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立つ鳥跡を濁さず

 ご心配をおかけしましたが、今朝はいつもよりも更に早く、元気はつらつ出社しました。
 お電話やメールを頂いた方々に御礼申し上げます。

 さて、こうして病床に伏せった時に、激励やお見舞いの言葉を頂くと、本当に有難いものです。
 「一人ではない」という気持ちに満たされ、孤独感が和らぎます。
 見方を変えればそれは、過去の人付き合いの通知表とも言えるでしょう。
 
 自分が困った時だけ頼り、他人が困っている時に見て見ぬふりでは、成り立たないのが人生です。
 勿論、人間関係は良い時だけとは限りません。
 出会いがあれば別れがあり、袂(たもと)を分かつ場面もあります。

 一旦分かれたとしても、次に顔を合わす時に、後ろめたくないだけの責任を果たすのが処世術です。
 仕事においては、引き継ぎをしっかりと行うこと。
 或いは、お世話になったお客様や業者様や同僚に挨拶すること。
 これらは、社会人として当然の務めと言えるでしょう。
 そうした教えに背いて職場を転々とするならば、信用・信頼を無くし、世間を狭く生きることに成ります。

 特に、営業を生業(なりわい)とする者にとってはゴールデンルール(黄金律)です。
 過去、卓越した営業実績を有しながら、思う結果の出せない人材も少なくありません。
 そうした社員に共通の資質は「非礼」と「不遜」です。
 実績を自らの実力と過信して、恩も感謝も忘れ、折角築き上げた人脈を、自ら断ち切ってしまいます。 

 「立つ鳥跡を濁さず」 
 跡を濁す鳥も、その諺の持つ重要な意味に、いつか気付く筈です。 
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怠惰を戒める日記

 一夜明けて、目覚めの際のぐるぐるは、三日振りに影を潜めました。
 俯(うつむ)いたり、横になったり、起き上がったり・・・要は頭を振った際に、若干眩暈(めまい)はありますが、昨日までの様に長くは続きません。
 薬を飲んで今日一日静養すれば、明日には復帰できると思います。
 沢山の方にご心配をおかけしました。
 申し訳ございません。

 さて、自分で言うのも何ですが、松岡という人間はストイックなイメージがあります。
 一つの原因は、この「今日の言葉」を毎日継続していることでしょう。
 重ねて、「するべきだ」とか「ねばならない」といった強い論調が、そう思わせているに違いありません。
 当初は、社内コミュニケーションツールとして立ち上げたものですが、最近では社外の方から、「今日の言葉、毎日見てますよ」と声がけ頂くことも多くなりました。
 
 もう一つは、朝型人間であるということです。
 通常、毎朝5時過ぎには起床し、6:30~6:50には松山南店を開店させています。
 勿論、この時間にお客様が来ることなどありません。
 松山で最も交通量の多い天山交差点を行き交う、出勤途中の車が、灯りのともった店舗を見て、「早くから頑張っているな」と思って下さればプラスになると思うからです。
 これも実際に、「早くから開けてますね」という声を、数多く頂いています。 

 この二つは意識的な演出です。
 お休みしますと、「あれ、今日は空いてないな」ということに成りますし、この拙文を休むと「体調でも崩したのかな」という風に、要らぬ心配をおかけします。
 だからこそ、そうならないように心がける・・・それが、他者管理です。

 自分自身、本来は怠惰で遊び好きな人間に過ぎませんが、そうしたムシが首をもたげて来ない様に、自らへの戒めの日記として、日々この文章を綴っています。
 

 

ぐるぐる回る天井

 朝、目が覚めると、いきなり断続的なフラッシュバックに見舞われます。
 そういえば、昨日もそうでしたが、仕事に出てからは、特に問題ありませんでした。
 「今日も一日頑張るぞ!」と起き上がり、靴下を履こうと俯(うつむ)いた瞬間、視界がグルグルと回り始めます。
 真っ直ぐ立っていられなくなって、壁に手を付く始末です。
 「これは無理」と判断し、とりあえず午前中お休みを頂くことにしましたが、症状は一向に治まりません。
 食欲も無く、吐き気すらもよおします。

 午後、月末に予定している引渡物件の境界立会いを済ませた後、大洲の店に寄り症状を話したところ、
 中伊さんが「最悪だと脳卒中の恐れもありますね。」と脅します。
 山本さんも「早く医者にかかった方が良いですよ。」と勧めてくれたので、日曜診療の中央病院を訪ねました。
 医師の説明によると、眩暈(めまい)には三段階あるそうです。

レベル1 すぅーっとタイプ(立ち上がった瞬間に血の気が引く感覚)
レベル2 ふわふわタイプ(軽い眩暈がずっと続く)
レベル3 ぐるぐるタイプ(まさに、私の症状です)

 そして最も重いのが、レベル3のぐるぐるタイプなのです。
 「最も心配されるのが小脳出血から来る脳卒中です。
 念のためにCTスキャンを撮っておきましょう。」
 ということで、生まれて初めてのCTスキャン。

 その後、ベッドに寝かされて注射を待つ間も、意識が遠のくほど天井がぐるぐる回ります。
 そこに医師が来て、脳の断面図をかざしながら、
 「CTの結果は問題ありませんでした。ここの白い部分が骨で・・・」
 でも、ぐるぐる回っている状態ですから、まったく判別できません。

 注射を終え、吐き気止めと、眩暈止めの薬を頂き、二日間の安静を告げられた次第です。
 「明朝も続く様なら医者に行こう」と思っていましたが、今日医者にかかったことで、随分安心しました。
 お二人のアドバイスに素直に従って良かったと感謝しています。
 中伊さん、山本さん、ありがとう♪

 

あなたの無知が会社をつぶす

 ここ最近、若手社員から「今日の言葉の内容が難しい」という感想が寄せられてきます。 
 そんな中、取引上のリスクに戦慄(せんりつ)を覚える出来事がありました。
 部下のフォローに入っている案件は、売り買いの意思こそ固まっているものの、実際に取引できるか否かは不確かな状況です。
 AさんBさん所有の隣接した土地建物をまとめて、Cさんに売却するというスキームなのですが・・・。

① Aさんの土地に、市道が入り込んでいる
② Bさんの建物は、市道にはみ出している
③ Bさんの敷地に、Aさんの建物が越境している
④ Aさんの登記されている建物は、既に解体されている
⑤ Aさんの敷地に在る建物は、未登記
⑥ Aさんは既に亡くなっているため、相続登記が必要
⑦ 相続人は5人居るが、その内2人は県外
⑧ 相続人の1人は亡くなられており、配偶者と子供に権利移動
⑨ 相続人の1人は、ナント・・・

 列挙すればキリが無い程の、拗(こじ)れに拗れた案件ですが、縺(もつ)れた糸を解きほぐす様に、一つひとつ進めていく以外にありません。

① 他の相続人の相続放棄の同意取付
② 実質の売主への相続登記
③ 現存しない登記上の建物の滅失登記
④ 現存する建物の表示登記
⑤ 現存する建物の保存登記
⑥ 官・民、民・民 の境界確定
⑦ 地積測量
⑧ 地積更生

 ここまで完了すれば、この不動産はやっと売り物になります。
 裏を返せば、現状のままだと商品とは呼べないのです。

 宅建受験生は、これまで見たことも聞いたことも無い様な、難しい勉強に取り組まれていることでしょう。
 しかし、こうした実務的な問題に行き当たりますと、知識の必要性を再認識させられます。
 現時点で、こうした問題に気付いたのは不幸中の幸いでした。
 また、机上の空論ではなく、実務最前線で学んだ知識は、担当者にとって血と成り肉と成った筈です。

 仮に、前述のプロセスをすっ飛ばして契約してしまったら、お客様にご迷惑をおかけするだけでなく、多額の損害賠償を余儀なくされ、最悪の場合、免許取り消しにも発展しかねません。
 あなたの無知が、会社をつぶす可能性すらあるのです。 
 
 

 

鬱陶しい雨か恵みの雨か

 例年よりも随分早く、梅雨入りしました。
 梅雨は、ジメジメして、憂鬱な気分という人も少なくありません。
 しかし、梅雨が無ければ、松山市は確実に水不足に陥ります。
 平成6年の大渇水を振り返ってみましょう。

 7月26日 夜間限定で始まった断水は、日を追う毎に悪化の一途を辿り、
 8月 1日 13:00~21:00の8時間のみの給水となり、
 8月22日 給水時間は更に短縮されて、僅か5時間のみ。
 9月 1日 工業用水の供給もストップしたことで、操業停止に追い込まれる工場もありました。

 夜遅く帰ったらお風呂に入れない、食事の支度ができない。
 朝起きたら顔も洗えない、歯も磨けない。
 トイレに行っても流せない・・・。
 ひねれば幾等でも出てきた筈の水が、実は貴重な資源なのだと気付かされる瞬間です。

 農家の方々も、農作物を枯らさないために散水しなければなりませんが、その水がありません。
 観光施設である道後温泉も、営業時間短縮を余儀なくされます。

 飲食店に行ってもお冷が出てきません。
 飲み物は紙コップ、食事を運ぶ食器は紙皿でした。

 当時、管理していた賃貸マンションについても同様です。
 受水槽のある物件は多少緩和されますが、直圧式の物件については、オーナー様が農業用のタンクを設置し、入居者がペットボトルやポリタンクに詰めて、上階に持って上がるケースもありました。
 そのポリタンクにしても買い占められて、品不足に陥ったものです。

 11月25日 この日、123日間にも及んだ断水は遂に、全面解除となりました。
 「鬱陶しい雨」と感じる時に、かつての大渇水を思い返しますと、一転して「恵みの雨」と思えます。
 自然や運命は、どれだけ抗(あらが)っても抗いきれません。
 無垢な心で受け入れた上で、起こったことは全て最善と考えることが、幸せへの第一歩です。
 

誰も持たざる答え

 「ええっ! そんなに安値なんですか?」
 土地家屋調査士と司法書士と行政書士資格を併せ持つ、先生が驚嘆の声を上げました。
 月末に決済を予定している物件は、大洲の幹線道路沿いに位置しており、周辺には商業店舗が立ち並ぶ、事業用としては正に一等地です。
 形も綺麗で、特段の瑕疵は見当たりません。
 
 約300坪の土地上に、建物が二棟立ち並んでおり、固定資産税の評価額は8300万円超。
 つい数年前まで、「路線価の1.2倍」といった、オカルト値付けがまかり通っていました。
 土地だけでも6000万円近い評価ながら、今回の取引金額は4500万円です。
 坪単価に換算すれば、約15万円。
 方や、幹線道路から一本裏に入ったところに在る、水没危険性レベル6の住宅供給公社分譲宅地が坪30万円。
 住宅地よりも商業地の方が高値というのが一般的ですが、今や逆転現象が生じています。
 
 何故、こうした事態を招くのかというと、以前の拙文にもある通り、収益還元法と需給バランスです。
 この辺りの土地を借地に出したとして、期待できる賃料は700円/坪。
 300坪であれば月収21万円、年収252万円。
 4500万円に対する表面利回りは5.6%と、その金額が必ずしも安値で無いことを示しています。

 この物件を預かってから1年間、5000万円以上で買って頂ける方を探してきました。
 誰しも割安であることはご理解頂きながら、いざ購入にまで踏み切る方はいらっしゃいません。

 大洲市は今春、基幹産業であったパナソニック大洲工場が撤退し、雇用環境は著しく悪化しています。
 勤めるところが無い以上、人口も市場も縮小し、飲食や物販といった地域の商売も衰退せざるを得ません。
 「資金繰りの悪化」「廃業」、ネガティブな理由によって、不動産も売り一色。
 勢いがあるのは、ヤマダ電器やラ・ムーや、今秋進出するニトリといった中央資本ばかりです。

 日本は戦後復興以降、高度成長を背景として、半世紀の長きに渡りインフレの時代でした。
 給料もモノの値段も、上がり続けることが当たり前の時代です。
 ところが、ここ十数年、デフレスパイラルが加速しています。
 1000万円で買ったものが、明日には1001万円に値上がりするとすれば、今日買った方が得です。
 一方1000万円で買ったものが、明日には999万円に目減りするとすれば、先送りが賢明でしょう。
 だからモノが売れないのです。
 
 当たり前の基準が変わってきたのですから、ビジネスモデルも変える必要があります。
 導くべきは、過去の栄華を謳歌してきた先人も含め、誰も持たざる答えなのです。

幸せな時間を売る

 今も一線から身を引いているつもりはありませんが、かつて最前線でマイホーム営業をしている頃の営業トークが、今日そっくりそのまま我が身に置き換えられます。

 お客様がモデルルームや、モデルハウスに来場される際、「売り込まれたくない」という防衛本能が働くものです。
 「まだまだ、計画は具体的では無いんですよ♪」
 「今日は、見に来ただけですから♪」
 そこですかさず、こう切り出すのです。

 「皆さん、マイホームは夢のまた夢と思われて、貯金ができてから、と先送りされてしまいます。
 例えば、子供さんが巣立たれて、夫婦二人っきりになったら、生活に余裕はできるでしょう。
 定年退職されたら、退職金も入るかもしれません。
 しかし、それから思い付かれるマイホームは意味が無いのです。
 今はまだ、お子様は小さくて、手もかかります。
 でも、あと数年もすれば思春期を迎え、家族団欒の時間は確実に少なくなってしまうでしょう。
 その、数年間の限りある幸せな時間を、家族揃って過ごすからこそマイホームに価値があるのです。
 二年、三年と、先送りされることで、その貴重な時間は刻々と失われてしまいます。
 どうですか、今日をきっかけに、真剣に考えてみられませんか?」

 私自身、長男が小学校6年、次男が小学校2年の時に、マイホームを建てました。
 100坪以上の敷地に、50坪もの家は、今や広過ぎます。
 しかし、この7年間という時間は、掛け替えの無い濃密な想い出を残してくれました。
 
 我々が売っているのは、木やコンクリートの箱ではありません。
 住まいを通じて、幸せな時間を提供するのが使命です。
 この仕事に、誇りと遣り甲斐を見出して頂きたいと思います。
 

馬に水を飲ませる方法

 先日告知した、第一回社内宅建模試の答案は、続々と回収されています。
 今日の午後には、社内向けに結果発表するつもりです。
 民法、法令上の制限、宅建業法、税法等々、カテゴリー別に採点することで、強みと弱みを浮き彫りにします。
 私が受験した16年前と比較すると、問題の傾向は大きく変わりました。

 民法が5問減って10問、逆に宅建業法が増えて20問です。
 かねてより、民法問題の文章的な言い回しは無意味に難解で、高度な読解力が必要でした。
 故に、求められる不動産実務との乖離が際立ち、「落とすための問題」だったという見方もあります。
 現に、専門学校の講師でも、「民法に関して満点は取れない」と開き直っていたものです。
 私が合格した平成7年の合格ラインは28点でしたが、こうしたマニアックな問題傾向がレベルを引き下げたとも言えます。

 宅建業法が20問ということであれば、勉強の優先順位は明白でしょう。
 宅建業法は習熟が早く、全問正解も可能です。 
 宅建業法で20点満点を取り、残りの30問を二肢択一まで追い込めば、35点の合格ラインに達します。
 「業法を制する者は宅建を制する」のです。
 さて、採点結果は、7段階レベルで勝手に格付しちゃいました。

S 50~45点 鉄板合格 体調管理を万全にして、試験本番に臨みましょう!
A 44~40点 合格当確 油断することなく今のレベルを維持し、更なる高みを目指しましょう!
B 39~35点 合格圏内 何とか滑り込みそうですが、後悔の無い努力で合格を確実にしましょう!
C 34~30点 合格間近 合格まで後一歩・・・でも落ちれば0点も一緒、泣くのが嫌ならさあ勉強!
D 29~25点 危険水域 試験当日、神頼みと運任せ、まかり間違えば合格できるかも!
E 24~20点 合格絶望 勉強・努力したとは言えないレベル、受けるだけ時間とお金の無駄です!
Z 19~ 0点 確率圏内 四肢択一50問 幼稚園児でも理論値として12.5問は正解できます!

 試験まで、残り150日足らず。
 この試験結果に危機感を感じ、人生の目覚まし時計と捉えて、一念発起できるか否かはあなた次第。
 馬の首に縄をつけて、水飲み場まで連れていくことはできても、強制的に呑ませることはできないゼーット!  
 

仏の仮面を外す時

 建築不動産業界に足を踏み入れて20年が経ちます。
 前職時代の最盛期に、700名近く居た社員の8割以上は、会社を離れて散り散りと成りました。
 異業種に進んだ方も多くいらっしゃいますが、やはり慣れ親しんだこの業界に生きる人が大勢です。
 
 A社に4名、B社に4名、C社に2名、DさんとEさんは独立開業・・・。
 こうしたネットワークの拡がりによって、業務上も大いに助かっています。
 先日、某大手サブリース会社に勤務する元部下が、弊社の担当になったとのことで挨拶に来られました。
 ここは典型的な営業会社で、実績へのこだわりや、行動数値に関する厳しさは、尋常ではないと聞き及びます。

 私自身、前職での後半10年間は、事実上の本部長として、営業を統括する立場にありました。
 そして己の甘さが、企業の寿命を縮めたのも真理です。
 「あの頃、もっと厳しく営業マンを指導していたら・・・」
 「例え理不尽でも、数字をやらせきっていれば・・・」
 経営に「たら」「れば」は有りませんが、未だ悔恨の想いが拭えません。

 「厳しいですか?」さりげなく振ってみました。
 「いえいえ、求められるレベルは前と変わりません。
 前職で主催されていたゼロ績研修は、とても厳しかったですよ。
 あの研修に出たくないがために頑張っていましたから。」

 ゼロ績とは、月間受注実績ゼロの営業マンが休日に集う、懲罰的研修です。
 彼は、その常連でした。
 業界TOPレベルの厳しさと評される会社に務める、元部下からの本音を聴き、これまで背負ってきた十字架が少し軽くなった気がします。
 
 今はまだ創業期で、組織も未熟であるため、数字を厳しく詰める段階では無いでしょう。
 しかし、いつまでもこの状態で良いとは思っていません。
 和気藹藹(わきあいあい)としながらも馴れ合いには成らず、自由闊達(じゆうかったつ)でありながら数字には拘(こだわ)る、強い会社を長期的には目指しています。
 近未来、この仏の仮面を外す時こそが、理想の会社の第一歩です。  
  
  

収益還元と需給バランス

 太田店長とオーナー様を訪問しました。
 年初に、一戸建貸家の購入にあたってご相談があり、「ここなら大丈夫」と胸を叩いたにも関わらず、未だお役立ちできていないため、本音としては顔を合し辛い状況にあります。
 前職時代の教え、「会いたくない人こそ、会わなければならない相手なので、率先して会いに行け」を実践した訳です。
 案の定、冒頭少しだけ苦言もありましたが、こちらの提案に対し、真剣に耳を傾けて頂きました。

 ひとしきり話した後、「物件を見て欲しい」と言われ、物件視察へ出かけます。
 一つ目は、お医者さん所有の住宅です。
 中庭ライトコートの植栽が効いた、70坪以上あろうかという築浅の豪邸でした。
 「幾等で買ったら良いと思いますか?」
 このオーナー様の特徴は、正式な図面も面積も判らない状況で、いきなり価格を聞いてくる点です。
 
 ・ざっと見て、土地建物の再調達価格は6000万円超
 ・償却を見込んだ現在価値は4000万円超
 ・しかし、その価格で購入できる層は限られている
 ・まして、購入できる層は新築にこだわるため、中古に振り難い
 ・収益物件としても、利回りが見込める程の高家賃は難しい
 
 ということで手堅く、3千万円台前半という結論を導きました。
 「なるほど、私も同感です。次、見に行きましょう。」

 二つ目は、大通りに面した角地の店舗兼住宅です。
 ざっと80坪前後の敷地に、1Fはテナントが二戸、2Fはオーナー住宅。
 またしても、「幾等で買ったら良いと思いますか?」
 
 ・テナント賃料が7万円として、二戸で14万円
 ・オーナー住宅を賃貸で貸したとして6万円
 ・賃料合計20万円×12カ月=年収240万円
 ・利回り10%で見込むのであれば、2400万円
 ・大通り角地のプレミアを加算しても3000万円
 
 「なるほど、私もその位だと思います。」
 この方、ひょっとしたら、値付が幾らでも同調したのではないかと思ったりします。
  
 但し、詳細資料不要論も、一つの真理です。
 土地の路線価+建築価格-減価償却という、積上式で求めた価格は画に描いた餅に過ぎません。
 「その建物は幾らなら貸せるか、そこから得られる利回りは幾らか」
 この収益還元の考え方こそが、正しい価格を割り出す公式なのです。
 
 また、不動産に限らずモノの価格は、買いたい人が沢山いれば上がり、売りたい人が沢山いれば下がります。
 収益還元と需給バランスをしっかりと見極められる、市場に精通した不動産のプロを目指しましょう。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン

・経歴 
 雄新中卒業 → 新田高校中退
 大工・石工と約十年職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業
 令和2年 ㈱南洋建設 代表兼任
 令和4年 ㈱たんぽぽ不動産起業

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