合目という店舗(個人)がある一方、まだ五合目付近で足踏みしている店舗(個人)も散見されます。

 五合目からの巻き返しは大変ですが、頂上を目指してペースを上げて下さい。
 九合目まで達しているからといっても油断は禁物です。
 例えば、富士頂上付近の体感温度は真夏でも0℃前後、気圧は三分の二、高山病のリスクも高まります。
 頂上を目前に控えて下山を余儀なくされる、或いは遭難することも珍しくありません。
 以下、ウィキペディアから、富士登山の際の遭難要因です。

① 軽装で臨む
② 枕や毛布等を荷物にする
③ 休憩を取らず体力を消耗させる
④ 体力強化の事前トレーニング不足
  
 思えば昨年までは、稚拙が故、問題点が浮上する以前の段階であった様です。
 さしずめ、Tシャツ&サンダル履きで登山するかの様に、準備不足も甚だしい状況でした。
 今年は、幾許かなりのレベルアップによって、今までは気付かなかった問題点が見えてきたようです。
 まずはこの山を制覇し、次は更に高い山を目指して、万全の準備を整えましょう。
 登山と言えば、南店のあの方が黙ってなさそうですが・・・。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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