人生とは上手くいかないもの

 今年も残すところ一日。
 次男と協力して家のワックス掛けを済ませ、紅白とそばを待つだけと成りました。
 とはいえ、四店体制ともなりますと、何事も無く正月を迎える・・・という訳にはいきません。
 相応に課題を、積み残した状態での年越しとなりました。
 
 懸案が頭から離れることはありませんが、年末年始の5日間は、敢えてオフモードで過ごします。
 勿論、自助努力によって解決するのであれば、正月休み返上も厭(いと)いません。
 しかし、何れも正月明けでないと対処できない課題ばかりです。
 先々にしか対処できないのであれば、その問題を頭から除外し、今を楽しむのが懸命でしょう。

 世の中の多くの人は、過ぎ去った過去を悔やみ、まだ見ぬ未来に不安を感じながら生きています。
 かつての自分も、頭の中はそうした観念的な悩みによって支配されていました。
 社員の方には常に、心のスイッチを切り替える話を致します。

 ◇ 天は越えられない逆境を与えない
 ◇ 逆境は人生の強壮剤
 ◇ 朝の来ない夜は無い
 ◇ 起こったことは全て最善・・・

 過去、幾度と無く訪れた試練を乗り越えるに当たり、これらの至言がどれほど勇気付けてくれたことでしょう。
 試練も逆境も、すべては自らを成長させるために与えられたハードルです。
 それは、起こるべくして起こった必然であり、長い目で見れば、人生の絶妙なスパイスとなります。
 実際に自分も、人並みほどには逆境を経験してきました。
 それでも、時が過ぎて振り返ってみれば、「あの試練があったから今日がある」と感謝することばかりです。
  
 但し、先述した至言やポジティブシンキングの恩恵を受けるには、一つの条件があります。
 それは、逆境に対して、逃げずに立ち向かうことです。
 逃げれば、目の前の逆境からは一時的に開放されるでしょう。
 しかし、越えられなかった逆境は、やがて姿を変え、再び目の前に立ちはだかります。

 百発百中で10本のピンを倒せるボーリングや、ショットの度にホールインワンのゴルフであれば、誰がお金を払ってプレーするでしょう。
 上手くやろうと思いながら、上手くいかないものを、創意工夫によって上手くできるところに意味があります。
 同様に、人生とは上手くいかないものですが、上手くいかないからこそ面白いのです。

 
 
 
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抗えない市場の流れ

 大納会の後、滝井店長と共に松山のビジネスホテルに宿泊しました。
 このホテル、繁華街に程近い松山市の中心に位置しながら、シングル一泊朝食付きで2,980円です。
 年末年始限定ではありますが、企画プランは平常でも同価格で提供されています。
 実際に宿泊しての感想は、周辺の物件と比較しても遜色ありません。
 
 2,980円と言えば、カプセルホテル並みです。
 一ヶ月8万円台で、朝食もついて、掃除もしてくれるわけですから、家賃として見てもリーズナブルでしょう。
 「楽天トラベル」「yahooトラベル」「じゃらん」等は、閑散期や閑散日に、割安なプランが提供されています。
 ホテル・旅館は、宿泊客が多くても少なくても、人件費や減価償却費といった経費は変わりません。
 一泊単位で見れば赤字であったとしても、通期で稼働率を上げることができれば、収益は向上します。
 
 最近では更に進化して、割引チケット共同購入ビジネスがアツいようです。
 10,000円のフルコースが65%offの3,500円とか、1,500円のピザが99%offの15円といった採算度外視の商品が次々と提供されています。
 「ポンパレ」等がメジャーですが、つい先日、取引先の地元広告代理店も参入しました。
 
 http://www.qoopo.info/coupon/
 
「募集期間24時間・35枚限り」といった、バーゲンスタイルのプレミア感に消費者は飛びつきます。
 提供側は、稼働率アップと広告宣伝効果を狙いとし、サイト運営者は成功報酬を得る仕組みです。
 今の市況は、完全にデフレスパイラルの深みに嵌まっています。
 ひと頃「安かろう悪かろう」が主流でしたが、それでは消費者を満足させ続けることはできません。
 バリュー(価値)をそのままにプライスダウンすれば、確実に商品は売れていきます。
 
 11~12月取り組んだ、「大感謝キャンペーン」も終了しました。
 「三ヶ月間お家賃1万円ポッキリ!」という企画も、実はまったく同じ発想です。
 空室のままで遊ばせておくよりも、例え1万円/月でも稼働率を上げる方が、収益性は確実に向上します。

 但し、ここに重大な落とし穴が潜んでいるのです。
 一泊2,980円の朝食付きホテルに味をしめた顧客は、二度と一泊6,800円のホテルを選択しません。
 衝撃的だったお得感は時間の経過と共に麻痺していき、当たり前と感じる様になります。
 やがて、その衝撃的なプライスが相場をつくっていくことでしょう。
 そして、恐るべきことにそれが、抗(あらが)うことのできない市場の流れなのです。

苦楽を共にする同志

 昨日で仕事納め、今日から正月三日までお休みです。
 昨夜は、恒例の大納会。
 昨年末は、大納会に名前負けする、たった5人のこじんまりした集まりでしたが、今年は倍増です。
 
 前職時代、部を創設した年の瀬は、やはり5~6人が居酒屋に集まりました。
 年を重ねる程に、会場が旅館の大広間となり、人数もみるみる増大します。
 ピーク時には、100名超もの配下の社員が、中四国九州から集ったものです。

 店舗展開や採用も含めた事業拡大は、それ自体が目的ではありません。
 しかし、発展成長は、世の中から必要とされている証であり、社員の誇りの源泉です。
 
 弊社は、設立から1年半。
 将来ヴィジョンやあるべき姿を描きつつも、なかなか追いつかず、消化しきれないギャップが散見されます。
 発展途上の会社だけに、組織も体制も、未成熟そのものです。
 軌道に乗るまで、社員の方々には、苦労や辛抱をおかけすることもあります。
 
 株主でも役員でも無い一般社員に甘えるのは、経営者のエゴです。
 それでも、去年よりは今年、年初よりも今と、亀の歩みながら確実に良い方向へと向かっています。
 今はただ、会社の未来を信じて下さい。 
 
 経営は、縁あって同じ船に乗り込んだクルーが、夢の港を目指す船旅です。
 目指すべき方向性の違いによって、既に何名かのクルーは船を下りました。
 どんな豪華客船であっても、誰一人欠くことのない航海は不可能です。

 とはいえ、夢の港に辿り着いた時に、出航時のメンバーがすっかり入れ替わっていたとしたら、感動も意味もないでしょう。 
 いつの日か、夢の港へと寄港して、創業時から苦楽を共にした同志と共に振り返り、「当時は未熟だったなぁ」と感慨に浸ることができれば、これ以上の幸せはありません。
  
 

人事を尽くして天命を待つ:後篇

 建築・不動産の業界に足を踏み入れてから、既に20年近く経過しました。
 長く商売を続けていれば、様々な外的要因による、フォロー(追い風)も、アゲンスト(向かい風)もあるでしょう。
 平成1年4月1日 日本に初めて消費税が導入されました。
 平成9年4月1日 3%から5%に引き上げられています。
 
 消費税導入や税率アップという言葉だけを聞くと、消費の減退をイメージしがちですが、実はそうとも言い切れません。
 3/31に103万円だったものが、翌日には105万円に値上がりすると判れば、「上がる前に買っておこう」と思うのが消費者心理です。
 従って、法案決定から施行までの間は、一時的に駆け込み消費が喚起されます。
 車や墓石や住宅等の、高額商品であれば尚更です。
 
 前職時代、平成8年4月入社の住宅営業マンは、過去例が無いほど、優秀な成績を残しました。 
 その理由の多くは、税率アップ前の駆け込み特需です。
 
 とはいえ、工務店の総てが、その恩恵を受けた訳ではありません。
 例えば、一人親方の大工さんは、どれだけ忙しかったとしても、自分の腕で叩ける、1~2棟/年しかこなせないでしょう。
 言い換えれば、繁忙期の需要をしっかりと掴むには、組織力が必要なのです。

 繁忙期の成果は、年間業績の大勢を決すると言っても過言ではありません。
 毎年、繁忙期が終わった後は皆、口を揃えて準備不足を反省しますが後の祭りです。 
 
 試合に臨むボクサーは、トレーニングや減量も含む、事前の身体づくりの時点で勝負は決しています。
 マラソンランナーは、大会前の走り込みが無ければ、完走すら叶いません。
 資格試験の受験者は、人事を尽くして天命を待つものです。

 初めて迎える繁忙期を、不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。
 しかし、山より大きな猪は出ません。
 照準を定め、今できることから、着実にこなしていけば、必ず道は拓けます。

人事を尽くして天命を待つ:前篇

 個人的な話ですが、クリスマスソングが流れてくると、条件反射的に憂鬱な気分になります。
 大洲駅前店の滝井店長だけは、共感頂けるかもしれません。
 今から20年前、私は某菓子店の店長です。
 一年後、後継者としてスカウトしたのが滝井店長でした。

 10月末には早々と、クリスマスケーキの予約合戦に突入です。
 「もっと早くに来てくれたら。昨日注文したところなのよ。」という、体(てい)の良い断り文句を封じるために、他社に先駆けて回る必要があります。
 個人的に100個、店舗で数百個の予約を取るのは、決して容易ではありません。
 
 クリスマスイブの日は、予約の引き換えと店売りと配達で、終日てんてこ舞い。
 クリスマスが終われば、一息つく間もなく、直ちに店舗の装飾をすべて取り換えて、迎春準備に取り掛かります。
 勿論、大みそかまで営業し、1/2から初売り、休暇は元旦のみ。
 その当時に比べれば、今は本当に恵まれています。
 
 年末年始の進物需要は旺盛で、顔を上げる暇も無い程です。
 箱折・箱詰・包装が間に合わないため、バイトを増強し、26日から段階的に作り置きします。
 銘菓「萩の月」を模して開発されたカスターケーキ「媛の月」は、毎日2,000個ずつ仕入れて箱詰です。
 正月が終わったらバレンタインデー、バレンタインデーが終わったらホワイトデー。
 一年で一番の繁忙期は、賃貸仲介と同じく3月で、一日平均200人ものお客様が来店されます。

 商売は、閑散期にテコ入れするよりも、繁忙期に手を打つのが王道です。 
 日販10万円の二割増しは僅か2万円に過ぎませんが、50万円の二割増しなら10万円と、5倍の増収が見込めます。
 稼ぎ時を逸してしまうと、後から取り戻すことは絶対にできません。

 ただでさえ忙しい時に、更なる上積みを狙うということは、当然に現場は混乱するでしょう。
 その混乱を収拾し、限られた人員や資源を上手く采配して、数字を確保するのが店長の役割であり、腕の見せ所でもあります。 つづく

願望から宣言へ ~タイよりもマス~

 継続の重要性、三日坊主のススメと展開してきましたが、今日は他者管理を掘り下げます。
 同業他社が管理しているマンションの他社管理ではなく、自己管理の対義語としての他者管理です。

 昨日の拙文に対して、「自分の場合は一日でも怠けてしまうと、本当に三日坊主で終わってしまう。」という感想がありました。
 全く同感です。
 私自身、周囲からは、真面目でストイックで強い信念を持った人・・・と見られがちですが、このことにはとても困惑しています。
 これまでの半生を通じ、自らそんな人間だなどとは、一言も言ったことは無いはずです。
 強弁することもありませんが、基本的には、怠け者の遊び好きです。
 今日の言葉にしても、試験勉強にしても、早朝出社にしても、毎日続けるが故にモチベーションが保てるのであって、一日休んでしまうとそれっきり、奈落の底まで怠惰にまみれてしまうでしょう。
 そんな自分を知っているから、心を欺いてでも、周囲には強気の台詞を吐きます。
 
 管理業務主任者や宅建試験を受ける際にも、「必ず合格する!」と周囲に吹聴して回りました。
 重ねて、「毎日4時間以上は勉強しているので絶対に大丈夫!」と強弁します。
 ここまで言い切ってしまいますと、万が一落ちたとしたら悲惨なものです。
 
 「大きいこと言いやがって、あいつは口だけだな!」
 「毎日4時間も勉強して合格できないなんて、頭の中はスッカラカンじゃないのか?」
 誹謗中傷の的に成り、ダメ人間の烙印を押されてしまうイメージが次第に膨らみます。 
 そんな不安を打ち消すため、がむしゃらに勉強に取り組むのです。

 恥をかきたくないから、人は知らず知らずの内に予防線を張ろうとします。
 「いやあ、忙しいので勉強はあまりできてないんですわ。」
 「まあ今年は、来年のための予行演習と思っているんです。」
 この予防線が、しんどい時に心の逃げ道となってしまい、もうひと踏ん張りが効きません。  

 何れのパターンも、自分自身の言葉によって洗脳されている好例です。
 松山久米店のO田店長は、「値上げを機に禁煙しマス!」と宣言しました。
 自らの意志の弱さを悟り、「禁煙しマス!」と言い切ることで、他者管理の力を利用したのです。

 「禁煙しタイ」「ダイエットしタイ」「合格しタイ」・・・幾ら願望が強くても、想いだけでは成就しません。 
 皆さんも、O田店長に倣って、高らかに宣言しましょう。
 タイよりもマスです。

三日坊主のススメ

 継続性を論じた拙文に対する社員の感想から、切実にしおしおとした雰囲気が伝わって参りますので、少しだけ元気を取り戻すためのヒントです。
 怠惰の代名詞の様に扱われる「三日坊主」ですが、土屋ホーム創業者の土屋公三氏は、「三日坊主のススメ」を説きます。
 
 <三日間継続できたら大したもの。
 四日目に続かず挫折したとしても、一日休み、また一念発起して三日間続ける。
 こうして、三日坊主⇒一日休み⇒三日坊主という、不連続の連続を繰り返す。
 すると一年経てば、365日の75%、273日も実行したことになる。>
 
 同じ姓とは言いながら、松岡修三ばりの熱血指導で、「負けるな!怠けるな!くじけるな!」と捲し立てたのでは、逃げ道も無くなってしまいます。
 というよりも、これまでの自分は、基本的にそういう指導を是としてきました。
 とはいえ、人間は元来、弱い生き物です。
 雨の日も風の日も、台風が来ても地震が来ても、竜巻でも雷でも、一日も休まずに鍛錬するイチローの様にストイックな人は、寧ろ変わり者かもしれません。

 この際、きっぱりと割り切って、土屋公三氏の言われる通り、三日坊主で良しとします。
 四日目には、頭を空っぽにして、グータラでノンベンダラリとした時間を過ごしても結構です。
 五日目から再び、心を新たにして、三日坊主にチャレンジします。

 夢や目標が叶わない理由の殆どは、外的な要因ではありません。
 継続できない自分自身の不甲斐なさに絶望し、心が折れる(諦める)からです。
 例え三日坊主であったとしても、再び立ち上がる勇気さえ失わなければ、可能性の炎は消えないものです。

オウンゴールでガッツポーズ

 今回も、スティーブンRコヴィー著「第8の習慣」からのご紹介です。
 米国内、主要産業の主要職に従事する常勤従業員23,000人を対象とした調査結果は、実に驚くべきものでした。

 ・自分の属する組織が達成しようとしていることと、その理由をはっきりと理解している人=37%
 ・チームや組織の目標達成に熱意を持っている人=25%
 ・週末に振り返ってみて、自分が成し遂げた仕事に満足できる人=50%
 ・強い信頼関係で結ばれた職場環境だと感じている人=15%
 ・組織を完全に信頼している人=20%

 <サッカーチームで言えば、どっちが相手のゴールか判っている人は11人中わずか4人。
  勝負に関心があるのはわずかに2人。
  自分のポジションと役割が判っているのも2人だけ。 
  しかも、11人中9人は、敵よりも自分のチームメイトに対抗意識を持っていることになる。> 

 6月に行われたFIFAワールドカップ南アフリカ大会で、スター選手を集めた強豪フランスが惨敗したのは、監督と選手との間の不協和音が原因とされています。
 監督が選手を占星術で選考したり、大会期間中に新聞を読んだ選手に罰金を課したり、ピッチ外でのニュースに事欠きませんでした。

・ 敵陣のゴールか自軍のゴールか、判別がつかない
・ 全員がゴールキーパーもしくは、全員がフォワード
・ 全員が敵、もしくは敵か味方か見分けがつかない
・ パスを回す術を知らず、全員が球の行方を追いかける
・ 嫌いな監督の評価を上げる位なら、頑張りたくない
・ オウンゴール(自殺点)を決めた選手がガッツポーズ・・・

 サッカーならば、その愚かさに笑ってしまいますが、ビジネスでは、意外に珍しくない光景です。 
 人は「感情の動物」が故、正しいか誤りか、損か得かよりも、好きか嫌いかが優先されてしまいます。 
 店長と社員とが、得手に合わせてポジション(役割)を分担した上で、小刻みにパス(連携)を回し、敵陣のゴール(目標)を目指す。
 かつての読売ジャイアンツの様に、資金力にもの言わせ、4番バッターをずらりとラインナップしたとしても、それだけでは勝てません。
 信頼関係構築、ベクトル合わせのためのコミュニケーションは、チームで勝利するための必須条件なのです。 

継続は心を強くする

 この拙文は、タイトルの通り「今日の言葉」として毎日アップしています。
 HP創設以来、半年間、社休日も休むことなく続けてきました。
 6時台通勤中にテーマを選定し、出社から始業までの間に書き上げるのが常です。
 朝の時間が詰まっている時には、前夜自宅で書き上げ、0:00の時報と同時にアップしてから就寝することもあります。
 たまに遅れた時などは、周囲の方から心配のお声掛け頂くこともありますが、そこまでくればしめたものです。
 自己管理のみならず、他者管理によって、継続がレギュラーとなります。

 荒廃した大阪の「松虫中学校」を立て直すと共に、陸上部の指導にあたり、7年間で13回日本一へと導いた、「生活指導の神様」原田隆史先生は言っています。
 「心を強くするためには、毎日できることを継続して実行すること」
 
 15年前の宅建試験でも、継続の重要性を実感しています。
 会社における立場からして、絶対に失敗が許されない環境下、毎日4時間と決めて勉強しました。
 周囲からはストイックに見られがちですが、自分でも「今日はしんどいな」と思う日が無い訳ではありません。
 元来怠け者の自分は、今日の怠惰が一日だけでは済まないことを知っています。
 ずるずると流されてしまう自分を恐れて、心に決めた4時間をやり遂げるのです。
 
 例え4時間が3時間でも、30分でも、或いはやらなかったとしても、誰も判りませんし誰からも責められる訳ではないでしょう。
 しかし、他人の目は欺けても、自分自身は誤魔化せません。
 「やらなきゃいけないのに、やっぱり俺ってだめだなぁ・・・」と自己嫌悪に苛(さいな)まれます。
 「でも、まあいいか」と妥協することで、自己イメージは地に落ちます。
 どんなに苦しい時にでも、歯を食いしばって、眠い目をこすりながら4時間を完遂するからこそ、「自分はできる。必ず合格する。」という自信が備わるのです。
 
 資格試験でもブログでも物確でもロープレでも、総てに共通して言えます。
 継続は力です。
 

社員第一・顧客第二主義

 今年も、残すところ10日余りとなりました。
 年末の入居審査は慎重に・・・というのは、業界の常識です。
 かつては、軽トラに荷物満載で乗り付け、「今日から住みたい」というアプローチもありました。
 今週号の全国賃貸住宅新聞に、不良入居者を見分けるチェックポイントが掲載されています。

 ① 顔写真の確認できる証明書(免許証等)の写しを貰う
 ② 大企業であれば社員証の写しを貰う
 ③ 何故引っ越しされるのか、理由を確認する
 ④ 家賃の支払いに支障のない収入か否かを確認する
 ⑤ 現住所の状況を確認する
 ⑥ 勤務先の規模・業績等を調査する
 ⑦ 建物に関心を持っているかどうかを確認する
 ⑧ 実際に、職場に勤務しているかどうかを確認する
 ⑨ 申込書に空欄が多い、年齢間違い、字が雑は要注意

 不良入居者を見極めるというと、お客様を疑ってかかるようで、あまり良い響きではありません。
 しかし、世の中には、家賃を踏み倒して渡り歩く、夜逃げの常習犯が居るのも現実です。
 オーナー様の資産をお預かりする者として、リスクを遠ざけるのは当然の務めでしょう。

 厳密には、契約締結によって「お客様」と成ります。
 契約までは、あくまでも「お客様候補」です。 
 CS(お客様満足)は、来店される総ての人を、丸抱えで受け入れることとは異なります。
 社員は、来店者の奴隷であってはなりません。
 真のCSを追求しようとするならば、理念に共感できるお客様だけを選別すべきです。
 そのためには時として、「貴方は弊社のお客様ではありません」と言い切る勇気も必要でしょう。

 CSで名高いサウスウエスト航空にはかつて、同社を利用しながら、「ファーストクラスが無い」「機内食が無い」と、何かと文句をつける一人のクレーマーがいたそうです。
 顧客担当部の社員達は真摯に対応し、質問にも誠実に答えます。
 しかし、一向にクレームは減りません。
 最終的には社長に判断が委ねられ、CEOハーブ・クレハー氏は、次のメッセージを送りました。

 「もうお乗りになれなくて残念に思います。さようなら。ハーブより」 

 会社の姿勢を明確に示す、伝説のエピソードです。
 ハーブ氏は、「社員第一・顧客第二」の理念を、ダイレクトな言葉で表現します。
 
 座席を格安で顧客に提供してはいるが、顧客よりも社員の方を優先する。
 顧客が常に正しいとは限らない。
 顧客の方が間違っている時は、その顧客をお断りする。
 そしてこう主張するのだ。
 「よその飛行機に乗ってください。我々の社員を侮辱しないで欲しい。」

 「いつでも・どこでも・誰にでも」ではなく、「今だけ・ここだけ・貴方だけ」のパーソナルなサービスを目指しましょう。
 万人に受け入れられるサービスの追求は反面、誰にも喜ばれないサービスへの傾倒でもあります。

neutral yeoman

 今更ながら、社名の意味について解説したいと思います。
 「NY」は、ストレートに「エヌワイ」と読みますが、かなりの確率で「ニューヨーク」と誤読されるため、敢えて名刺にはルビを打っています。
 その名刺の裏側を見ますと・・・。

・「N」=neutral ニュートラル(中立・不偏)
・「Y」=yeoman ヨーマン(忠勤・従者)

 管理会社は、入居者様とオーナー様という二人のお客様に支えられています。
 ともすれば、管理を頂くオーナー様寄りの偏った采配に陥りがちです。
 しかし、入居者様に選ばれるサービスや商品を提供しない限り、最終的にはオーナー様の経営が成り立たなくなってしまいます。
 本来は、二人のお客様の間に立ち、中立・公正なスタンスで臨む必要があるでしょう。
 忠義・忠誠の志と、技量・知識を併せ持った社員が、「すべてはお客様のために」という理念に基づいて考動する・・・それが「NY」の精神です。

 先日も拙文で綴った通り、二人のお客様は、利益相反の関係にあります。
 賃料一つとっても、安ければ安いほど良いのが借主様であり、高ければ高いほど良いのが貸主様です。
 その間に立って調整するのは、容易ではありません。
 侃々諤々(かんかんがくがく)の議論も、あちらを立てればこちらが立たずという、ギリギリのせめぎ合いもあるでしょう。
 
 迷う時の判断基準は、「社会通念」です。
 「社会通念」とは、「法律の様に明文化されている訳ではないが、人間社会における暗黙の了解事項 」となります。
 同じく暗黙の了解事項に、「常識」という言葉もありますが、「社会通念」は「常識」と違って強制力を伴いません。

 具体的には、「あなた、こんなことも判ってないなんて社会人失格ね!」というのが常識。
 方や、「今までの流れからして、こういうやり方は無いでしょう?」というのが社会通念です。

 強制力を伴う常識は、時代により社会により異なる・・・例えば、中国や北朝鮮の常識は、日本やアメリカでの非常識となります。
 一方、社会通念は時代の雰囲気だけで変動する・・・供給過剰が招く借手市場への加速と、居住者擁護の風潮を受け、賃貸仲介業界の社会通念も、近年大きく変化してきました。
 業界や世間の流れを踏まえた社会通念を持って、毅然たる態度で対峙する、「neutral yeoman」を目指しましょう。 

残っていた信頼残高

 昨日は、感謝に溢れた一日でした。
 朝は恒例の、某社長とのパワーモーニング。
 いつも御馳走さまです。
 感謝!

 その後、北店を巡回して打ち合わせ。

 正午、戻ってきた南店は、新規来店と再来で、繁忙期と見紛う程の活況です。
 そんな中、日頃からお世話になっている同業者の社長が、日曜日にも関わらず、某金融機関のお客様をご紹介頂きました。
 感謝!感謝!

 午後、久米店に移動すると、かねてよりお付き合いのあるオーナー様から突然電話がかかってきて、今から来店頂くとのことです。

 「中古住宅の紹介を受けており、今夜返事をすることにしている。
  賃家として買うべきか否か、判断して貰いたい。
  購入後は、管理と入居付けをお願いする。
  それと、所有しているマンションの管理をして貰いたい。」

 本来であれば、こちらから日参した上で、頭を下げ、「管理をお任せ下さい」と頼み込むべきところですが、オーナー様の方から訪ねて頂き、お願いされてしまいました。
 本当に有難いことです。
 感謝!感謝!感謝!
 
 よくよく話を聞いてみると、今、任せている管理会社の社長は、弊社のことも含め、他社の誹謗中傷を口にされるそうです。
 相手を攻撃する批判的な言葉は、聞く側にとって心地よいものではなく、その言葉を発する人自身の人格を貶(おとし)めます。
 営業する上で最も大切なのは、自からがいかにお役立ちできるかということであり、相手を蹴落としたからといって評価をあげることはできません。
 「理不尽な駆け引きもされるし、はっきり言って、人間的に好きではない。」
 オーナー様の言葉に、すべてが集約されています。
  
 開業してから一年と三ヶ月が経過し、店舗数も増え、認知度が高まったせいか、以前お世話に成っていた方からご紹介を頂いたり、相談を受けるケースが増えてきました。
 積極的な営業ができていない現状を反省する一方で、必要とされている実感や、自身の言動の責任の重さを受け止めています。
 
 自分の人生にとって大きな転機となった、前職の破綻から早二年。
 地位も名誉も収入も、すべてを失ったかに思う時期もありました。
 こうして振り返ってみますと、口幅ったくも信頼残高だけは、しっかり蓄えられていたようです。
 利益や収入は、いかなる状況下からでも挽回できます。 
 信用・信頼を得るには多大な時間と労力を要しますが、失うのは一瞬です。
 そして二度と取り戻せません。
 日常での、一つひとつの判断や言動に責任を持ち、信頼残高を積み上げていきましょう。
 
 
  

セールスシナリオの構築

 昨夜は、親子で所属する劇団の忘年会。
 平成6年に旗揚げして以来、年一回の定期公演を軸に、16年間活動してきました。
 来年は、息子たちも学んだ我が母校、内子小学校の140周年記念公演として、子供達とコラボします。
 在校生から原作となるアイディアを募り、生徒達と共に舞台を作り上げようという企画です。

 演劇では、ストーリーの骨子が決まると、それを場面毎に振り分け、台詞だてしていきます。
 原作と混同されがちですが、それが脚本(シナリオ)です。
 脚本が仕上がると、配役を決め、読み合わせの後、立ち稽古へと進みます。
 その中で、役者の立ち位置や出のタイミング、台詞の抑揚を指示したり、照明・衣装・セット・音響のイメージを伝えたり、迫(せり)や回り舞台等の装置の使い方を采配していくのが演出の仕事です。
 
 自分は、これまで台詞のある配役に就いたことはありません。
 殆どの作品で、先述の原作・脚本・演出を担当してきました。
 
 演劇は常に、お客様と生で対峙する、ライブの一発勝負です。
 開演前は常に、しびれる緊張感に包まれます。
 アマチュア演劇とは言いながら、千円のチケットを買って観劇頂く訳ですから、失敗は許されません。
 だからこそ、前もって周到に準備し、公演前は稽古に明け暮れるのです。
 演出家のダメ出しの厳しさに、役者が泣き出すこともありました。

 さて、営業の商談も同様に、真剣勝負のライブです。
 前もって商談予定されているお客様に対して、ぶっつけ本番で臨んだのでは良い結果に成らないでしょう。 
 
 ・上司も交えて、お客様のニーズを再確認する。
 ・懸案となっている宿題の回答や資料を、入念に準備しておく。
 ・競合他社の物件との比較論をまとめる。
 ・事前に物確を済ませた上で、メリット・デメリットを整理しておく。
 ・当日の商談を想定してロープレを行う。・・・

 予定されている商談の流れを、頭の中で事前に組み立てておくことを、セールスシナリオと言います。
 ロールプレイングゲームの様に、予期せぬ展開を想定した上で、あらゆる事態に対応すべく、プログラムしておくのが一流の営業マンでしょう。
 行き当たりばったりの営業は、脚本の無い全編アドリブの芝居も同じです。

 
 

お客様は嘘吐き

 かつて、マンション営業のコンサルタントから教わった格言です。

 「人を見たら泥棒と思え。お客様を見たら嘘吐(つ)きと思え。」

 それまで、「お客様は神様」という教育を施されてきた我々にとって、衝撃的な言葉でした。
 勿論、言葉の裏側に潜む、真意を読みとる必要があります。
 
 「家内が運転できないので、市駅周辺か、繁華街で交通の便の良いところ。」

 今春、このニーズを持ったお客様の案内を重ねたものの、他決してしまった事例がありました。
 他社で決められたのは、駅も遠い郊外の物件です。
 賃貸仲介営業の世界において、こうした事例は枚挙(まいきょ)に暇(いとま)がありません。
 故に、「お客様は嘘吐き」という極論に至る次第です。

 しかし、ここでよく考えてみて下さい。
 お客様は素人です。
 転勤の場合、土地勘もありません。
 加えて、お部屋選びのポイントは幾つもあります。

 立地・外観・家賃・日当たり・周辺環境・道路状況・広さ・部屋数・設備・築年数・グレード・・・

 これらのファクターを全て頭の中に入れた上で、優先順位を見極め、順序立てて理論的に説明できるお客様など、居る筈がありません。
 よしんば居たとしても、そんなお客様であれば、貴方(営業マン)は不要です。

 例えば、3LDKを希望するお客様に、ストレートに3LDKを薦めるのは愚の骨頂。
 何故3LDKなのか?が肝要です。
 「2LDKに住んでいて、もっと広い方が良い」とすれば、今の2LDKより狭い3LDKもあります。
 「広い方が良いけれど、予算は無い」のだとすれば、3DKの方がニーズに適う場合もあるでしょう。
 現住居の状況や不満要因の聴き取りが不充分なまま、安易に物件を出してしまうと、「この営業マン、判って無いなあ」という烙印を押されてしまいます。

 冒頭で触れた他決のお客様を担当したのは、弊社を退職した営業マン。
 決めたのは、入社前のN伊さん(大洲駅前店)でした。
 提案力の差が、明暗を分けた好例です。

 ヒアリング(聴き取り)に基づく「お客様第一」は、「お客様言いなり」とは違います。
 

声なき声を読みとる営業

 改めて言うのも何ですが、我々不動産業は、因果な商売です。

 売りたい人と買いたい人、貸したい人と借りたい人をマッチングさせて報酬を得る、言わば結婚相談所に近いビジネスモデルと言えるでしょう。
 男性だけ女性だけの会員では成立しないのと同様に、売買・貸借、双方の情報を数多く集める必要があります。
 お見合いは、相思相愛で結ばれればハッピーエンドのシンプルな仕組みですが、不動産はそうはいきません。

 売りたい人はできるだけ高く売りたい、買いたい人はできるだけ安く買いたい。
 貸したい人はできるだけ高く貸したい、借りたい人はできるだけ安く借りたい。
 それぞれが利益相反する中で、頃合いを見て調整し、歩み寄って貰うのが現実です。

 業者の貰う報酬は、法律で定められています。
 売買仲介の場合、0~200万円までの部分は5%、200~400万円までの部分は4%、400万円を超える部分は3%・・・即ち400万円超の物件であれば、物件価格×3%+6万円が、売手・買手それぞれから貰える報酬の上限です。
 賃貸仲介の場合は、賃料の一カ月分を、貸手・借手のいずれかから貰うことに成ります。
 バイバイはアンド(&)、チンタイはオア(or)・・・この辺は、次回宅建試験必勝を誓って猛勉強中の方々にお任せすることとしましょう。

 ということで、賃料も売買金額も、高ければ高いほど、我々の報酬は高くなります。
 かといって、相場からかけ離れたのでは、見向きもされないでしょう。
 デフレ経済下では、購入可能ラインまで歩み寄って頂くべく、売主の方を説得するのが一苦労です。
 特に、バブル期を経た売主様は、古き良き時代を知っているだけに、値下げ交渉も一筋縄ではいきません。

 ネット利用率が高まり、お客様自らが、エリア・条件・設備・賃料をチェックした上で、物件を絞り込んでから来店される時代に成りました。
 従って、希望の物件をパズルの様に当てはめただけで、すんなり成約できる場合もあります。
 しかし、例えヒアリングの条件に適わない場合にも、優秀な営業マンであれば、WIN-WINへの着地は可能であり、そこが成約率の差となるのです。
 声なき声を読みとり、代替案を持ちかけ、売買・貸借、双方のお客様から納得の得られる、提案力に長けた営業マンを目指して頂きたいと思います。
 

未達成のA級戦犯

 昨日は定休日ながら、二ヶ月に一度の全社会議の日。
 異動や採用で、新しい顔ぶれが増えました。
 恒例と成った自己紹介も、成長の証しです。
 
 会議で仕事が取れる訳でもなく、それなりのコストもかかりますので、本当は少ないに越したことはありません。
 今はまだ、会社を立ち上げて間もないため、社員も店長も社長も、皆未熟です。
 仕組みや決め事も充分ではなく、問題に当たる度に逐次見直し、後追いで継ぎ接(は)ぎしています。
 実務的な細かい話は店舗に委ねたとしても、大きな方向性だけは指し示す必要があるでしょう。

 店長会議も、今月から毎週開催としました。
 但し、これはあくまでも時限的な措置です。
 会社としてのフレームが固まり、社員のベクトルが合致し、企業文化が確立されれば、儀礼的な会議は要りません。
 
 会議過多の功罪は、過去の経験上、身に染みて判っているつもりです。
 多種多様な、事業・機能・拠点がマトリクスで絡み合っている場合、どうしても会議体によって消化していく必要があります。
 社員の叡智を引き出す、強制目標ではなく納得目標とする、結果管理ではなくプロセス管理を行う・・・等々、多くのメリットがある一方で、全ての経営判断が「民主的」な会議体によって合議的に導かれるため、責任が不明確になるデメリットも否定できません。

 当期目標に向かってひた走る途中で何度も立ち止まり、進捗状況を確認し、ラップタイムが遅れているならば何故遅れているかの原因を追求した上で、どうすれば挽回できるのかを協議し、具体的な行動計画にまで落とし込み、その行動計画を数値化し、実行状況をチェックする。
 こうして、目標達成へ向けたPDCA(プラン・ドゥ・チェック・アクション)全てのプロセスが、様々な会議体の中でガラス張りとなり、共有されていくのです。 
 理論上は、最高のマネジメントに映ります。

 方針も戦略も戦術も戦法も全て会議体で決定し、該当部門の社員は決められた行動計画を全てやり切ったにも関わらず、目標未達成に終わったとしたらどうでしょう。
 未達成のA級戦犯はリーダーではなく、会議出席者全員の連帯責任ということになってしまいます。
 本来ならば、リーダーたる者、数字の責任は当然に負わねば成りません。
 責任を取らないリーダーは喜劇ですし、そんなリーダーの下(もと)で働く社員は悲劇です。

 これからも、必要に応じて適宜、会議を招集しますが、それが店長の自主性・自立性・責任・権限・やり甲斐を削ぐものであっては成らないと考えます。
 各店長が立てた予算は、「できたら良いな」のチャレンジ目標ではなく、コミットメント(必達目標)です。
 達成するためであれば、理念・方針・コンプライアンスに反しない限り、いかなる手段を駆使しても構いません。
 打つ手は無限です。

怒ると叱るの違い

 月並みな言葉ですが、「怒る」と「叱る」は違います。 
 「怒る」は私憤、「叱る」は公憤。
 自己中心で独りよがりなのが「怒る」、相手のことを思って諭すのが「叱る」ということでしょう。

 言葉で言い表すのと違って、実践は難しいものです。
 叱られる方も嫌かもしれませんが、叱る方も良い気はしません。
 褒める時の数倍、数十倍のエネルギーを要しますし、その後のフォローも大変です。
 日本電産の永守社長は、「人は褒めても育たない。叱って叱って叱りまくれ!」と説きます。
 
◆ エレベーターでたまたま乗り合わせた役員が部下の名札をチラリと見て、「○○さん、いつも頑張ってくれてますね」と声掛けされても、少しも嬉しくは無い。
 一方で、廊下ですれ違いざまに、「こら!お前の作ったモーターはどうなっとるんや!火花は散っとるわ、油は漏れとるわ、使い物にならへんやんけ!」と捲し立てられると、叱られているにも関わらず、必ずしも悪い気はしない。
 それは何故かというと、上司が自分の仕事を、ちゃんと見てくれているか否かの違いだ。◆

 日常の頑張りや至らぬ点を、しっかりと把握して貰っている人からの賞賛はとても嬉しいし、例え叱られたとしても納得がいくものです。
 方や、現場のことが何も判って無い人間から褒められても感激しませんし、叱責されるとなれば「事情も知らない人間が何言ってやがんだ」と反発すら覚えます。
 例え正論であっても、留守がちな父親の説教は聞き入れず、常日頃一緒にいる母親に対して従順であるのも同じでしょう。
 だからこそ、社員教育の要は、社長ではなく店長なのです。

 若い時期は、叱責や説教に、へこむことがあるかもしれません。
 しかし、何年か経って振り返ってみると、上司の厳しさの裏に潜む愛情を悟り、感謝することばかりです。
 他人の子なら見て見ぬふりでやり過ごすかもしれませんが、我が子だと思えばこそ、引っ叩いてでも矯正しようとします。
 何処の家庭も共通に、母親は強く、逞しく、厳しく、そして優しいものです。 
 
 
 
 

店長が主役の会社

 昨年9月に大洲駅前店を立ち上げた際は、社長一名・店長一名・社員一名という組織でした。
 ポストはあっても、常に社長がそこに居る訳ですから、事実上、店長兼社長です。
 12月に松山南店を立ち上げることになって始めて、店長に全権を委任し、名実ともに管理職と成ります。
 
 松山南店も、大洲の立ち上げ時と同様に、名ばかり店長と社長が並立する状態が続きました。
 朝礼のトップコメントも、週礼の仕切りも、社員個々の教育も、すべからく社長自らが出しゃばっていた訳です。 
 本来、社長には社長の、店長には店長の立場と役割と責任があります。
 店長が担うべき役割を社長が担い、店長の台詞を社長が話してしまうことからくる弊害も散見されたものです。

 当時の店長は、トップダウンされた指示事項が期限までにできていない時に、「指示したけれど、社員がやっていないだけ。」と、部下に責任転嫁してしまう、管理職不適格者でした。
 社長の言葉を、ただ伝えるだけのメッセンジャーだとしたら、店長は不要です。
 マネージャーのマネージとは、やりくりすること。
 店舗運営を全権委任されることに遣り甲斐を感じ、全責任を負うだけの覚悟が無ければ務まりません。
 スタッフが手薄であったり、個々の能力が未熟であったり、反響が少なかったり、様々な問題や障害を抱える中で、何とかやりくりして、目標を完遂することが使命と言えるでしょう。

 社長は一人ですから、多店舗展開する中で兼任していくことは、物理的にも時間的にも不可能です。
 今年、三店目、四店目の展開が計画されたため、責任と権限を全面的に移譲しています。
 現在トレースしている各店の予算は、それぞれ店長自らが組み立てました。
 売上の計上基準から、経費仕分けに至るまで、初めて目にする言葉や数字もあり戸惑ったかもしれませんが、予算は一年間かけて航海する船の目的地です。
 キャプテンたる店長が、何処を目指し、どうやって到達するかを納得していなければ、安全な航海はできません。
 
 予算を達成するための手法は無限にあります。
 賃貸仲介でも売買仲介でも管理でもリフォームでも火災保険でも、どんな売上でも結構です。
 広告宣伝費や販売促進費といった経費も、それ以上のリターンが見込めるのなら認めますし、そのためのアイディアや提案があれば、いつでも耳を傾けます。
 予算達成に対しては、相応の報われも期待して貰って結構です。
 直属の部下には、愛情を持った厳しさで接することで、「店長に育てられた」「店長の様に成りたい」と慕われる上司を目指して下さい。
 店長が主役の会社をつくるために、靴の上から足を掻く思いを堪えながら、毎朝メッセージを送っています。  
 

明日は我が身のリプレイス

 とあるオーナー様が唐突に来店され、店長の誠実な応対により即日、管理の内諾を得ました。
 管理会社変更の理由は、以下の通りです。

 「近年入居した方は全て、自分の縁故関係者であり、管理会社からの斡旋は皆無。
 連絡は決まって、必要経費の相談ばかり。
  入居付けの結果はともかくとして、改善するための提案が一切無かった。」

 オーナー様の心の声を凝縮したかの様な、象徴的なコメントです。 
 管理会社に求められるのは、一に斡旋力、二に提案力。
 その二つをクリアできなければ、三も四もありません。

 従前の管理会社に対する不満を恒常的に抱えながら、辛抱に辛抱を重ね、しびれを切らし、棚から牡丹餅の格好でお役立ちの機会を頂いたものです。
 有難いお声掛けに感謝する一方で、我々にとっても大いなるプレッシャーでしょう。
 
 弊社では、全ての管理物件に対し、毎月報告書を送付しています。
 建物の不具合や管理状況と共に、入居希望者のご紹介やご案内の記録を添え、「何故決まったか」「何故決まらなかったか」という生の声をレポートするのです。
 決定要因や他決要因は、リノベーションや条件変更を行う上で、「どうすれば決まるか?」を探る最大のヒントになります。
 
 20年前の様に、入居者が順番待ちする貸手市場であれば、創意工夫も改善提案も必要ありません。
 一転して借手市場の今は、無策で放置すれば、見向きもされなくなるのが実相です。

 冒頭のコメントを反面教師に、自社の管理物件に当て嵌(は)まりはしないか?改めて確認してみて下さい。
 努力を怠る者にとって、明日は我が身のリプレイスです。 

一人の百歩よりも百人の一歩

 昨日の拙文に、リーダーの役割は「足らざるを補うこと」と説きました。
 リーダー自身が数字を上げようと、部下の頑張りに委ねようと、目標さえ達成すれば、プロセスはどちらでも構いません。
 ここで、もう少し掘り下げます。

 今は、フロント営業一店舗3名体制です。
 従って、営業力に長けた店長であれば、3人分の成果を上げることも可能です。
 短期的に見れば、部下に教えるよりも、自らが動く方が早くて正確で効率的かもしれません。
 
 但し、やがて規模が拡大し、部下10名の体制と成ればどうでしょう。
 いかにスーパー営業マンであったとしても、10人を養うだけの成果を叩き出すのは至難の業です。
 将来的に継続的に安定的に数字を作っていこうとするならば、店長はポイントゲッターではなく、司令塔に進化する必要があります。 
 ランクアップやロープレといった地道な作業の繰り返しは、回り道に見えても、実は成功への王道です。
 先日のエイブル経営者の会においても、一番大切なのは人材教育という結論に成りました。
 
 イチローや斎藤の様に、生まれながらに「持っている」スーパースターは貴重です。
 同様に、「上位2割の優秀な人材が、会社の利益の8割を稼ぐ」パレートの法則が、多くの企業にも当てはまります。
 しかし、中小企業にとって、スーパースターに依存する収益構造は如何なものでしょう?
 優秀だからこそ、今の会社に物足りなさを感じ、遅かれ早かれ流出してしまう可能性は大です。
 その人材を失うことで、会社がガタガタに成ってしまうリスクもあります。
 一般人に真似のできない、天才肌の行動特性は、マニュアル化して共有することすらままなりません。
 社員のレベルにバラつきが生じ、会社として目指すべき、均一なサービスの提供が阻害されます。
 やはり企業にとっては、一人の百歩よりも、百人の一歩が大事なのです。

 日露戦争を目前に備え、厳寒の八甲田山で行われた雪中行軍の様子を描く、新田次郎著「八甲田山死の彷徨」は、リーダーシップの重要性を示す、鮮烈な教材となりました。
 神田大尉率いる青森5聯隊は、指揮系統の混乱から統制を失い、実に199名もの犠牲者を出します。
 方や少数精鋭で臨む、徳島大尉率いる弘前31聯隊は、210㎞11日間に渡る全行程を、誰一人欠くことなく完全踏破するのです。
 
 一匹の羊に率いられる百匹のライオンの群れよりも
 一匹のライオンに率いられる百匹の羊の群れが勝る

 リーダーの責任と権限委譲の重要性が、ここにあります。

足らざるを補う

 リーダー(店長・社長)の唯一にして最大の役割は、組織(店舗・会社)目標の達成です。
 
 組織目標が100だとします。
 部下のAさんが40を稼ぎ、Bさんが30であったとしましょう。
 100-40-30ということで、達成までには30足りません。
 すると、リーダーが30を補って、100の目標を達成させるのです。

 AさんとBさんとで95を叩きだしたとすれば、リーダーは残りの5を補います。
 部下の合計が20しかなければ、リーダーは何とかして80を上げねばなりません。

 ちなみに先月の某店は、文字通り店長が孤軍奮闘し、店全体の数字の99%をつくりました。
 プレイヤーとしては賞賛に値する活躍でしょう。
 しかしながら、店舗の目標は未達成に終わっています。
 従って、厳しい様ですがリーダーとしての評価は、及第点ではありません。
 例えリーダー個人の実績がゼロであったとしても、部下が頑張って100以上を上げてくれれば、前者よりも評価は高く成ります。

 先日、私自身も4件のテナント契約を決め、個人ランキングで滝井店長に続く2位に躍進しました。
 勿論、ここまでの組織を率いて、営業成績で部下と張り合う気は毛頭ありません。
 それは、足らざるを補っただけです。

 自身が率先垂範して数字をつくり、背中を見せて引っ張るのも良し。
 部下を教育・サポート・鼓舞して、数字を上げさせるのも良し。
 その二つを併用するのも良し。
 リーダーシップのスタイルに、正解はありません。
 要は、尋常成る手段によって、目標達成できるか否かです。

 できない理由を排除し、どうすればできるかの可能性を追求する、ポジティブ集団を目指しましょう。
 

向かいの山の紅葉

 出典先は忘れてしまいましたが、季節外れの短い詩を一節。

 「向かいの山の紅葉が綺麗だったので、そこまで行ってみた。
 振り返って見てみると、元居たところの方が綺麗だった。」

 向かいの山の紅葉も、隣の芝生も、他所の奥様も、総じて綺麗に見えるものです。
 続きまして、ダンテの「神曲」地獄篇より。

 「不幸な境遇にあって、かつての幸せをおもうほど、悲惨なことはない」

 過ぎ去った過去は、どれだけ念じても戻ってはきません。
 不幸と思う今も、更に不幸な未来が到来すれば、幸せな思い出の引き出しに納められます。
 更に続けて、ここで一句。

 「近寄れば、さほどでもなき、富士の山」

 遠方から眺めれば、なだらかで秀麗な山も、いざ登ってみると岩だらけゴミだらけで、失望させられることは少なくありません。
 
 人は皆、現在・過去・未来、自分と他人、自社と他社等を比較して、幸福感を確認する生き物です。
 デフレに喘ぎ、不景気の続く日本を、何とかして貰いたいと願う一方で、
 飢餓に苦しむ国や戦時下の国のニュースを目にすると、「日本人に生まれて良かった」と安堵します。

 優越感に浸ったり、劣等感に苛まれたりするのは、すべて心のものさしが無意識に比較するからです。
 しかし、過去も他人も性格も境遇も、一切変えることはできません。
 そして、未来と自分と考え方と行動だけは、変えられます。

 「生きる」のは、今だけ、ここだけ、あなただけ。
 コントロール不能な過去や他人や境遇に捉われ、嘆くことこそ不幸の始まりです。
 現状を受入れ、明るい未来を信じ、最善を尽くして、今を生き切りましょう。
 
 
 

四つのカンパニーの自立

 水曜日は定休日ですが、午後から定例のグループ会議に臨みました。
 その中での決定事項が一つあります。
 
 これまで、営業社員の個人別ランキング表を開示していました。
 接客数・契約数・契約金額・成約率がグラフ化されて、成績の優劣が一目で判るものです。
 このランキング表の開示を、店舗毎の集計に改めます。
 
 本来、営業会社にとって、個人別ランキングは必須です。
 トップクラスの社員は褒め称えられ、周囲からの羨望の眼差しによって更にやる気を出し、成績の振るわない社員は危機感が煽られて、何とか挽回しようと努力する・・・そのシビアな競争は、営業マンである限り避けて通れません。

 かつて、幼稚園の運動会を参観した際、一風変わった徒競走に驚かされました。
 園児達は、ホイッスルと同時に一斉にスタートします。 
 当然、早い子と遅い子は歴然としていて、差は広がる一方です。
 ところが、ゴールの手前5mの位置に、先生が大きく手を拡げて待っています。
 次々と先生の胸に飛び込んでいき、最後の一人が追いついた段階で、全員が手をつなぎ一列でゴールするのです。
 1位も最下位もありません。

 格差をつけることで、負けた子供が劣等感に苛(さいな)まれてしまうことを抑止するためでしょう。
 競争の無い、ゆとり教育の温室で育った若者達が、今日社会人デビューし、資本主義の寒風に晒(さら)されています。
 現実の世の中は、踏まれても踏まれても這い上がってくる、雑草の如き逞しさがないと生き残ってはいけません。

 そんな中で敢えて、個人別のランキング発表を廃止することに成りました。
 理由は、幾つかあります。

① 管理等、数字に表れない仕事が多い
② 大洲と松山の地域性が大きく異なる
③ 個人プレーよりもチームプレーが大切

 これからは、各店長を中心に、店舗毎のチーム対抗戦の色を強めていきます。
 かといって、「これで数字のプレッシャーから開放される」と考えるのは大間違いです。 
 個人の数字の集積が店舗の数字、店舗の数字の集積が会社の数字であり、決して魔法の杖はありません。
 最大の狙いは、店長自身に経営者と成って頂くことです。
 人材育成も宣伝広告も休日のシフトも経費予算の使い方も、自らの責任で采配し、自店の業績向上を目指して下さい。
 四つのカンパニーがそれぞれ自立できるならば、隆々たるNYの未来が約束されることでしょう。

斬るか斬られるかの真剣勝負

 先日発表があった通り、ウエストコンサルタントのソフトボールチームは、来シーズンからトップリーグに参戦するそうです。
 昨年の全日本実業団ソフトボール選手権の覇者ながら、今まで以上にハイレベルな戦いが予想されます。
 練習も、それに見合った量と質が求められるのは当然でしょう。
 目標が高ければ高いほど、そこに到達するまでのプロセスは辛く厳しいものになります。
 換言すれば、高い目標があるからこそ、難行苦行にも耐え得るのです。

 さて、我々の会社は、民間のエンドユーザーがターゲットという意味において、ウエストグループ12社の中では異色の存在です。
 営業マンは、常に他社の営業マンと比較されています。
 「経験が無い」「若い」「この前まで異業種にいた」・・・お客様には何の関係もありません。
 そして我々は、全国ブランドであるエイブルの看板を掲げ、仲介管理のトップリーグを目指しています。
 看板だけでなく人材についても、競合他社に負けないだけのレベルアップが必要です。
 
 既に何名かの社員が淘汰されていますが、生半可な考えでやれる仕事ではありません。
 ヒアリング能力も、知識力も、提案力も、激しい訓練を通して高めていく必要があるでしょう。
 指示されずとも、営業関連の本を読みあさる位の気構えがあってしかるべきです。
 
 自分が20代の頃に所属していた、同級生のソフトボールチームは、地域のリーグ戦に参加していました。
 二部では善戦して昇格するのですが、一部では全く勝てず、すぐに陥落します。
 「一部よりも二部の方が楽しい」等と言う不謹慎な発言も、チームメイトの本音です。
 勝てば祝勝会、負ければ残念会と、勝っても負けても飲んで騒いで、面白おかしく遊んでいました。 

 ここではっきりと線引きします。
 ウエストのソフトも、NYホームの不動産業も、共に遊びでは無いのです。
 文字通り、斬るか斬られるかの真剣勝負であり、何としてでも勝たねばなりません。
 
 草野球のバッターは松坂のストレートにかすりもしませんし、序の口力士は横綱白鵬相手に百戦百敗してしまうでしょう。
 同様に、駆け出しの営業マンとベテラン営業マンとの、知識・経験・能力の差は明白です。
 かといって、お客様に対し「自分は頼りないけれど、実験台と思って辛抱して下さい」等とは、口が裂けても言えません。
 経験は学習で、能力は熱意で、知識は行動で、それぞれリカバーすれば、お役立ちすることができます。
 今の自分の立ち位置を自覚した上で、あるべき姿を描き、相応しい研鑽を積んで行って下さい。
 

体調管理は仕事の一部

 かつて、「夜のヒットスタジオ」という、生放送の歌番組がありました。
 一世を風靡したアイドルから、滅多に露出しないアーティストまで、その時代を象徴する豪華な顔触れに、嬉々として見入ったものです。
 新聞のTV欄で出演者をチェックして、チャンネルを合わせると、司会の芳村真理さんと井上順さんが出てきて、「申し訳ありません。今日出演を予定していた□□さんは体調不良でお休みです。急性上気道炎の疑いで三日間の安静が必要、という医師の診断書を頂いています。早く元気になって下さいね。」と、神妙な面持ちで伝えられ、「そりゃ大変だ。□□ちゃん大丈夫かなぁ。」と心配したものです。
 しかし、これはいわゆる「風邪」に過ぎません。

 TV局のオファーを受けた事務所サイドとすれば、生放送に穴を空け迷惑をかけてしまう都合と、ファンの手前もあって、「ちょっと風邪ひいたんで休ませますわ」とは言えない訳です。
 少しでも重みを持たせようとすれば、黄門様の印籠の如く医師の診断書となります。

 さて、同番組に「TUBE」が登場した時のことです。
 ヴォーカルの前田亘輝さんは、明らかに風邪を引いていて、扁桃腺をやられています。
 歌前のトークでは、声がかすれて、全く聞き取れません。
 「これじゃあ、とても歌えないだろう」と思っていたら、豈(あに)図らんや、別人かと思う様な張りのある声の熱唱に驚嘆しました。
 「これぞプロフェッショナル」と感心したものです。

 歌手でも、野球選手でも、サッカー選手でも、大病や大怪我は報道されても、病欠という話は殆ど聞きません。
 政治家に至っては、例え重い病気であっても、それをひた隠しにして健康体を装います。
 病弱というイメージが拡がれば、同情されるどころか、信用を失うからです。
 それに比較して、ビジネスマンは何と甘っちょろいことでしょう。
 前の晩に深酒して二日酔いで頭が上がらない時にも、「体調が優れないので・・・」と、安易に休む輩もいます。
 「飲み会の翌日は、朝一番に這ってでも会社に行け」・・・若い頃に、先輩から教えられました。

 誤解して頂きたくないのは、「病気の時に無理して出て来い」と言っているのではありません。
 歌手やプロスポーツ選手や政治家同様に、我々はこの不動産業を生業(なりわい)とするプロであります。
 プロであるならば、体調管理は仕事の一部です。
 営業が上手だとか、事務能力が高いとか論じる以前に、ビジネスマンにとって大切な心掛けは、出勤日に休まないことを、当たり前にすることです。

対岸の火事でなく他山の石とする

 「主体的に考えろ」とか「当事者意識を持て」という指導をしたり、されたりします。
 会社の中で、誰かが褒められる、或いは注意される、そんな場面に遭遇しても「対岸の火事」と思えばそれまでです。
 自分の言動に照らして「他山の石」とできるならば、常に成長の種を拾うことができます。
 「素晴らしい行動だ。自分もこの部分を改めればもっと評価されるに違いない」
 「今は彼が叱られているが、自分もできていた訳ではない。以後、改めよう」

 そうした反省と戒めの機会は、会社の中だけに限りません。
 世の中では常時、様々な出来事が起こっています。

 例えば、専決処分を繰り返し、議会と対立していた鹿児島県阿久根市市長の竹原信一氏は、先日のリコール投票によって失職することになりました。
 本人は、正しいと確信し信念を持って突き進めてきたものの、大衆の過半は独善的と判断した訳です。
 賛成票と反対票の差は、僅かに398票でした。
 
 松岡は、個人的には竹原氏を支持しています。
 ビジネスにおいて政治はタブーですから、この問題の是非について掘り下げることはしません。
 学ぶべきは、説明責任です。
 例え舟が目指すべき方向は正しくても、そこに至るまでのプロセスがクルーに理解されなければ、成就し得ない典型的な事例と言えるでしょう。
 自分自身も、経営を掌(つかさど)る上で、過去を振り返り、大いに反省させられるのです。
 さて、こうした拙(せつ)文の感想を求めると、幾つかのパターンに分かれます。

1.自分の言動に照らして反省し、今後の改善を打ちだす人
2.自分の言動は棚に上げておいて、他人の論評に終始する人
3.自分にとって関係の無い話と受け止める、無関心な人
4.伝えたい幹の部分ではなく、枝葉の部分に注目する人

 素直とは、他人からの進言を、一方的に聞くだけのことではありません。
 読書も、単に読むだけでは意味がありません。
 その内容をしっかりと咀嚼(そしゃく)し、当事者意識をもって受け止め、主体的に言動を改められることが肝要なのです。
 
    

身近なベンチマーク

 昨夜は、グループの忘年会でした。
 グループ企業の社員全員が一堂に会す機会は、年に一度だけです。
 代表総括に続く表彰式では、グループ12社の中から僅か3人だけという狭き門を突破し、大洲駅前店の滝井店長が見事、優秀社員に選出されました。
 
 前職時代の彼は、早々に管理職となり、ほどなく役員に任命されたため、表彰とは一切無縁です。
 小学校以来という表彰状に、若干の照れ臭さと、それを大きく凌駕する喜びを感じたことでしょう。
 
 大洲の管理物件増大は、決して強引な営業によって成し得たものではありません。
 その多くは、「滝井店長なら安心」という、オーナー様からの絶大な信任によるものです。
 空室の目立つ物件は、入居斡旋という、確固たる実績を通じてお役立ちしてきました。
 クレームの連絡が入れば、先送りすることなく、すぐさま駆けつけます。
 最も多い管理棟数・戸数を抱えながら、実質二名のスタッフで切り盛りしてきた大変さは想像に難くありません。
 
 オーナー様へ家賃を持ち上げる毎月の精算書も、大洲だけは店長の仕事です。
 入居者からの家賃も、大洲だけは店頭での現金集金を併用しています。
 一つの仕事に集中している時に、家賃を持って来られたり、クレームの連絡で中断されると、誰しも笑顔が作れないものです。
 いかなる時も彼は、「こんにちは!」と大きな声と笑顔でお迎えできる、優しさと懐の深さを兼ね備えています。
 オーナー様が訪ねて来られて管理を直接依頼されるのも、家賃を納めに来られる入居者様がハイテンションで談笑されるのも、それが滝井店長だからです。
 
 卓越した処理能力の管理実務だけでなく、フロント営業としての実績も申し分ありません。
 文字通りトップ営業マンとして、NYホームの数字を牽引しています。
 今回の優秀社員表彰は、実績・実務・人間性を含め、異論の余地の無い、満場一致の結果でした。
 
 会社設立から一年半、矢継ぎ早に4店を開店し、人材を雇用し、種蒔きを続けるNYホームですが、来年こそは収穫を見届ける必要があります。
 今後の社運は、各店長の店舗運営の手腕にかかっていると言っても過言ではないでしょう。
 各々の店長が切磋琢磨し、ハイレベルな競争環境を実現できたならば、会社の隆盛は確実です。
 身近なベンチマークをお手本に、日々精進頂くことを期待しています。 

追う者の強み

 昨日も少し触れた通り、四国の中でも松山の市場は特殊です。
 上位数社を中心として各社は、自社管理物件の入居率アップを経営のファーストプライオリティ(最優先課題)と位置づけています。
 何故なら、空室が長期化してしまうとオーナー様から見切られ、貴重なストック収入を失うからです。

 競合他社からのリプレイス(管理変更)攻勢に対抗するため、弱みである空室状況を全てさらけ出し、「これだけ空室があり困っています。何とか助けて下さい。」と、同じ競合他社に懇願して廻る、歪(いびつ)な構図が常態化しています。
 頼まれた方は、「困った時はお互い様。何とか頑張ってみましょう。」と手を差し伸べるフリをして、空室の目立つ物件のオーナー様へ、リプレイス営業をかけるのも常套手段です。

 或いは、言葉通りに入居斡旋で何件か協力した後、オーナー様のもとに出向き、「実は最近決まった入居者の殆どは弊社が決めたものです。」と実績をアピールしてリプレイスを促します。
 各社共に、そうした因果な成り行きを是認しながら、テーブルの上ではニコニコ笑顔で接し、アンダーテーブルで蹴り合っているのが実情です。

 管理10,000戸の会社と100戸の会社を比較すれば、前者の方が100倍「力」があります。
 しかし、前者の集客力が10倍あったとしても、一物件に割り振られる反響は、後者の10分の1しかありません。
 同じエリア内で、自社バッティング(共食い)するケースも少なくない筈です。 
 一方我々は、自社管理物件への紹介を集中的に行うことができます。

 後発企業は、防衛すべき物件が少ないだけに、攻めに専念できる点が最大の強みでしょう。
 だからこそ、各店長の柔軟かつ戦略的な発想が重要です。
 目先の収入だけにこだわるのではなく、中長期的な視点にたってターゲットを定める必要があります。

 そもそも、全ての物件が紹介できる、ということは、商品(物調)による差別化が難しい市場なのです。
 あなた自身が接客の度に、提案力や人間力も含めた総合力で、選ばれるか否かのシビアな天秤にかけられます。
 即ち、他決したとすればそれは、商品力で負けたのではありません。 
 そこで求められるのは、「今の管理会社よりも我々にお任せ頂く方が必ずお役立ちできる」という自信です。
 仮に今、自信が持てないのであれば、そうなるための努力を惜しんではいけません。
 その努力を放棄するのであれば、この業界に生きる資格が無いものと自覚しましょう。

ビジネスは戦争

 低気圧の影響で大荒れの中、昨日と今日にかけて高知に行って参りました。
 四国地区のエイブルネットワーク加盟店のTOPが、一堂に会する情報交換会です。

 四県の各加盟店の話を聞いて改めて感じたのは、同じ四国で、同じブランドを掲げ、同じ不動産業を営みながら、地域格差が大きいということでした。

 弊社の大洲駅前店は、人口5万人・民間賃貸数5,704世帯をホームにしています。
 マイナス思考という意味ではなく、市場の小ささに限界を感じてしまうこともあるでしょう。
 ところが、徳島の会社が運営する藍住店は、人口3.2万人・民間賃貸数1,684世帯。
 徳島西店のある石井町に至っては、人口2.6万人・民間賃貸数749世帯しかありません。
 大洲市の、僅か8分の1のマーケットで戦っているのです。
 一方松山市は、人口51.4万人・民間賃貸数75,870世帯と、大票田を抱えています。

 御承知の通り、集客や売上は、マーケットの大きさに比例する訳ではありません。
 マーケットが大きければ大きい程に、強い会社が乱立し、競合が激しくなります。
 逆に小さなマーケットであれば、ライバルが少ないために、独占・寡占も可能です。

 売上を上げる方法は三つ。
1.エリアを拡げる(大洲→松山南→松山久米→松山北→???)
2.商品を増やす(付帯商品・リフォーム・売買・テナント・・・)
3.シェアを高める(仲介件数・管理戸数等々、地域№1を目指す)

 先の徳島石井町は、エイブルが進出するまで、旧態依然とした不動産業者だけのエリアでした。
 他社に無い、システムやブランドやノウハウという、強力な武器を携えて殴り込みをかけるのですから、シェアを奪うことは、いとも簡単でしょう。
 竹槍で抵抗しようとする兵士を、ナパーム弾で駆逐するようなものです。
 今や、「石井町の部屋探しは、エイブルでなければならない」という、圧倒的な存在感を誇っています。

 新居浜店の、入居看板設置の方針には驚かされました。
 「他社看板のある物件は、それを外して貰わない限り、自社看板を設置しない。」
 たった、一行の短い台詞の中に、非常に強い信念が感じられます。
 シェア争奪戦の中、他社看板を外して自社看板を取り付けられれば、ライバルのダメージは二倍です。

 管理比率の高い松山では、管理会社自身がライバルに斡旋協力をお願いする関係上、業者間のコミュニケーションが良好ではありますが、反面、ぬるま湯的な甘っちょろさを感じます。
 ビジネスは、食うか食われるかの戦争です。
 相手を倒さなければ、こちらが倒されます。
 中長期的な視点で見れば、共存共栄など絶対にあり得ません。
 常に、同じ市場の競合他社と戦っているのだという意識だけは、失っては成らないと思うのです。
  

 

 
 

  

いつか実を結ぶ徒花:後篇

 進めていたテナントの契約が決定しました。
 新居浜・今治・大洲・宇和島の四都市において、片親世帯の就業支援教室を開講する、国庫補助事業です。
 社会的・公益的意味合いのある事業のお手伝いができることを誇りに思います。
 
 お客様からお話を頂いた段階では、事業参入できるか否か、11月末のコンペ結果発表まで判らない、不確かな状態でした。
 加えて、開講までの時間が極めてタイトであるため、発表後に準備を進めたのでは間に合いません。
 当初お客様は、御自身で回られて目星をつけようと考え、他業者への依頼もされています。
 実際に、社長・部長・担当者の三名で来店された時は、大洲だけの話でした。
 何れも品薄のエリアであり、交渉の難易度が高いために、断念せざるを得なかったようです。
 ある日、突然電話が入り、四都市全ての取りまとめを特命で任せて頂くことに成りました。
 
 お客様も我々も、実る確証のないまま、打ち合わせや情報収集に、多くの時間を費やします。 
 その甲斐あって、これからの工程は、スムーズに進めることができそうです。

 そもそも、不動産業は成功報酬がベースであり、徒労に終わる作業は少なくありません。
 成就する可能性が低そう、という先入観だけで努力を出し惜しんでいると、情報自体が入らなくなってしまいます。
 今回、特命になった理由も、初来時に真摯に応対させて頂いたこと、御礼状をしたためたこと、それ以外に特に理由は思い当たりません。
 
 前篇で紹介した菓子店や飲食店は、サービスやCSを究極的に突き詰めようとする強力なライバルが存在します。
 伝説のサービスで有名な「リッツカールトンホテル」や、百貨店「ノードストローム」の接客レベルは桁違いです。

 不動産業は、菓子や洋服より高額な商品を扱うにも関わらず、相対的な接客レベルは高くありません。
 これは、千載一遇のチャンスです。
 未成熟産業だけに、他社のサービスを出し抜くことは、然程難しくないでしょう。
 
 余談ですが、80円のどら焼き一個のおばあさんは後日、法事菓子として、10個入り進物16箱を注文頂きました。
 一見、徒花に見える努力も、長い目で見れば、いつかは実を結ぶものです。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・尊敬する人 
稲盛和夫 西川広一 松下幸之助

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン
・趣味
 劇団AUGAHANCE初代代表
 主に脚本・演出を担当

・経歴 
 中卒後、大工・石工と職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業

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