立つ鳥跡を濁さず

 ご心配をおかけしましたが、今朝はいつもよりも更に早く、元気はつらつ出社しました。
 お電話やメールを頂いた方々に御礼申し上げます。

 さて、こうして病床に伏せった時に、激励やお見舞いの言葉を頂くと、本当に有難いものです。
 「一人ではない」という気持ちに満たされ、孤独感が和らぎます。
 見方を変えればそれは、過去の人付き合いの通知表とも言えるでしょう。
 
 自分が困った時だけ頼り、他人が困っている時に見て見ぬふりでは、成り立たないのが人生です。
 勿論、人間関係は良い時だけとは限りません。
 出会いがあれば別れがあり、袂(たもと)を分かつ場面もあります。

 一旦分かれたとしても、次に顔を合わす時に、後ろめたくないだけの責任を果たすのが処世術です。
 仕事においては、引き継ぎをしっかりと行うこと。
 或いは、お世話になったお客様や業者様や同僚に挨拶すること。
 これらは、社会人として当然の務めと言えるでしょう。
 そうした教えに背いて職場を転々とするならば、信用・信頼を無くし、世間を狭く生きることに成ります。

 特に、営業を生業(なりわい)とする者にとってはゴールデンルール(黄金律)です。
 過去、卓越した営業実績を有しながら、思う結果の出せない人材も少なくありません。
 そうした社員に共通の資質は「非礼」と「不遜」です。
 実績を自らの実力と過信して、恩も感謝も忘れ、折角築き上げた人脈を、自ら断ち切ってしまいます。 

 「立つ鳥跡を濁さず」 
 跡を濁す鳥も、その諺の持つ重要な意味に、いつか気付く筈です。 
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怠惰を戒める日記

 一夜明けて、目覚めの際のぐるぐるは、三日振りに影を潜めました。
 俯(うつむ)いたり、横になったり、起き上がったり・・・要は頭を振った際に、若干眩暈(めまい)はありますが、昨日までの様に長くは続きません。
 薬を飲んで今日一日静養すれば、明日には復帰できると思います。
 沢山の方にご心配をおかけしました。
 申し訳ございません。

 さて、自分で言うのも何ですが、松岡という人間はストイックなイメージがあります。
 一つの原因は、この「今日の言葉」を毎日継続していることでしょう。
 重ねて、「するべきだ」とか「ねばならない」といった強い論調が、そう思わせているに違いありません。
 当初は、社内コミュニケーションツールとして立ち上げたものですが、最近では社外の方から、「今日の言葉、毎日見てますよ」と声がけ頂くことも多くなりました。
 
 もう一つは、朝型人間であるということです。
 通常、毎朝5時過ぎには起床し、6:30~6:50には松山南店を開店させています。
 勿論、この時間にお客様が来ることなどありません。
 松山で最も交通量の多い天山交差点を行き交う、出勤途中の車が、灯りのともった店舗を見て、「早くから頑張っているな」と思って下さればプラスになると思うからです。
 これも実際に、「早くから開けてますね」という声を、数多く頂いています。 

 この二つは意識的な演出です。
 お休みしますと、「あれ、今日は空いてないな」ということに成りますし、この拙文を休むと「体調でも崩したのかな」という風に、要らぬ心配をおかけします。
 だからこそ、そうならないように心がける・・・それが、他者管理です。

 自分自身、本来は怠惰で遊び好きな人間に過ぎませんが、そうしたムシが首をもたげて来ない様に、自らへの戒めの日記として、日々この文章を綴っています。
 

 

ぐるぐる回る天井

 朝、目が覚めると、いきなり断続的なフラッシュバックに見舞われます。
 そういえば、昨日もそうでしたが、仕事に出てからは、特に問題ありませんでした。
 「今日も一日頑張るぞ!」と起き上がり、靴下を履こうと俯(うつむ)いた瞬間、視界がグルグルと回り始めます。
 真っ直ぐ立っていられなくなって、壁に手を付く始末です。
 「これは無理」と判断し、とりあえず午前中お休みを頂くことにしましたが、症状は一向に治まりません。
 食欲も無く、吐き気すらもよおします。

 午後、月末に予定している引渡物件の境界立会いを済ませた後、大洲の店に寄り症状を話したところ、
 中伊さんが「最悪だと脳卒中の恐れもありますね。」と脅します。
 山本さんも「早く医者にかかった方が良いですよ。」と勧めてくれたので、日曜診療の中央病院を訪ねました。
 医師の説明によると、眩暈(めまい)には三段階あるそうです。

レベル1 すぅーっとタイプ(立ち上がった瞬間に血の気が引く感覚)
レベル2 ふわふわタイプ(軽い眩暈がずっと続く)
レベル3 ぐるぐるタイプ(まさに、私の症状です)

 そして最も重いのが、レベル3のぐるぐるタイプなのです。
 「最も心配されるのが小脳出血から来る脳卒中です。
 念のためにCTスキャンを撮っておきましょう。」
 ということで、生まれて初めてのCTスキャン。

 その後、ベッドに寝かされて注射を待つ間も、意識が遠のくほど天井がぐるぐる回ります。
 そこに医師が来て、脳の断面図をかざしながら、
 「CTの結果は問題ありませんでした。ここの白い部分が骨で・・・」
 でも、ぐるぐる回っている状態ですから、まったく判別できません。

 注射を終え、吐き気止めと、眩暈止めの薬を頂き、二日間の安静を告げられた次第です。
 「明朝も続く様なら医者に行こう」と思っていましたが、今日医者にかかったことで、随分安心しました。
 お二人のアドバイスに素直に従って良かったと感謝しています。
 中伊さん、山本さん、ありがとう♪

 

あなたの無知が会社をつぶす

 ここ最近、若手社員から「今日の言葉の内容が難しい」という感想が寄せられてきます。 
 そんな中、取引上のリスクに戦慄(せんりつ)を覚える出来事がありました。
 部下のフォローに入っている案件は、売り買いの意思こそ固まっているものの、実際に取引できるか否かは不確かな状況です。
 AさんBさん所有の隣接した土地建物をまとめて、Cさんに売却するというスキームなのですが・・・。

① Aさんの土地に、市道が入り込んでいる
② Bさんの建物は、市道にはみ出している
③ Bさんの敷地に、Aさんの建物が越境している
④ Aさんの登記されている建物は、既に解体されている
⑤ Aさんの敷地に在る建物は、未登記
⑥ Aさんは既に亡くなっているため、相続登記が必要
⑦ 相続人は5人居るが、その内2人は県外
⑧ 相続人の1人は亡くなられており、配偶者と子供に権利移動
⑨ 相続人の1人は、ナント・・・

 列挙すればキリが無い程の、拗(こじ)れに拗れた案件ですが、縺(もつ)れた糸を解きほぐす様に、一つひとつ進めていく以外にありません。

① 他の相続人の相続放棄の同意取付
② 実質の売主への相続登記
③ 現存しない登記上の建物の滅失登記
④ 現存する建物の表示登記
⑤ 現存する建物の保存登記
⑥ 官・民、民・民 の境界確定
⑦ 地積測量
⑧ 地積更生

 ここまで完了すれば、この不動産はやっと売り物になります。
 裏を返せば、現状のままだと商品とは呼べないのです。

 宅建受験生は、これまで見たことも聞いたことも無い様な、難しい勉強に取り組まれていることでしょう。
 しかし、こうした実務的な問題に行き当たりますと、知識の必要性を再認識させられます。
 現時点で、こうした問題に気付いたのは不幸中の幸いでした。
 また、机上の空論ではなく、実務最前線で学んだ知識は、担当者にとって血と成り肉と成った筈です。

 仮に、前述のプロセスをすっ飛ばして契約してしまったら、お客様にご迷惑をおかけするだけでなく、多額の損害賠償を余儀なくされ、最悪の場合、免許取り消しにも発展しかねません。
 あなたの無知が、会社をつぶす可能性すらあるのです。 
 
 

 

鬱陶しい雨か恵みの雨か

 例年よりも随分早く、梅雨入りしました。
 梅雨は、ジメジメして、憂鬱な気分という人も少なくありません。
 しかし、梅雨が無ければ、松山市は確実に水不足に陥ります。
 平成6年の大渇水を振り返ってみましょう。

 7月26日 夜間限定で始まった断水は、日を追う毎に悪化の一途を辿り、
 8月 1日 13:00~21:00の8時間のみの給水となり、
 8月22日 給水時間は更に短縮されて、僅か5時間のみ。
 9月 1日 工業用水の供給もストップしたことで、操業停止に追い込まれる工場もありました。

 夜遅く帰ったらお風呂に入れない、食事の支度ができない。
 朝起きたら顔も洗えない、歯も磨けない。
 トイレに行っても流せない・・・。
 ひねれば幾等でも出てきた筈の水が、実は貴重な資源なのだと気付かされる瞬間です。

 農家の方々も、農作物を枯らさないために散水しなければなりませんが、その水がありません。
 観光施設である道後温泉も、営業時間短縮を余儀なくされます。

 飲食店に行ってもお冷が出てきません。
 飲み物は紙コップ、食事を運ぶ食器は紙皿でした。

 当時、管理していた賃貸マンションについても同様です。
 受水槽のある物件は多少緩和されますが、直圧式の物件については、オーナー様が農業用のタンクを設置し、入居者がペットボトルやポリタンクに詰めて、上階に持って上がるケースもありました。
 そのポリタンクにしても買い占められて、品不足に陥ったものです。

 11月25日 この日、123日間にも及んだ断水は遂に、全面解除となりました。
 「鬱陶しい雨」と感じる時に、かつての大渇水を思い返しますと、一転して「恵みの雨」と思えます。
 自然や運命は、どれだけ抗(あらが)っても抗いきれません。
 無垢な心で受け入れた上で、起こったことは全て最善と考えることが、幸せへの第一歩です。
 

誰も持たざる答え

 「ええっ! そんなに安値なんですか?」
 土地家屋調査士と司法書士と行政書士資格を併せ持つ、先生が驚嘆の声を上げました。
 月末に決済を予定している物件は、大洲の幹線道路沿いに位置しており、周辺には商業店舗が立ち並ぶ、事業用としては正に一等地です。
 形も綺麗で、特段の瑕疵は見当たりません。
 
 約300坪の土地上に、建物が二棟立ち並んでおり、固定資産税の評価額は8300万円超。
 つい数年前まで、「路線価の1.2倍」といった、オカルト値付けがまかり通っていました。
 土地だけでも6000万円近い評価ながら、今回の取引金額は4500万円です。
 坪単価に換算すれば、約15万円。
 方や、幹線道路から一本裏に入ったところに在る、水没危険性レベル6の住宅供給公社分譲宅地が坪30万円。
 住宅地よりも商業地の方が高値というのが一般的ですが、今や逆転現象が生じています。
 
 何故、こうした事態を招くのかというと、以前の拙文にもある通り、収益還元法と需給バランスです。
 この辺りの土地を借地に出したとして、期待できる賃料は700円/坪。
 300坪であれば月収21万円、年収252万円。
 4500万円に対する表面利回りは5.6%と、その金額が必ずしも安値で無いことを示しています。

 この物件を預かってから1年間、5000万円以上で買って頂ける方を探してきました。
 誰しも割安であることはご理解頂きながら、いざ購入にまで踏み切る方はいらっしゃいません。

 大洲市は今春、基幹産業であったパナソニック大洲工場が撤退し、雇用環境は著しく悪化しています。
 勤めるところが無い以上、人口も市場も縮小し、飲食や物販といった地域の商売も衰退せざるを得ません。
 「資金繰りの悪化」「廃業」、ネガティブな理由によって、不動産も売り一色。
 勢いがあるのは、ヤマダ電器やラ・ムーや、今秋進出するニトリといった中央資本ばかりです。

 日本は戦後復興以降、高度成長を背景として、半世紀の長きに渡りインフレの時代でした。
 給料もモノの値段も、上がり続けることが当たり前の時代です。
 ところが、ここ十数年、デフレスパイラルが加速しています。
 1000万円で買ったものが、明日には1001万円に値上がりするとすれば、今日買った方が得です。
 一方1000万円で買ったものが、明日には999万円に目減りするとすれば、先送りが賢明でしょう。
 だからモノが売れないのです。
 
 当たり前の基準が変わってきたのですから、ビジネスモデルも変える必要があります。
 導くべきは、過去の栄華を謳歌してきた先人も含め、誰も持たざる答えなのです。

幸せな時間を売る

 今も一線から身を引いているつもりはありませんが、かつて最前線でマイホーム営業をしている頃の営業トークが、今日そっくりそのまま我が身に置き換えられます。

 お客様がモデルルームや、モデルハウスに来場される際、「売り込まれたくない」という防衛本能が働くものです。
 「まだまだ、計画は具体的では無いんですよ♪」
 「今日は、見に来ただけですから♪」
 そこですかさず、こう切り出すのです。

 「皆さん、マイホームは夢のまた夢と思われて、貯金ができてから、と先送りされてしまいます。
 例えば、子供さんが巣立たれて、夫婦二人っきりになったら、生活に余裕はできるでしょう。
 定年退職されたら、退職金も入るかもしれません。
 しかし、それから思い付かれるマイホームは意味が無いのです。
 今はまだ、お子様は小さくて、手もかかります。
 でも、あと数年もすれば思春期を迎え、家族団欒の時間は確実に少なくなってしまうでしょう。
 その、数年間の限りある幸せな時間を、家族揃って過ごすからこそマイホームに価値があるのです。
 二年、三年と、先送りされることで、その貴重な時間は刻々と失われてしまいます。
 どうですか、今日をきっかけに、真剣に考えてみられませんか?」

 私自身、長男が小学校6年、次男が小学校2年の時に、マイホームを建てました。
 100坪以上の敷地に、50坪もの家は、今や広過ぎます。
 しかし、この7年間という時間は、掛け替えの無い濃密な想い出を残してくれました。
 
 我々が売っているのは、木やコンクリートの箱ではありません。
 住まいを通じて、幸せな時間を提供するのが使命です。
 この仕事に、誇りと遣り甲斐を見出して頂きたいと思います。
 

馬に水を飲ませる方法

 先日告知した、第一回社内宅建模試の答案は、続々と回収されています。
 今日の午後には、社内向けに結果発表するつもりです。
 民法、法令上の制限、宅建業法、税法等々、カテゴリー別に採点することで、強みと弱みを浮き彫りにします。
 私が受験した16年前と比較すると、問題の傾向は大きく変わりました。

 民法が5問減って10問、逆に宅建業法が増えて20問です。
 かねてより、民法問題の文章的な言い回しは無意味に難解で、高度な読解力が必要でした。
 故に、求められる不動産実務との乖離が際立ち、「落とすための問題」だったという見方もあります。
 現に、専門学校の講師でも、「民法に関して満点は取れない」と開き直っていたものです。
 私が合格した平成7年の合格ラインは28点でしたが、こうしたマニアックな問題傾向がレベルを引き下げたとも言えます。

 宅建業法が20問ということであれば、勉強の優先順位は明白でしょう。
 宅建業法は習熟が早く、全問正解も可能です。 
 宅建業法で20点満点を取り、残りの30問を二肢択一まで追い込めば、35点の合格ラインに達します。
 「業法を制する者は宅建を制する」のです。
 さて、採点結果は、7段階レベルで勝手に格付しちゃいました。

S 50~45点 鉄板合格 体調管理を万全にして、試験本番に臨みましょう!
A 44~40点 合格当確 油断することなく今のレベルを維持し、更なる高みを目指しましょう!
B 39~35点 合格圏内 何とか滑り込みそうですが、後悔の無い努力で合格を確実にしましょう!
C 34~30点 合格間近 合格まで後一歩・・・でも落ちれば0点も一緒、泣くのが嫌ならさあ勉強!
D 29~25点 危険水域 試験当日、神頼みと運任せ、まかり間違えば合格できるかも!
E 24~20点 合格絶望 勉強・努力したとは言えないレベル、受けるだけ時間とお金の無駄です!
Z 19~ 0点 確率圏内 四肢択一50問 幼稚園児でも理論値として12.5問は正解できます!

 試験まで、残り150日足らず。
 この試験結果に危機感を感じ、人生の目覚まし時計と捉えて、一念発起できるか否かはあなた次第。
 馬の首に縄をつけて、水飲み場まで連れていくことはできても、強制的に呑ませることはできないゼーット!  
 

仏の仮面を外す時

 建築不動産業界に足を踏み入れて20年が経ちます。
 前職時代の最盛期に、700名近く居た社員の8割以上は、会社を離れて散り散りと成りました。
 異業種に進んだ方も多くいらっしゃいますが、やはり慣れ親しんだこの業界に生きる人が大勢です。
 
 A社に4名、B社に4名、C社に2名、DさんとEさんは独立開業・・・。
 こうしたネットワークの拡がりによって、業務上も大いに助かっています。
 先日、某大手サブリース会社に勤務する元部下が、弊社の担当になったとのことで挨拶に来られました。
 ここは典型的な営業会社で、実績へのこだわりや、行動数値に関する厳しさは、尋常ではないと聞き及びます。

 私自身、前職での後半10年間は、事実上の本部長として、営業を統括する立場にありました。
 そして己の甘さが、企業の寿命を縮めたのも真理です。
 「あの頃、もっと厳しく営業マンを指導していたら・・・」
 「例え理不尽でも、数字をやらせきっていれば・・・」
 経営に「たら」「れば」は有りませんが、未だ悔恨の想いが拭えません。

 「厳しいですか?」さりげなく振ってみました。
 「いえいえ、求められるレベルは前と変わりません。
 前職で主催されていたゼロ績研修は、とても厳しかったですよ。
 あの研修に出たくないがために頑張っていましたから。」

 ゼロ績とは、月間受注実績ゼロの営業マンが休日に集う、懲罰的研修です。
 彼は、その常連でした。
 業界TOPレベルの厳しさと評される会社に務める、元部下からの本音を聴き、これまで背負ってきた十字架が少し軽くなった気がします。
 
 今はまだ創業期で、組織も未熟であるため、数字を厳しく詰める段階では無いでしょう。
 しかし、いつまでもこの状態で良いとは思っていません。
 和気藹藹(わきあいあい)としながらも馴れ合いには成らず、自由闊達(じゆうかったつ)でありながら数字には拘(こだわ)る、強い会社を長期的には目指しています。
 近未来、この仏の仮面を外す時こそが、理想の会社の第一歩です。  
  
  

収益還元と需給バランス

 太田店長とオーナー様を訪問しました。
 年初に、一戸建貸家の購入にあたってご相談があり、「ここなら大丈夫」と胸を叩いたにも関わらず、未だお役立ちできていないため、本音としては顔を合し辛い状況にあります。
 前職時代の教え、「会いたくない人こそ、会わなければならない相手なので、率先して会いに行け」を実践した訳です。
 案の定、冒頭少しだけ苦言もありましたが、こちらの提案に対し、真剣に耳を傾けて頂きました。

 ひとしきり話した後、「物件を見て欲しい」と言われ、物件視察へ出かけます。
 一つ目は、お医者さん所有の住宅です。
 中庭ライトコートの植栽が効いた、70坪以上あろうかという築浅の豪邸でした。
 「幾等で買ったら良いと思いますか?」
 このオーナー様の特徴は、正式な図面も面積も判らない状況で、いきなり価格を聞いてくる点です。
 
 ・ざっと見て、土地建物の再調達価格は6000万円超
 ・償却を見込んだ現在価値は4000万円超
 ・しかし、その価格で購入できる層は限られている
 ・まして、購入できる層は新築にこだわるため、中古に振り難い
 ・収益物件としても、利回りが見込める程の高家賃は難しい
 
 ということで手堅く、3千万円台前半という結論を導きました。
 「なるほど、私も同感です。次、見に行きましょう。」

 二つ目は、大通りに面した角地の店舗兼住宅です。
 ざっと80坪前後の敷地に、1Fはテナントが二戸、2Fはオーナー住宅。
 またしても、「幾等で買ったら良いと思いますか?」
 
 ・テナント賃料が7万円として、二戸で14万円
 ・オーナー住宅を賃貸で貸したとして6万円
 ・賃料合計20万円×12カ月=年収240万円
 ・利回り10%で見込むのであれば、2400万円
 ・大通り角地のプレミアを加算しても3000万円
 
 「なるほど、私もその位だと思います。」
 この方、ひょっとしたら、値付が幾らでも同調したのではないかと思ったりします。
  
 但し、詳細資料不要論も、一つの真理です。
 土地の路線価+建築価格-減価償却という、積上式で求めた価格は画に描いた餅に過ぎません。
 「その建物は幾らなら貸せるか、そこから得られる利回りは幾らか」
 この収益還元の考え方こそが、正しい価格を割り出す公式なのです。
 
 また、不動産に限らずモノの価格は、買いたい人が沢山いれば上がり、売りたい人が沢山いれば下がります。
 収益還元と需給バランスをしっかりと見極められる、市場に精通した不動産のプロを目指しましょう。

宅建模試はじめました

 その昔、宅建試験を受けるには、高卒以上の学歴、もしくは実務経験二年以上が必要でした。
 最終学歴中卒の私の宅建取得が、この制約によって二年遅れたことは以前書いた通りです。

 社内で行う模試の問題を拾うために、ネットサーフィンしておりますと、「中卒者には宅建受験資格を与えるな!」という暴言に行き当たりました。
 知識や常識に疎(うと)い、低学歴者が就業するが故に、業界のモラルが保たれない、という論調です。
 
 ここは冷静に、統計学を掘り下げてみましょう。
 今日高校進学率は、97%とほぼ義務教育化しています。
 高校中退率約2%ということは、高卒以上の学歴を有する方が95%と支配的です。
 
 一方、少年院に収容されている少年少女に占める中卒比率は36%、高校中退比率は33.7%と、実に全体の7割を占めます。
 僅か5%の少数派の中から、非行の70%が誕生するとなると、尋常ではありません。
 先述の暴言も、確率論としては一理あります。

 では、貴方がタクシーに乗るとして、免許を持った中卒ドライバーと、大学院卒の無免許ドライバーと、どちらを選ぶでしょうか?
 答えは、明らかです。
 
 やるべきことと、やりたいこととのギャップに悩み、葛藤するのが人生と言えるでしょう。
 易きに流される人間の甘さに喝を入れるべく、心を鬼にして模試に踏み切りました。
 第一回宅建模試の合格ラインは35点、受験生の皆様の健闘を祈ります。 

あきらめない夢

 大洲喜多法人会の総会に参加しました。
 かつてマイホームを購入頂いたお客様や、お世話に成っているオーナー様も散見されます。
 総会終了後は、恒例のトーク&コンサート。
 今回招かれたのは、ソプラノ歌手の村上彩子さんでした。

 村上さんは、広島県福山市の北にある神辺町(前職で分譲マンションを供給しました)のご出身です。
 厳格な家庭に育ち、大阪音大を卒業後、中学校教師を望む両親の期待を裏切る形で営業マンとして就職しました。
 漫然とした日々を過ごしている時、地下鉄サリン事件に遭遇。
 「あと少し早ければ自分も巻き添えになっていた・・」
 これを機に、やり残した使命に気付き、再び音楽の道を志します。
 目指したのは、最難関の東京芸大。
 志願者200名が一次試験で100名、二次試験で50名に絞り込まれ、三次試験を突破できるのは20名に過ぎません。
 昼も夜もアルバイトで生計を立てながら6度もの失敗を繰り返す内、うつ病が進行し、自暴自棄に陥ります。
 自らの存在価値に疑問を感じた村上さんは、遂に自ら命を絶つことを決意。
 その時、運命的に、長野県の美術館「無言館」と出会うのです。

 「無言館」には、第二次大戦中、学徒動員によって戦地に駆り出され、若い命と未開の才能を散らした若者達の、生の息吹の感じられる遺作が、数多く納められています。
 「必ず生きて帰って、この続きを描く・・・」
 未完の作品に込められた、叶わぬ願いの無念さも、無言のメッセージとして見る者の心を打ちます。
 この壮絶な魂に触れた村上さんは、自らの甘さに気付き、一念発起して7回目の受験に挑戦、見事合格を果たしたのです。
 
 「暗いと不平を言うよりも、自ら進んで灯りをつけなさい」    マザー・テレサ

 歴史的な視点で振り返れば、現世は余りにも安全で、豊かで、恵まれ過ぎていると言えるでしょう。
 しかも現代人は、それを当たり前として、感謝を忘れています。
 「夢をあきらめない」「命の尊厳」重厚なテーマながら、村上さんの飾り気の無いナチュラルなトークと、空に突き抜ける様な透明感溢れる歌声によって、会場中が温かい気持ちに包まれ、明日を生きる勇気を貰いました。
 本当にありがとうございます。




 

現在進行形の感謝の意

 久々の全休を頂き、しっかり充電しました。
 休日前夜から今朝に至るまで、二日間で20時間以上の睡眠です。
 体調が万全でなければ、クリエイティブな発想も生まれませんし、何よりお客様応対にも影響が出てしまいます。
 
 NYホームを創業した際、大洲のスタッフでは暗黙の申し合わせがありました。
 「お客様がお帰りの際は、表に出て車を誘導し、見えなくなるまでお見送りする」

 我々の給料は、社長から貰うのでも、資本家から貰うのでもありません。
 お客様に来店頂き、成約頂いた際の仲介手数料や、入居頂くことで発生する管理料から配分を受けます。
 つまり、当然に給料はお客様から頂く訳です。
 昨今、その原理原則の精神が薄まっているのではないかと危惧します。

 前職時代、「お客様の顔が銭に見える」という営業マンがいました。
 コミッション(歩合)営業を続けていると、お客様をお客様とも思えない感覚が蔓延ってしまうものです。
 しかし、我々も大なり小なり、そうした邪(よこしま)な考えが頭を過ります。
 多額の仲介手数料が見込めそうなお客様には懇切丁寧に接し、そうでない場合には淡泊に接する。
 良く言えばメリハリですが、こうした営業姿勢が文化や風土になりますと問題です。

① 駐車場に入ってきたお客様に気付いたスタッフが、「お客様です」と声掛けする
② その声を受け全員が起立して、「いらっしゃいませ」と大きな声でお迎えする
③ フロント営業が、「こちらへどうぞ」と笑顔で誘導する
④ タイミング良く、コーヒーをお持ちする
⑤ 物件探索や業者連絡で、お客様が手持無沙汰な際は、他のスタッフが声掛けする
⑥ ご案内の際は担当が、「お客様ご案内です」と声掛けする
⑦ その声を受け全員が起立して、「行ってらっしゃいませ」とお見送りする
⑧ お客様が帰られたら全員が起立して、「お帰りなさいませ」とお迎えする
⑨ 次はお茶をお出しする
⑩ お客様がお帰りの際は担当が、「お客様お帰りです」と声掛けする
⑪ その声を受け全員が起立して、「ありがとうございます」と大きな声でお送りする
⑫ 担当者は表まで出て車を誘導し、車が見えなくなるまでお見送りする

 正直、自分も徹底できていませんが、こうした基本を守れずして、お客様満足はあり得ません。
 ちなみに、過去形の感謝は間違いです。
 「ありがとうございました」では、次が無いとも受け止められます。
 現在進行形の「ありがとうございます」で、感謝の意を伝えるのが正解でしょう。

バリューアップとプライスダウン

 北店で管理受託予定のオーナー様を、石川店長同行で訪問しました。
 物件は、典型的な学生マンションです。

1.築26年
2.和室6帖
3.バス・トイレ・洗面の三点セット
4.東ベランダ
5.駐車場無し 
6.室外洗濯機置き場

 今のニーズからすると、「こうすれば入居者に嫌われる」という位に、難しい要素を満載しています。
 愛大の寮500戸もこの春完成し、民間賃貸からの流失は更に拡がるでしょう。
 それでもオーナー様は、入居率アップのために弊社にお任せ頂く訳です。
 プロとして、お役立ちしない訳にはいきません。
 お客様に選んで頂くための方法は、大きく分けて三つあります。

① 価値を上げる(和室→洋室、エアコン付帯、トイレ分離等)
② 条件を下げる(家賃・敷金・礼金等)
③ 斡旋強化(他の物件よりも優先して紹介) 

 価値を上げれば多額の費用がかかるため、入居が決まったとしても、なかなか回収できません。
 例えば、トイレを分離するだけで、回収までに3年はかかります。
 
 言うまでもなく、空室対策の特効薬は家賃値下げです。
 但し、家賃を下げて入居率を維持する方向に傾注していくと、時間の経過と共に建物価値が劣化して、やがて幾等家賃を下げても埋められなくなってしまいます。

 入居率、ローンの残債、キャッシュフロー、競合状況等々によっても、提案は変わるものです。
 バリューアップとプライスダウンのバランスは、長期と短期の戦略性が不可欠でしょう。
 管理会社の社員である以上、知識を高め、提案力を磨き、賃貸マンション経営のコンサルタントとなるべきなのです。
 
    
 

努力と責任と報われの比例

 大洲駅前店:山本さんの同行営業で、八幡浜市保内に行ってきました。
 看板を見て問い合わせがあった土地の役所調査と、売主の方との商談です。
 やはり真実は、現地・現場にしかありません。
 新たな発見や、気付きもあって、学びと収穫の多い一日でした。

 物件は、三角地・進入道路が狭い・人気の無いエリアと三重苦を背負っていますが、一方で購入者にはメリットもあります。

1.周辺相場と比較して、価格が割安に成る
2.来年度には下水道整備が予定されており、浄化槽設備の費用がかからない
3.南が河川と道路に面しているため、良好な日照が、確実に確保される

 物件を見る際に、メリットとデメリットを列挙し、客観的な市場価値を見極めるのが業者のスタンスです。
 現地調査・役所調査後、売主の勤務する会社へ向かいます。

 「我々は業者ですから、成約金額に応じた報酬を頂きます。
  金額が高ければ高いほど、報酬も高くなる訳ですから、ある意味売主の方と利害は合致しています。
  但し、我々の本分は、売り買いの双方の間に立って、話をまとめることです。
  従って、相場を弁えた中立公正な価格を提示するのが務めだと認識しています。」

 業者としてのスタンスをご理解頂き、前向きに話は進められそうです。
 ともすれば、中間搾取のそしりを受ける不動産業ですが、売りたい人と買いたい人との契約を成就させるには、情報発信や調査や根回しに多大な時間を要します。
 加えて、双方のお客様に対する重大な責任を負うことになるのです。
 
 報酬だけは目一杯貰いたいが、努力も責任も背負い込みたくない、というのが人間の本音でしょう。
 しかし、不動産業に限らず、努力と責任の無いところには、報酬も仕事もありません。
 裏を返せば、苦労を厭(いと)わず、責任感を持って努力する人は、社会(会社)から必要とされ、やがて報われも比例する筈です。
  

 

結果が全てのプロ選手

 不振の続いていた楽天イーグルスの岩村明憲選手が、ついに二軍降格に成りました。

 地元宇和島の名門、宇和島東高校時代から名を馳せ、かつては全日本高校選抜の4番も務めたスラッガーです。
 その後、ヤクルトからドラフト2位指名を受け、プロ入り後も早々に頭角を現しました。
 特に’04年’05年は、一流バッターの証明とも言える、3割+30本塁打+100打点を二年連続で達成します。
 日本球界在籍9年で、ベストナイン2回、ゴールデングラブ賞6回、通算打率3割、188本塁打という、華々しい実績を引っ提げ、海を渡ったのは今から5年前のことです。

 レイズでは、トップバッターとして牽引役を果たすと共に、守備でも開幕から72試合連続無失策と活躍し、チームのワールドシリーズ進出に貢献しています。
 WBCでもイチローらと共にレギュラー出場し、見事世界一に輝きました。

 ところが、好事魔多しの諺(ことわざ)通り、’09年5月24日のマーリンズ戦で走者の激しいスライディングを受け、左膝前十字靱帯断裂で戦線離脱を余儀なくされます。
 手術後は苦難の連続です。
 シーズンオフにレイズは、岩村をパイレーツへ放出。
 ’10年も不振から抜け出せず、9月6日に解雇され、屈辱のマイナー落ちを経験します。
 シーズン終了直前の9月13日、アスレチックスが獲得を表明し、再びメジャーに返り咲くも、一か月足らずの在籍でまたもや解雇。

 今季、5年振りに日本球界に復帰した岩村と松井の元大リーガーコンビには、ファンも大きな期待を寄せていました。
 不振の原因について、太り過ぎで身体の切れが悪いという説もあります。

 ヤクルト時代の年棒は2億円を超えていました。
 大リーガー時代は4億円超、楽天でも3年間10億円という高待遇で迎え入れられています。
 高給の見返りとして、それなりの結果が求められるのがプロですし、結果が出せなければ批判も降格も解雇も、甘んじて受け入れざるを得ません。
 過去がどうであろうと、幾等努力をしていようと、役に立たなければ即解雇・・・それがプロの厳しさです。

 我々とは、貰う年棒も注目のされ方も、まったく次元が違います。
 しかし、不動産を生業(なりわい)として給料を貰う以上、プロには違いありません。
 こうしたシビアなニュースを見聞きする中で、他人事と思わず、我が身に振り替えて考えてみて下さい。

 岩村選手もまだ32歳、本来なら野球選手として最も脂の乗った年齢です。
 彼の信条である、何苦楚魂での復活を期待しています。

 
 

繁盛店づくりの12カ条:後篇

7.盛付
 弁当をより良く見せる上で、盛付は大事な要素です。
 配置や彩りを考えながらセンス良く盛りつければ、同じ食材でも美味しく感じます。
 物件写真も、曇天か青空か、ピンボケか鮮明か、逆光か否か、アングル、トリミング・・・写真のクオリティによって、全く違った印象に成る筈です。
 また写真の数が1~2枚では、その物件の魅力は上手く伝わりません。 

8.前出し
 売れる程に空いてくる棚に、売れる商品(売りたい商品)を前面に出す作業を前出しと言います。
 しかし、幾等売りたいと思っても、魅力的で無い弁当が前面に並ぶと売れません。
 従って、売れる弁当の仕入れを強化する必要があります。
 物件調達の重要性も同じです。
 セブンイレブンでは、天気予報を常に留意し、気温が上がれば冷麺や蕎麦のフェイスを増やします。
 大学近隣店舗なら、受験の時期には学生向け中心、シーズンが終わればファミリーや社会人向けへと、フレキシブルにネット配信や店頭掲示をシフトするのも当然でしょう。

9・POP
 「愛媛が誇る、甘とろ豚の生姜焼き弁当! 純白の脂身が美味しい! 36℃の口どけをご賞味下さい!」
 売りたい商品のアピールポイントを宣伝するカードやポスターをPOPと言います。
 ネット配信やカード化の際に、「コンビニまで徒歩1分!」「リバーサイドで眺望良好!」「広々2帖のウォークインクローゼット!」とコメントする理由もここにあります。
 当然に、しっかりと物確していなければアピールすることもできません。

10.商品開発
 我々の扱う商品には、コンビニ弁当と若干違う概念があります。 
 それは管理物件の存在です。
 管理物件だけは、例え魅力的で無い、売れない商品であっても、バックに下げる訳にはいかないでしょう。
 「ペット可に変更する」「三点ユニットのトイレを分離する」「クロスをオーダー対応する」「設備を付帯する」・・・等々の改善提案をオーナーに行い、売れる商品に変えていかなければなりません。

11.販促
 弁当が売れ残りそうになれば、近隣の法人を訪問してでも売ってくる商魂が必要です。
 また、ポスティング等の攻めの営業は、商品を周知させるためだけでなく、営業マンの意識改革にも有効でしょう。

12.差別化
 他店にあるものと同じ弁当だけでは、お客様に来店頂く動機付けが不充分です。
 「そこにしかない」という差別化された弁当があれば、少し遠くても、他店を通り越してでも足を運んで下さるでしょう。
 我々も、他社管理の客付けや、メーカー物件だけに頼っていたのでは、限界があります。

 ともすれば、「賃貸仲介は特別な仕事」として、コンビニや外食産業とは一線を画し、できないことの言い訳が口をついてしまいがちです。
 しかし、こうして対比すれば、商売の原理原則に違いはありません。
 一足飛びとはいかなくても、目の前の今できることから、一つずつこなしていき、繁盛店を目指しましょう。
 

繁盛店づくりの12カ条:前篇

 繁盛店づくりの基本は、異業種に学べば明白です。
 ここでは、コンビニ弁当を例にとって対比してみましょう。

1.出店立地
 人通りの多い場所、もしくは車通りの多いところへの出店は必須条件と言えます。
 リアル店舗だけでなく、今やインターネットも無視できません。
 エイブルネットやCHINTAIへの発信は、言わば駅前や商店街に出店している感覚でしょう。

2.看板
 地元の商店よりも、セブンイレブンやローソンは、安心感・信頼感・期待感に勝ります。
 我々が、日本のTOPブランドであるエイブルに加盟している理由もここにあるのです。

3.豊富感
 弁当の棚を見ると商品がガラガラで、おにぎりが2~3個だけという状態では買う気もしません。
 山の様に弁当が積まれていれば、お客様は購買意欲が湧くものです。
 賃貸仲介においても、まずは扱う物件量を豊富に確保する必要があります。

4.バリエーション
 どれだけ沢山の弁当が並んでいても、幕の内弁当一種類だけでは飽きます。
 お客様は、冷麺やカレーや焼肉弁当といったバリエーション、ミニ・レギュラー・大盛りといったボリュームを、その時々の気分で選択できることに喜びを感じるのです。
 3DKだけの品揃えでは、勝負できません。

5.鮮度
 当然のことながら、賞味期限の切れた弁当が棚に並んでいたのでは信用を損ないます。
 更に、食中毒でも起こそうものなら、営業停止も免れません。
 我々も、埋まってしまった部屋をそのまま広告していると、それはおとり広告です。
 目に余れば、営業停止や免許廃止といった、最悪の事態も有り得ます。
 そうなれば、今まで積み上げてきた努力は全て水泡と化し、会社も雇用もなくなってしまうことを胸に刻みましょう。

6.陳列
 ざるそばとカレーを隣り合わせに並べることは無い筈です。
 冷麺やそうめんといった、冷たい弁当を集中陳列してこそ、季節感も演出されて食をそそります。
 ファミリー、新婚さん、単身といった間取り毎、或いはペット可、ガレージ付きといったカテゴリー別に、判り易く仕分けされることは当然です。                               つづく
 
 
  

be able to ~することができる~

 昨日は、第二回目のエイブルネットワーク四国地区経営者交流会。
 地元開催ということで、ホスト役を務めさせて頂きました。
 
10:00 エイブル本部の役員&SVと打ち合わせ
11:00 エイブルNW宇和島 平野店長合流
12:00 「いってつ庵」にてカレーうどんの昼食(皆、大絶賛です♪)
13:00 テクノプラザえひめの会議室で交流会
17:00 閉会
17:30 ホテルにチェックイン
18:00 「宇和島場所」(お客様のお店)で一次会
20:45 「花れん」(系列のお店)で二次会
22:25 某店(名前も覚えていませんが)にて三次会
24:00 おひらき

 前回開催の高知では、5次会まであったと言いますが、松山の夜はここまで。
 朝型人間の私も、久々の日付変更線越えです。
 高知の武樋社長と、新居浜の佐伯社長と、エイブルの三名は、最後までお付き合い頂きました。

 同じ看板を掲げながらも、エリアもキャリアも組織も違うネットワーク店だからこそ、本音で話し合い、新たな未来を切り拓くことができます。
 詳しくは、店舗巡回の際にフィードバックしていくつもりですが、とても濃密な一日でした。
 
 繁忙期を終え、バーンアウト(燃え尽き症候群)に陥る時期でもあります。
 我々経営層だけでなく、店長や社員の方々も、交流の機会が持てれば良いという意見も出ました。
 各加盟店が、切磋琢磨できることは、ネットワークのメリットでもあります。
 こうして四国だけにとどまらず、日本中いや世界に散らばる同志が、日々尽力しながらブランドを守っているのです。

 今は、決して楽観的な状況ではありませんが、「be able to ~(~することが出来る)」エイブルの社名に連動する我が社の方針に倣い、できない理由を排除し、どうすればできるかの可能性を追求していきましょう。

独占は経営を腐らせる

 通勤途中のラジオ番組で、詩人のアーサー・ビナード氏が熱く語っていました。
 「日本の電力会社は、民間企業の仮面を被った専売公社だ!」
 専売公社と言っても、若い社員の方にはピンと来ないかもしれません。
 「JT」に引き継がれている煙草や塩の販売権は、かつて国営の専売公社に委ねられていました。

 専売権を有するということは、民間の参入が許されない、市場の独占が容認されていた訳です。
 独占は、経営を腐らせます。

 今の電力市場は事実上の独占であり、「原子力発電は危険だ!」と批判する人にも、「私は火力発電を買う」「いや水力発電が良い」と選択する権利は有りません。
 一般的には、将来へ向けてのリスクやコストや担当者の対応といった企業の姿勢を、消費者が見極めます。
 そこで選ばれた企業が生き残り、選ばれなかった企業が衰退するのが市場の原理です。
 生き残りを賭け、企業側も躍起になって努力します。

 独占であれば、お客様をお客様とも見なさなくなり、奢(おご)りが助長されるのも道理です。
 市役所等の職員のサービスが悪い、と揶揄(やゆ)される原因もここにあります。
 クレームを放置しようと、営業成績を上げまいと、首になることはありません。
 本来公僕であるべきですが、「倒産することは無いし、待遇は安定しているし、楽だから」という理由を持って、公務員志望の若者が増えている現状も嘆かわしい限りです。
 
 かつて、京セラ創業者の稲盛和夫氏は、NTTの独占によって高い通信料を強いられている日本の現状を憂い、第二電電(現:KDDI)を立ち上げました。
 巨大な風車に立ち向かうドン・キホーテの如く、NTTとの真っ向勝負に挑んだのです。
 その勇気が、NTTの独占を打ち崩し、今日の安い通信料を実現しています。

 松山の賃貸仲介・管理は、大手数社による占有の際立つ市場です。
 大手であっても、或いは大手だからこそ、入居者様やオーナー様の不満も少なくないでしょう。
 中小であっても、或いは中小だからこそ、入居者様やオーナー様の期待に応えられることもあります。
 世の中に役に立ち、世の中から必要とされる企業(人材)が生き残ることだけは、絶対に忘れてはなりません。
  
  

20年後の不動産業界

 近隣同業他社の社長と会食しました。
 この方は20代で起業され、若干32歳ながら、強豪ひしめく業界の中にあって、確固たる地盤を築かれています。
 某ネットワーク界の重鎮をして、「この若者を加盟させなければ、このネットワークの未来は無い」とまで言わしめた人物です。
 勉強熱心で、向上心に満ち、素直で謙虚で、年上の私から見ても、学ぶべき点が多々あります。

 会食時の話題も、決して浮ついてはいません。
 投げかけられたテーマは、「20年後の不動産業界」でした。
 一般的には、今日のメシを食うことに精一杯で、長期的な戦略を描くことは難しいものですが、流石にこの社長は、地に足をつけた上で、しっかりと未来を見据えています。
 社長の予測は、要約すれば以下の通りです。
 
① 情報の流通が、現在よりも飛躍的に向上する
② それにより、情報自体の価値が薄まる
③ 結果、仲介会社の存在意義が無く成る

 今から十数年前、自分が賃貸仲介業を始めた当時は、パソコンもまだまだ普及していません。
 不動産業者は基本的に、電話とファックスで情報のやりとりをしていました。
 お客様は、有料の情報誌・新聞広告・折込チラシといった紙媒体によって、鮮度の低い情報を手に入れるのがやっとです。 

 不動産や空室の情報を知る手立ては殆ど無く、敷居の高い不動産屋の暖簾(有るか否かはともかく)をくぐり、見るからに胡散臭い白髪混じりの親父の半分ずれたメガネの奥からギロリと睨まれ、「いらっしゃいませ」もろくろく言われないままに物件を紹介され、気に入るか気に入らないかは全く関係なく、「これにしときなさい」と押し売りの様に進められる・・・それが'90年代前半の光景でした。
 
 それが今や、情報誌は無料が当たり前。
 インターネット・モバイル等で、キーを叩けば鮮度の高い情報が幾等でも手に入るのです。
 我々業者サイドも、お客様に見て頂くために、自社サイトやポータルサイトに向けて、大量に情報を発信しています。 
 不動産会社だけでなく、オーナー様が独自で情報を公開するケースも増えてきました。 
 
 売りたい人や買いたい人、貸したい人や借りたい人に、物件情報を提供することで手数料を得る我々のビジネスモデルにとって、行き過ぎた情報氾濫は、自身の存在価値を薄めていると言えなくもありません。
 それでも、鮮度が高くて、価値ある情報を心掛ければ、必要とされ続けるでしょう。
 それがプロの仕事です。
 
 刺激的なテーマに感化されました。
 また、機会あればご一緒させて下さい。
 ありがとうございます。

どう言ったかorどう伝わったか

 火災保険会社から、弊社で斡旋した入居者様の解約の報告がありました。
 事前にリピート来店頂き、物件案内もさせて頂いていましたが、他決してしまったようです。
 その際、入居者(学生)のお母様が御立腹だったという情報を受け、担当者から連絡したものの、立て板に水でまくしたてられ、取りつく島もありません。
 流れを要約すると以下の通りです。

① 入居頂いた物件は他社管理だが、火災保険だけは弊社の契約であった
② 契約の際、当時の担当者から「解約の際には弊社にご連絡下さい」と告げていた
③ 指示された通りに解約を告げたにも関わらず、「解約は管理会社に」と言われた

 今回のケースでは、当初契約の担当者と、解約を受けた担当者と、転居先を案内した担当者はそれぞれ違います。

 当初契約時の担当者の答弁は、「火災保険は弊社の契約なので、解約時には連絡下さい」という意味でも、「転居される時にも是非当店で」という営業トークであっても、正しい応対です。
 指示された通りに、「解約したいのですが」と申し出た入居者様も当然に間違っていません。
 その言葉を受けて、「解約は管理会社に言って下さいね」と言った担当者も正しい。
 では、何故イエローカードなのでしょうか? 
 
 個々人は悪く無かったとしても、お客様が不快な想いをされたことは紛れもない事実です。
 ここで放置してしまいますと、ネットワーク店も直営店もひと括りにして「エイブルは駄目」と烙印を押されてしまいます。
 非を認めるべきところは認めた上で、真摯にお詫びしなければなりません。
 コミュニケーションの原則は、「どう言ったか」ではなく「どう伝わったか」がすべてなのですから。

 我々は、「エイブル」という日本一のブランドを掲げて商売をしています。
 そのブランドは、先人や他店の歴史によって培われてきた努力の結晶です。
 そしてまた我々も、目の前のお客様との信頼構築によって、ブランドを守っていく義務があります。
 今回の一件をそれぞれが戒め、将来へ向け、「流石はエイブル」と認めて頂けるファンを増やしていきましょう。

戦時下の戒厳令宣言

 不動産業界の免許証は、言わずと知れた宅地建物取引主任者証です。
 タクシーの運転手は二種免許が、医者は医師免許が無ければ勤まらない様に、本来は免許が無ければその業に携わることはできません。
 しかし、この業界では、恒常的に無免許運転が横行しています。

 我が社は、賃貸仲介会社としては、比較的主任者比率の高い会社です。
 それでも、今年の試験に臨む無免許の方もいらっしゃいます。
 「宅建どうですか?」と質問すると、決まって「頑張ってます!」「努力します!」と回答が返ってきますが、全く頑張らなくても努力しなくても結構なので、必ず合格して下さい。

 不動産契約の原則として、重要事項説明だけは、宅建主任者の手に委ねられます。
 従って資格を持たない方は、幾ら契約を上げたとしても、自己完結することができません。
 今でも、重要事項説明のプロセスだけは、上司や同僚にお願いしてやって貰っている筈です。
 仮にもお願いしている訳ですから、他人事の様なスタンスでは困ります。
 例え居心地が悪かったとしても、本来自分がやるべき仕事なのですから、主任者の横で鎮座して下さい。
 契約毎に、悔しさを噛み締めながら、今年の合格を心に誓う、いわば禊(みそ)ぎの場です。

 宅建試験のための勉強は、優先順位を最上位にする必要があります。
 「仕事が忙しくて」「勉強していると眠気が襲ってきて」「ビールを飲んだら頭に入らなくて」
 そんな戯言(ざれごと)をほざいている方にはハッキリ言います。
 甘えるな!

 今から10月16日までの5ヶ月間は、戦時下の戒厳令です。
 一日4時間と決めたならば、自分との約束は何が何でも貫徹します。
 睡眠時間を充分に取って、風呂に入って、飯を食って、晩酌して、友達と電話で談笑して、空いた時間があれば、徐(おもむろ)にコーヒーを入れて勉強する・・・こんな調子なら十年経っても合格できません。
 宅建の勉強を最優先順位でこなした後、時間が余れば飯を食い、風呂に入り、眠るのが王道です。
 
 仮に今年、合格できなければ、どういう未来が待っているか。
① 来年も自己完結できず、他人の手を借りなければなりません
② 来年もまた、嫌味を言われながら勉強しなければなりません
③ 来年もまた、自腹で受験料を払わなければなりません
④ 来年もまた、重要事項説明が屈辱の時間となります

 それならば、あと五ヶ月だけ我慢して、一念発起で頑張って、合格した方が得策でしょう。
 私も皆さんの合格のため、あと五ヶ月だけ心を鬼にして、嫌味を言い続けたいと思います。
   
 

スペシャリストとの再会

 かつての同僚と、久々に再会しました。
 三年振りか、いや、もっと経っているかもしれません。
 
 彼は前職における、平成13年入社のキャリア社員ですが、事実上のプロパーでした。
 キャリア社員は、気持ちを切り替えて転職したつもりでも、どこかしら前職での色が残ってしまうものです。
 その色が抜け切らず、馴染めずに、短期間で会社を去る人が居るのも、ある意味仕方無いことでしょう。
 一方、新卒社員は、真っ白な乾いたスポンジと例えられます。
 上司の姿勢や環境によって、何色にでも染めることが可能です。

 当時入社される社員は全員、自分がインストラクターを務める成功哲学プログラムの洗礼を受けます。
 人生観や仕事観をテーマにしたセミナーであるが故、斜に構えた受講者も多い中、純粋に真正面から受け止めて頂いた、希少な一人です。
 それは、彼自身の持つ素直さと、高い自己イメージと、その高みに至ろうとする向上心が、三位一体で備わっているからに他成りません。
 
 彼は、分譲マンションブランド「サントノーレ」シリーズのヴァージョンアップに多大な貢献を果たした、設備のスペシャリストです。
 向学心も強く、マニアと揶揄されるほど沢山の資格を有しています。

 かつて、他社設計の公共工事を主体としていた時代、設備担当は不在でしたが、「建築総合メーカー」を志した時から、大きく潮目が変わります。
 設計事務所経由の仕事は、基本的に一つひとつの建物がオーダーメイド。
 メーカーは「商品」を有し、少品種大量生産が前提です。

 自動車メーカーは欠陥発覚の際、莫大な費用と手間をかけてリコールしますが、そう成らないための対策を、設計段階で折り込む必要があります。
 入居者の生活の安定のために見えないところで布石を打つ・・・それが設備担当者の、大きな責任と役割です。

 民事再生申請以降、メーカー思想からの後退を余儀なくされた会社では、設備の存在意義が薄れてしまい、数名居た担当者も今は一人も残っていません。
 彼は一足先に、自らの人生設計に基づき、新たなるステージを目指して東京の一部上場企業の門を叩きました。
 しかし、そこで初めて、世間の一般的な会社の実態を知ることになります。

 確固としたポリシーに裏打ちされた、歯に衣着せぬ話振りは以前のままですが、転職によって視野が拡がり、私生活でも結婚し、子供が生まれ、人として一回り大きくなったようです。
 花の都大東京で目の当たりにした現実と、グローバルスタンダードを追求した前職へのリスペクトを、それぞれ糧として彼は今、高松の地で新たなる道を拓こうとしています。

一瞬で打ち砕かれる夢

 TVをつければ、「焼肉酒家えびす」の生肉食中毒事件が連日報道されています。

 事件発生直後は、興奮状態で記者会見に臨んだ社長も、その後冷静さを取り戻しました。
 カメラの前で土下座をし、真摯に償いの姿勢を示しています。
 それでも「安さの追求が故に安全管理を怠った」という、マスコミの論調が支配的です。

 その報道を見ながら、「あの社長、逆ギレして」とか「手抜きするから、こんなことになるんだ」といった、評論家目線で居る限り、ビジネスマンとしては失格でしょう。
 
 ネット上でも盛り上がっている様にこのお店は、「安くて、美味しくて、サービスが良い」という三拍子揃った人気店として、島田紳助の「深イイ話」で紹介され、当日の出演者全員一致で「深イイ」と支持されています。
 そのオンエアの三日後に事件は起きているのですから、タイミングとしても穏やかではありません。
 
 問題のユッケは一人前280円、主要人気メニューは100円で提供するコストパフォーマンス。
 激安店とは思えない、黒を基調にした高級感溢れる内装。
 リッツカールトンホテルに倣い作られた、お客様満足追求のための行動規範。
 御子様がいらっしゃれば、すかさずスプーンとフォークと紙エプロンと絵本が届けられ、
 テーブル毎の専任担当者が、言われる前に網の取り換えを行う・・・。
 こうした気付きのレベルの高い従業員教育も含め、新進気鋭の42歳の社長の戦略性は卓越していました。

 起業前の二年半、派遣社員として一心不乱に働き続け、「使わなければお金は貯まる」という持論を実践し、1000万円もの開業資金を作ったと言います。
 10年で20店舗を展開し、ゆくゆくは上場、そして「日本一のレストランチェーン」と、夢を膨らませていた訳です。
 従業員も、マスコミに取り上げられるこの店で働くことに、喜びや生き甲斐を感じていたことでしょう。
 そうした経営者のサクセスストーリーも、夢も、従業員の誇りも、職も収入も、この事件によって一瞬で打ち砕かれ、水泡と化すのです。
 
 もう一度、我が身に振りかえて、事件を見つめ直して下さい。 
 「何故、こうなってしまったのだろう?」と真因を見つめ、
 「我々の職場でも同様のことは起こり得ないか?」と未然防止につなげる、
 いつも申し上げている様に、「対岸の火事」ではなく、「他山の石」として頂きたいものです。
 あなたの店のコンプライアンスは万全と、胸を張れますか?
 

二人三脚の第二幕

 昨日は、婚礼に出席するために、松山梅津寺の「ベイサイド迎賓館」へ。
 抜けるような空、青い海、素晴らしいロケーションの元、祝福の拍手が鳴り響きました。
 緊張してとばしてしまった部分も含め、来賓祝辞の原稿内容を、そのまま掲載します。

☆新婦の元上司、そして所属する劇団の初代代表として一言ご挨拶申し上げます。
 彼女との最初の出会いは、前職時代、平成11年の採用面接でした。
 不動産業者の娘さんであり、尚且つ宅建資格合格済みというサラブレットです。
 また、演劇を趣味としている自分にとって、市民ミュージカルの舞台経験者であることは、大きなポイントでもありました。

 彼女の舞台に懸ける思いは半端ではありません。
 名作「ウィンズオブゴッド」松山公演を、劇団仲間と観劇し、主演の今井雅之さん始めスタッフの方々と打ち上げした際、感動の余りしたたかに酩酊してしまい、閉店後もトイレに篭城し、迎えに来られたお母様から差し伸べられた手を振り払い、「触らないで!私は女優よ!」と、名台詞を吐き捨てた夜のことが、昨日のことの様に思い返されます。

 分譲マンション営業として配属後の彼女は、突き抜けた感受性と明るさと優しさと一所懸命さで、お客様に対して徹底的に尽くします。
 あるプロジェクトリーダーから、「販促のために駅でティッシュ配りをしたけれど、全然貰ってくれない」という相談があり、「それなら彼女を連れていったら」とアドバイスしました。
 持ち前の愛くるしい笑顔と、人懐っこいアプローチで、彼女だけは百発百中で受け取ってくれたそうです。

 分譲マンション管理会社に異動となった後、彼女は更に存在感を発揮してくれました。
 生活に直結するだけに、大変クレームの多い仕事です。
 しかし、頑ななお客様も、素直に非を認め、傾聴に徹して、真摯に対峙する姿勢に心ほだされ、いつの間にか怒りが静まり、次々と彼女のファンになっていきました。

 そんな彼女ですが、唯一の欠点があります。
 先ほど新郎が、マイペースだと評しておりましたが、その通り、実にマイペースで時間にルーズです。
 彼女が入社する二年前、一年間で6回も遅刻する大型新人が存在しました。
 よもやこれ以上は無いだろうと思っていたところ、何と年7回で、彼女があっさりと抜き去ったのです。

 度重なる遅刻に対して、警告を発し続けておりましたが、その7回目については、流石に温厚な私も、三つの袋の内の一つの堪忍袋の緒が切れました。
 オフィス内の、窓一つ無い説教部屋に呼びつけ、それはそれは情け容赦無く、烈火の如く叱責したのです。

 すると彼女は、肩を震わせ、嗚咽を漏らしながら、号泣しました。
 「おお、流石に反省しておるな」「少し薬が効き過ぎたかな」と、仏心が首をもたげた瞬間、彼女が口を開きます。
 「・・・部長、わたし会社を辞めても、劇団だけは続けて良いですか?」
 まさに、親の心子知らずであります。

 その劇団活動において、彼女は豊かな感性と表現力で、多彩な役をこなしてきました。
 ・ヤクザな男に想いを寄せる、純粋無垢な少女「小雪」
 ・催眠商法に、スッカリはまってしまう老人
 ・長台詞の一人芝居が圧巻であった、宇宙少女「プリティプリン」
 そして、オーガンスの一員として内子座で踏んだ初舞台の役は、ホームレスの父親を探し歩く花嫁「みのり」でした。
 エンディングで彼女は、ウェディングドレスを身にまとい、念願であった父親との再会を果たします。
 その公演から10年の歳月を経て、彼女は本日、ご両親を前に、人生最高の舞台で本番に臨んでいる訳です。
 
 今までのどんな役よりも、今日の貴女は輝いています。
 貴女ほどピュアな女性を、私は知りません。
 甲斐田搾搾の脚本も演出もありませんが、これからはご主人と二人三脚で、舞台の第二幕を演出していって下さい。
 意は尽くせませんが、お喜びの言葉と致します。
 ご両家の皆様、本日は本当におめでとうございます。☆

こだまでしょうか

 東日本大震災の後、大量に投下されたACのCMによって、一躍メジャーになった詩があります。

 金子みすゞ 「こだまでしょうか」

 「遊ぼう」っていうと「遊ぼう」っていう
 「馬鹿」っていうと「馬鹿」っていう
 「もう遊ばない」っていうと「遊ばない」っていう
 そうして、あとでさみしくなって
 「ごめんね」っていうと「ごめんね」っていう
 こだまでしょうか、いいえ、誰でも

 秀逸です。
 朝、掃除をする際、道行く人に「おはようございます」と声をかけると、かなりの確率で「おはよう」が返ってきます。
 
 ちょっとした諍(いさか)いから感情的になると、売り言葉に買い言葉で、関係は更に悪化してしまうものです。
 
 100%非を認めた訳ではなくても、怒りが充分に静まってなかったとしても、どちらか一方が勇気を出して、「ごめんなさい」を言えば、「いえいえ私こそごめんなさい」と返ってきます。

 最初の言葉を発する勇気と、素直に呼応する謙虚さを持ち合わせたいものです。
 こだまでしょうか、いいえ誰でも。

地獄とは何か、極楽とは何か

 ダニエル・ゴールマンの名著「EQ」で紹介されている、日本の逸話です。

 血気にはやるサムライが禅僧に問う。
 「地獄とは何か、極楽とは何か」

 しかし、禅僧はサムライの問いを一笑に付す。
 「この無骨者が。お前なんぞに関わる暇は持たぬ。」

 体面を傷つけられたサムライは激怒し、刀を抜いて大声をあげた。
 「無礼な! 切り捨ててくれる!」
 
 「それを地獄と申す」
 禅僧は静かに答えた。
 
 怒り狂った自分の心をズバリ突かれて我に返ったサムライは、刀を鞘(さや)に納め、禅僧に向かって一礼。
 
 禅僧は、再び口を開いた。
 「それを極楽と申す」 

 感情に任せて怒りのエネルギーを爆発させる様(さま)が地獄。
 冷静に成って自らの非を認め、礼を尽くそうとする姿勢が極楽。
 
 地獄か極楽かは、状況・事象ではなく、心が決めます。
 特にビジネスにおいて、心穏(おだ)やかであることは必須の要素でしょう。
 


 
 

夢幻の如くなり

 自分の周囲には、自営業者の同級生が沢山居ます。
 観光ぶどう園、自動車修理工場、スポーツ店、雑貨店、飲食店、家電ショップ・・・。

 今から20年前、「若手経営者の会」なるものを立ち上げ、月に一回集まってこれからの経営を議論していました。
 座学だけに留まらず、実際に空き地を借り上げて、広告を打ち、物販イベントを開催したこともあります。
 当時はまだ、皆二十代のひよっこです。
 今にして思えば、経営の本当の厳しさを知ることもなく、親に依存するドラ息子の集まりだった様に思います。

 昨日の夕方は、その内の一人と面談です。
 彼は、小さなガソリンスタンドと縫製工場を経営する家に生まれました。
 将来を見据え、展望が開けないと悟った彼は、その二つの家業に見切りをつけ、清掃ビジネスへの転身を図ります。
 
 前職における建設・不動産は、清掃と密接に絡みがあり、往時にはかなりの取引があった筈です。
 しかし、一社依存の危うさで、親亀こけたら子亀もこけます。
 沢山いた従業員も、今や1名のみ。
 かつての負債も重く圧し掛かっているようです。

 それでも彼は、めげることなく、文字通り身を粉にして働き続けています。
 そんな実直さや勤勉さを評価して、業務提携の提案をしました。
 グループとして活動すれば、シナジー効果によって、報われも期待できます。

 結論は、残念ながらNO。
 「ありがたい話だが、自分も(私も)間も無く50歳に成る。
 食えるレベルでは無いが、農業をしながら、今の仕事を細々と続けていこうと思う。」

 織田信長は生前、「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり」という詩を好んで口にしました。
 寿命で比較すれば、今の50歳は昔の30歳、まだまだ老け込むには早過ぎるでしょう。
 
 経営者は、局面局面で、右へ進むか、左へ進むかの判断を求められます。
 その舵取りが正しいか否かは、結果が証明することです。
 ゲームならリセットして最初からやり直せますが、人生は一度きり、リセットのスイッチはありません。
 いかなる状況に成ろうとも、起こったことはすべて最善。
 過去を振り返ることなく、未来を見据え、今を懸命に生き切るのが人としての務めと考えます。
 
 

優先すべき仕事とは

 世の中には、好循環と悪循環という二つの事象があります。

 先週、東京から帰省されたオーナー様から、大いに感謝されました。
 所有されているテナントビルは、築30年ながら、史上最高の入居率です。
 それが故、駐輪場や駐車場の配置が納まりきらなくなっています。
 まさに嬉しい悲鳴です。
 そこで投げた、新たなる提案に対する賞賛でした。

 また先日、別のオーナー様に対して、懸案であった業者清掃の提案を行い、快く引き受けて貰いました。
 この物件も、現場の頑張りによって入居は満室です。

 入居率が上がれば、オーナー様の収入が安定します。
 収入が安定すれば、改善提案を受け入れて貰い易くなります。
 改善されれば利便性が向上し、入居者様が住み続けて頂くことになります。
 住み続けて頂くことで、オーナー様は勿論、管理会社である我々も潤います。

 勿論、こうした好循環だけではなく、悪循環に陥る物件も出てくるでしょう。
 入居収入が安定しなければ、改善したくても、その原資を捻出できません。
 入居者様も不便を感じて、やがて退去してしまいます。
 そうするとオーナー様の家賃収入も、我々の管理収入も途絶えてしまうのです。

 収益物件は、入居があってこそ価値を生みます。
 すべては、入居斡旋にかかっているといっても過言ではありません。
 優先すべき仕事は何か?
 もう一度、原点回帰で考えてみましょう。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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