fc2ブログ

戻るべき場所

 いつも拙文に取り上げる、キングカズこと三浦知良選手の日経新聞連載コラム。
 同世代だからこそ、共感できる部分は少なくありません。

 大谷翔平、八村塁、三笘薫・・・。
 富と名声を手にするトップアスリートは、誰もが一度は夢見る羨望の職業と言えるでしょう。
 しかし、頂点に立つことができるのはほんの一握り。
 しかも、その選手寿命は実に短命です。

 ちなみに、プロサッカー選手の引退年齢は、平均26歳。
 狭き門を潜り抜けられたとしても、ピッチ上で脚光を浴びる年数は、僅か6年にも満たないのです。
 三浦選手は来年2月で57歳。
 15歳で単身ブラジルに渡ってから、実に40年以上もプロの看板を背負っています。

 三浦選手の肉体的な強靭さは言うまでもありません。
 それ以上に注目すべきは、アスリートとしてのピークを過ぎたことを自覚しながらも、過去の栄光にすがることなく、つまらないプライドをかなぐり捨て、一兵卒としての自分を受け入れ、チャレンジし続けられる精神的なタフさです。
 
『栄光は時を超える。
 消す必要はない。
 でも、それは戻るべき場所とはちょっと違う。
 それ以上のものをつくることを考えたい。
 僕個人についてもそう。
 過去の甘いぬくもりを振り返るより、これから先に見えるであろう、光のまぶしさを信じる。』

 小生61歳。
 「ビジネスマンとして老け込むのはまだまだ早い」
 今朝もまた、カズから叱られた気がします。
スポンサーサイト



手品じゃあるまいし

 近年、日本は貧乏に成ったと言われます。
 1990年前後のバブル全盛期は、山手線の内側でアメリカ全土が買えると言われていた時代です。

 当時の日本人の平均年収は、約440万円。
 アメリカはと言うと、約280万円。

 30年が経過した今、アメリカの平均年収は2.5倍の約700万円。
 対する日本は、当時のまま約440万円。
 まさしく失われた30年です。

 もう一つの切り口は、物価の目安となるビッグマック指数。
 最も高いのはスイスの1,098円。
 欧米各国は軒並み、800円前後。

 対する日本は、44位の450円。
 韓国580円、中国497円、タイ531円の後塵を拝し、ベトナムにも444円で肉薄されています。
 何れもかつて、工場を設けたり、豊かな老後を過ごそうとしていた、物価の安い筈だった国々です。

 失われた30年間の日本は、デフレが蔓延。
 年収は変わらずとも、モノの値段が上がらない、もしくは下がっていたため、何とか豊かで居られました。
 しかし、これからはそうはいきません。

 年収は上がらず、物価だけが上がり、景気が後退する。
 スタグフレーションの幕開けです。

 打開策はというと、戦後復興時の様に、全国民が馬車馬の様に働くことでしょう。
 であるにも関わらず国は、表面上の豊かさを維持すべく、借金しては民にばら撒き、リスクは将来に先送り。
 労働基準局は、勤労意欲に水を差しまくり、ブレーキをベタ踏みし続けています。
 
 要約すると、休みを増やして、労働時間を短くして、給料を増やせ!
 手品じゃあるまいし・・・。

人生の帳尻合わせ

 以前在籍したグループ会社に、小さな清掃の仕事を依頼させて頂きました。
 現地確認に来たのは、かつての同僚です。
 礼儀正しく、誠実で、辛抱強い彼は元々、人材派遣会社のブライダル担当者でした。

 クライアントに恵まれ、会社は順調に成長。
 プライベートも生涯の伴侶と出会い、二児を設け、公私共に順風満帆かと思えました。

 周知の通り、4年前に猛威を奮った新型コロナ禍で、世界のビジネスは停滞。
 特にブライダル業界は大打撃を被ります。
 先行きの見通せない中、後ろ髪引かれつつ、苦渋の決断で、他のグループ会社に転籍。
 転籍先は全くの門外漢であったものの、家族を守るため、彼は直向きに業務に勤しみました。

 ところが今度は、その家族を病魔が襲います。
 愛する伴侶が、脳の病に倒れ突然の早逝。
 幼子二人を残してのことです。

 天は時に、理不尽で非情な試練をお与えに成ります。
 しかし、苦あれば楽あり、楽あれば苦あり。
 長い目でみれば、必ず人生の帳尻は合います。

 そして、
 やまない雨も、明けない夜もありません。

ひろゆき論法の虚

 これほどまで明快に、「我が意を得たり」と思えることは、そうありません。
 
 ことの発端は、インフルエンサーひろゆき氏と衆議院議員米山隆一氏との対談です。
 ひろゆき氏は屈指の論客として名高く、論破王の異名を馳せています。
 しかし、彼の動画を見ていると、何故か気分が悪くなる。
 上手く言い表せなかったその負の感情の理由を、米山氏はロジカルに解説してくれました。

【彼の様に、相手の感情を揺さぶり、瞬間的に言い返す力を競うのは殆ど意味がない。
 彼は、相手の主張を極論にして返してくる。
 『そんなことは言ってない』と冷静に指摘するのが大事だが、専門家でも急には言い返せない。
  自信満々で言ってくるから、彼のほうが正しいような印象を与える。
 (時に)にやにや笑って勝った風をする。
 (所詮)他人が返答し辛い質問をする『芸』でしかないし、議論が得意なわけでもない。
 しかも実は、知識も乏しい。
 そもそも彼は、ネット業界で少し成功しただけの、単なる普通の人。
 生産性がないし、議論を深めているわけでも無い。
 誰にでもズケズケ言えるから、人々のガス抜き役になっているだけ。
 『ひろゆき論法』的な、自分の正しさを演出する技法が流行っているが、そうした論法の使い手が、必ずしも正しいことを言っているわけではない。】

 ディベートを戦う上でのテクニックに長けた巧者という位置づけは、まさしく当を得ています。
 SNSやyoutubeの普及により、誰もが持論を広く自由に主張できる時代になりました。
 玉石混交の情報が氾濫する中、正邪善悪を見極め取捨選択する、受け手側のリテラシーはより重要性を増しています。

優越的地位の濫用

 楽天イーグルス、安楽智大投手のパワハラ事件が問題視されています。
 安楽投手と言えば、地元愛媛の済美高校出身です。
 近年はセットアッパーとして活躍していましたが、事件を受けて自由契約と成りました。

 食事の誘いを断ると深夜までしつこく電話をするとか、着衣を脱がして辱めに遭わせる等々。
 かなりの数の後輩から、被害の声が上がっているようです。

 悪気なく「体育会系のノリ」、と解説する報道もあります。
 しかし、時代は既に令和。
 そして、安楽投手は27歳の立派な大人。
 事の重大さを受け止め、被害者に詫び、反省し、再起して貰いたいものです。

 さて、こうした問題は、必ずしも対岸の火事ではありません。
 年齢、成績、実績、キャリア、地位、体力・・・。
 自分よりも力関係が劣る相手に対し、上から目線で接してしまうことは、誰しも経験があるでしょう。
 
 社会通念上の常識に照らしアンフェアであったとしても、部下や後輩といった弱者からは声を上げ難いものです。
 ビジネスでは、元請業者が下請業者に対して理不尽な要求を行うことを、優越的地位の濫用と言います。

 本来、元請と下請の関係は、win-winです。
 相互に必要とし合い、助けることも、助けられることもあります。
 産業構造的な捉え方としては誤りではないものの、「下請」という表現も改められるべきでしょう。

 意識の高い会社は、「協力業者」と呼んでいます。
 しかし、協力して貰う業者という意味で、それも元請本位と受け取れないこともない。
 そこで、以前の会社では「ビジネスパートナー」という称号を使っていました。
 その会社は、夢グループではありません。
プロフィール

Hideo Matsuoka

Author:Hideo Matsuoka
・生年月日 昭和37年10月30日

・好きな言葉 
今日は残された人生の最初の一日

・信条「先憂後楽」

・資格 ①宅地建物取引士
    ②建築2級施工管理技士
    ③マンション管理業務主任者
    ④防火管理者
    ⑤少額短期保険募集人
    ⑥損害保険募集人
    ⑦損害保険商品専門総合
    ⑧不動産キャリアパーソン

・経歴 
 雄新中卒業 → 新田高校中退
 大工・石工と約十年職人道を歩む
 平成2年 
 ㈱中岡組 (ジョーコーポレーション)入社
 マンション担当役員→常務執行役→管理会社代表を歴任
 平成21年 ㈱NYホーム起業
 令和2年 ㈱南洋建設 代表兼任
 令和4年 ㈱たんぽぽ不動産起業

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR