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スーパースター店長の台頭

 会社でも事業でも共通に言えることですが、多店舗展開にはメリットとデメリットがあります。

【 メリット 】
① 競争意識 (他店に負けたくないという意識によって、更なる頑張りが期待できる)
② 適正人員 (多忙な時に応援し合うことで、余剰人員を抱える必要がない)
③ シナジー (合同仕入れや、合同発注によって、コストダウンや生産性向上が可能)
④ リスクヘッジ (一店舗が悪くても、他店でカバーすることが可能)
⑤ ポスト提供 (店舗数だけ店長ポストが増え、目指す社員の意欲が高まる)
⑥ 宣伝広告 (店舗自体が広告塔となり、認知度や知名度が高まる)
⑦ 信用力の補完 (一店よりも複数の店舗を抱える方が、信用力が高まる) 

【 デメリット 】
① 管理統制 (物理的に、TOPの目が行き届かなくなる)
② セクショナリズム (競争意識が行き過ぎ、店舗間で足を引っ張り合ってしまう)
③ 人員不足 (出店を続ける限り、人員不足・リーダー不足が恒常的な問題)
④ 先行投資 (出店前から、暫くの間は先行投資が必要)

 メリットとデメリットを単純に比較しますと、多店舗展開すべきという結論が導かれそうです。
 経営陣も社員もお客様も、基本的には会社を成長させたいと願っています。
 思いとは裏腹に、ヒトとカネが追い付かないことで、次に進めない会社が殆どです。

 単一店舗ならTOPが先頭に立って突っ走り、自分の存在価値を大いに高め、背中を見せて「ついて来い」でもやっていけます。 
 多店舗展開すると決めた以上は、意図して自分の影を薄めるべきでしょう。
 
 A店ならその運営は、A店の経営者であるA店長の手に委ね、責任と権限を委譲します。
 ユニクロを展開する、ファーストリテイリングの柳井社長も、「事業部長や役員ではなく、プロフィットを生みだす店長が、スーパースターで無ければならない。」と語っていました。
 
 冒頭に列記した通り、他店との競争意識がエスカレートして、自軍同士で足を引っ張り合う様な、つまらないセクショナリズムに陥るケースも散見されます。
 くれぐれも店長は、「敵は外に在り」という原理原則を見失わないで下さい。
 
 店長にとって責任は重圧ですが、責任の無いところに、報償も称賛もありません。
 部下やお客様に正しいヴィジョンを指し示し、与えられた資源(ヒト・モノ・カネ)を最大限に活かしきり、課せられたミッションを確実に果たす、スーパースター店長の台頭を心待ちにしています。
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ポジティヴな危機感

 企業にとって不可欠な、危機感の共有についてのお話しです。
 まずは、自分なりの言葉の解釈を再確認しておきます。
 「危機」=想定される最悪の事態    「危機感」= 危機を回避するための心掛けと言動 
 
 例えば45歳のヘビースモーカーの男性が、人間ドックにかかったとしましょう。
 医者が深刻な表情で、男に告げます。

 「このままだと、近い将来、肺癌(がん)を発症する可能性が極めて高い。
 肺癌は極めて危険な癌で、発症5年後生存率は僅か20%だ。」   
 この場合「危機」は、肺癌を発症して早死にすることです。

 聞いた患者は心穏やかではありません。
 だからといって、医者に対し「お前、人に早死にするとは何事だ!」と食ってかかる無礼者は居ない筈です。
 藁(わら)をもすがる思いで、「どうすれば良いですか?」と尋ねます。
 すると医者は、待ってましたとばかりに一言。
 「タバコを止めなさい。」
 
 四半世紀以上タバコを吸い続けてきた男も、命には代えられないと、遂に禁煙に踏み切りました。
 この場合、禁煙という苦渋の決断が「危機感」になります。
 「危機感」はネガティブに聞こえますが、悪しき方向へ向かおうとしている舵を切り替えるための、実は前向きな言葉です。

 逆のパターンもあります。
 初見の医師は、肺癌の発症リスクや早死にする可能性も、一切示唆することなく男を帰してしまいました。
 「危機感」を持たない男は、当然に禁煙も摂生もしません。
 やがて状況が悪化し、食欲も体重も落ち、咳が止まらず、血痰も出て、たまらず医者に駆けこみます。
 
医師 : 末期の肺癌です。
患者 : えっ?!  せ、先生、しゅ、手術して下さい!
医師 : 残念ながら、手遅れです。
患者 : ・・・そ、そんな・・・。
医師 : 余命は、長くもって半年でしょう。
患者 : ・・・。

 さながら、「B&L」の我修院ルイの如き運命になってしまうのです。 
 とまあ、いつもながら回りくどい比喩の末、お伝えしたい骨子へと強引に着地させます。

 自分は3年前、企業の死亡宣告でもある、民事再生法申請という最大の「危機」を実体験しました。
 「危機」を迎えてからの「危機感」は、「悲壮感」を助長するだけで何の役にも立ちません。
 海図とコンパスを手に、レーダーを注視し、双眼鏡で遠くを観察し、「危機」の予兆が見えた段階で「危機感」を訴え、回避するための手段を講じ、乗員の士気を鼓舞することがリーダーの役割です。
 そして「危機感」無きリーダーの存在こそが、組織にとって最大の「危機」でもあります。

未来のチャンスの種

 「この業者を知っていますか?」
 大洲駅前店の中伊さんから尋ねられ、遠い記憶を呼び起こします。
 
 平成11年、前職で分譲マンション事業部長として用地を物色していた時、道後校区の一等地にある、某百貨店の社宅が売りに出ました。
 競売には、大手のA工務店と地場デベロッパーD建設とが参加し、三つ巴の競り合いに成ります。
 結果、一番札で我々が落札し、翌年発売しました。
 その際、大手百貨店サイドで、競売を取り仕切っていらっしゃったのがF社のS社長です。
 恐る恐る会社に電話をかけ、社長への取り次ぎをお願いしてみます。

松岡 : 御無沙汰しております。 かつて競売でお世話になった、元J社の松岡です。 覚えていらっしゃいますか?
社長 : ええ、もちろん憶えておりますとも。 お久しぶりです、お元気ですか。

 12年隔てられた、空白が埋まった瞬間です。
 翌日のアポをとって、会社をお訪ねすることになりました。
 実は会社も、我々の南店から車で5分程の至近に在ります。
 お互いの頭には、随分白いものが増えました。
 12年振りでも、古き良き時代の昔話に花が咲きます。
 
 実を言うと訪問には、所有物件の管理営業という下心がありました。
 「判りました。
 昔から、松岡さんの人と成りも良く理解しています。
 お任せすることを前提に、現管理会社と話を詰めた上で、改めてご連絡しましょう。」

 また一人、過去の人脈が掘り起こされ、感謝のリターンへと結実しそうです。
 人脈構築は、facebookによるヴァーチャル・ワイドな手法に限りません。 
 過去お世話に成った御縁を、ピンポイントでリアルにつなぐ行動は極めて重要です。

 今日の出会いを大切にする人は、未来のチャンスの種を蒔き、
 今日の出会いを疎かにする人は、未来のチャンスの芽を摘んでしまうのです。 

雑用を使命に変える心掛け

 戦後の混乱期に総理大臣を務められた、吉田茂氏の実話です。

 難関の試験を突破し、外交官に就任した吉田氏が最初に命じられた仕事は、電信室で受けた電信を大使に届ける役割でした。
 来る日も来る日も、使い走りの様な単純作業の毎日に嫌気がさし、「俺の様な能力のある人間に、こんな仕事をさせるのは国家的損失だ」と嘯(うそぶ)くのです。
 
 遂にある日、義父である牧野伸顕さんに手紙を書きました。
 「まったく馬鹿げた仕事をやらせている。こんな仕事は辞めるべきだと思う。」
 その手紙を受け取った牧野氏は、厳しく叱責します。

 「何を馬鹿なことを言っているのだ。
 大使に届く電信の中には、一国を左右するものもあるだろう。
 即ち、お前のやっている仕事は、大使よりも先に、その重要な情報を知ることができる。
 何故、その電信を見た時に、自分が大使であればどのように判断し、どのように決断するかと考えないのか。
 そして、実際の大使の判断が、お前の判断と違ったならば、それは何故かと突き詰めることが勉強なのだ。」

 この教えによって、吉田氏は一転して前向きに取り組む様になったと言います。 
 
 仕事や人間関係において、思い通りに成らないことが殆どでしょう。
 思い通りにならないことを、何とか理想に近づけようとする営みこそが人生です。

 日常を振り返っても、意味の見出し難い雑用が数多く存在します。
 しかし、誰でもできる雑用も、誰かがやらなければならない重要な仕事です。
 また、先の吉田氏の様に、雑用と思えば雑用に成り下がるものの、その仕事の中に秘めたる重要性に気付いたとすれば、もはや雑用では無くなります。
 
 今取り組んでいる、目の前の仕事への遣り甲斐を見失いそうな時、思い出したいエピソードです。

宝石の如き思い入れ苺

 月一度の会食仲間に、葡萄農家と苺農家の方がいらっしゃいます。
 ハウス苺は今が旬。
 特に今年は出来が良く、糖度も13~15と極めて高いレベルにあるそうです。

 先日、「まあ食べてみて」と、摘みたてを戴きました。
 苺本来の自然な甘い香りが鼻に抜け、噛みこむと歯応えがしっかりしていて、ジューシーで上品な甘みが口一杯に拡がります。
 大袈裟では無く、半世紀生きてきた人生の中で、これほど美味しい苺は初めてです。
 もはやこれは、フルーツではなく、スゥィーツの域であります。

 日頃頂く苺は、若干青臭さが残り、酸味が強く、練乳をかけないと美味しく食べられません。
 今まで食べてきた苺は何だったのだろう、と疑問に感じる程の美味しさでした。
 内子の山奥で、たった一人が作っている、知る人ぞ知る逸品です。 

 このことを話のタネに、あちこちで吹聴すると、「それほど美味しいのなら」という方が出てきて、注文が次々と舞い込む様に成りました。
 さしずめ、無償の営業部長です。

 いつも思うことですが、良いモノは売れます。
 「真の営業力は、石コロでも売ってくること」
 かつて読んだ本にあったトップセールスマンの台詞ですが、今はそんな時代ではありません。
 商品が良いことは、大前提でしょう。

 先述の苺の様に、自分自身が賞味・実感した良い商品であれば、利害に関係なくお薦めしたくなるものです。
 一方、下手な営業マンの手にかかると、売れる商品をも売れなくしてしまいます。
 それが営業力の真髄です。

 内子町 大瀬 石尾農園。
 片足義足のハンディを持ちながら、安定した町職員の座を捨て、宝石の如き思い入れを持って、一粒の苺づくりに取り組んでいらっしゃる熱い男です。
 興味のある方は、メッセージを頂ければご紹介します。 

無功徳への道程

 仏教で、善い行いをした報いを功徳(くどく)と言います。
 しかしながら、見返りを期待した、打算的な行いに功徳はありません。
 また、折角の善行も、自ら言いふらすと値打ちが無くなってしまいます。
 タイトルにある「無功徳」なる言葉は、そうした下心の無い功徳を意味するのだそうです。
 
 人は皆、自分が可愛く、身勝手な生き物です。
 苦と楽があれば、誰しも楽したいと思うものでしょう。
 自分のことを認めて貰いたいと望むのも、人間だけの感情です。
 ゴミを拾ったり、お年寄りに席を譲ったり・・・。
 小さな親切も、気付いて貰いたいものです。 褒めて貰いたいものです。

 前職の会社のある支店が、社名とロゴの入ったパーカーで近隣清掃していました。
 ある日、近隣住民と思しき方から匿名の投書が入ります。
 
 「あれはボランティアではなく、パフォーマンスだ」

 その通りです。
 ボランティアに便乗して会社をアピールしようという、邪な思いが少しでも過ったなら無功徳ではありません。
 しかし、幾らパフォーマンスでも、やらないよりは、やった方が、確実に世の中のために成っているのです。
 
 取り組み初めの動機が不純であったとしても、そうした善行を積み重ねていく内に、やがて特別なことではなくなります。
 特別でなければ、見返りを求めることも、殊更にアピールすることも無いでしょう。
 
 謙虚な人間性を持ち、思いやりに溢れ、心の奇麗な人が功徳を得るのではありません。
 善行を積んでいくにつれて、人の心が磨かれていき、やがて功徳を得るのです。
 行動が人を変えます。

友達のいない人生

 今、話題と言えば、そう田中慎弥さんです。
 この度「共喰い」で芥川賞に輝きました。
 芥川賞は日本の文壇の最高の賞ですから、受賞すれば当然に名前は売れます。
 但し、田中さんを一躍時の人にしたのは、小説そのものではなく、型破りな記者会見でのコメントでした。

【 確かシャーリーマクレーンだったと思いますが、アカデミー賞の候補に何度もなって、最後に貰った時に「私が貰って当然だと思う」って言ったそうですが、まあだいたいそういう感じです。
 4回も落っことされた後ですから、ここらで、断ってやるのが礼儀だと思いますが、私は礼儀を知らないので。 もし断ったと聞いて、気の小さい選考委員が倒れたりなんかしたら都政が混乱しますんで。
 都知事閣下と東京都民各位のために貰っといてやる。
 あの、とっとと終わりましょう。 】
 
 皆さんはどう受け止められましたでしょうか?
 
 「そこまで言うなら辞退すれば良かったのに」とか、「慇懃無礼な奴」とか、「あの酔いっぷり、ワイン二杯は大ジョッキだったのだろう」とか、批判的に捉えた向きもあったでしょう。

 一方で、自分のスタイルを貫く意志の強さや、マスコミに媚びない姿勢に共感する声もあります。

 そもそも田中氏は、社会人経験無しに、本ばかりを読み、小説を書いてきた人生な訳ですから、社会的適応力に不備があって当然です。

 前回、「苦役列車」で受賞し、「(受賞の知らせは)自宅で、そろそろ風俗に行こうかなと思っていた時に・・・。行かなくて良かった。」というコメントで物議をかもした西村賢太氏も、中卒フリーター前科者という変わり種でした。
 
 こうして見ると当たり前ながら、純粋に作品のクオリティにスポットを当てて審査しているのだろうと思います。
 また、傑出した作品を生みだす能力は、非日常を生きる奇才の方が備わっているのかもしれません。

 都知事閣下のために・・・と揶揄された石原都知事は、今回限りで審査員を退くと言います。
 田中氏については、「皮肉っぽくていいじゃない。俺は彼の作品は評価したんだ。」と大人の対応です。
 対して田中氏は、「石原慎太郎に評価されたくはない」と舌戦は更にエスカレートの様相を呈しています。
 
 閑話休題。
 西村氏と田中氏、二人の芥川賞作家の共通点は、「友達が一人もいない」こと。
 才能と努力を認めながらも、そんな人生だけは歩みたくないと思ってしまいます。
 「四国の田舎の中小企業のオヤジなんかに評価されたくはない」と言われるのがオチでしょうけれど・・・。

怒りのエネルギー

 ある本に紹介されている禅問答です。

男 : 私は生まれつき短気で、しくじってばかりいます。 どうぞお直し下さい。
禅僧: それはさぞかしお困りでしょう。 早速直して進ぜよう。
男 : ありがとうございます。
禅僧: では、まずその短気とやらを、ここに出して見せてくれまいか。
男 : さて、出せと言われても、今は出せません。 何かことが起きますとひょっと出て来るものです。
禅僧: なんと、今は出せんと申すか。 いつでも取り出せないのであれば、それは本来無いものだ。
男 : ・・・
禅僧: 短気はものごとを受け入れようとしない己の心から起きる。 
   それを生まれつきだと、さも自分のせいではないかの様に言うのは、あまりにも自分勝手ではないか。
   貴方は先程、今は出せぬとおっしゃった。
   その気持ちを失わなければ、常に穏やかな気持ちで暮らせましょう。

 私も過去、短気な性格が災いして、幾多のしくじりを経験しています。
 また仕事を通じて、烈火の如く叱りつけることも多く、歴代の部下の方にはご迷惑をおかけしました。
 
 先述の男と同様に、「短気な位で丁度良い」とか「心を鬼にして叱責するのも役割だ」とか、理屈をこねては正当化していたものです。
 しかしながら、禅僧の言葉には、反駁の余地もありません。
 
 怒りが込み上げますと、脳内にドーパミンが溢れるそうです。
 適量のドーパミンは、血行を促し、力が漲(みなぎ)る効果があります。
 但し、適量を超えると血管に負荷がかかり、命をも危うくしかねません。

 相手のことを思って、厳しく叱ることは是としても、感情に任せて、怒りのエネルギーを無駄遣いすることだけは差し控えたいものです。
 

期待値分の対応

 賃貸仲介業にとって、春商戦に社運がかかっているといっても過言ではありません。
 日一日と、繁忙期の足音が近付いてくるのを実感する今日この頃です。
 昨日も、案内と商談で営業はフル回転でした。

 さて、松山南店の営業:和田さんの、先日の営業実例をご紹介します。
 その日も和田さんは多忙で、案内に商談に、飛び回っていました。
 午後、ご案内予定の方にすっぽかされ、意気消沈で帰ってきます。

 捨てる神あれば拾う神あり、別のお客様から物件指定の案内予約です。
 ところが、仕事終わりが遅いため、弊社の閉店時間を大幅に超える、20:30~に成りました。
 休日でも、閉店後であっても、お客様都合に合わせるのが、和田さんの持ち味です。

 電話でお約束した直後、今度は日中にすっぽかされたお客様から連絡が入ります。
 まずは、仕事の都合で行けなかった旨謝罪の上で、「どうしても今日見たい」とのこと。 
 ここでも和田さんは、二つ返事で引き受け、21:30~、閉店後二本目のアポです。 
 さて、皆さんが担当なら、果たして同じ行動ができるでしょうか?

 「営業は19:00までなので、それまでにご案内できる様にお越し下さい。
 水曜日は休みなので、それ以外の日にお願いします。」

 この応対は、必ずしも間違いでは無いでしょう。
 定休日も、営業時間も、就労条件も、確固たる約束ごとです。
 残業や休日出勤が美徳とも思いません。
 
 ただ、お客様の受け止める「ここまでやってくれるか」という感動の公式は、期待値分の対応です。
 従って、定型のサービスでは、お客様の心に感激や感動は生まれないでしょう。

 人は勝手なもので、空腹でたまらない時には、一個の塩むすびが御馳走に感じます。
 反対に満腹の時には、刺身もステーキも、見向きもしません。
 
 会社の真の支配者がお客様であるとすれば、生き残りのためにその従者となるのは必然であります。
 更に大事なことは、感動されるお客様の存在を、自らの喜びにできる人間性を身につけることです。     

最大公約数的マイホーム

 昨日の午前中は、某住宅会社の新任支店長と同行で、不動産業者回りです。
 
 都道府県別戸建住宅着工戸数ランキングは、「積水ハウス」が殆どのエリアでTOPを占めています。
 積水ハウスを凌駕する地場ビルダーは、全国でも数社しか存在しません。
 この徳島の会社は、十数年前から、数少ない勝ち組でした。

 注文住宅のTOPともなれば、その地位に胡坐をかき、守ろうとするものです。
 しかしこの会社は、三十代青年社長への代替わりを機に、更なる革新を推し進めます。

 戸建賃貸住宅のFCに加盟し、強力な営業力によって一躍全国TOP企業に。
 FCを脱会した後、自社ブランドの商品を開発し、フランチャイザーとして全国展開。
 戸建賃貸の代名詞と成る程の実績を残す一方、今は新たに、土地セットのコンパクト住宅メーカーとしての地盤を固めつつあります。

 一般的に、住宅の営業マンはハードワークが当たり前です。
 土日祭日は書き入れ時、仕事が終わってからが打ち合わせの時間に成るため、夜も遅くなります。
 一生一度の夢のマイホームを実現するために、営業・設計を交えたプランの打ち合わせは幾晩にも及び、色決めだけで数時間、日付が変わることも珍しくありません。
 すべてはお客様のために・・・しかし、そのコストは誰が払うのでしょう。
 
 注文住宅営業マンの平均受注棟数は、年間4~5棟です。
 年収400万円の営業マンであれば、一棟当たりの人件費は100万円になります。
 その人件費は、実はお客様が負担しているのです。

 企画住宅であれば、熟練した高コストの営業マンは必要ありません。
 営業マンの年収を300万円に抑えた上で、平均15棟捌ければ、一棟当たりのコストは20万円で済みます。
 
 住宅には建て替えもありますが、需要の多くは土地無しのお客様です。
 幾ら営業マンやモデルハウスが気に入ったとしても、土地が無ければ成就しません。
 この会社は、地場の不動産会社との連携を深め、流通している土地情報を根こそぎ集めます。
 これにより、お客様の予算とニーズに叶う、ベストチョイスな土地・建物のセットプランを、スピーディーかつロープライスで提案できるのです。
 
 家族で住宅展示場に出かけ、時価一億円の浮世離れしたモデルハウスに目を奪われ、マイホームの夢が大きく膨らみ、いざ検討段階に入ると即座に予算の壁にぶち当たり、場所を変え、仕様を落とし、広さを抑え、思い描いた夢とはかけ離れた妥協の産物が、現実のマイホームであったりします。

 また、折角マイホームを取得しても、多額の住宅ローンを何十年も払い続ける過程で、旅行も外食も行けない、子供の学費も捻出できない、小遣いは減らされる・・・こうした生活で果たして幸せでしょうか?
 家賃並みの支払いで、生活のレベルを落とすことなく住まうことのできるマイホーム提案は、まさに理想です。
 
 かつて私達が分譲マンションで追求した、最大公約数的マイホームの提案が今、コンパクト住宅に形を変えて、愛媛にも拡がろうとしています。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン

・経歴 
 雄新中卒業 → 新田高校中退
 大工・石工と約十年職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業
 令和2年 ㈱南洋建設 代表兼任
 令和4年 ㈱たんぽぽ不動産起業

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